Level Infiniteがサービス中の『勝利の女神:NIKKE』(以下、『NIKKE』)にて、『Stellar Blade』とのコラボイベントが6月12日にスタートした。
今回のイベントでは、『Stellar Blade』を代表するイヴ、レイヴン、リリーの3人が『NIKKE』の世界に”新ニケ”として降臨。『NIKKE』キャラクターたちと時空を超えた邂逅を果たし、フルボイスの大型イベント「MEMORIES TELLER」などの各種コンテンツを楽しめる内容となっている。
ご存じの電ファミ読者も多いだろうが、今回コラボを行う2作品は、韓国屈指のデザイナーとして有名なキム・ヒョンテ氏の開発スタジオ、SHIFT UPが開発作業を行っている。ある意味”地続き”といえる2作品が、いったいどのような形で交わるのか、どちらの作品のファンにとっても気になるところ。
もちろん、彼女たちの艶やかさを引き立てる新コスチュームもたっぷり登場し、ヒョンテ氏のファンならずとも紳士諸君ならば見逃せないイベントだ。
今回電ファミは、『Stellar Blade』でリリーを演じた声優の松岡美里さんと、レイヴン役の行成とあさん、そして『NIKKE』にてアニス役を演じる岡咲美保さんと、プリバティ役の竹達彩奈さんの4名にインタビューを敢行。コラボイベントの見どころや、あらためて演じたキャラクターの魅力を中心に、たっぷりと語っていただいた。
本稿で紹介するのは、松岡美里さん(リリー役)へのインタビュー。1年以上の時を経て、再びリリーを演じた松岡さんは、『Stellar Blade』と『NIKKE』の共通点や違いをどのように感じたのか。エンジニアであるリリーは、NIKKEの世界でどのような振る舞いを行うのか。そしてリリーは、”背中で魅せるガンガールRPG”で、どんなキャラとして活躍するのか。
ぜひ本稿を読み進めて、興味を持ったら『NIKKE』をプレイしてほしい。
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聞き手/豊田恵吾
文/kawasaki
『勝利の女神:NIKKE』公式サイトはこちら『勝利の女神:NIKKE』公式Xアカウントはこちら
【ご注意】
本稿は『Stellar Blade』ならびに本コラボにおけるリリーのストーリーについての言及があります。ご自身で体験されたい方はご注意くださいませ。
目次
『Stellar Blade』では英語版ボイスを参考に”吹き替え”を行う
──本日はよろしくお願いします。コラボのお話をうかがう前に、『Stellar Blade』についてお聞かせください。『Stallar Brade』は発売後、世界的なヒットとなりました。また、キャラクターもとても愛されており、リリーはその愛くるしさから高い人気を博しています。ファンからの反響について、どう感じていらっしゃいますか?
松岡美里さん(以下、松岡さん):
私が演じさせていただくキャラクターは、いままでかっこいいものが多かったんですね。どちらかというと男の子っぽい女の子が多かったんですけど、リリーちゃんはそういう感じじゃなくて、ちゃんとかわいらしくて、それでいておっちょこちょいなところもある。私にもぐさっと刺さるような女の子の部分がいっぱいある子だと思っていて……。
ですから、「(リリー役を)松岡美里がやっているとは思わなかった」「え? これって松岡さんがやってたんだ」と言っていただけることが多くて(笑)。「松岡さんってこういうかわいい声も出せるんだ」とか(笑)。
──(笑)。いままでと違う面を見せられたわけですね。
松岡さん:
そうですね。私にとって転機じゃないですけど、挑戦といいますか、リリーはそういう役でしたね。
──『Stallar Brade』でリリーを演じる際、どのようなことを意識されて演じられたのでしょうか?
