当たり前すぎて何も思っていなかったのですが、改めて話すと、特に若い世代には驚かれるので皆さんにもお伝えしようと思います。ファッション・ウイークにおける人種差別の話です。
ショーが終わると、「WWDJAPAN」の記者の多くはバックステージに駆け込みます。デザイナーに直接話を聞くことに意味があるからです。
ところが、デザイナーに会うのは、容易ではありません。まず突破すべきは、バックステージの入り口にいるセキュリティという壁。そこを突破すると、今度は各ブランドの本社で働くPRマネジャーやディレクター、もしくはPRエージェントという壁。いずれも“顔なじみ”になること、彼らの信頼を勝ち得る記事や関係性づくりが大事なのは言うまでもありませんが、今なお比較的白人、もしくは欧州と米国の媒体に支配されている空間です。ゆえに私たちのようなアジア人であり、日本の媒体で働く記者には、特に2つ目の壁が高くそびえています。せっかく早く来ても壁の前でいつまでも待たされ、上述の“顔なじみ”、つまり白人や、欧州と米国の媒体で働いている人たちに次々と抜かれてしまうのです。結局デザイナーに話を聞けなかったり、途中から参加したりのケースは日常茶飯事。先日も、とあるブランドの囲み取材に参加しましたが、事前に参加を許された19人のうちアジア人は2人、日本人は私1人(もう1人は、韓国人)でした。改めて壁の存在を感じつつ、私の参加を本国から勝ち取ってくださったジャパン社のPRには感謝です。
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