ふと目を引くTシャツたち。あるものには背中に舞い散る蝶が、またあるものには神秘的な黒猫の瞳が浮かび上がる。これらは韓国発のアパレルブランド「POST ARCHIVE FACTION(PAF)」が5月2日(金)にローンチする新コレクション「Souvenir Capsule」で描かれるグラフィックだ。
「この黒猫、どこかで見たような」と思ったあなたは、もう術中にハマっています。Tシャツ「Souvenir Tee 6」$110
“スーベニア(思い出の品)”というコンセプトを起点に誕生したこのカプセルコレクションは、私たちの心に残る瞬間を呼び覚ます仕掛けに溢れている。全12アイテムのTシャツとキャップには、ブランドのシグネチャーロゴはもちろん、蝶や猫、松の木といった象徴的なモチーフが、まるで大切な思い出の断片のように散りばめられた。コレクションの一部には韓国の詩人ユン・ドンジュの詩「道」の一節をデザインに取り入れたものもあり、文学と衣服の融合を図っている点が興味深い。また、韓国陶磁器のイメージを用いたデザインからは、PAFの文化的アイデンティティを読み取ることができるだろう。
「服を解体し、再構築する」というPAFの哲学は、ファッション界に小さな革命を起こしつつある。2018年の設立からわずか数年で、LVMHプライズのファイナリストにノミネートされ、Hypebeast 100(ファッション、音楽、アートなどの分野で革新的な影響を与えた人やブランドを選出する年間リスト)に3年連続で選出された彼らの軌跡は、独自のビジョンの成果だ。
クリエイティブディレクターのドンジュン・リムは、意外にもUXデザイナーとしてキャリアをスタートさせた人物。インタフェースと人間の関係性を研究していた彼が、独学でファッションへと転身したことで生まれた独特の視点がPAFの強みとなっている。その革新性は、カリフォルニア発の注目ブランド「District Vision」や、急成長を続けるランニングシューズブランド「On」とのコラボレーション、さらにはヴァージル・アブローが手掛けたブルックリン美術館のオフィシャルグッズ製作につながった。
今回の「Souvenir Capsule」はそんなPAFの新たな展開。Tシャツ11型とキャップ1型の一見シンプルなアイテム構成ながら、それぞれが持つグラフィックの深みは、心に残る瞬間を静かに呼び起こす。理論や思想ではなく、目に見えるデザインとして思い出というコンセプトを形にした、PAFならではのアプローチ。このコレクションを纏えば、あなたの日常も大切な思い出として心に刻まれていくことだろう。
Tシャツ「Souvenir Tee, 2025 Spring Paris Edition」$150
Tシャツ「Souvenir Tee 9」$120
Tシャツ「Souvenir Tee 8」$100
Tシャツ「Souvenir Tee 7」$100
POST ARCHIVE FACTION(PAF)
https://postarchivefaction.com
https://www.instagram.com/postarchivefaction