松岡さん:
『Stellar Blade』の収録を行ったときは、原音があったんですね。英語で演じられていたものがあり、それに合わせて吹き替えるように演じさせていただきました。これまで私が担当させてもらっていたアニメやゲームの収録とは異なり、海外ドラマや映画の吹き替えに近くて、ちょっと変わったやり方でしたね。
──収録時、ゲーム映像があるというのは珍しいことですよね。
松岡さん:
しかも、英語版で演じられたボイスアクターさんの映像も用意していただいたんですね。
さきほど「声がかわいい」というご意見をいただいたとお話しましたが、私としてはそんなに声を作っている感覚はなくて、原音にとにかく合わせて演技をして……。「この人と同じ表情やテンションで演じたら、私も同じ声音が出せるかも?」とチャレンジしたり、原音の波形(※音の情報を視覚的に表したもの)を見ながら演じさせていただきました。このような形で収録したのは初めてで、貴重な経験をさせてもらいました。
──SHIFT UPさんからは「こう演じてほしい」というディレクションはあったのですか?
松岡さん:
見せていただいたリリーのビジュアルがかわいかったので、いまよりもかわいめの声で臨んだのですが、SHIFT UPさんから「吹き替えのお芝居を行う感じで」とお願いされたので、そのように演技を行わせていただきました。
──なるほど。リリーというキャラクターをあらためて振り返ってみて、どのような印象がありますか。
松岡さん:
私はショートカットの女の子が大好きなので、その点も含めてリリーを演じることができてうれしかったですね。
『Stellar Blade』の収録作業は何日かに分けて行ったのですが、最初のころの私の髪型はショートボブだったんです。でも、『Stellar Blade』の収録期間中に美容院へ行って、リリーちゃんっぽい髪型にチェンジしました(笑)。
私は素敵なショートヘアの女の子を見ると、その髪型を真似したくなっちゃうんです(笑)。
──(笑)。松岡さんはほかの作品でも、演じられたキャラクターから影響を受けることは多いのですか?
松岡さん:
けっこう多いタイプだと思います。
めちゃくちゃ元気なキャラを演じるときは、私も思いっきり元気な気分になってから収録現場に入ります(笑)。暗いキャラを演じるときも同じですね。
逆に、演じたキャラの作品を見ることで、そこから影響を受けることもあります。ちょっと落ち込んだりしたときも、以前に演じた漫画やアニメを見返すことで元気を出せたりします(笑)。
NIKKEコラボではプレイアブルキャラとして大抜擢
──それでは、本題となる『NIKKE』におけるコラボイベントについてお聞かせください。コラボの話を最初にお声がけいただいたときの感想はいかがでしたか。
松岡さん:
『Stellar Blade』の発売からけっこう時間が経過していたこともあり、最初に聞いたときはびっくりしましたね。
しかもリリーちゃんって、イヴのような主人公キャラじゃないじゃないですか。「どうせ出演するのは主人公のイヴだけですよね……。脇役のリリーちゃんは見守るだけですよね……」と思っていたら、リリーちゃんも登場させていただけると聞いて、本当にうれしかったです。
リリーちゃんが採用されたことはもちろんですが、それ以上に、もう一度このキャラを演じることができるのが本当にうれしかったんですよ。
──ちなにに、『NIKKE』のことはご存じだったのですか?
松岡さん:
もちろん、名前は知っていました。コラボをきっかけに調べてみると、世界観で共通している点が思いのほかあることがわかって。「どんなコラボ内容になるんだろう?」とずっとワクワクしていました。
──コラボイベントの詳細が発表されたばかり(※インタビューは6月初旬に実施)ですから、いまはSNSなどで反響があふれかえっています。
松岡さん:
じつは、エゴサしました(笑)。
私のことを知ってくださっている方が、「松岡美里が『NIKKE』にきた!」と言ってくれていて、うれしかったですね。『NIKKE』に出演している声優の友人や先輩も多いので、同じ作品に関わることができることもうれしいです。
──『NIKKE』でアニスを演じる岡崎美保さん(※松岡さんと同じアイムエンタープライズ所属)とも共演となります。
松岡さん:
そうなんです。しかも岡崎さんと私は同期なんですよ。
そういった意味でも本当にうれしいです!
