今年もこの季節がやってきました。ジョンロブが年に一回、持てる力を出し切ってクラフトマンシップの高値を更新するイヤーモデル収穫のときです。
2026イヤーモデルは「ロペス 75」と名づけられました。ご推察のとおり、ベースは「ロペス」。誕生75周年を記念して白羽の矢が立ちました。そう、お尻につけた“75”は周年を意味しています。
特筆すべきは、一枚革のアッパー。「ロペス」ってそもそも一枚革じゃないの? と疑問を抱かれた方はなかなかの事情通。
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「LOPEZ 75(ロペス 75)」44万1100円
「ロペス」は踵に切り込みを入れることで圧を逃し、一枚の革を一足にまとめています。翻って「ロペス 75」は、サドルを起点として、腰革からぐるりとエプロンフロントまで――がまるで一筆書きの図形のように(!)一枚で構成されているのです。どんなシューメーカーだって脱帽せざるを得ないパターンです。
モカシンから続くハンドステッチもたまりません。その終わりには“LXXV”のエンブロイダリーが。ローマ数字の“75”ですね。
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ラストは「ロペス」のために考案されたローファー専用の4395。サイドウォールも美しい、クラシカルなショートノーズです。楕円形のスリットや張り出しを抑えたコバがそこに華を添えます。
アッパーは最高峰のオックスフォードカーフとまだらな模様が美しいマーブルカーフの2つ。カラーバリエーションは前者がブラック、後者はダークオーク、ストームをラインナップ。いずれもイヤーモデルのテーマカラーであるネイビーで染めたソールと見事に調和します(写真はストーム)。
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標準装備のシューツリーに埋め込まれたメタルプレートには“ST CRISPIN 2026”と刻印されています。10月25日、世界同時発売。500足限定。
最後にベースとなった「ロペス」について。言わずと知れたローファーの金字塔ですが、これまで史実と異なる情報がまことしやかに語られていたのをご存じですか。それが、「ロペス」の大元であるビスポークシューズのこと。その靴を誂えたのは大リーガーのアキリーノ・ロペス――というのが通説でしたが、じつはアルチューロ・ロペスなる男爵だったのです。
アルチューロはパリの社交界で活躍した御仁で、ベルサイユ宮殿の復旧に多大な寄付をしたことでも知られます。
【問い合わせ】
ジョン ロブ ジャパン
03-6267-6010
https://www.johnlobb.com/ja_jp
Text:Kei Takegawa