2025.07.10
(最終更新:2025.07.10)
【記事の要点】
◇一部店舗での試験的な実施で、これまでに約73tの衣料品を回収
◇回収の対象は衣料品(他社品も可)、下着、靴下、靴などは対象外
◇ファッション業界は「世界2位の環境汚染産業」と指摘されている
カジュアル衣料のしまむらは、7月7日~27日、グループ全国900店舗で衣料品回収を実施している。2024年に一部店舗での試験的な回収を経て、これまでに約73tの衣料品を回収してきた。回収された衣料品は、総合アパレルメーカーのカイタックファミリーの「MUDAZERO」プロジェクトを通じてリサイクルされ、服から服への再生が行われる。
しまむらグループは、ESG課題の一つとして「商品廃棄ゼロの継続と進化」を掲げており、販売する商品を最後の1枚まで売り切る「廃棄ゼロ」を実施している。今後は、購入後に不要となった衣料品についても「廃棄ゼロ」を目指し、今回の衣料品回収を実施することとなった。
しまむら提供
回収の対象となるのは、衣料品(他社品も可)で、下着、靴下、靴、服飾雑貨(カバン、帽子など)、寝具類、革製品(合成皮革含む)は対象外となる。持ち込み前には洗濯が必須で、ぬれたり、著しく汚れた状態のものは回収できない。また、持ち込まれた衣料品の返却は行わない。
生産から廃棄まで多数の工程があるファッション業界は、国連貿易開発会議(UNCTAD)に「世界2位の環境汚染産業」と指摘されている。製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、ライフサイクルの短命化などから環境負荷が大きく、国際的な課題となっている。
環境省によると、日本では衣料品の66%(約45万t)が焼却・埋め立て処分され、リサイクル率は15%、リユース率は19%にとどまっている。
しまむらは、環境への取り組みを「しまエコ」と名付け、ごみの削減や資源の再利用、環境に配慮した商品づくりなどを行っている。
「MUDAZERO」プロジェクトは、回収した衣料を糸や生地、製品へと再資源化するリサイクルプロジェクトで、持続可能なファッション産業の実現を目指している。
朝日新聞SDGs ACTION!編集部
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