9月2日から4日まで、上海の国家会展中心で 『インターテキスタイル上海 アパレルファブリックス(Intertextile Shanghai Apparel Fabrics)秋 2025』 が開催される。今シーズンは、世界26の国・地域から3,700社以上の出展者が集結し、グローバル規模でのサプライチェーン連携と新しいテキスタイルトレンドを発信する。

4つの注力テーマと拡充された展示ゾーン

今季は注力テーマとして、「ファッション生地とアクセサリー」「機能性ファッション」「サステナビリティ」「イノベーションとデジタル変革」という4項目が掲げ、9つのホール全体で展開される。カジュアルからスポーツ、ランジェリー、スーツまで、多彩なカテゴリーを横断的にカバーする。

新設ゾーン「Essential Suits & Shirts」には、日常使いに求められる快適性と品質を兼ね備えたスーツ・シャツ素材が集結。パキスタンの Mahmood Textile Mills や Kohinoor Mills が出展し、環境配慮型の生産体制やサステナブルな織布技術を披露する。

さらに、プレミアムウールゾーンに新設された「Bespoke Performance」は、従来の機能性スーツ展示を刷新。香港のデザイナーブランド SUIT ARTISAN によるコレクションを通じ、スタイル・機能性・ラグジュアリーが融合した新たな価値を提示する。

国際的な出展企業とグループパビリオン

また、今回の『インターテキスタイル上海 アパレルファブリックス 秋 2025』には、伊藤忠商事(日本)、Fibrant(オランダ)、Wendler Einlagen(ドイツ)といった、サステナブル素材や高機能製品に強みを持つ企業が新たに参加する。加えて、ヒョースン、レンチング、ライクラ、ソロナといった業界大手によるグループパビリオンでは、最新の繊維技術や機能素材が一堂に披露される。

なかでも注目を集めるのは、レンチングパビリオンで発表される「超極細繊維素材」だ。カシミヤよりも細く、より滑らかなタッチを実現しており、肌着から高級アパレル市場まで幅広い応用が期待されている。

情報発信とグローバルネットワーキング

会期初日と2日目には、計37本のセミナーが実施され、WGSNやHKRITA、OEKO-TEX®協会などが登壇。トレンド予測からビジネス戦略、サステナブル素材まで、業界を多角的に捉える知見が共有される。

また、バングラデシュやベトナムをはじめとするアジア各国のバイヤーデリゲーションに加え、今回初めてブラジルとトルコからも参加が予定されている。国際的な交流の幅がさらに広がり、グローバルなネットワーク強化の場となることが期待される。

サプライチェーン全体を俯瞰できる展示構成

なお、同フェアはヤーンエキスポ秋展やCHIC、PH Valueと同時開催され、素材から完成品までアパレルのバリューチェーンを一望できる構成となっている。来場者は、同期間に上海新国際博覧中心で行われる「シンテ・テクステキスタイル・チャイナ(Cinte Techtextil China)」にも無料で入場可能。アパレル素材とテクニカルテキスタイルを効率的に比較検討できる。

世界最大級のテキスタイル展示会『インターテキスタイル上海 アパレルファブリックス 秋 2025』は、新素材発表の枠を超え、サステナビリティやデジタル化、多様化するライフスタイル対応といった業界課題を解決するプラットフォームへ進化している。今回の秋季展も、アジアから発信されるグローバルファッションの方向性を示す場となるだろう。

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