ビューティブランド「アーレス(AHRES)」が、右肩上がりの成長を続けている。2022年12月の立ち上げ以降、百貨店を中心に販路を広げ、現在は国内で7店舗を展開。25年4月には、約1年半にわたりポップアップ展開していた阪急うめだ本店に常設店を開設した。同店3階の「ビヨンドワールド」内に位置し、ブランドの認知向上と売上増につながっている。
アジア市場への本格展開も進める。24年には、台湾の10/10グループが展開するセレクトショップ「10/10 HOPE」と「10X」の計7店舗で取り扱いを開始し、ECも展開。25年6月からは香港の「10/10 HOPE」4店舗およびECでも販売を開始した。今後もアジア圏を中心に海外展開を拡大する方針だ。
“ザ リップ”(3種、各5500円)
“ザ リップ”(3種、各5500円)
“ザ リップ”(5500円)
“ザ リップ”(5500円)
国内においては、訪日観光客による売り上げが堅調だ。旗艦店の表参道店では、来店客の6〜7割がインバウンド客で、特に中国、台湾に加え、アメリカ、ロシア、アラブ諸国の訪日客も増加している。大阪高島屋店も訪日客による売上構成比が高く、「“尖った”ジャパンビューティブランドとして高評価を得ている」(小野地貴志ゼネラルマネージャー)と、自信を見せる。
顧客は男女問わず広がっており、購入比率は女性7割、男性3割。女性はスキンケア製品、男性はフレグランスからのエントリーが多いという。売れ筋はクレンジングや、フレグランスの“サユ”が人気を集めており、3月に発売した“ザ リップ”(3種、 各5500円)も順調な滑り出しとなっている。
酒粕を用いた新製品で“土壌美容”を体現
化粧水“PÅWN/ポーン”(300mL、9900円)
化粧水“PÅWN/ポーン”(300mL、9900円)
「アーレス」が掲げるのは、“ニュージャパンラグジュアリー”という価値観だ。日本古来の素材や文化を現代的に昇華させた製品開発を進めており、9月には新たな象徴となる化粧水“PÅWN/ポーン”(300mL、9900円)を発売する。
同製品は、神奈川・茅ヶ崎の老舗酒蔵・熊澤酒造の酒粕を使用し、3年以上熟成させた後に再度酵母で発酵させた独自の“二段仕立て熟成発酵液”を配合。「アーレス」が提唱する「土壌美容」理論に基づき、肌の常在菌が快適に過ごせる潤い環境を素早く整えるという。
今後も「アーレス」は、スキンケア、フレグランス、メイクアップの3カテゴリーで独自性を追求しながら、国内外でのブランド価値向上を図る。ジャパンビューティの新たな形として、アジアを起点に世界市場でのプレゼンス拡大を狙う。