ロサンゼルスのhello82(左)、ATEEZ(右)(hello82; James Smith/Sam Snap/Getty Images for ABA)
K-POPが世界のメインストリームとしての地位を確立しつつある中、その人気を音楽フェスでさらに盛り上げようとする動きが広がっている。現在では、アメリカの大手小売店であるターゲットやウォルマート、バーンズ・アンド・ノーブルの店頭にK-POPコーナーが設けられている光景も珍しくない。こうした状況が定着したのは、ごく最近のことだ。
K-POPフェス「82WORLD : LA」初開催!ATEEZ、P1Harmony、BE:FIRSTら出演の裏側と展望を幹部が語る
しかし、ここ数年に発表されたK-POPフェスの多くは、運営上のさまざまな問題から実現に至らなかった。
そんな中、ロサンゼルスに本社を置くK-POPエンターテインメント企業「hello82」は、現地時間10月17日(土)と18日(日)の2日間にわたり、ロサンゼルス・ステート・ヒストリック・パークでフェス「82WORLD : LA」を初開催。土曜のヘッドライナーをP1Harmony(ピーワンハーモニー)が、日曜のヘッドライナーをATEEZ(エイティーズ)が務める。
今回、同社の共同創業者で最高執行責任者(COO)のサン・H・チョー氏が、米『ハリウッド・リポーター』のインタビューに応じた。
「82WORLD : LA」仕掛人が語る、新フェス始動の目的とK-POPの現在地
P1Harmony(FNC Entertainment)
チョー氏は、かつて韓国の大手エンターテインメント企業CJ ENMに所属し、K-POPフェス「KCON」を担当していた。2012年の第1回KCONの実現に尽力した中心メンバーの一人でもある。「82WORLD : LA」は、数年前から構想を練り、準備を進めてきたプロジェクトだという。
「KCONは今や独自の存在へと成長した。規模は非常に大きく、運営も制作も高度に管理されている」とチョー氏は語る。
一方、チョー氏とhello82のチームが目指したのは、K-POPがアメリカに進出し始めた初期のような、草の根活動やコミュニティを重視するイベントだった。
「屋外フェスのほうが、自分たちに合った形式だと考えた。幸いなことに、長年KCONに携わってきた多くの人材を迎え入れ、今回のイベントを手伝ってもらうことができた」
hello82はここ数年、K-POPアーティストのアルバムをアメリカで流通させる支援から、K-POPイベントの企画・開催へと事業を拡大してきた。昨年、hello82はライブイベント事業にも進出し、ボーイズグループP1Harmonyのツアーでプロモーターを務めた。
hello82は、昨年のブラックフライデーにチケット販売を開始した。この時点では、出演アーティストも具体的な開催日程も正式には発表されておらず、「K-POPアーティストが出演するイベントを開催する」という情報だけが発表された。コーチェラやロラパルーザのような歴史ある音楽フェスでは、出演アーティストのラインナップを発表する前にチケットを販売することも珍しくない。しかし、初開催のフェスでこうした手法を取ることは異例だ。
「とにかく、まずは旗を立てておきたかった」と、チョー氏は説明する。さらに、「最初の2時間で、想定を上回る数のチケットが売れてしまった。すぐに販売を停止しなければならなかったが、同時に『これだけ関心を持ってもらえているのか』と、大きな励みにもなった」と語った。
同社はチケット販売が始まった後、複数のアーティストのスケジュールを調整し、出演者のラインナップを確定させた。
同社によれば、今回のフェスは初開催ということもあり、「大きな利益が出る」とは言い難い。それでも開催に踏み切った最大の理由は、「ファンに向けた取り組みを継続するため」だったという。
「会社全体にとって、非常に意義のあることだ。我々は、一つひとつの事業を切り離して考えているわけではない。すべてが連動していると、常に感じている」と、チョー氏は語る。
さらに近年では、アーティストのビザの取得がますます難しくなっている。ビザの発行手続きの遅れによって、ツアーやフェスの中止、出演者変更、日程変更が生じることも珍しくない。
「単純に、これまで以上に時間と準備が必要になった。幸い、今回の出演者のほとんどは、プロモーションやライブ、ツアーなどですでに訪米した経験がある」と、チョー氏は説明した。