フランスの高級品ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが14日に発表した1-3月期(第1四半期)決算は、最大事業のファッション・レザーグッズ部門の実質売上高が前年同期から5%下落した。米トランプ政権の関税に伴う貿易戦争の懸念が、金融市場に混乱をもたらす中、富裕層が高級ハンドバッグなどの購入を控えた。
同部門の業績は、アナリスト予想の0.55%減を大きく下回った。発表後、ニューヨーク市場でLVMHの米国預託証券(ADR)は一時9%下落した。
LVMHは、欧州高級ブランドの先陣を切って第1四半期決算を発表した。クリスチャン・ディオールのジャケットやティファニーの婚約指輪、タグ・ホイヤーの腕時計、ドン・ペリニヨンのシャンパンなど、高級品を幅広く取り扱う同社は、業界の先行指標とみられている。
高級ブランド業界は、中国の買い物客の高級品買い控えなどにより、業績の停滞から抜け出せずにいる。業界の先行きはさらに不透明になっている。トランプ氏は欧州連合(EU)からの輸入品に今月から10%の関税をかけた。現在は90日間の一時停止中だが、当初はより高い関税をEU産品に課す方針を示していた。
地域別では、グループ全体の24%を占める米国の売上高が3%下落した。市場は微増を見込んでいた。中国を含む地域は11%減で、市場予想の約2倍の下落幅となった。売上高が増加したのは欧州だけだった。
今週後半には高級スキーウエアのモンクレールや、エルメスの決算発表がある。LVMHのベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)は17日、年次株主総会に出席する見通しだ。
原題:LVMH Sales Fall as Shoppers Curb Spending on Luxury Goods (1) (抜粋)