Synflux株式会社
2026年05月12日

Synflux株式会社
ケリングのサステナビリティ最高責任者らが審査。最適化生産システム「Algorithmic Couture」が高く評価され、PDS Venturesから最大20万ドルの投資とグローバル事業支援を獲得予定

Synflux株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:川崎和也、以下、Synflux)は、サステナブルファッションを推進する世界的な非営利団体「Global Fashion Agenda(以下、GFA)」およびファッション領域のイノベーションを支援する「PDS Ventures」が共同主催するイノベーションプログラム『Trailblazer Programme 2026』において、日本企業として初めて総合優勝(グランプリ)を受賞したことをお知らせいたします。
Synfluxは「Tech-Powered Transformation」部門の最終候補として、全9社のTrailblazerファイナリストの1社に選ばれ、5月5日~7日にコペンハーゲンで開催された世界最大級のサステナブルファッションの祭典『Global Fashion Summit: Copenhagen Edition 2026』のステージでグランプリ発表が行われました。
今回の審査において決定打となったのは、Synfluxが開発した独自のデザインシステム「Algorithmic Couture(アルゴリズミック・クチュール)」がもたらす、圧倒的な環境負荷の低減と高い商業的妥当性です。
「Algorithmic Couture」を活用することで、従来のアパレル製造において15~30%発生していた生地の廃棄量を最大50~66%削減し、材料使用量を10~15%削減するという定量的なインパクトを実現しています。衣服の3Dデータから低廃棄に最適化された2D型紙データの生成を可能とし、さらに、既存の生産工程を複雑化させずに工場でそのまま使用できるデータを提供できる点が審査員から高く評価されました。 株式会社ゴールドウイン(THE NORTH FACE、NEUTRALWORKS.等)、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE、doublet、クラシコ株式会社など、国内外の主要ブランドやメーカーでの導入・商用化が進んでいる実績が、グローバルスケールへのポテンシャルを裏付けました。
PDSグループ 創設者 兼 執行副会長
Pallak Seth氏
Synfluxは、測定可能な環境インパクトをもたらす能力を実現しながら、商業的にも非常に強い意味を持つ点で際立っていました。AIを活用したアプローチにより、シームレスに既存のワークフローに統合され、スポーツウェアからラグジュアリー、アウターウェアまで、すでに主要ブランドによって有効性が実証されています。PDSグループとして、当社のグローバルなサプライチェーン・エコシステムを活用し、製造パートナーやブランドネットワーク全体にソリューションを組み込むことで、Synfluxの国際的な事業拡大を支援し、導入とインパクトの両方を加速させる明確な機会があると考えています。
このたびのTrailblazer Programme 2026グランプリ受賞を、大変光栄に思っております。世界最大級のファッション企業連合体であるGlobal Fashion Agendaと、大規模なサプライチェーンを有するPDSグループから評価をいただけたことは、私たちにとって大きな励みです。これまでSynfluxに関わってくださったすべてのステークホルダーの皆様に、心より感謝申し上げます。
今年のサミットのテーマは「Resilient Futures」。現在ファッション産業は、サプライチェーンの脆弱性、コストの上昇、AIの台頭といった、極めて難しい挑戦に直面しています。そのような時代において、大きなスケールで実装可能で、実効性があり、かつファッションの創造性を増幅させるようなテクノロジーが求められています。Synfluxがその文脈で評価されたことを真摯に受け止め、今後の事業展開に活かしてまいります。
Trailblazer Programmeを通じて得た欧州のブランドや投資家とのネットワークを活かしながら、欧州ブランド、アジア圏のサプライチェーン、そして日本の商社との連携をさらに深め、Synfluxのテクノロジーをグローバルに展開してまいります。
プロフィール:
