Omoinotakeの楽曲制作は「踊れて泣ける」を大切に。藤井怜央が語る、バンドで大切にしていること | J-WAVE NEWS - Moe Zine

Omoinotakeの藤井怜央(Vo/Key)が、好きな街や自身のモットー、バンドの今後などについて語った。

藤井が登場したのは、5月31日(土)放送のJ-WAVE『KDDI LINKSCAPE』(ナビゲーター:TENDRE、田中シェン)のコーナー「CONNECTORS AVENUE」。人、街、そして、音楽やカルチャーでつながる新感覚のエンターテインメントプログラムだ。

番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。

・ポッドキャストページ

素敵なコーヒー屋さんがある街

Omoinotakeはボーカル・キーボードの藤井怜央(レオ)、ベースの福島智朗(エモアキ)、ドラムの冨田洋之進(ドラゲ)からなるピアノトリオバンド。2024年1月にリリースした『幾億光年』はストリーミングの再生回数が4億回を突破。2025年4月には新曲「ひとりごと」が配信リリースされた。

「街とつながること」がテーマとなっている『KDDI LINKSCAPE』。まずは藤井の「好きな街」について尋ねた。

TENDRE:藤井さんに街とのつながりについて訊いていきたいと思いますが、好きな街はありますか?

藤井:一度住んでいたことがあるところから選びたいなと。恵比寿に住んでいた時期がありまして、コーヒーが大好きなんですが、住み始めてすぐに素敵なコーヒー屋さんを見つけたんです。お店で飲むこともあるし、そこで売っている豆がとてもおいしくて。いまは恵比寿ではなく別のところに住んでいますが、コーヒー豆だけは、なくなったらいまでもそこで買うために恵比寿へ行きます。

TENDRE:どのくらい住んでいたんですか?

藤井:3年ぐらいです。

TENDRE:恵比寿の街の印象はありますか?

藤井:おいしい飲食店が本当に多いなという。選択肢がたくさんあるので。

TENDRE:ランチもディナーも、どれを探しても楽しいというか。たしかに、そうですよね。そのカフェへはリラックスするために行くことが多いですか?

藤井:息抜きで行きますね。基本的に作曲は家でやっているんですが、行き詰ったときとかに「ちょっとコーヒーでも飲みに行くか」みたいなことも、ここに住んでいたときはありましたね。

TENDRE:作詞は家ですることが基本的には多い?

藤井:僕は作曲だけやっていて、作詞はベースのエモアキがやっているスタイルなんです。そういうのもあって、なかなか外で音を出してというのができないので、基本的に家ですね。でも、家でずっとやっていると飽きちゃうので、たまに音を出せるところに泊まりに行ってやったりもします。

TENDRE:それはちなみに、どの辺に行ったりするんですか?

藤井:県外に行きます。

TENDRE:合宿だ。合宿っていいですよね。

藤井:楽しいですよね。

TENDRE:僕もこの前、友だちの別荘がある軽井沢に合宿に行ったんです。合宿ならではというか、そこでしか見られない景色とかを見ながら、新しい刺激を得ながら曲を作るって楽しいですよね。いま、この街に行ってみたいとか、気になる街ってありますか?

藤井:ずばり、ロンドン。

TENDRE:行ったことは?

藤井:ないです。

TENDRE:俺もまだ行ったことがなくて。どういうところが気になるとかありますか?

藤井:「曇りがち」「雨がち」というイメージがあって。僕の地元は島根の松江というところですが、そこもけっこう曇っていたり、雨が降っていたりすることが多くて。とはいえ、ロンドンは都会で、地元はすごく田舎なので。というなかでも、同じ曇りがちという雰囲気を感じるとどんな気持ちになるのかな? という。

TENDRE:近しい感覚もあるけど、見える景色はまったく違うだろうから、新しい刺激にはなりそうですね。地元の思い出の景色はありますか?

藤井:宍道湖という大きな湖が近くにあって、そこで当時、実家で飼っていた犬の散歩をしたりとか。けっこう大きくてきれいで、夕日もきれいな湖なんです。それがいちばん脳裏に焼き付いています。

上京後にバンドを結成

ここからは藤井の「共鳴でつながる力」について話を訊くことに。まずはバンドを結成した経緯について語った。

藤井:エモアキと中学校が一緒で、僕は当時ドラムをやっていたんです。エモアキからいろいろな音楽を教えてもらって、音楽にのめり込んで。当時はエモアキがベースボーカル、僕がドラムで、もうひとりギターがいて、というかたちで、地元で高校生まではずっとそれで活動していて。あと、ドラゲと僕のドラム教室が中学校時代から同じだったんです。地元時代はこの3人組でやったことはなかったんですけど、上京してから僕がキーボードボーカルとして誘われてOmoinotakeを結成しました。

TENDRE:キーボードボーカルをやるまでは、ドラマーとしての意識のほうが強かった?

藤井:バンドはがっつりドラムでやっていました。

田中:どうして歌うことになったんですか?

藤井:エモアキと友だちだったのでカラオケとかよく行っていて。歌うことも好きだったし、それをエモアキが聴いていて歌えることを知っていたので。

田中:「そういえば歌えるやん」と。

藤井:まさにそういう感じです。

TENDRE:鍵盤ボーカルをやると決まったときの心境は、どんな感じでしたか?

