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線維筋痛症



線維筋痛症

線維筋痛症, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=780536 / CC BY SA 3.0

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線維筋痛症

線維筋痛症(せんいきんつうしょう、, 略:FM)とは、全身に激しい痛みが生じる病気である。英語では、症候群であることを表現して、Fibromyalgia Syndrome:略FMSとも記される。原因不明の全身の疼痛を主症状とする。疼痛は腱付着部炎や筋肉、関節などにおよび、体幹や四肢から身体全体に激しい疼痛が広がる。新興疾患では無く、以前は「非関節性リウマチ」「心因性リウマチ」「軟部組織性リウマチ」「結合組織炎」「結合組織炎症候群」などと呼ばれていた。

似たような症状を呈するものに、慢性疲労症候群、過敏性腸症候群、化学物質過敏症、シックハウス症候群、顎関節症、間質性膀胱炎、湾岸戦争症候群、複雑性局所疼痛症候群などがあげられるが異なる疾病概念である。

1990年、米国リウマチ学会により疾病概念が定義され、有用性の高い分類基準が提案され「線維筋痛症症候群」の疾病名が広まった。2010年には痛み症状の評価と合わせ、随伴症状も合わせた新たな診断基準が作成された。

患者は男性より女性の方が非常に多く、働き盛りの中高年に発生率が高い。米国での有病率は20歳以上成人のおよそ2%ほど。軽症例も合わせれば推定200万人と言われる、比較的患者人口の大きなリウマチ性疾患であるにもかかわらず、日本の医療機関での認識が遅れている。その結果適正に医療を受けられている患者が極めて少なく、多くの患者は未診断、または、誤診を引き起こしてドクターショッピング(青い鳥症候群)を繰り返し、結果的に長く病む状況となってしまっている。医療に失望して民間療法などに流れている場合もある。このように日本の線維筋痛症の医療環境は問題がある。

原因は不明であり、医師が通常行なう血液検査では異常が現れない。CTスキャン、MRIを検査しても異常を発見できない。また、この病気が診断できる特別な検査は2015年時点で存在しない。診断が非常に困難な症例が多いが、圧痛点による簡易的な見分け方が知られる。

2018年10月の論文では、線維筋痛症31人と健康な人27人をポジトロン断層法 (PET) で比較して、脳のグリア細胞の活性化が原因である可能性を示し、疲労感の症状では帯状回の炎症の度合いと一致した。

骨格筋の激しい痛みが、線維筋痛症の主な症状であるが、その激しさを表現するのに、「体の中で火薬が爆発するような痛み」「万力で締め付けられるような痛み」「キリで刺されたような痛み」「ガラスの破片が(体の中を)流れるような痛み」などと形容される。また疼痛症状以外に、様々な身体性の症状を伴う。特に共通の症状として睡眠障害が挙げられている。9割の患者で睡眠障害がみられると言われる。疼痛による睡眠障害の起こり方としては、同じ体位で寝ていると自分の体重で疼痛が生じ、中途覚醒するという特徴的なパターンがある。睡眠障害と疼痛は密接に関連していると言われ、睡眠障害がストレスとなり、次に痛みを引き起こし、更に睡眠障害を引き起こすという悪循環がみられる。そのため、メンタルケアが重要とされる。

この病が直接の原因となり死に至ることは無いと言われているが、その全身の痛みは凄まじいもので、痛みの苦痛等が間接的に患者を死に追いやることはありえる。2007年2月2日に43歳で亡くなった日本テレビの元アナウンサー:大杉君枝はこの病を苦に自殺したと報道されている(ただし、飛び降りと線維筋痛症の間の因果関係を疑問視する意見もある)。後述のとおり、この病は患者のストレスや精神状態が症状に与える影響が大きく、神経や精神状態の改善が症状を改善させるという臨床例が多く認められている。この病は原因が不明で、患者の痛みの理由が周囲にわかりにくいことから、しばしば怠け病や詐病と周囲に誤解されやすいところが、患者のストレスを更に増加させるものと考えられる。うつ病に対する場合と同様、周囲のこの病に対する理解が必要である。線維筋痛症患者における自殺念慮の有病率は32.5%と報告された。

FMS患者の90%以上が疲労感を感じている。同様の病に慢性疲労症候群(CFS, 但しCFSは痛みではなく疲労を伴う病である)や、Systemic exertion intolerance disease (SEID)がある。FMSの発症前後に合併する例も多い。症状に共通する部分があるため線維筋痛症と同じ病気とみなす医師もいる。CFSの主な症状は身体的・精神的両方における激しい疲労である。運動・精神活動後によって疲労は…

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