子供っぽさと大人っぽさが共存したリリーを再び演じる
──今回のコラボでは、どのようにリリーを演じられたのでしょうか。
松岡さん:
『Stellar Blade』のときとは大きく違っていました。
というのも、『Stellar Blade』収録時とは異なり、海外版のボイスといった参考にできる情報がなかったんですよ。
参考としていただいたのは、台本とコラボイベントのシナリオだったので、イチからリリーを演じた感じです。
──リリーのキャラデザインもなかったのですか?
松岡さん:
そうなんです。コラボの詳細が発表されて、初めて『NIKKE』版リリーの姿を拝見しました(笑)。
──それでも立派に演じられているわけですから脱帽です。
松岡さん:
私が普段演じさせていただいているアニメやゲームのお仕事では、そういった収録が普通なんですね。ですので、声優って、自分で想像しながら演じる部分がとても大きいんです。
むしろ、海外版のボイスやボイスアクターさんの演技といった、参考になる情報がたっぷりとあった『Stellar Blade』の収録環境のほうがレアだと思います。
──参考になる資料などがほとんどない中、どのように同じキャラを演じられたのでしょう?
松岡さん:
今回の収録では、『Stellar Blade』のような”吹き替えっぽい”お芝居をイメージしつつ、それでいて「リリーはこうやって演じるんだ!」という先入観をなるべく持たず、その場で感じた”リリーちゃんらしさ”に素直に従おうと思いました。
──実際に収録を行ってみて、いかがでしたか?
松岡さん:
最初に演じたとき、音響監督さんに「もうちょっと元気さを出してください」、「もっと年齢を下に」というディレクションがあったんですね。どうやら少し高めな年齢の声になっちゃったみたいなんです。
言われてみると、『Stellar Blade』のお仕事をさせていただいたころと比べると、私自身が年齢を重ねているわけですよね。「それが影響しているのかな?」って。なにしろリリーちゃんは、年齢を取っていないわけですから(笑)。
声質を変えてみたり、無邪気さを出すように声の年齢を意識して演じたら、今度は年齢を下げ過ぎちゃいまして(笑)。ですので、収録の最初はけっこう難しかったです。
──いまのお話を聞いてふと思ったのですが、リリーというキャラは子どもっぽさと大人っぽさが共存していて、それでいてどちらでもない、不思議な魅力を感じるキャラクターですよね。
松岡さん:
そうそう、そうなんですよ!
それでいて、しっかりとした芯の部分があるのが良いんですよね。
音響監督さんに、「『Stellar Blade』のリリーは、絶妙なラインで演じられていたんですね」って言われて、私も初めて気付かされました。
──『Stellar Blade』のリリーは、特定の状況以外でプレイヤーが操作をすることはありませんでした。でも今回のコラボではリリーはプレイキャラとして登場しますので、バトル中のボイスも収録されたと思うのですが……。
松岡さん:
そうなんです。バトル中のセリフ一覧を見て、リリーちゃんのかわいいところが全部詰まっていると思いました(笑)。
敵を倒したときに「やったー! 私、才能あるかも!」とはしゃいだり、「私、がんばりました!」と元気いっぱいにアピールしたり。でもその一方で、「本当に私でいいんですか……?」といった自信なさげなボイスもあって。リリーちゃんのいろんな魅力を感じてもらえると思います。
──『NIKKE』で描かれるリリーについて、松岡さんがおすすめする注目シーンを教えてください。
松岡さん:
リリーちゃんはエンジニアという設定のキャラなので、その視点で違う世界の技術に心が惹かれているシーンがあるんです。ここは個人的にも力を込めて演じたので、ぜひ注目してほしいです。
また、『NIKKE』にも「エレグ」というエンジニアの女の子が登場するのですが、ふたりの会話シーンも大好きです。お互い、住んでいるのは違う世界ですが、エンジニアとして共通する部分があるんですよね。「エンジニアや技術者って、どこの世界でもそうなんだ」って思いました。
──それは見どころですね。
松岡さん:
私はアニメでも”日常会話のシーン”が好きなのですが、『Stellar Blade』の世界から来たイヴ、アダム、リリーの3人が、それっぽいやりとりを行うシーンもあるんですよ。そういったシーンが挟まれることで、3人のあいだに信頼関係が築かれているんだなって実感しました。
イベントでは強大な敵と戦うけど、その合間に日常会話が挟まるギャップが、とても良いんですよね。
──2作品を同じSHIFT UPが手がけているからこそ、世界観やキャラの魅力を十二分に引き出せているのでしょうね。
松岡さん:
本当に、そう思いますね。
もし2作品を知っている方なら、「『Stellar Blade』のあのキャラと、『NIKKE』のあのキャラが出会ったら、どういったやりとりを繰り広げるかな?」って、すごく興味深く楽しめると思います。
もうひとつ私が印象に残っているのが、リリーが幻想的な場所で昔の友達を迎えに行くシーンです。リリーは普段は天真爛漫でおっちょこちょいだけど、彼女の中にも葛藤とか、置き去りにしてきたものとかがあるんですよ。彼女なりにいろいろな苦悩も感じていることが、すごく伝わってきたシーンでした。
”NIKKE版”のリリーのビジュアルも大満足!
