「パパは声優になる夢を邪魔するの?」40歳無職娘に1000万円超投じた年金暮らし親の貯蓄2600万円は風前の灯火 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) - Moe Zine

畠中 雅子

ファイナンシャルプランナー

年金暮らしの70代の両親は40歳の娘と同居している。働いたことがない娘の生きがいは、声優になること。20歳の頃からその習い事に通っているが、月5万円以上かかる。家計も年100万円以上の赤字で、2600万円ある貯蓄が底を突くのは時間の問題。絶体絶命の危機を乗り越えるためにFPの畠中雅子さんが授けたアイデアとは――。



小5から不登校気味に…無職のまま40歳の娘

首都圏に住む水谷家(仮名)には、40歳になる娘・一江さん(仮名)がいる。一江さんは学生の頃、広汎性発達障害と境界知能だと診断された過去がある。小学生のときは普通学級に通ったが、勉強ができないことでいじめに遭い、小学5年生頃からは徐々に学校には通えなくなった。


中学は支援学級に通うが、支援学級にも通学できたり、できなかったり。高校は支援学校に進学はしたものの、年に数回程度しか通学できず、ほとんどの時間を家で過ごしてきた。学校に行くように促すと、大きな声を出して暴れることが多かったので、次第に親のほうも、通学を促すのを諦めるようになっていった。


一江さんが家で過ごす時間は、アニメに没頭。録画したテレビ番組を何度も繰り返して見たり、近年ではサブスクでアニメを楽しんだりしている。


習い事に関する費用が月に5万~6万円

アニメが生きがいの一江さんは、19~20歳頃、「声優になりたい」と言い出した。「自分は勉強ができない」「友達もいない」「だけど、アニメを見ているときは幸せな気分になれる」「だから、自分も声優になって、他の人を幸せにしたい」というのが、声優を目指した理由だそう。家に引きこもり気味の娘から、「声優になりたい!」と望まれた両親は、声優になれるとは思っていなかったものの、“娘の挑戦”を応援することにした。


声優になるために専門学校への進学も検討したが、他のお子さんと同じようなカリキュラムを受けるのは難しいという判断から、親子でさまざまなスクールや講座を探し、受講してきた。それは、声優になるための講座だけではなく、声楽や歌(ボーカル)のレッスン、それにダンスのレッスンなどに通った時期もある。現在も、声楽や歌の個人レッスンを受けており、一江さんの習い事に関する費用が月に5万~6万円くらいかかっている。


スタジオでボーカルを録音する若者たち

写真=iStock.com/visionchina

※写真はイメージです


【家族構成】

父 73歳

母 74歳

長男 45歳

長女 40歳

※長男は独身だが、ひとり暮らし

【収入・資産状況】

父親 公的年金 月18万円、個人年金 月4万円(80歳まで)

母親 公的年金 月6万円

月合計 28万円

貯蓄

父親 1880万円

母親 570万円

長女 230万円

合計 2680万円


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