TVアニメ『TO BE HERO X』で卓越した能力を持つクイーン役を演じ、光を放つかのような透明感も眩しい、声優の花澤香菜さん。今回は、作品の魅力について語っていただきました。
【写真】花澤香菜さん
花澤さんに聞いた! TVアニメ『TO BE HERO X』一問一答
Q.花澤さんにとってのヒーローとは?
「そうですね、私にとって身近なヒーローは祖母なんです。80代になった今でもすごく元気で。『地味なパジャマは寂しいから』と言ってスパンコールを縫い付けたり、いつもキラキラのカチューシャをつけて出かけたりと、とてもお洒落でパワフルな人なんです。犬の散歩のときも歌いながら踊っています(笑)。どんな時も楽しそうにしているんですよ。この前一緒にランチに行ったときは、昼間からカルビを食べていました。もう80代なのに! 私はその横でユッケジャンスープを飲みながら、『すごいな~』と感心しっぱなしでした(笑)。そんな私に祖母が『香菜にもそのポテンシャルはあるのよ』と教えてくれて。その言葉がずっと心に残っていたので、後日ジンギスカンを食べに行った際に、『私もいけるよね!』と自分に言い聞かせながら、ちょっとチャレンジしてみたら、食べすぎてしまったのか、翌日少し体調を崩してしまって。そのとき、『私はまだまだヒーローにはなれないなぁ』と思いました(笑)。元気や前向きな気持ちをくれる祖母は、私にとってまさにヒーローのような存在だと感じています」
Q.花澤さんが“誰かにとってのヒーローになれた”と思った瞬間は?
「自分が誰かにとってのヒーローになれているのかどうかは、正直まだ分からないんです。でも、最近、“任せてもらえること”が増えてきたなと感じていて。仕事の現場でもプライベートでも、『香菜ちゃんなら大丈夫だよ』という雰囲気でお願いされることがあるんです。信頼されているのかなと思いつつ、『試されているのかな……?』と考えてしまうこともあるんですけど(笑)、それでも“任せたい”と思っていただけることは、とてもありがたいなと思っています。声優としてキャリアを重ねるにつれて、少しずつですが、そういう信頼を形にできるようなお芝居ができてきているのかな、と感じることもありますし、そういった役をいただく機会も増えてきたように思います。そんなときに、『もしかしたら、少しだけでも誰かの支えになれているのかもしれないな』と思うことがありますね」
Q.もし特殊能力が持てるなら?
「瞬間移動の能力があったらいいなと思います。遠くの場所に行きたいとかではないんですけど、もし瞬間移動ができたらアフレコ現場に突如現れて、みんなを惑わせたいです(笑)」
Q.アフレコ現場で印象的だったエピソードは?
「いろんなヒーロー像に触れられたのが印象的でした。ジャパンプレミアでも感じましたが、それぞれが演じるキャラクターにすごく個性があって、『あ、この人がこんな役をやるんだ!』という新鮮な驚きがありました。特に、宮野真守さんは『我がXぞ!』という雰囲気を最初から作ってくださっていて、その空気感がすごく面白かったです。お芝居の中で『こうきたか!』みたいなやり取りがあって、それに対して自分がどう応えるか、現場ならではの緊張感と楽しさがありましたね」
Q.作品の見どころを教えて!
「今回の作品では、“ヒーロー”というテーマを軸にしながらも、それぞれのキャラクターがすごく個性的で、いろんなヒーロー像が描かれているところが見どころだと思います。誰かを守ることだったり、自分の意思を貫くことだったり、ひとくちにヒーローといってもそのあり方はさまざまで、そこがとても魅力的。私が演じたキャラクターも、小さい頃から『こうありたい』という気持ちをずっと持ち続けている子で、その芯の強さやブレなさは、演じていてすごく惹かれる部分でした。と同時に、ちょっと照れ屋な一面や、人に見せないような可愛らしさもあって……そういうギャップも楽しんでいただけたら嬉しいです。また、アフレコ現場では共演者のみなさんの演技にもたくさん刺激をもらいました。それぞれのキャラクターがぶつかり合ったり、支え合ったりする中で、人としての成長や感情の揺らぎも丁寧に描かれていて、見てくださる方にもきっと刺さる場面がたくさんあると思います」
撮影/向山 裕信(Cheek one) ヘア&メイク/鈴木智香(A.K.A.) スタイリスト/山本香織 取材・文/佐藤 梓 構成/奈良彩花(MAQUIA)