“ドクダミ”シリーズ
韓国のスキンケアブランド「アヌア(ANUA)」は、ブランド誕生から5年を迎えた2024年に売上高が400億円を突破。日本市場でもKビューティの新興コスメブランドにおいて年間売り上げ1位(24年1月1日〜12月31日の累計売り上げ、美顔器などの美容機器を除いたコスメ製品のみ、「アヌア」調べ)を記録した。化粧水“ドクダミ77スージングトナー”(250mL、2500円)は2023年下半期から、「WWDBEAUTY ベストコスメ」総合 化粧水部門 バラエティー・ドラッグストア1位を連覇している。本記事では、今注目の「アヌア」を深掘りする。
「アヌア」について
ブランドロゴ
「アヌア」は、19年4月に韓国で誕生したスキンケアブランド。スタートアップ企業のザ・ファウンダーズ(THE FOUNDERS)が創設した。19年11月に米国と日本へ進出。現在160カ国以上で販売し、売り上げ全体の85%以上を海外市場が占めている。韓国・日本・米国市場の強化と安定化を継続しながら、今後はヨーロッパと中東アジアへの展開にも注力し、売上高1000億円を目指しているという。
「アヌア」というブランド名は、2つのAが「Ask(尋ねる)」と「Answer(応える)」を意味し、顧客の声に耳を傾け、的確な解決策を提供する姿勢を表している。NとUは、数学の概念である「交差」と「和集合」に由来し、肌への「優しさ」と「効果実感」を両立させるブランド理念を象徴している。
主力製品
“ドクダミ77スージングトナー”(250mL、2500円)
「アヌア」の製品は、ブランド理念「優しく。強く」を表す2つのラインに大きく分けられる。自然由来の「優しい」ラインと皮膚科学に基づいた「強い」ラインだ。前者には、保湿・鎮静にアプローチする“ドクダミ”、水分チャージの“シラカバ”、キメのケア・美白を目指す“桃”、保湿・肌バリアケアへ導く“ライス”が含まれる。第1弾として登場した“ドクダミ77スージングトナー”は累計2000万本(累計販売本数、19年2月〜25年5月)を記録するブランドの人気No.1製品だ。日本では、肌の揺らぎを感じやすい4〜5月に特に好調に推移するという。
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“PDRNヒアルロン酸カプセル100セラム”(30mL、3450円)
“アゼライン酸15インテンスカーミングセラム”(30mL、2950円)
「アヌア」は近年、「強い」区分の“ダーマライン”に注力している。主力製品は、24年に発売した、インナードライや肌再生へ向けた“PDRNセラム”と、赤み肌・肌荒れケアにアプローチする“アゼライン酸セラム”だ。“PDRNヒアルロン酸カプセル100セラム”(30mL、3450円)は、サーモン由来PDRNや11種のヒアルロン酸、低分子コラーゲンを配合。浸透力にこだわり、超低分子スマートカプセル技術を採用した。肌を潤いで満たし、艶とハリのある肌をサポートする。“アゼライン酸15インテンスカーミングセラム”(30mL、2950円)は、アゼライン酸15%と植物由来のアヌア シカ7 コンプレックスを配合し、皮脂・テカリや毛穴悩みにアプローチする。アゼライン酸15%は、韓国や米国では販売できない配合量だが、日本の顧客のニーズに応えるべく開発した。発売後は、予想を上回る反響を得たという。ブランド担当者は、「今後も、グローバルでニーズがある成分を策定し、顧客の肌悩みに寄り添った製品開発に注力する」と語った。
日本事業について
日本事業は、22年のオフライン展開から1年たたずに3000店舗を突破した。事業開始後5年間で売り上げは65倍に成長し、25年度の売り上げは前期比2倍を目標としている。24年10月にはなにわ男子の大橋和也を起用し、「アヌア」初のテレビCMを発表。取扱店舗は、CM放映後に60%以上増加したという。「今後、日本でもスキンケアブランドのトップ10に入るため、展開店舗数を現在の3倍以上に増やすことを目指している」と話した。