「景気後退ファッション」が到来…慣れ親しんだスタイルへの回帰 | Business Insider Japan - Moe Zine

不況ファッション消費者は最高級のラグジュアリーブランドからファストファッションまで、アパレル業界全体でミニマリズムを目にすることになると期待できる。Getty Images; Jenny Chang-Rodriguez/BIファッションの専門家によると、不況はニュートラルな色、コンサバなシルエット、ミニマリズムをもたらすという。景気後退期には、ファッションは控えめなラグジュアリーやベーシックなアイテムなど、なじみのあるスタイルに戻る傾向がある。トランプ大統領による中国との貿易戦争は、ファストファッションだけではなくファッション業界全体を混乱させかねない。

ベーシックに戻る準備をしよう。

景気後退の可能性が高まる中、ファッション業界は景気の動向に左右される可能性が高い。トレンドを予測する人やファッションライター、研究者たちは、景気後退が起きた場合、おそらくはニュートラルな色調、コンサバなシルエット、ミニマリズムがランウェイや小売店のウィンドウを占領するだろうとBusiness Insiderに語った。

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「不況は人々の欲望を鈍らせる傾向がある」とトレンド予測者で社会科学者のサラ・オーウェン(Sarah Owen)は述べている。

「将来が不確かであると感じたとき、ファッションは親しんでいるスタイルに回帰する傾向にある」

過去の景気後退期がヒントになる

1930年代から2008年まで、歴史上の不況がこれからのトレンドのヒントになる。

「過去の不況では、ファッションのトレンドが静かなものになった」とトレンド予測企業のWGSNでファッションディレクターを務めるモニシャ・クラー(MonishaKlar)は語った。また、不況では一般的に、黒、白、ニュートラルカラー、グレーのトレンドを引き起こすと、ファッション工科大学のヴィンセント・クアン(Vincent Quan)教授は言う。

オーウェンによると、例えば、大恐慌時代にはボトムスの丈は長くなったという。2001年のドットコムバブル崩壊後は、人々は無難なアメリカーナスタイルに回帰し、「不況を象徴するミニマリズム」に向かったと彼女は話している。

「安泰。大胆さに欠けるデザイン。斬新さとは正反対の過去のリバイバルだ」とバーナード大学で服飾のコースを教える、芸術史のアン・ヒゴネット(Anne Higonnet)教授は、過去の不況におけるトレンドについて語った。

隠れた富裕層は存在し続ける

「静かな贅沢」がここ数年広まっており、取材した専門家は、仮に本格的な不況となったとしても、なくならないと言う。超富裕層は不況による経済的な圧迫が比較的少ないため、高級衣料品を購入し続けるからだ。だが、衣料品はその国の空気を反映するものだという。

「非常に多くの人々が財産を失ったため、富を見せびらかすことは趣味が悪いものとみられる」と、『Deluxe: How Luxury Lost Its Luster』の著書であるダナ・トーマス(Dana Thomas)は、2008年以降のラグジュアリー市場について語った。

富裕層が控えめな価格のものを購入し続けるとしても、ラグジュアリーブランドには苦境に立たされる兆候がある。ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、ディオール(Dior)などを所有するLVMHでは、第1四半期の売上げが予想を下回った。エルメス(Hermés)は関税による成長への影響に備え、アメリカでの価格引き上げを発表した。

「ラグジュアリーが廃れることは決してない。ただ、静かになるだけだ」とオーウェンは語った。

ミラノファッションウィークのブルネロ・クチネリショーに出席したアレッサンドラ・アイロ「静かな贅沢」は引き続き人気となるだろう。Alessandro Levati/Getty Images for Brunello Cucinelli次のページ>>
そして人々はベーシックなアイテムに回帰する

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