JOOR:関税による価格上昇後、米国外のファッション仕入れが回復 - FashionNetwork 日本 - Moe Zine

掲載日

2025年11月10日

米国の関税は今年、ビジネス界の見出しをほぼ独占する最大級の話題となってきましたが、新たな報告書によれば、米国外の市場ではそれに慣れつつある様子がうかがえます。

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オンライン卸売の専門企業であるJOORは、同社のデータから、新関税に伴う値上げの後、米国を除く地域でのファッションの仕入れが第3四半期に持ち直したことが示されていると述べています。

同一小売業者ベース(前年比)での取引データでは、第2四半期の仕入れは世界全体で5%減少しました。しかし、米国外の小売業者は第3四半期に反発し、仕入れは前年同期比で18%増となりました。

第3四半期に発注が大きく伸びた主な海外市場は、イタリア(40%増)、ドイツ(29%増)、韓国(29%増)、英国(22%増)でした。

一方、JOORによれば、米国では同様の購買マインドは見られず、第3四半期の小売業者による仕入れは最大で10%の減少が続いたといいます。

米国は4月に大幅な追加関税を発表し、これが世界的な買い控えを招きました。JOORによると、今年は第1四半期から第2四半期にかけて卸売価格が世界全体で約5%上昇したのに対し、通常の四半期ベースの上昇率はおおむね0.6%にとどまるとしています。

価格上昇はなお続いています。最も大きな伸びは第1四半期から第2四半期にかけてでしたが、第3四半期にもさらに0.5%の上昇を記録しました。数値自体は小さいものの、過去3年間では第2四半期から第3四半期にかけての価格がほぼ横ばいか下落していたことを踏まえると、注目に値します。

同社が4月に実施したグローバル調査では、85%のブランドが関税コストの一部または全部を価格引き上げで転嫁する計画を示しました。小売業者については、米国拠点の96%、米国外の82%が、関税コストを受けて価格を引き上げる見込みだと回答しました。

JOORのマーケティング担当SVPであるアマンダ・マコーミック・バカルは、次のように述べています:「今年は世界のファッション業界にとってとりわけ波乱の年となり、小売業者は購買戦略を大きく見直すことを余儀なくされました。第2四半期には大幅な価格上昇の中で世界的な購買が減少しましたが、当社の最新データでは、第3四半期に米国外の小売業者による購買が自信を取り戻して回復したことが示されています。これはファッション業界にとって歓迎すべき動きです。」

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