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)、同後期博士課程単位取得退学。専門は、デザインリサーチとファッションデザインの実践的研究。主な受賞に、Global Fashion Agenda Trailblazer Programmeグランプリ、Kering Generation Award Japanファイナリスト、第41回毎日ファッション大賞、新人賞・資生堂奨励賞、H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出、Wired Creative Hack Awardなど。Forbes Japan 30 under 30 2019、WWD JAPAN NEXT LEADERS 2020選出。経済産業省「これからのファッションを考える研究会 ファッション未来研究会」委員。
単著に『惑星のためのファッション』(ビー・エヌ・エヌ、 2026)、監修・編著書に『SPECULATIONS』(ビー・エヌ・エヌ、 2019)、共著に『クリティカル・ワールド ファッションスタディーズ』(フィルムアート社、 2022)、共編著に『サステナブル・ファッション』(学芸出版社、 2022)がある。
Trailblazer Programme 2026のグランプリ受賞は、Synfluxの技術と思想が、欧州を中心とするグローバルなサステナブルファッションの最前線で評価されたという点で、極めて意義深い出来事です。審査員の皆様、そしてともに歩んでくださっているすべてのステークホルダーの皆様に深く感謝申し上げます。
ファッション産業のサステナビリティは、個別の技術導入だけでは到達できない複雑で厄介な問題です。Synfluxは、計算的枠組みで設計の意思決定を最適化するアルゴリズミックデザインと、素材・設計・生産・流通を一つの相互依存する系として再設計するシステミックデザインを通して、産業の動作原理そのものに介入することを目指してきました。今回の受賞は、このアプローチがグローバルに実装可能な方法論として評価された証であり、私たちの責任の重さを再確認するものでもあります。
CPOとしての私の責務は、この技術的・思想的な深度を維持しながら、PDS Venturesをはじめとするグローバルなネットワークの中でSynfluxのプロダクトをスケールさせていくことです。ファッションを惑星規模の最適化問題として再定義する–その挑戦の次のフェーズを、世界の優れたパートナーとともに進めていけることを、心から楽しみにしています。
プロフィール:
アルゴリズミック・ファッションデザイナー、Synflux共同創業者、COO兼CPO。
1998年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了。
アルゴリズムと数理的思考を駆動軸として、衣服が設計される過程そのものを設計対象として扱う。微分幾何学、進化的アルゴリズム、シミュレーションといった計算的枠組みを導入し、身体・環境・生産条件が相互に干渉する設計空間を構築する。ファッションを表現や様式の問題としてだけではなく、物質・情報・制度が交差する設計システムとして捉え直し、人間の身体と地球環境の双方に対して惑星規模で最適化された衣服の可能性を思索している。主な受賞に、Kering Generation Award Japanファイナリスト、H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、Wired Creative Hack Awardなど。共編著に『サステナブル・ファッション』(学芸出版社、2022)がある。
なお、サミット最終日のセレブレーションディナーでは、デンマーク王妃陛下に拝謁し、当社の事業と今回の受賞について直接ご報告する機会に恵まれました。
近年、ファッション産業では自然環境の持続可能性への関心が高まり、生産や設計の過程で環境負荷を低減する新たなテクノロジーやソリューションが強く求められています。
このような市場環境のもと、Synfluxは「ファッションデザインの力で、惑星と人類が生き生きする未来へ」というビジョンを掲げ、機械学習、3Dシミュレーション、アルゴリズミックデザインを駆使したデザインシステム「Algorithmic Couture(アルゴリズミック・クチュール)」を開発・事業化。衣服生産において避けられない素材廃棄を最小限に抑える仕組みを提供しています。
すでに多くのブランドで導入・商用化が進んでおり、H&M財団グローバルチェンジアワード、毎日ファッション大賞 新人賞・資生堂奨励賞、Kering Generation Award Japanファイナリストなど、国内外でその価値が高く評価されています。
現在の大量生産システムを乗り越える「最適化生産」への転換を掲げ、産業の効率化、環境への配慮、快適性、全ての実現を目指しています。