1981年2月12日放送の『ザ・ベストテン』で「恋=Do!」が1位を獲得した
1980年6月21日に歌手デビューした田原俊彦は、年末の各音楽祭であまたの最優秀新人賞を獲得。わずか半年でNHK紅白歌合戦にも初出場を果たす。
その人気に拍車をかけたのが、TBS系『ザ・ベストテン』だった。同番組は30%を超える視聴率をたびたび記録。ネットがなく情報が限られていた当時、『ベストテン』がヒットのバロメーターだった。
田原俊彦(1980年11月04日撮影)
その番組に田原は7月10日の初登場以来、80年最後の放送となった12月25日まで25週連続ランクイン。ニューアイドル“トシちゃん”としてお茶の間に浸透していった。
『ザ・ベストテン』25週連続ランクインの衝撃
昭和の歌謡界には、大きな賞を受賞した翌年は伸び悩む、いわゆる2年目のジンクスがあったが、田原には無縁だった。
81年1月発売のサードシングル「恋=DO!」も1位を獲得。同期デビューの松田聖子、同じ事務所の近藤真彦らとベストテンの上位を争い、名実ともにトップアイドルとなる。
時代も味方したのだろう。“一億総中流”、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”といわれるほどの経済大国となった日本では、ポップカルチャーが花開きつつあった。