櫻坂46、3期生の石森璃花が座長を務めた〈12th Single BACKS LIVE!!〉を開催(CDJournal) - Yahoo!ニュース - Moe Zine

 櫻坂46が〈BACKS LIVE!!〉を実施するのは、今年3月上旬に武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(現・京王アリーナTOKYO)で行った〈11th Single BACKS LIVE!!〉以来約4ヵ月ぶりのこと。4月下旬から敢行中の全国ツアー〈5th TOUR 2025 “Addiction”〉のアリーナ公演から間髪を入れずに、「港区パセリ」で2度目のBACKSセンターを務める3期生・石森璃花を中心とした10名が、夏の暑さにも負けぬパワフルさでステージを展開。10日の公演はインターネット配信も実施され、多くのBuddies(櫻坂46ファン)を圧倒しました。

[ライヴ・レポート]
 「Overture」に続いてステージに登場したのは、本公演座長の石森。笑顔の印象が強い彼女だが、ここでは無機質なエレクトロサウンドに乗せて、クールな表情でソロダンスを披露する。続いて、メンバーが1人ずつさまざまな場所から登場し、最後にステージ上に全員集結して横一列に整列すると、石森の「いくよ?」を合図にライブは「港区パセリ」からスタート。ダイナミックさの中に艶やかさをにじませたパフォーマンスで、早くもBuddiesを魅了する。曲終盤のブレイクパートでは、それまで笑顔を封印していた石森が不適な笑みを浮かべる場面もあり、会場は早くもクライマックスのような盛り上がりを見せた。

 「油を注せ!」ではセンターの武元唯衣を中心に、『BACKS LIVE!!』を通じて成長を遂げたこの曲とともにギアを上げる。会場が真っ赤なペンライトで染め上げられる中、ラストサビではT字を型取った花道を駆け抜けて観客の近くまで接近。続く「Dead end」では小島凪紗がセンターを務め、「お前らかかってこい!」の雄叫びに合わせて会場が熱狂の渦に包まれていく。かと思えば、遠藤理子がセンターに立つ「美しきNervous」では可愛らしさを強調したパフォーマンスで観る者を魅了してみせた。

 最初のMCでは座長の石森が「私は今日この『BACKS LIVE!!』を2025年夏の始まりにしたくて。私的に夏ってちょっぴり開放的になれる季節なので、今日は思い切り自分を開放して、たくさん声を出して、一緒に楽しいライブを作れたらいいなと思います!」と宣言。その後、遠藤光莉がセンターに立ちクールさを全面に打ち出した「恋が絶滅する日」で会場の熱気も再び高まっていく。その後、井上梨名を中心に遠藤光莉、石森の3人が「ジャマイカビール」で前曲の空気を引き継ぐことに。その一方で、「標識」では増本綺良を筆頭に幸阪茉里乃、遠藤理子、小田倉麗奈が、激しさの中にも繊細さが垣間見えるダンスで観客を惹きつける。

 ユニット曲2曲を歌い終えると、大沼晶保の「暗闇の中から失礼します」という言葉に続いてメンバーが2階スタンド席通路に登場。「Anthem time」を披露しながらスタンド席のBuddiesに向けて、笑顔を振りまいていく。会場が大いに温まったあとは、井上を中心に据えた「確信的クロワッサン」でさらに一体感を高め、石森をセンターに迎えたポジティブさの際立つ「ULTRAVIOLET」で客席の熱気は急上昇していった。

 その後のMCでは、井上がリハーサル期間に小田倉と距離を縮めたエピソードや、増本の問いかけに観客が「ワンワン!」と返すコール&レスポンスで場を和ませる。そして、大沼、武元、小島によるユニット曲「恋は向いてない」でライブは後半戦に突入。3人が作り上げた大人の空気感が充満する中、印象的なピアノフレーズで会場の雰囲気は再び一変。増本センターによる「何度 LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう」では彼女のピュアさがダイレクトに表現され、フロアのボルテージは急上昇していく。かと思えば、「もしかしたら真実」では切なさの強調されたサウンドに、井上をはじめとするメンバーの憂いに満ちた歌声が重なる。

