【朗読】山本周五郎『蒲生鶴千代』-信長の目に留まりし才児、学びの才と武の心-
我鶴千代 山本 清五郎 1美野の国義父の城下に水竜という寺が ある永六天勝の頃に南家将という偉い層が いて戦国の世にも関わらず常に諸国から 文人や画家の集まってくるものが絶え なかっ たこに織田信長が義を気いてからは下の 信仰も熱くその法条は毎日尚の得をしって くるこれらの人たちで賑わってい た11年の秋のことであっ た数日前から滞在している里村翔太という 有名な連が師を中心に随時で心ざしある 人々が集まって歌の会を催していると1人 の見れの武士が尚を尋ねてきてその席に 加わっ たこれは私の古い知人で斎藤倉之助という 人ですどうぞこの後よろしくお付き合い くださるよう に南家将がそう言って引き合わせと中には 知っている客もあって互いに挨拶をかわし などし た斎藤倉之助は名俊光と言ってみの国ソの 上手稲葉一徹とは向こ首都の間柄にあった がわけあって稲葉家を去り当時老人の身の 上であっ た後に明智光秀の家臣になって滅びたが 武将としては優れた人物でもしよき運に 恵まれていたら大々妙として名なしたに 違いない有名な春の壺は倉之助の孫である しかし無論その時はまだ明知氏とも関わり のない浪人もであった倉之助は黙って静か に歌の会を見ていたがそのうちにと集まっ ている客たちの中にまだ13司祭と見える 少年が1人混じっているのを見つけた人が 何かに驚くとまず何より先にそれが目の光 に現れるその少年を見つけた時の倉之助の 目がちょうどそうだったそして長いこと じっとその少年の様子を見守ってい たやがてみんなの歌ができるとそれを波の 前へ集め揃ったところで1種ずつ読み上げ て優劣を決めることになったその時の台は 落下水風と言って風に従って散る鼻の不を 読むのであったがだんだん読み上げていく うちにずば抜けて上手な一種が出てきた それ は雲か雪かと計り見せて山風の肌に吹き きつ春の 夕暮れというので一座の人々も正派もその 素直な読み方に関心したそこで作者を調べ てみると意外にも倉之助がさっきから目を 引かれていた少年だということが分かった いやあまたしてもつちを殿か今日こそ手前 が周一をと思いましたのにいつもつちを殿 にさらわれるのは残念です なこれでは大人の面目が潰れてしまう みんなが口々に褒めるのを聞きながら 鶴千代と呼ばれた少年は自慢らしい様子も 見せずと言って別に恥ずかしがる風もなく 片方に静かな微笑みを浮かべているだけ だっ たあれはどういう子供です か倉之助はそっと南家王将に尋ね たおに泊まりました か尚はその問を待ち受けていたように あれは日女のoment片殿のおでつち殿 と申されますこの春から人質として岐阜条 に来ておられるが明敏な賢い少年で国学若 授業仏教など学ぶほどのものに驚くべき 才能を見せています織田殿もひどくご愛で ゆくゆくはご嫁にわしなさるお約束だと いうこと ですまだ年も床のように思われますな13 歳になられ ますガモ殿の若気 か倉之助は物思わしげに再びそっと少年を 見やるのであっ た貝が終わって客たちが思い思いに帰り 出すとつもまた別れを告げて寺 友は造りとり1人である水竜寺を出て権原 山の裾を鍛え沿って行くと寄付条その途中 を左へ折れて街中の道をまっすぐに進むと 長川の騎士へ出るよく晴れた日で黄み始め た稲葉山の木々が秋の美風においてい たお城へ帰るにはまだ早いので鶴千代は 川辺の方へ向かって歩いていったすると 大手筋を過ぎたところ でガモ殿の若気どこへおいでなさると 呼びかけるものがあった振り返ってみると 歌の席で何かおが引き合わせた斎藤倉之助 という老人者で ある鶴千代は静かに目で釈し ながら川辺まで秋の水を見に参りますと 答えた 倉之助は頷いて一緒に供をしましょうと 言いながら並んで歩き出し た 2あなたは体操学問がおできなさるそう ですね先ほどの歌も美しい出来だし陛下の お生まれにしては珍しいことだと実は完封 しておりました川岸へ来た時倉之助がそう 言って振り返るとつはよく住んだ瞳を そうでしょうかと静かに反問した陛下に 生まれて学問をするのは珍しいこと でしょうか私はそうではないと思いますが こんな時世なればこそ立派な無人になる ためには学問をしなければならぬと思うの です がそれは無論大切なこと です長い乱世の意で人々はただ平和のこと しかません強くさえあればいい価値さえ すれば良いできるだけ自分の勢力を拡張し て天下に号令しようそういう武将が多すぎ ますこれではいつまでも戦乱の静まる時が ありませ んあなたのおっしゃる通りですこれから 武将として国を納め正しい戦をするために は学問を十分に学ばなければなりませ ん倉之助は頷いていった あなたはまだ年も若いしそれに立派な細分 