
化粧品業界におけるサステナビリティは今、転換点を迎えている。かつては環境配慮やCSRの文脈で語られていたが、現在は「どのような価値観や体験を社会へ届けるか」まで問われるようになった。背景には、国内外ともにサステナビリティの実装が進み、一部ブランドの差別化要素ではなく、業界全体の前提へと移行しつつある変化がある。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
正しさから共感へ
生活者の価値観も変容する。環境や社会に配慮した製品を選びたいという意識は依然として根強い一方、物価高やサステナビリティ疲れなどにより、意識と行動の間には隔たりが生まれている(下記の「生活者のサステナブル購買行動調査」参照)。企業には、生活者にとって“自分ごと化”できる体験への翻訳が求められる。
今回取材した「シロ(SHIRO)」や「オサジ(OSAJI)」に共通するのは、サステナビリティを声高に掲げていないことだ。「シロ」の野木村美里・コーポレート部門 部門長は、「サステナビリティは私たちにとって前面に掲げる文脈や目的ではない」と語る。我慢や正しさではなく、共感・参加したくなる体験への変換を重視する姿勢が共通する。
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