2010年代に入ると、メンズコレクションでより実験的なファッションが見られるようになり、それに比例してメットガラのルックも一層自由に。ジェイコブスが言ったように「面白味のないルック」はもはや場違いで、スーツは廃れ、エキセントリックなアンサンブルが主流になった。ここ10年間で最も印象的なルックを披露したセレブには、ジェイデン・スミスとジャレッド・レトがいる。2017年、スミスは自分の切り落としたドレッドをアクセサリー代わりに手に持ち、レッドカーペットに登場。レトは、当時グッチ(GUCCI)のクリエイティブ・ディレクターを務めていたアレッサンドロ・ミケーレが手がけた、自身の“生首”を携えて2019年のメットガラに参加し、その年の「キャンプ」というテーマにどこまでも忠実なルックを披露した。
そして2020年代に突入すると、メンズゲストたちのメットガラルックは、さらにドラマティックに進化。リル・ナズ・Xやエイサップ・ロッキー、ジェレミー・ポープが着用したような圧倒的なボリュームのケープ、ボディスーツ、そしてビジューやメッキといった煌びやかな装飾が、当たり前のようにメンズのルックにも取り入れられるようになり、モダンなデザインに再解釈されたスーツもレッドカーペットを彩るようになった。
間もなく開幕するメットガラ2025に、メンズゲストたちどんなルックを纏い参加するのだろうか。歴代ベストドレッサー50人を振り返れば、イメージが沸くはずだ。