2025年5月24日〜25日の2日間にかけて、東京都・立川ステージガーデンにて『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)のライブイベント〈学園アイドルマスター The 1st Period Spotlight Star〉が開催された。OTOTOYでは、そのDAY2の模様をレポートする。
2024年5月16日のサービススタート以来、多くのプロデューサー(※『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)を魅了しているプロジェクトである『学マス』。今回の〈学園アイドルマスター The 1st Period Spotlight Star〉は、その全員がはじめて揃った状態でのライブ。事前に、初星学園のアイドルそれぞれのソロにフォーカスしたコンセプトであることが伝えられており、どのようなライヴが行われるのか、多くのプロデューサーたちが期待に胸を膨らませていた。
定刻を迎えると、『アイマス』シリーズのライブでは恒例の提供読み上げから、スタート。続いて、十王邦夫学園長(CV: 大塚明夫)による開演の挨拶、そして根緒亜紗里先生(CV: 古賀葵)による諸注意が行われると、この日集まったプロデューサーさんたちも、気合いは十分という感じで、大きな声が飛んでいた。開演の知らせを告げるチャイム、そして“Overture”が鳴り響き、正面モニターに『学園アイドルマスター』のロゴと各アイドルのPVが映し出されると、プロデューサーたちのヴォルテージも全開になった。
この日のセットリストの1曲目は、小鹿なお(月村手毬役)による“叶えたい、ことばかり”。手毬の心の声を描くような歌声に、一気に心を掴まれてしまった。ちなみにこのセットリストはDAY1のものとは、全く違った構成であり、前日から参加していたプロデューサーたちを大いに驚かせていた。続いてステージに現れたのは、長月あおい(花海咲季役)。彼女が歌う“Fighting My Way”の冒頭には、作曲者である「Giga」の名前が叫ばれ、強いビートで会場の空気を掌握した。さらに、そのビート感を引き継ぎながら登場した湊みや(紫雲清夏役)は“Ride on Beat”をパフォーマンス。途中のブレイクでは、キレッキレのダンスで魅了した。
“clumsy trick”のファンキーなピアノ・イントロと共に登場したのは、薄井友里(姫崎莉波役)。お姉さんっぽさとキュートさをMIXしたような歌声を届けると、間奏ではステージに用意されたマネキン視点から薄井の姿を捉える演出も行われ、観る者全てをメロメロにした。さらに、飯田ヒカル(藤田ことね役)は“The Cute!!!”を持てる力全てを振り絞って歌い上げる。かわいさとエモさを掛け合わせながら、全身全霊で歌を届けるその姿は、「アイドルとはなにか」を体現するようだった。そして、その雰囲気を一変させたのは、春咲暖(秦谷美鈴役)による“ツキノカメ”。シンセのサウンドとレーザーの光のなか、「静」と「動」を自在に使い分けるように舞い踊り、呼吸すらも魅せるようなステージを繰り広げた。
ここで序盤のブロックが終了。今回の出演者全員がステージに揃う姿は壮観だった。メンバー全員の挨拶のあと、続いてのブロックの1曲目は、花岩香奈(葛城リーリヤ役)による“Fragile Heart”。ストリングスとピアノの音色に映える澄み切った歌声が、立川ステージガーデン一体を包み込んだ。続く松田彩音(花海佑芽役)は、“The Rolling Riceball”という楽曲をパフォーマンス。間奏の大きなおにぎりを食べる振り付けが印象的なこの楽曲。松田によると、この振り付けはもともとフリーだったが、彼女の発案でこの振り付けになったとのこと。会場一体のプロデューサーたちによるコールも行われ、大きな一体感が生まれていた。
その後に、ステージに上がったのは、七瀬つむぎ(有村麻央役)。七瀬は長いポニーテールを揺らしながら、ディスコ・チューン“Fluorite”を披露。曲間には、MVを再現したような映像演出も行われ、カワイイとカッコいいを共存させたステージでプロデューサーを沸かせた。そして、暗闇から王者の風格を漂わせて登場したのは、陽高真白(十王星南役)。一番星(プリマステラ)の称号をそのままに、ダイナミックに“Choo Choo Choo”をパフォーマンスし会長としてのオーラを全開にした。王者の次に、女神が降臨したような空気を作り出したのは川村玲奈(篠澤広役)。ウィスパーヴォイスを駆使して“光景”を歌い上げ、眼、表情、動き全てで「篠澤広」という存在を表現していた。
このブロックの最後は伊藤舞音(倉本千奈役)による“ときめきのソルフェージュ”。まるで夢の国にでも迷いこんだような、随所にセリフの入ったミュージカルのような構成で楽しませ、温かで優しい音楽の世界を繰り出していた。全員がそれぞれのソロ曲を歌い終えたあとは、出演者12人全員がステージに集合し、“Campus mode!!”をパフォーマンス。バックスクリーンに伸びていた12色の矢印は、まさに「アイドルマスター」を感じさせ、全身全霊のアイドルたちの輝きが大きな大きな多幸感を作り出していた。
