ベルルッティ(BERLUTI)の2027年春夏コレクションがフランス・パリにて発表された。
「印象と感覚」庭園とクラフツマンシップの物語
ベルルッティはシモーネ&チーノ・デル・ドゥーカ財団を会場に、プレゼンテーションを開催。今シーズンは「印象と感覚」をテーマに掲げ、庭園を着想源にした2027年春夏コレクションと、メゾンのサヴォアフェールを紹介した。入口では『星の王子さま』に登場するキツネの「仲良くなると足音が変わる」という言葉とともに、異なる3つのヒール音やワックスの香りが来場者を迎え、ブランドの世界へと誘う演出が施された。
最初の展示室では、「大切なものは目に見えない」という『星の王子さま』の一節をテーマに、春夏コレクションを披露。花や植物、光をモチーフにしたリネンの花刺繍や、18世紀フランスの古文書にインスピレーションを得たカリグラフィのデザイン「スクリット」、1940年代に誕生した名作「フォレスティエール」を再解釈したジャケットなどが並び、「Remarkable Allure(さりげなく目を引く佇まい)」というベルルッティならではのエレガンスを表現した。
パティーヌが描く光と時間
続く空間では、ブランドを象徴するパティーヌ技法に一層焦点を当てる。印象派絵画のように筆で何層にも色を重ねたバッグや、庭園に差し込む光を表現したレザーシューズなどが並び、時間の経過を色彩で描き出した。スエードジャケットにもパティーヌを採用し、ブラウンからイエローへ移ろう自然な色ムラやステッチが、使い込んだような豊かな表情を生み出していた。
新作も充実。新聞のように丸めて抱えられる新型バッグ「アン・ジュルナル」は、これまでにない柔らかさと軽快さを追求。一方、人気トート「トゥジュール」を再解釈した大容量モデル「グランジュール」は、実用性とエレガンスを兼ね備えた仕上がりとなった。
足元では新作シューズ「ブルーム」が登場。色鮮やかな花を表す有機的なラインや色彩豊かなパティーヌによって、庭園というテーマを立体的に表現していた。
『星の王子さま』と共鳴するクラフツマンシップ
展示後半では、2026年秋以降に展開予定の『星の王子さま』プロジェクトを先行公開。キツネの毛並みをレーザー加工とパティーヌで表現したバッグやスモールレザーグッズ群、「象を飲み込んだヘビ」をモチーフにした財布、小惑星に咲く花を描いた日本限定カードケースなどが揃う。キャラクターを前面に押し出すのではなく、物語の世界観をベルルッティのサヴォアフェールで表現する“共鳴”という姿勢が貫かれていた。
最後の部屋では、実際の職人による修復作業を公開。長年愛用されたシューズやバッグに新たな命を吹き込む工程を披露し、購入後も製品と向き合い続けるメゾンの姿勢を示した。庭園や『星の王子さま』という詩的なテーマを入口にしながら、新作から修復文化まで、ベルルッティが受け継いできた職人技とものづくりの哲学を五感で体感できるプレゼンテーションとなっていた。

