グルテンフリーや植物由来、ホールフードを意識した食生活を送っている人なら、“キヌア”のパワーをすでに実感しているかもしれない。2000年代半ばにオプラ・ウィンフリーが“お気に入りのスーパーフード”として紹介して以来、その人気は世界中に広がり、いまや朝食ボウルからベジバーガーまで、さまざまなメニューに活用されている。
それもそのはず。南米ペルー原産の花が咲く植物の種子であるキヌアは、約4,000年前から栽培されてきた歴史を持つ“真のスーパーフード”。栄養価が高く、食物繊維が豊富で、抗炎症作用と抗酸化作用を兼ね備えているため、腸内環境を守りながら細胞の修復をサポートしてくれる。
さらに特筆すべきは“完全タンパク質”であるという点。つまり、私たちの体内で合成できない必須アミノ酸9種すべてをバランスよく含んでいるのだ。代謝や脳の働き、免疫力の維持に欠かせないこれらの栄養素を、植物性食品からしっかり摂れるというのは、ヴィーガンやベジタリアンにとっても心強い。
ハーバード・ヘルスによれば、キヌア1カップあたり高品質のタンパク質が8グラム、食物繊維が5グラム含まれており、マグネシウム、リン、銅といったミネラルも豊富とのこと。
キヌアが“長寿のプロ”たちに選ばれる理由とは?
キヌアの栄養価の高さは、ハーバード大学だけでなく、世界中の専門家たちが注目している。アンチエイジング医療を専門とするヴィセンテ・メラ医師は、「キヌアはグルテンフリーなだけでなく、低GI食品であり、神経系のバランスを整えるビタミンB群、鉄分、カルシウムの優れた供給源です」とその利点を強調する。
そのほかの栄養のプロたちも、キヌアに太鼓判を押している。著書『The Food Babe Way』の中で、作家のヴァニ・ハリ氏はペルーのキヌア農場を訪れた際のエピソードを紹介。「毎日キヌアを食べている95歳の母は、自分よりも若く見えるんです」と語った農家の男性の言葉が印象的だったと記している。