
作りすぎないことが求められる時代に、化粧品業界の流通と消費の在り方が変わり始めている。これまでは、ブランド価値維持の観点から値引き販売に慎重な姿勢が根強かった。近年は、コスメロス(化粧品の大量廃棄)への問題意識の高まりを背景に、オフプライス販売や回収・アップサイクルなど、捨てないための流通を模索する動きが広がっている。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
39ブランドがアンケートに回答
化粧品業界で大量廃棄、いわゆるコスメロスへの関心が高まっている。不要化粧品の回収・再資源化やコスメロス削減に取り組むスタートアップ、モーンガータの独自調査によると、製造過程で発生する化粧品バルク(中身)の廃棄量は、国内メーカー上位5社だけで年間約2万トンに上るという。業界では環境負荷軽減と在庫最適化の両立が課題となっている。
本紙は今回、化粧品約80ブランドに匿名アンケートを依頼し、39件の回答を得た。回答ブランドは、ラグジュアリーからマスまで幅広いカテゴリーが含まれる。91.9%がコスメロス削減を「重要」と回答する一方、ディスカウント販売やオフプライス活用については「ブランド価値毀損」や「正規販売への影響」を懸念する声も多く、サステナビリティとブランド戦略の間で揺れる業界の実情が浮かび上がった。
1. ロス削減はもはや前提条件
Q. ロス削減の優先度は?

PICK UP COMMENT廃棄は利益の直接的な流出。ロスを減らすことは、売り上げを伸ばすこと以上に迅速に利益率を改善できる
「非常に高い」「高い」が合計91.9%に達し、コスメロス削減は“やった方がいい”施策ではなく、“取り組む前提”へ移行していることが分かった。背景には、環境負荷低減だけでなく、「在庫最適化」「廃棄コスト削減」「ブランド価値維持」といった経営面の課題もある。自由記述では、「企業責任として無視できない」「ビジネスインパクトが大きい」といった声も上がった。
この続きを読むには…
残り1321⽂字, 画像5枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
投稿ナビゲーション