女性アイドルグループ・RAYが、10月1日(水)に4thアルバム『White』をリリースします。
これまでも、流行のアイドルソングとは異なるオルタナティブな魅力を持った楽曲で、地下アイドル好きもコアな音楽ファンもまとめて驚かせていたアイドル・RAY。
今回の新アルバムも、そんなRAYの魅力が爆発した一枚になりそうです。
“シューゲイザー御三家” RIDEのマーク・ガードナーが楽曲提供
RAYの4thアルバム『White』は、全12曲を収録。活動初期からRAYが主軸にしていたシューゲイザーサウンドだけではなく、様々なバンドサウンド/エレクトロサウンドを吸収した縦横無尽な音楽性が特徴の一枚です。
RAY 4th ALBUM『WHITE』ジャケット
そして、その音楽性を貫くシューゲーザーサウンドをより強固にするのはリードトラック「Bittersweet」を制作したシューゲイザーバンド・RIDEのマーク・ガードナーさん(Gt,Vo)。
RIDEは、1988年にイギリスのオックスフォードで結成されたバンド。日本ではMy Bloody ValentineやSlowdiveと並んで「シューゲイザー御三家」と紹介されることもあります。
インディーシーンでシューゲイザーが再ブームに?
轟音と浮遊感、そして儚さを重要なモチーフにした音楽ジャンル・シューゲイザーは、80年代後半から90年代にかけてムーブメントが起こりました。
近年は、Z世代を中心に本ジャンルを再評価する動きが見られており、RAYの他にもインディーズシーンでは様々なバンドやアイドルがシューゲイザーの楽曲を発表し、盛り上がりを見せています。
2025年3月には、シューゲイザーを題材にした漫画『シューゲイザーの彼女』が漫画アプリ・マンガボックスで連載開始。音楽ファンを中心に話題を集めました。
シューゲーザー界のレジェンドからの楽曲提供に、音楽ライターとしての一面を持つメンバーの内山結愛さんはXで、「RIDEにRAYの音楽を作ってもらえる日が来るなんてね………嬉光栄泣」とコメントを寄せています(外部リンク)。
“極北を目指すオルタナティヴアイドル” RAY
RAYは、「極北を目指すオルタナティヴアイドル」をキャッチコピーに活動する女性アイドルグループ。
2019年5月1日は活動開始。現在は内山結愛さん、琴山しずくさん、月海まおさん、紬実詩さんの4人体制で、東京を中心に活動中です。
バンド/エレクトロ/伝統音楽を問わず様々な音楽ジャンルを縦横無尽に融合した楽曲をアイドルパフォーマンスに落とし込む活動は、インディーアイドルファンだけではなく音楽好きからも俄かに注目を集めています。
YouTubeで最も再生されている楽曲「バタフライエフェク」
エッジの効いた鋭い音楽でパフォーマンスを行いつつも、アイドルらしいキラキラとした可愛らしさは健在。
大喜利に挑戦するイベントを開催したり、ライブハウスで花見をしたり、ゲーム実況をしたりとライブ以外から見えるキャラクターも魅了のひとつです。
シューゲイザーという音楽ジャンルは元々、ステージ上でうつむき、靴(シュー)を凝視(ゲイズ)するかのような姿勢で演奏する姿から名づけられたとされるものです。そういった背景から「シューゲイザーって暗い音楽なんでしょ?」と思っている人はRAYのキュートでポップなアイドル性に驚くかもしれません。
マイナーなジャンルを聴くきっかけにもなるのがアイドルの魅力。少々取っつきにくいかもしれませんが、一度聴いてみたら、そのポップさに驚くこと間違いなしです。
なお、RAYは、8月31日(日)にSHIBUYA WWWXで“アイドルとバンドの壁を壊す”ことをコンセプトにしたライブ企画「Destroy the Wall」の開催も控えています。
タナカハルカ
地下アイドル現場でデカい声を出すことを生業にしているライター/編集者。インディーゲームの開発もしているよ。
【著書】海外ゲーム音楽ガイドブック ビデオゲームからたどる古今東西の音楽(DU BOOKS)/楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考(双葉社)