乃木坂の抜け道にコーヒースタンド、ギャラリーからなる文化の発信地が誕生!|Pen Online - Moe Zine

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知る人ぞ知る抜け道に面した「ハイツ コーヒースタンド」。

かつて東京・乃木坂の片隅に、映画人や演劇人などカルチャーを愛する人たちが集い語らうサロンのような場所が存在した。

時代の変遷とともにいつしか途切れてしまったその場所が、令和の今、新たなカルチャーが芽吹く場所として形を変えて始動する。

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伝説の場所を新たな形で始動した映画監督・写真家の宇津野達哉。


手がけるのは映画監督であり、写真家でもある宇津野達哉だ。先人たちが仲間内で集まっていた空間をショップやギャラリーにリノベーションし、一般の人にも開放する。

誕生したのは「ハイツ コーヒースタンド」、「102 ギャラリー」の集合空間とアパレルブランド「カウンシル」だ。

プロジェクトの監修をアートディレクターの里健太郎(スタジオ ファンネル)に依頼。里が空間、コミュニケーションを担当する。また、設計を神谷健(ラップヤード)が行った。

「ジャンルを超えた人たちと集まれるような場所を作りたいとの思いがずっとあって。それがいろいろなご縁によってついに実現することができました。各空間はさまざまなジャンルで活動する人たちが本業とは別にやりたいことをやっていく場にもなっています。映画、演劇、ファッションの領域の人たちが集まって、カルチャーが交差する場所になるかもしれません」と宇津野は話す。

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オープニングレセプションのために和歌山から駆けつけ、ハンドドリップでコーヒーをふるまった西田武史。


この場所の顔ともいうべき存在が「ハイツ コーヒースタンド」だ。テイクアウト専門のコーヒースタンドで、焙煎を担当するのは、和歌山県にある「カミンコーヒーロースターズ」の焙煎士、西田武史。「カミンコーヒーロースターズ」は、スペシャルティコーヒーを専門に扱っている焙煎所として知られる。

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販売されるブレンドコーヒーの豆。パッケージデザインを里健太郎が担当。メインビジュアルはコラージュアーティストの花梨が手掛けている。


「ハイツ コーヒースタンドでは質の高い暮らしを送っている方や上質なコーヒーを求める方に、日常的に飲んでいただけるコーヒーを提供したいと思います。完成したコーヒーはスペシャルティコーヒーを使用したバランスの良い王道のブレンドコーヒーです。いずれはこのコーヒーがこの街に馴染み、愛されるコーヒースタンドになってほしいですね」と西田。

実際にブレンドコーヒーを飲んでみると、しっかりとした深みがありつつ、すっきりとした味わいで、気分がシャキッと引き締まったり、気持ちを切り替えられるような印象の一杯になっている。

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モッドバーを採用したおかげでカウンターの上がすっきり。客とのコミュニケーションもとりやすい。


「ハイツ コーヒースタンド」は、会話を交わしながらコーヒーを提供することにもこだわり、本体の大半をバーカウンターの下に格納したモッドバーと呼ばれるイタリア製のエスプレッソマシンを採用。カウンターの上がすっきりしているため、客とのコミュニケーションもスムーズに行える。いずれはバリスタと客がちょっとした挨拶を交わすシーンを日常的に見られるようになるだろう。

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「102 ギャラリー」では、18個の棚でも作品を展示する予定だ。


そして、「ハイツ コーヒースタンド」の奥に広がる空間が「102 ギャラリー」だ。16.6平方メートルのコンパクトな空間に作品を展示するほか、ひとつの壁には18個の棚が並び、ここにも作品を収めて展示する予定だ。

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ギャラリーからは、建物の目の前に広がる自然を眺めることができる。


「102 ギャラリー」のキュレーションを行う井口幸世は、ギャラリーについてこう話す。

「基本的に衣・食・住にまつわる“用と美”を兼ね備えた作品を扱う予定です。ギャラリーの壁には写真作品やアート作品、18個の棚には手工芸やプロダクトなどを展示できたらと思っています。第一弾の展示を6月から始めようと、今、作家さんと準備をしているところです。このギャラリーでは作品だけではなく、全体的に柔らかな空気感と、光の中で胎内にいるような安らぎを感じられる雰囲気も味わっていただければと思います」

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「カウンシル」を手掛け、「102 ギャラリー」のディレクターも務めるスタイリストの北川沙央里。着用しているのは「カウンシル」の白Tシャツ。


「102 ギャラリー」と同じ空間で、不定期で展示・販売を行うのが、今回立ち上がった新たなブランド「カウンシル」だ。スタイリストとして活躍する北川沙央里が「普遍的、スタンダード、ベーシック」の意味を探求。自分の作りたいものを作ることを大切に、1型1色にこだわってコレクションを展開していく。第一弾として登場したのが白Tシャツだ。

「カウンシルでは、基本的に上質な大人の日常着を作りたいと思っています。今回は、大人の方が着たくなる白Tを提案したいと思い、袖丈を長めにとって上品に見えるようにしました。一枚でもサマになる白Tが完成したと思います」と北川。

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北川はイギリスのカルチャーが好きで、その発信地になることも多い公営住宅を意味する「カウンシル」をブランド名に。


白Tシャツは、1、2、3のスリーサイズ展開だが、単に大きさが異なるだけではないという。

「サイズごとにバランスを踏まえてパターンを変えています。すべてのサイズをワードローブに加えていただき、気分やコーディネートに合わせて選んでみるのもいいと思いますし、あえて大きめや小さめを選んでもしっくりくると思います。ぜひトライしてみてください」

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マンションの表札のようなデザインがユニーク。


コーヒースタンドとギャラリーを備えたこの場所だが、実はもう一箇所、秘密の空間が存在する。それがどんな空間なのか? スタッフとの交流を深めながら隠された秘密を解き明かすのも、ここを訪れる楽しみのひとつかもしれない。

ハイツ コーヒースタンド

東京都港区赤坂9-5-18
営業時間:9時〜17時
定休日:木
https://www.instagram.com/hitsu_coffeestand/

102 ギャラリー

東京都港区赤坂9-5-18 #102
営業時間:11時〜18時
定休日:木
4月28日(月)〜5月17日(土)まで「カウンシル」の販売展示
6月にガラス作家辻野剛さんの展示を予定
https://www.instagram.com/102__gallery/?hl=ja

カウンシル

https://www.instagram.com/council_____/?hl=ja

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