藤井:当時は鍵盤ボーカルのバンドはあまり聞いたことがなくて。誘われてから「どんなバンドがいるんだろう」というのを掘って。当時、アメリカのバンドでベン・フォールズ・ファイヴとかを聴き始めて「こういう感じか、楽しそうだな」と思って。

TENDRE:自分たちの世代だとベン・フォールズ・ファイヴがあって、みんなそこから「ピアノかっこいい」となるきっかけになりましたよね。いまとなっては鍵盤ボーカルはたくさんいます。そのなかでもめちゃくちゃいい、いちばんきらびやかなのがレオくんなんじゃないかな。ハイトーンのボーカルもそうですけど、ピアノの1音1音がキラキラしている印象があって、尊敬しています。

藤井:いやいや、こちらこそです。

TENDRE:こんな場面でいきなり褒め倒してすみません。これが本音です。素敵なバンドですが、2024年には『幾億光年』が大きな話題となりまして紅白歌合戦初出場と大活躍の年となりました。本当にすごかったですね。

藤井:ありがとうございます。

TENDRE:どんなことが共鳴して、いまの活動につながっていると思いますか?

藤井:Omoinotakeは鳴かず飛ばずの時期が長かったんですが「こんちくしょう心(ごころ)」というか、それがずっと同じ地元から続いているというのもあるし。なかなか芽が出ないけど、食いしばってやるんだみたいな想いがそれぞれあって。その想いで支え合いながらやっていたことからつながって、やっと花開き始めたかなという感じです。

TENDRE:「続けてよかったな」という想いもありましたか?

藤井:ですね。くじけてやめるかも、という選択肢も要所要所であったので、それを思うと本当に続けてよかったなと思います。

TENDRE:ファンの方もみんな、きっと同じ想いだと思います。「続けてくれてありがとう」というね。ちなみに、最近いろいろと作っていらっしゃるでしょうけど、作品を作るなかでレオさんが大切にしていることはなんですか?

藤井:Omoinotakeは「踊れて泣ける」というのをひとつのキーワードにして曲を作っているんです。自分がメロディを作る際、そのメロディを作っているとき、もしくはできたてを聴いたときに、自分の涙腺にくるかどうか、みたいなのはすごく大切にしています。

ブレず、めげず、楽しく

藤井は自身がデビュー当時に掲げたというモットーを明かした。

藤井:「これを大切にしよう」と決めたことなんですが「ブレず、めげず、楽しく」という3つをモットーというか。自分の音楽活動で迷ったときに、この言葉に戻ってきてちゃんと確認する、大事な3つを決められたかなと思っていて。

TENDRE:大事なことが揃っていますね。

田中:最後に「楽しく」というのがいいですね。

藤井:それが意外といちばん大事なので。

TENDRE:たしかにそうね。

田中:アーティストのみなさんはどこまでも続けられるから、完成というのを決めるのが自分たちじゃないですか。ブラッシュアップしていく過程で、そこが難しいですよね。

TENDRE:油絵に近いと思います。どこでも完成と言えば言えるし、言えない部分もあるんだけど最終ジャッジに「楽しく」というワードが出てくると、ちゃんと自分の想いを確認できるからこそ、いい3ワードですね。

藤井:ありがとうございます。

TENDRE:バンドも20年、30年、50年?

藤井:60年(笑)。

TENDRE:おじいちゃんになったOmoinotake、どんな感じかすごく聴いてみたいです。いろいろな夢や目標があると思いますが、それを叶えるために大切にしていることや実践していることはありますか?

藤井:疑問に思ったことがあったときには、ちゃんと“なあなあ”にしないで訊いたりして、はっきりさせておくことが大事かなと思っています。

TENDRE:音楽のみならず、チームでなにかをやるうえでいちばん確認しておきたいことというかね。

藤井:まさにそうです。

田中:難しいですよね。人になにかを言うときって言葉を選んだり、相手を傷つけないようにと遠回りでいくと、本意がずれていくみたいなこともあります。20年、メンバーと一緒にいて、そういうのも何周もしてふた言、三言ぐらいで終わるんじゃないかなと。

TENDRE:だからこそ、あらためて言葉にする大切さもあるだろうし、バンドとしてもずっと続いていくことなんだと思います。いやあ、勝手にエモーショナルになっています(笑)。

藤井:うれしいです。

TENDRE:ちなみに、藤井さんにとってワクワクする未来はどんな未来ですか?

藤井:いま、AIとかが話題になっていて、クリエイティブ面だとネガティブ方向でとらえられたりもしています。だけど、自分への取り込みようによっては、すごく有意義なものになると思っていて。それこそ、おじいちゃんになったときにも、そのときの科学の最先端のものを自分なりにうまく取り入れられたら、素敵な未来が待っているんじゃないかなと、いま感じています。

田中:ChatGPTとかは使用しているんですか?

藤井:めちゃめちゃ使っています。クリエイティブ面で頼っているというよりは、そこからヒントをもらって「自分がなにを作るか」というふうに取り入れています。

Omoinotakeの最新情報は、公式サイトまで。

人、街、そして、音楽やカルチャーでつながる「ワクワクする未来」を描く、J-WAVE『KDDI LINKSCAPE』は毎週土曜16時からオンエア。

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