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対話の効能〈わたし〉と〈あなた〉のあわい|まあたらしさに出会うとき:伊藤亜紗[美学者]+濱口竜介[映画監督]



対話の効能〈わたし〉と〈あなた〉のあわい|まあたらしさに出会うとき:伊藤亜紗[美学者]+濱口竜介[映画監督]

0:00:00 「対話の効能」第1回〜3回の振り返りと今回のテーマについて
0:01:01 自分が自分のまま、別の何かになること
0:13:49 東日本大震災から2ヶ月後に東北へ
0:20:58  「別の何かになること」の不気味さ
0:25:11 集中と散漫
0:29:33 「イタリア式本読み」について
0:42:57 「体がゆく」ことの驚き
0:53:53 「回復」について
1:01:33  体が「ゆきっぱなし」ではない、別の節度
1:08:24 性質の異なる2つのことを同時にやらなければいけない難しさ
1:17:35 人と人が合意をする時──「会議」の研究
1:27:52 香盤表に発想が縛られる日本映画の制作現場
1:37:34 同時に2つのことを言う
1:42:27 クレジット

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予想外の新しい視点や関係を創造したり、自分の信念に変化が起こるなど、様々な効能が注目されている「対話」。その多様なアプローチについて学び・体験しながら、日常における「対話」の可能性を再考する全4回のセミナーです。

【公式サイト】https://www.setagaya-ldc.net/program/551/

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誰かとじっくり「対話」をしたことはありますか。それは、日常のありふれたコミュニケーション行為の一つだと思われるかもしれません。しかしその経験をあらためて思い起こしてみるとどうでしょうか。例えば、他人の体験談の中に自分を見つけて共感したり、人々の語りに触発されて自らの感情や言葉が引き出されたり、その場からユニークな発想が生まれる経験をした人も多いのではないでしょうか。

「対話」には、別々に存在している〈わたし〉と〈あなた〉の分け目を揺るがし、多面的な自らの思いを発見させ、自分一人では辿り着かない新たな地平に導くような不思議な効能があるのかもしれません。

近年、学校・企業・カフェなどで開かれる「哲学対話」、精神医療のケア手法として拡がる「オープンダイアローグ」、刑務所の更生プログラムとして導入されている「回復共同体」など、既存の枠組みでは進展の難しい状況に多声的対話を取り入れることで、事態を好転させるような実践的取り組みが注目を集めています。また芸術分野では、聞く・語ることを重視し、それらが引き起こす生きた相互作用や変様をつぶさに編み込む手法を取り入れた新時代の映画・演劇・ダンス作品などが高い評価を得るなど、私たちの日常生活における「対話」の可能性が再認識されています。

本企画は、「対話」を中心に据えた多様なアプローチの実践者とともに、〈わたし〉と〈あなた〉のあわいから生まれる「対話」の効能について学び体験するセミナーです。誰にでも開かれた日常行為である「対話」が、自己を更新し、新しい視点や関係を創造する可能性について考えます。

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『対話の効能 〈わたし〉と〈あなた〉のあわい』4.まあたらしさに出会うとき
【開催日】2023年3月19日(日)14:00~16:00
【会場】生活工房ワークショップルーム
【出演】伊藤亜紗[美学者、東京工業大学教授]、濱口竜介[映画監督]、山内泰[NPO法人ドネルモ代表理事、一般社団法人大牟田未来共創センター理事] 、セミナー参加者の皆さん
【撮影・構成・編集】三行英登
【主催】公益財団法人せたがや文化財団 生活工房
【後援】世田谷区、世田谷区教育委員会

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2000年以降、私たちはテロや震災、ウイルスの蔓延など平穏な日常が揺らぐ未曾有の出来事に直面しました。芸術分野では、無意識の中に溶け込んでいた日常を改めて捉え直す潮流が高まり、個々の体験や記憶について「聞く・語る」をベースに創作される新時代の作品が高く評価されるなど、日常の会話や対話が再認識されています。それは、瞬間瞬間で生成変化するライブであり、飛躍やズレ、ボケやツッコミ、呆けて噛み合わないのに不思議と成立するなど、いつの間にか互いに新しい発見を得たり解決に至ることもあるような、豊かな偶然性に溢れた営みです。この回では、美学者の伊藤亜紗さん、映画監督の濱口竜介さんと、「聞くこと・語ること」に重きをおいて創作される新しい時代の芸術表現をとおして、日常の中にある会話・対話の可能性を再考します。

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▶GUEST
伊藤亜紗 Ito Asa

1979年生まれ。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長。リベラルアーツ研究教育院教授。専門は美学、現代アート。主な著書に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)、『どもる体』(医学書院)、『手の倫理』(講談社)、『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』(講談社)、『きみの体は何者か―なぜ思い通りにならないのか?』(筑摩書房)、『体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉』(文藝春秋)など。共著に『「利他」とは何か』(集英社新書)他多数。『記憶する体』(春秋社)で第42回サントリー学芸賞受賞。

濱口竜介 Hamaguchi Ryusuke

1978年生まれ。映画監督。2011~13年東日本大震災の被害を受けた人々の「語り」をとらえた『なみのおと』、『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(共同監督:酒井耕)を監督。15年、ワークショップに参加した演技未経験の4人の女性を主演に起用した『ハッピーアワー』が、ロカルノほか国際映画祭で主要賞を受賞。『寝ても覚めても』(18)で商業映画デビュー。『偶然と想像』(21)は、第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。『ドライブ・マイ・カー』(21)は、第74回カンヌ国際映画祭にて四冠。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞受賞。

▶FACILITATOR
山内泰 Yamauchi Yutaka

1977年生まれ。NPO法人ドネルモ代表理事。一般社団法人大牟田未来共創センター(通称:ポニポニ)理事。株式会社ふくしごと取締役。東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。芸術工学博士(美学)。地域で対話の場づくりに取り組む一方で、問いと対話のメディア「湯リイカ」(主催:ポニポニ)などさまざまな有識者との対話企画をコーディネート。主な論文掲載に『デザインに哲学は必要か』(共著、武蔵野美術大学出版)、「『わたしの役柄』が表現すること 哲学者・國分功一郎さんとの対話から」(「精神看護」23巻4号、医学書院)など。
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