なぜZ世代は今、「イタリアン・ノンナ」の美学に惹かれるのか | Vogue Japan

なぜZ世代は今、「イタリアン・ノンナ」の美学に惹かれるのか | Vogue Japan

2025年のカンヌ国際映画祭期間中、カンヌのホテルマルティネスでキャッチされたアレックス・コンサーニ。

2025年のカンヌ国際映画祭期間中、カンヌのホテルマルティネスでキャッチされたアレックス・コンサーニ。

Photo: © Jacopo Raule/Getty Imagesランウェイにも広がる「イタリアン・ノンナ」のムード

イタリアン・ノンナのスタイルは、過去の装いをそのままなぞるものではない。プリント柄のミディドレスや、少しシワの入ったリネンシャツ、カラーレンズのサングラス、頭に巻いたスカーフ、履き心地のよいサンダルを絶妙なバランスで着こなす。

そのスタイルは、映画『甘い生活』(1960)のヒロインたちや、60年代のイタリアの家族写真に写る女性たちを思わせる。彼女たちは、写真に撮られるためではなく、日々を過ごすために装っていた。

こうしたムードは、すでにランウェイにも表れている。ジャックムス(JACQUEMUS)の2026年春夏コレクションでは、地中海の情景を思わせるルックが登場。一方、ミュウミュウ(MIU MIU)の同シーズンのショーでは、ミュウッチャ・プラダが映画『落下の解剖学』(2023)で知られる俳優ザンドラ・ヒュラーをエプロン姿でランウェイに登場させ、家庭着としてのエプロンをファッションマニフェストへと昇華させた。

2024年のカンヌ国際映画祭でプラダのドレスを纏ったハンター・シェイファー。

2024年のカンヌ国際映画祭でプラダのドレスを纏ったハンター・シェイファー。

Photo: © Samir Hussein/WireImage/Getty Images「イタリアン・ノンナ」が映し出す、新しいラグジュアリー

ファーコートやオーバーサイズのサングラスをまとった「モッブワイフ」ブームを経て、SNSはいま新たな理想像へと視線を移している。ドラマティックな華やかさではなく、庭で育てたトマトのように太陽のぬくもりを感じさせる、家庭的で飾らないセンシュアリティへ。そしてそれは、アルゴリズムに迎合しない美学でもある。