メンバーそれぞれの楽曲を褒め合うようなMCの時間を挟んで、後半戦1曲目は川村による篠澤広の楽曲“メクルメ”からスタート。とにかく複雑なビートと音程を歌いこなす川村の姿に、多くのプロデューサーが「これを生で歌えるとは…!」という衝撃が与えられていた。続いての衝撃は、陽高が歌う十王星南の“小さな野望”。陽高は、剣を手にした舞を披露。長い手足から繰り広げられる剣技は、神々しい「一番星」の姿そのものだった。続いて春咲は、未だサブスク配信されていない秦谷美鈴の楽曲“ヨルニテ”をパフォーマンス。EDMの強い四つ打ちのビート感のなかに、優雅さと気品を漂わせて、プロデューサーたちを幻のなかに連れて行った。
扉を開け放って登場した伊藤は、倉本千奈の楽曲“Wonder Scale”を熱唱。「みなさま!手を!」と叫んだあと、会場一体に魔法をかけ、キラキラとした音楽の世界へと誘った。薄井が姫崎莉波のポップ・チューン“marble heart”で、はみ出しすぎなほどの魅力を届けたあとは、湊が紫雲清夏の“Tame-Lie-One-Step”を元気いっぱいにパフォーマンス。会場一体となってみんなで楽しむように「ツーステップ!」「ワンステップ!」の声が会場一体にこだました。
再び軽快なトークを挟んで、ここからライヴは終盤戦。このブロックの最初は、花岩が葛城リーリヤの“極光”をライヴ初披露。激しいベースラインが轟くなか、覚悟の決まったような鬼気迫るパフォーマンスが目を惹いた。続いてもライヴでは初披露となる、咲季の楽曲“Try it now”。赤いペンライトの光が輝くなか、長月の情熱的なパフォーマンスが、フロアを大きく揺らした。
続いて「あのね。」というセリフからスタートしたのは、小鹿が歌う月村手毬の“Luna say maybe”。「この場所を大切にしたい」という想いを込めた強いヴォーカルに、徐々にプロデューサーたちもヒートアップしていく。小鹿のロングトーンが響き渡ったあとは、七瀬が有村麻央の“Top Secret”をクールに歌い上げる。美しさと柔らかさを感じさせる歌声が、耳に心地よさを感じさせた。
ここでさらに、超ロングトーンの大絶唱を響かせたのは、松田彩音。松田は佑芽の新曲““グースーピー”をここでまさかのサプライズ披露。次々と展開の変わるアイドルソングで楽しい空気を作り上げると、ここで花岩がリーリヤの“白線”を披露。まさかの3曲目の楽曲披露に、多くのプロデューサーが驚きの声を上げるなか、コール&レスポンスで盛り上げた。このブロックの最後は飯田による、藤田ことねのキラー・チューン“世界一可愛い私”。会場を超えて立川中に響き渡るような、「かわいい!」コールが響き渡り、クライマックスの様相を呈していた。メンバー全員が揃い、本編最後の曲は“古今東西ちょちょいのちょい”。軽快なロックン・ロールにコールやセリフをたっぷりと乗せ、メンバー全員で最後の最後まで思いを届けた。
アンコールでは再び全員がステージに登場し、長月の「校歌斉唱!」という言葉のあと、初星学園の校歌である“標”の大合唱が行われた。曲の終盤には「スーパー手毬タイム」ともいうべき、小鹿のロングトーンが響きわたり、その様子に会場全体に集まったプロデューサーも総喝采だった。そして、ライヴは「学マス」の原点ともいうべき楽曲“初”を全員パフォーマンス。12人で歌うからこそ、それぞれの歌割りにも大きな意味が生まれ、よりエモーショナルにグッとくる楽曲へと進化していた。
と、ここで最後にメンバー1人ずつ挨拶を行い、チームごとにステージを後にしたのだが、最後に残って挨拶をしたのは、松田彩音、春咲暖、陽高真白の3人。3人はこれまでの感謝を伝えたあとで、Begraziaのユニット楽曲“Star-mine”をパフォーマンス。力強い歌声の重なりが、大きな熱量を生み出しながらも、心を掴むような素敵なステージングだった。
Begraziaのステージを受けて、ラストチューンは、長月あおい、小鹿なお、飯田ヒカルによるユニットRe;IRISの“雨上がりのアイリス”。舞台裏から円陣を組んでステージへと姿を現した3人は、会場にいる全ての人に笑顔を届けていた。まるでゲームの内容を再現するような展開が随所に組み込まれ、多くのプロデューサーたちの心が熱くなるパフォーマンスだった。Re;IRISが熱いライヴを終えると、十王邦夫学園長と亜紗里先生の一丁締めで“The 1st Period Spotlight Star”は終演を迎えた。
来週には、複数人での歌唱にフォーカスしたコンセプトのライヴ〈学園アイドルマスター The 1st Period Harmony Star〉も予定されている「学マス」。こちらも、まだまだこれからも目が離せないライヴになりそうだ。
取材&文:ニシダケン
THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
■公演概要
公演名:学園アイドルマスター The 1st Period Spotlight Star
(https://idolmaster-official.jp/live_event/gkmas_1stperiod/)
開催日時:16:00開場/17:00開演
場所:立川ステージガーデン
(https://www.t-sg.jp/)
出演者:長月 あおい (花海 咲季役)、小鹿 なお (月村 手毬役)、飯田 ヒカル (藤田 ことね役)、七瀬 つむぎ (有村 麻央役)、花岩 香奈 (葛城 リーリヤ役)、伊藤 舞音 (倉本 千奈役)、湊 みや (紫雲 清夏役)、川村 玲奈 (篠澤 広役)、薄井 友里 (姫崎 莉波役)、松田 彩音(花海 佑芽役)、春咲 暖 (秦谷 美鈴役)、陽高 真白 (十王 星南役)