TOGA 2026年春夏コレクション - 平凡な服に宿る個性 - ファッションプレス - Moe Zine

TOGA(トーガ)の2026年春夏コレクションを紹介。

平凡な服に宿る個性

「ORDINARINESS, MEDIOCRITY, VERSATILITY(平凡さ、凡庸さ、汎用性)」と題した今季、デザイナーの古田泰子は「どうしたら単純なものを個性的にできるか」という点に思考を巡らせた。出発点となったのは、ポップアートの巨匠と言われる彫刻家、クレス・オルデンバーグのインタビュー番組だ。

アイスクリームやのこぎり、スプーンなど日常のありふれた物を超巨大に複製したインスタレーションで知られるクレス・オルデンバーグ。モチーフとなるのは平凡なものだが、それらを引き延ばし、巨大化することで人々の心をくすぐる“意外性”を生み出している。今季のTOGAも、ベースとなるのはごくシンプルなアイテム。だがそこにフォルムの変化を加えることで、“平凡”な服に個性を宿している。

取り外し可能なパネルでフォルムを変化させて TOGA 2026年春夏コレクション - 平凡な服に宿る個性|写真1

たとえばファーストルックに登場したミニ丈のポロワンピースは、スカート部分にラッフル状のパネルをあしらい、ミニマルな佇まいに意外性をプラス。控えめに波打つのこのパネルは、スカートやショーツなどボトムスの随所にあしらわれ、キーピースとしてコレクションを彩った。ボタンで取り外すことができ、様々な用途に対応できる“汎用性”も備えている。

“袖を捲り上げる仕草”から着想したスリーブデザイン TOGA 2026年春夏コレクション - 平凡な服に宿る個性|写真27

トーガ流の軽やかなユーモアは、「普段見逃しそうな仕草」に着目したというディテールにも見て取れる。シャツやブラウスには“袖を捲り上げる仕草”をパターンとして落とし込み、くるんとめくれたようなスリーブデザインを採用。タックパンツの裾も折り返し、プレイフルな花柄をちらりと見せている。

海のモチーフを取り入れたセーターやバッグ TOGA 2026年春夏コレクション - 平凡な服に宿る個性|写真21

春夏シーズンらしい、海のモチーフが散見されたのも印象的だ。スイムウェアを思わせる素材のボディスーツをはじめ、貝殻やサンゴのチャーム付きチェーンがじゃらじゃらと揺れるセーター、ビーチサンダルとクリアサンダルがドッキングしたシューズなどが登場。カラフルなマクラメ編みのバッグは、クリアなトートバッグのインナーバッグとして使用し、軽快なビーチルックのエッセンスをもたらしている。

70年代ヴィンテージプリントで温かさを TOGA 2026年春夏コレクション - 平凡な服に宿る個性|写真7

70年代のヴィンテージの壁紙からインスピレーションを得たプリントが、コレクションにノスタルジックな温かみを添えている。淡いブルーの小花柄ブラウスや、深いグリーンの木を描いたシャツ、やさしいイエローの花々が揺れるミニスカートなど、どこか懐かしさを感じさせるピースでモードな雰囲気を中和させた。

イギリス発音楽ラジオ局「NTS」とコラボ TOGA 2026年春夏コレクション - 平凡な服に宿る個性|写真6

またランウェイには、音楽好きの古田ならではのコラボレーションも。イギリス発の音楽ラジオ局「NTS」のボックスロゴをフロントに配したタンクトップが披露された。2026年春には、「NTS」とのカプセルコレクションも発表される予定だという。

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