ヴィヴィアン・ウエストウッド初のブライダルファッションショーが開催。アンドレアス・クロンターラーが語る、亡き妻との思い出 | Vogue Japan - Moe Zine

コルセットはこのブランドのブライダルコレクションのシグネチャーとなる要素だが、ほかにもファスナーや交換可能なスカート、取り外し可能なトレーンなどのディテールを取り入れることで、着心地と柔軟性にも重点を置いている。「メインのトップはかなり構造的で複雑なものですが、スカートは簡単に変えることができ、銀行口座が破綻するほど(高額)でもありません。でも、それによってルックはがらりと変わるんです」とクロンターラーは言う。「私はいつも、こういうちょっとしたオリジナリティが好きです。ドレープもかっちりとさせず、少し動きを持たせています」

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Photo: Getty Images

ランウェイプレゼンテーションや大規模なトレードショーが数日間にわたり行われるバルセロナ・ブライダル・ファッション・ウィークでヘッドライナーを務めることを決めたのは、ヴィヴィアン・ウエストウッドのブライダル部門にとって大きな一歩となったようだ。「チャレンジではあるけれど、ここでは一分一秒が楽しい」とクロンターラー。「こうして常に白に囲まれた世界にいると、どうすればユニークなものになるか、本当に集中して考えなければなりません」

ショーのラインナップをまとめるにあたっては、より商業的なデザインと、プレゼンテーションを盛り上げるステートメントルックのバランスを取ることが鍵となった。「もちろん、これはファッションショー。いわばファンタジーです」と彼は付け加える。「でも同時に、現実的なものも取り入れようとしました」

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

コレクションでは、クラシックなホワイトをふんだんにフィーチャーしながらも、淡いピンクやヴィヴィアン・ウエストウッドの歴史を通して使われてきたバラのプリント、そして“サムシング・ブルー”のアクセントも添えた。「淡い色を使うのは美しいと思いますが、人それぞれ肌の色は違いますし、時にはローズのような色合いを取り入れるのも素敵です」とクロンターラー。国際色豊かな顧客のなかには、自国の伝統に合ったカラーをリクエストする人もいるという。

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

また、モダンな花嫁のためにデザインされたテーラードルックも多数あった。「すごくマニッシュなスーツもあります。彼のジャケットを盗むという発想から生まれました」とクロンターラーは茶目っ気たっぷりに笑う。さらにキャスティングにおいては性別に関係なくモデルを起用し、クロージングにはクロンターラー自身も登場。テレビアニメ「ザ・シンプソンズ」のTシャツに床につくほどの長さのスカート、白いヴェールにフローラルモチーフをあしらったショールを合わせた姿でショーを締めくくった(ちなみにこの前日、クロンターラーは「男の子にウエディングドレスを着せてもいいかもしれない」とほのめかしていた)。

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

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Photo: Courtesy of Vivienne Westwood

大半のルックはショーのために制作された新作だったが、クロンターラーはインスピレーションを得るためにブランドの膨大なアーカイブにも手を伸ばした。オープニングのガウンは、亡き妻ヴィヴィアンが1995年の「Vive la Cocotte」コレクションで発表したドレスを再現したもので、画家フランソワ・ブーシェのロココ絵画「ポンパドゥール夫人」をモチーフにしている。「ヴィヴィアンが愛したものでありますが、私が愛したものでもあります。私たち二人ともが一緒になってひどく愛したものなのです」とクロンターラーはその思い入れを語る。「絵画のなかであんな姿をした女性はいません。人類史上最も美しいドレスです」。この有名な作品は、ヴィヴィアンのお気に入りの美術館だったロンドンのウォレス・コレクションに飾られている。

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