メルボルンを拠点とするエイミー・ローランス(AMY LAWRANCE)は、昨年に開かれた「New Gen」グループショーの一部としてオーストラリア・ファッション・ウィークでデビューし、繊細かつ精巧な手縫いのドレスで観客たちを魅了した。ローランスは今回、彼女の確立された美学から大きく逸脱することはなかったが、そのテクニックはこまれのそれとは明らかに異なっていた。
ショールームで「20世紀前半の服作りに見るような説明書や型紙に着目し、その素材感を模倣しようとしました」と説明する彼女は、紙のような質感を出すためにすべての生地を澱粉入りの熱湯にくぐらせ、それから乾燥させたという。そのなかには、フセイン・チャラヤンのアイコニックなエンベロープドレスを連想させる折りたたまれたようなデザインもあった。ローレンスは無意識にも彼の影響を受けていたようで、「偉大なデザイナーのひとりです。頭の片隅に(彼の作品が)あったのかもしれません」と話している。
いくつかのドレスに施されたシワ加工は、花のように見えることも。こういったイリュージョンは、彼女のデザインに共通するものだ。またほかのドレスは、折りたたまれたフリルや装飾で飾られ、無造作に置かれた紙切れの形を彷彿とさせた。ローレンスは今でもすべてのドレスを自ら手作りしており、1着を仕上げるのに20時間から30時間かけることもあるそう。しかし彼女は、より多くの人がアクセスしやすいバージョンを作るためにさまざまな方法を試している。今年3月、彼女はオーストラリアの権威あるナショナル・デザイナー・アワードを受賞し、賞金2万ドルと、オーストラリアを代表する高級デパートのデビッド・ジョーンズからコマーシャル・サポートを得ており、さらなる成長が期待される。
Text: Laia Garcia-Furtado Adaptation: Motoko Fujita
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