 青い照明と海を思わせる映像を背に、幸阪がひとり優雅なダンスを披露すると、背景に青い月が浮かび上がり、そのまま「ブルームーンキス」に突入。サビに入る前の幸阪「あ、キスしちゃった」「あ、こんなに好き」のセリフでは大歓声が上がり、会場のボルテージもさらに高まっていく。また、小田倉がセンターを務める「Cool」ではぴょんぴょん飛び跳ねる動きや、両手で髪を握るアクションなどで観客の視線を釘付けにする。さらに、メンバーそれぞれのカラーが強く打ち出されたダンスパートを経て、センター小島の伸びやかな歌声が印象的な「泣かせて Hold me tight!」でBuddiesの盛り上がりは最高潮に到達した。

 本編最後の曲に入る前、座長の石森は「今回の『BACKS LIVE!!』は10人という史上最小人数なんですけど、この人数になっても2日間、いっぱいの人が来てくださって、配信で見てくれる人がいると思うととても嬉しく思います」と挨拶をする。そして、「『BACKS LIVE!!』は毎回その回だけの特別なメンバーですし、そして今日こうして集まってくれた皆さんと一緒にライブをできたことがすごく嬉しいです。私もメンバーのいろんな一面をまた見つけられたり、私もまだ知らないことがたくさんあったりして、もっともっとメンバーのことが好きになりました。こうして応援してくださる皆さんがいるからライブができることもすごく嬉しくて、今日ここに皆さんが集まるのも奇跡みたいなことですし、そういう一つひとつの瞬間を大切にしたいなと改めて思いました」と正直な思いを告げると、誰かのことを思う強さや優しさを表現したミディアムナンバー「君のことを想いながら」を感情たっぷりで歌い上げ、ライブ本編を締め括った。

 アンコールではライブTシャツに着替えたメンバーが再び2階スタンド通路に登場し、「タイムマシーンでYeah!」で会場を笑顔いっぱいにしてみせる。このサプライズにBuddiesも喜びを隠せない様子で、この日一番の声援をメンバーたちに送った。

 最後のMCでは小島や幸阪、小田倉が2日間を振り返りつつ、「ブルームーンキス」や「港区パセリ」での印象的な場面を紹介。笑いの絶えないトークが繰り広げられる中、石森が「ライブってこちら側から何か伝えると思われがちなんですけど、私たちも皆さんと一緒に本番をすごく楽しみにしていました。それは、皆さんの顔や声、日頃の熱い声を私たちが受け取れる場だから。今日も全身で皆さんのパワーを受け取って、本当に終わりたくないくらい楽しいライブでした」と告げた。そして、メンバーからラストナンバー「I’m in」を通じてメンバーとBuddiesの強い絆を確認したところで、ライブは終了した。

 今回のBACKS LIVE!!は、メンバーとBuddiesとの一体感を強く意識したセットリストや演出が光ったように思える。石森の言葉にもあるように、メンバーが一方的にパフォーマンスするだけではなく、まさにBuddiesのことを“想いながら”ステージに立っており、そしてその想いに応えるようにBuddiesもしっかりと愛を返す。音楽を介したコミュニケーションがしっかりと生まれていたように感じた。

 ライブは本来ここで終了する予定だったが、さらなるアンコールを求める「櫻坂46コール」はさらに大きさを増していく。すると、再度ステージに姿を現した10人は「港区パセリ」をプレゼント。メンバーもオーディエンスも残りの力を振り絞りながらこの一瞬を楽しんだところで、『12th Single BACKS LIVE!!』はフィナーレを迎えた。

 BACKSメンバーそれぞれの新たな魅力をじっくり伝えつつ、実に彼女たちらしい形で「櫻坂46のライブの強さ」を見事に提示した今回の『12th Single BACKS LIVE!!』は、『5th TOUR 2025 “Addiction”』終盤戦となる東京ドーム&京セラドーム大阪のドーム5days公演へのいい景気付けとなったことだろう。この経験を糧に、この夏どんな活躍を見せてくれるのか。今後も注目していてほしい。

文 / 西廣智一
写真 / HannaTAKAHASHI
樋口隆宏

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