今、ボブヘアが絶大な人気を集めていることは言うまでもなく、レッドカーペットからファッションウィークに至るまで、ショートヘアのブームは一向に衰える気配を見せない。そんななか、昨年主流だったテクスチャー豊かなビクシーに代わって2026年に台頭しているのが、よりミニマルに削ぎ落とされた“ボーイボブ”だ。
ボーイボブとは、切りっぱなしのブラントなラインに最小限のレイヤー、そしてあえて無造作な仕上がり特徴としている。クールでエフォートレス、かつ洗練されたスタイルを渇望する人々の間で今最も選ばれるカットへと急速に成長してきている。

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あごのラインかその少し下で揺れるこのスタイルは、90年代のミニマリズムや2000年代初頭のインディーズの美学を取り入れつつも、その空気感は完全にモダンだ。そして当然のごとく、セレブリティたちもすでにこのトレンドに夢中になっている。モデルのガブリエットの気負わないパリジェンヌ風クロップ、女優アヨ・エデビリの柔らかく無造作なレングス、そしてヘイリー・ビーバーのリラックスした内巻きボブ。今シーズンのサロンにおいて、これらがインスピレーション画像として圧倒的なシェアを占めているのは言うまでもない。
「ビクシーからボーイボブへの移行は、今の私たちがヘアに対して抱いている文化的なムードを如実に反映しています」と語るのは、ヘアエデュケーターであり「Beauty Club London」の共同創設者であるモー・ハーブ氏だ。「よりエフォートレスで無造作、そして静かな自信を感じさせるスタイルへと、ボーイボブは確実にシフトしているのです」

Salvatore Dragone
ボーイボブとビクシーカットの違いとは
ボブとピクシーカットのハイブリッドであり、ザクザクとした細かなレイヤーとレトロなスタイリングで知られる“ビクシー”とは異なり、ボーイボブはそれらの要素を徹底的に削ぎ落としている。「ビクシーには、しっかりと作り込まれた、わずかにレトロな雰囲気がありました」とハーブは説明する。「遊び心がありテクスチャーも豊かですが、どのようにカットし、どう見せるかという点においてある程度の計算が必要なのです。一方、ボーイボブはそういったものをすべて削ぎ落としています。一般的に、切りっぱなしのブラントカットかごくわずかなレイヤーのみで仕上げられ、あごのラインかその少し下あたりに収まります。ビクシーより気取らないスタイルを楽しめるのです」。
「ボーイボブはそうしたローメンテナンスな魅力を叶えつつも、しっかりと計算されたファッショナブルな印象を与えてくれます」
シルエットそのものにも、ファッションと強く共鳴する要素がある。レイヤーを入れたボブが動きやボリューム感を生み出す傾向にあるのに対し、ボーイボブは意図的にフラットで重みがあり、ソリッドなフォルムに仕上げられている。「その重さが、少し反抗的なエッジを生み出しています」とハーブ氏。「それは、現在のファッショントレンドとも見事にリンクしています」

Matteo Valle
今のビューティトレンドの多くがそうであるように、このカットもまた、私たちが夢中になり続けている90年代のムードを取り入れている。ただし、よりソフトであからさまなグラマラスさを削ぎ落としたアプローチだ。
「ボーイボブは90年代や2000年代初頭からの強い影響が見受けられますが、よりミニマルな形で解釈されています」とハーブ氏は言う。「過度に磨き上げられた印象や“作り込んだ感”を与えることなく、過去の時代へのオマージュを捧げています。これこそまさに、今人々が求めているもの。つまり、リッチに見えながらもエフォートレスなムードのヘアを理想としているのです」。
サロンでオーダーする際のポイント
思い切って髪を切るつもりなら、何よりも事前のカウンセリングが重要になるとハーブ氏は指摘する。「クライアントにはいつも、あごのラインかその少し下でカットすることをおすすめしています。また、レイヤーを極力抑えた切りっぱなしのワンレングスをオーダーするとスタイルアップすると伝えています」
「クライアントにはいつも、あごのラインかその少し下でカットする、もしくはレイヤーを極力抑えた切りっぱなしのワンレングスをオーダーするよう伝えています」と彼は語る。「重要なのはテクスチャーをつけすぎないこと。柔らかさを出しすぎると、このスタイルを定義づける力強くクリーンなシルエットが損なわれてしまうからです」
スタイリングに関しても、やりすぎないことが鍵となる。「レス・イズ・モア(少ないほど豊か)のマインドでいきましょう」とハーブ氏はアドバイスする。「可能な限り自然乾燥させるか、もともとウェーブのクセがあるならディフューザーの使用をおすすめします。ストレートヘアの場合はヘアアイロンをごく軽く使い、完全にストレートに伸ばすのではなく、いくつかのセクションに軽く曲線を付ける程度に留めること。そうすることで、リラックスした無造作な仕上がりをキープできます」。
嬉しいことにメンテナンスも驚くほどシンプルだ。「6〜8週間ごとに定期的にトリミングをすればシャープなラインを保てますが、日々のスタイリングは気負わず、手軽。それこそが、これほど多くの人がこのカットにシフトしている最大の理由です」
ボーイボブのベストインスピレーション クラシックボーイボブ 
Matteo Scarpellini
ボーイボブのシグネチャーとも言えるのがこちらのルック。あごのラインにすっきりと収まるカットで、毛先はブラントで重みのある仕上がりなのが特徴。レイヤーを最少限に抑えることでクリーンで洗練されたシルエットを保ちつつ、わずかに内側へ巻いた毛先が柔らかなニュアンスを添えている。
ウェービーボーイボブ
Salvatore Dragone
自然なテクスチャーがこのカットのエフォートレスなムードをさらに引き立ててくれる。ゆるやかなうねりやウェーブを自然乾燥させることで“完璧すぎない完璧さ”を叶える。ボーイボブならではの絶妙な仕上がりを楽しもう。
マイクロボーイボブ
Matteo Valle/launchmetrics.com/spotlight
思い切って髪を短くする覚悟があるなら、ウルトラショートのボーイボブがおすすめ。大胆でシャープ、そして圧倒的にファッショナブルな空気を放つ。オーバーサイズのテーラードアイテムと合わせればインパクトは絶大だ。
90’sソフトボーイボブ
Luca Sorrentino
キャロリン・ベセット=ケネディと現代のヘイリー・ビーバーを掛け合わせたようなスタイル。ツヤを帯びた柔らかなカーブを描く毛先とセンターパートが、このトレンドをより洗練されたものへと昇華させている。
カーリーボーイボブ
launchmetrics.com/spotlight
もちろん、カーリーヘアでもこのトレンドは存分に楽しめる。秘訣はスタイルに重みを持たせ、過度なレイヤーを避けること。そうすることでカット本来のシグネチャーである構造をしっかりとキープできる。
フレンチ風ボーイボブ
Matteo Valle
クシャッとした質感でほとんど手を加えていないかのようなスタイリング。そしてリラックス感のあるバングスが、このスタイルにパリジェンヌなムードをもたらしている。
Realization : Jenna Waggitt Translation & Text : Nathalie Lima KONISHI