──改めてとなりますが、『NIKKE』コラボに登場するリリーの新ビジュアルをご覧になっての感想はいかがですか?
松岡さん:
私がこれまで知っていたリリー、つまり『Stellar Blade』のリリーは3Dのキャラでした。
それが今回のコラボでは2Dのイラストでも描かれていて、アニメ絵っぽい仕上がりになっていてびっくりしました。
『Stellar Blade』のリリーちゃんもかわいかったですけど、こっちもいいですよね……。なんだか”推し”がもうひとり増えたみたいな、一粒で二度おいしい感じがします(笑)。
──(笑)。
松岡さん:
ほかにも、公式Xアカウントで公開されたPVを見たのですが、絵がとてもきれいで、びっくりしました。
埃が舞っていたり、その隙間から光が差し込んでいたり……。彼女たちがいる荒廃した世界の空気感が伝わってきて、思わず見入ってしまいました。
そして、こういう世界で「彼女たちがどういった冒険を繰り広げるんだろう」と想像したら、私はボイス収録を行って台本も知ってるはずなのに、とてもワクワクしちゃいました。
──『NIKKE』といえば、そのキャッチコピーが「背中で魅せるガンガールRPG」と呼ばれるほど、女の子の魅力を徹底的に追求している作品です。そういった意味でのリリーの感想はいかがでしたか?
松岡さん:
見ました、見ました!(笑)
リリーちゃんって、セクシーというよりヘルシーというか。健康的な魅力があるんですよ。
そんな彼女が『NIKKE』の世界に来ても、やっぱりヘルシーだったのが印象に残りました。
──同じ『Stellar Blade』から来たキャラでも、イヴとは魅力の方向性が違いますからね。
松岡さん:
主人公のイヴは『Stellar Blade』でも、思いっきりセクシーじゃないですか。
でも、リリーのような健康的な女の子に惹かれる人もたくさんいるだろうな、って思いました(笑)。
──松岡さんとしても『NIKKE』版のリリーには大満足のようですね(笑)。
松岡さん:
あ、でも、”ボン・キュッ・ボン”になったリリーちゃんも、それはそれで見たかったかも(笑)。
「リリーちゃんはそんな姿にもなってくれるのね……!」って驚きたかった。
──(笑)。では、最後に今回のコラボを楽しみにされている『NIKKE』のプレイヤー、『Stellar Blade』ファンに向けて、松岡さんからメッセージをお願いします。
松岡さん:
今回、再びリリーちゃんを演じることができて、とてもうれしかったです。
『Stellar Blade』が好きな人は、これまでとは違った世界での彼女の新たな活躍を、ぜひ見届けてほしいと思っています。
また逆に、今回のコラボをきっかけに『NIKKE』のプレイヤーさんが向こうのリリーちゃんに興味を持ってもらえたらうれしいなって思います。(了)
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