ウエスト回帰。女性たちが今求める装いとは | Vogue Japan

ウエスト回帰。女性たちが今求める装いとは | Vogue Japan

アシ・スタジオ 2026年春夏オートクチュールコレクションより。

アシ・スタジオ 2026年春夏オートクチュールコレクションより。

Photo: Stephane Cardinale – Corbis/Getty Images

ファッションはこれまで、ウエストとの複雑な関係を繰り返してきた。強調し、隠し、コルセットで締め上げ、あるいは解放する。砂時計型のシルエットの有無を見れば、社会が女性らしさをどう定義してきたかが見えてくる。ウエストをどう見せ、どう隠してきたのか。その変遷と社会の変化を重ね合わせれば、見えてくるものは少なくないはずだ。

そして今、私たちはひとつの転換点にいる。オーバーサイズ全盛の時代を経て、シルエットは再び身体に沿う方向へと引き戻されつつあるのだ。

ランウェイはここ数シーズン、その変化を示してきた。身体と真摯に向き合う姿勢を貫いてきたアライア(ALAÏA)は、ほぼすべてのルックでウエストを際立たせた。ロエベ(LOEWE)はコルセットを思わせる構築的なジャケットを提案し、ヴァレンティノ(VALENTINO)はベルト付きコートのミニマルな美しさで印象を残した。

ファッションは決して社会の空気感と切り離された存在ではない。私たちは半ば無意識のうちに、その時代のムードを服装に反映している。先の見えない不安や過度な刺激、そして漠然とした疲労感──いわゆるポストパンデミック期を経た今、ウエストの復活は感覚的にも納得がいく。

2020年から2023年にかけて主流だったシルエットは、身体のラインを意図的に覆い隠すものだった。気負わない抜け感のあるスタイルが支持され、私たちは現実から距離を置くために、あらゆるものをオーバーサイズで身にまとった。外の世界から身を隠せるという安心感は、社会的な混乱やストレスに対する緩衝材のような役割を果たしていたのだ。ポストパンデミック期のワードローブに、洗練されたアクティブウェアとXXLサイズのブレザーが並んでいるなら、この感覚に思い当たる人も多いだろう。