プラダ(PRADA)は、2027年春夏メンズコレクションを2026年6月21日(日)にイタリア・ミラノにて発表した。
「選択」という創造のプロセス
ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズによるプラダの2027年春夏メンズコレクションは、「選択」をテーマに掲げた。目指したのは、単純に削ぎ落とすミニマリズムではなく、本質を見極め、意味あるものだけを残していく創造のプロセスだ。
ジーンズやデニムジャケット、Tシャツといった普遍的なワードローブを出発点に、素材や構造、バランスを見つめ直すことで、新たな価値を生み出す。既存の衣服を更新するのではなく、その見方そのものを変えることが今季の提案となった。
レイヤードが生む新たなバランス
シルエットは、直線的で端正。それでいて、一見シンプルな装いには意外性のある重ね着が散りばめられている。
レザージャケットやデニムジャケットの上から柄物のニットベストを重ねたり、深いVネックセーターをレイヤードしたりと、異なるアイテム同士を自由に組み合わせるスタイルが目立った。また、ベルトやスカーフを腰に重ね巻きし、複数の要素を一体化させたルックも登場。アクセサリーを装飾ではなくスタイリングの一部として組み込み、全体をひとつの構造として成立させている。
素材で描く軽さと奥行き
素材使いも、コレクションの重要な要素だ。レザーやデニムといった力強い素材に対し、ナイロンのシースルー素材や透け感のあるホワイトニットを重ねることで、軽やかなコントラストを演出。ホワイトのシースルーニットに白いパンツを合わせたルックは、ミニマルでありながら繊細な表情を見せた。
一方で、ジャケットからパンツまで同素材で統一したセットアップも数多く登場。素材の質感を際立たせながら、研ぎ澄まされたシルエットをより印象的に引き立てていた。
柄やディテールがアクセントに
全体を通して、ドットをはじめとする柄を組み合わせたスタイリングも印象的。装飾を増やすのではなく、柄や異素材を重ねることで奥行きを生み出している。
レザージャケットの背面には白いスクエアモチーフを配し、シンプルなフォルムにさりげない個性をプラス。削ぎ落としたデザインだからこそ、小さなディテールが際立つ構成となっていた。
音が導く”集中”の世界
ショーの演出もまた、コレクションが掲げる「選択」というテーマと呼応するものに。ゲーム音のような電子音からメタルサウンドへと展開するBGMが緊張感を生み出し、フィナーレでは尺八を思わせる静かな旋律とバンドサウンドが交錯。張り詰めた空気から静かな余韻へと移ろう音の演出が、「選択」というテーマを印象的に描き出していた。



