ビューティフルピープル(beautiful people)の2026年春コレクションを紹介。
独自のデザインアイデア「ハウスコード」を鍛錬し、磨き上げる
2025年秋冬コレクションに続き、「ハウスコード」をテーマに掲げた今季のビューティフルピープル。ハウスコードとは、ビューティフルピープル独自のユニークなパターンメイキング&デザイン手法のこと。1着で上下・前後逆の着こなしを楽しめる「ダブルエンド」や、洋服内部に隠れている空間に着目する「サイドシー」を筆頭に、20以上におよぶハウスコードがブランドの基盤となっている。
今季は、これまでに登場したハウスコードをなぞり、磨き上げながら、改めてブランドの根幹に立ち返るコレクションを展開。定番のアイデアを盛り込みつつ、透け感のある軽やかな素材使いで春の気配を漂わせた。
マルチな着方を秘めた構造
まず注目したいのは、1つの洋服に複数の機能を付与するアイデア。たとえばアルファ インダストリーズ(ALPHA INDUSTRIES)とタッグを組んだミリタリージャケットには、上下・裏表を反転させて着用できる「ダブルエンド」の手法を落とし込んだ。上下と表裏を行き来することで、カモ柄のフィールドジャケットやカーキのウェザージャケットなど、計4通りの着方を楽しめる。
このほかにも、上下逆にすると半袖Tシャツになるキャミソールや、頭を通す位置によりシルエットが変化するカットソーなどが登場。シンプルな見た目の中にマルチな着方を秘めた構造で、ビューティフルピープルらしい遊び心を光らせた。
気品を漂わせるセンシュアルな肌見せ
多機能でありながら無骨さやタフさを感じさせないのは、センシュアルな肌見せによるものだろう。ざっくりとした編み目のローゲージニットから素肌を覗かせたルックや、ビスチェ1枚をヘルシーに纏ったルックが、気張らないナチュラルな抜け感を演出している。ワコール メン(WACOAL MEN)とのコラボレーションによるジェンダーレスのレースウェアもまた、コレクションに繊細で柔らかなムードをもたらした。
レザー&デニムを上品に昇華
ブランドの主軸であるレザーやデニムアイテムは、カジュアルダウンしすぎない絶妙な塩梅を探求。たとえば、シボ感のあるオーバーサイズのライダースジャケットにはホルターネックにアレンジした花柄のスカーフを忍ばせ、女性らしさを秘めた甘辛ミックスコーディネートに。色褪せたヴィンテージ風のデニムハーフパンツは、タックを寄せることで上品な佇まいに昇華した。
“過剰な機能”を搭載したシューズやバッグ
コレクションに華を添える小物類にも目を向けたい。特に存在感を放っていたのが、「オーバーエンジニアリング」というハウスコードを取り入れたスイコック(SUICOKE)とのコラボレーションサンダルや、サンダルと同じハウスコードのバッグ。ハンドクラフトで編み込んだストラップや大小様々なポケットといった“過剰なまでの機能”を搭載することで、装飾的なデザインに見せているのがユニークだ。