が終わりだから今のうち学問にせをお出し なさるが良いしかし忘れてはならぬことが 1つあり ますどういうことです かあなたは日城のアジのお子だやがては乳 に変わって軍をすべ国を納める対人がある それを忘れてはいけませ ん無論それを忘れはしません学問をするの はよろしいけれど学問の取込になっては いけない武将たるものはただ強いばかりで もいけないがと言って学問ができるという だけでもだめです学問と兵法とこの2つが 備わるなくては真の武将にはなれません 兵法武術をお学びなさいあなたは今学問の ため身を謝ろうとしています 学問のために身を謝るですっ て鶴男は不服そうに反問し たそうですあなたにとっては良き歌を百種 読むより国を収め正しき戦の法を学ぶこと の方が大切なの です剣でなくとも国を納めることはできる と思い ます鶴千代はきっぱりとそう答えた我師は 藤原秀の村で代々大味の日を領している 名門の家だったが戦国のよになって次第に 司法から圧迫され英611年ついに織田 信長の軍門に下ってその木下となったそれ と同時に鶴千代は日女を離れ人質として 岐阜条の信長の元に来たのだが非常に頭の 良い利発な少年だったので信長からこの上 もなく愛され南家将の言ったようにやがて は信長の即characterを嫁にする 約束までできているほどであっ た鶴千代は幼い頃から学問が好きで馬に 乗るよりも歌を読み戦術を学ぶより文字に 親しむという風であった元より細分があっ たから学ぶほどに上達も早く歌の会などに 出ると見事な柵を出してしばしばその道の 人を驚かし た我の殿は催 だ今に立派な学者になるで あろういや家人として名をあげるに違い ないそういう評判を聞くたびにまだ13歳 の鶴千代は密かに胸を踊らせていたので あるそこへ斎藤倉之助という人が出てきた そして世間の人々とはまるで違った言葉で を評した今まで褒められることに慣れてい たし自分でも自分を催だと信じていた 鶴千代は倉之助の言葉を平気で聞くことが できなかっ た私が学問の取りになっているという良き 歌を百種作るよりも大切なことがあると いう随分無遠慮な言葉だそんなことがある ものかつは激しくを振った私の体には五 先祖秀里光の血が流れているいざ活線と いう時にはこの体に流れている血がどう 戦うべきかを教えてくれる増強ならば武術 も習うがよかろうしかし一刻の大将をたる ものはそんな小さなことに関わる必要が ない名門の武将の子という誇りがつちの心 を強く引き立ててくれた それから間もなく鶴千代は京都へ登った そして3条西実高や火山院宇大臣に愛され てますます国学若を学ぶ一方稼動や庭園の 作法などまで稽古するようになっ た英612年8月のことであった一期の 死者が義父から今日の鶴千代の館へと馬を 乗り付けてきた信長からすぐに帰れという 知らせである鶴千代は誰へいいをする暇も なく死者と馬を並べて今日を立った岐阜へ ついてみるとジョカは平馬でもみ返してい た おお帰ったか交感 者鶴を迎えた信長は長期限で言ったこれ から伊の北畑を攻めに参るお前にも兵を けるから してみろ人につでは長弱い今日からただ郎 武秀と名乗るが よい片のございますあっぱれ手柄を立てろ よ鶴は黙って手をつい た 3信長の軍勢は伊の国へ殺した国北畑は 地上によって固く防いだガをつを改めたを たでは500の兵を率いて人頭に進んだが 身も心も全く動揺してしまっ た活線は激しかっ た北畑はそれまでに各地で連敗し今はただ 小合地場を最後の守りとしていたため必死 の勢い鋭くさすがの織田もなかなか決戦の 木を掴むこと で突っ込んでいく軍の声本する馬のきそれ を押しようなジガやほら貝の根が伊勢の山 夜に凄まじく響き渡ったただ三郎は手も足 も出なかった攻め寄せる兵と逆襲する兵と の行きつく人間もないような白兵線を見て いると500の手勢をどう動かしどこへ 切り込んだらいいのかまるで検討がつか ないのだ ああ自分は間違ってい たただ三郎は胸をかきむしりたいような 気持ちでそう思った自分が秀里校の子孫で あってもこの体に我家の地が流れていても 自分に兵を動かし活線をする能力がなけれ ば何にもならない武将の子である以上自分 に最も大切なものは兵法武術を学ぶことで あっ た学問の鳥子になっていると言われた 倉之助 の言葉は正しかったの だた三郎は今こそ自分の謝りを知った けれどもそれが何になろう戦は今完全に 展開しているグズグズしているうちに戦機 は去ってしまうだろう信長から500人の 兵を与えられ我家の名誉を担っている自分 が有人に遅れを取ったら死にまさる辱 だそこのまま法も何も構わず敵陣へ 突っ込んでうじをしようかその方がむしろ 潔よいぞと思った時である向こうから馬を 煽ってきた一気の武者がただ郎のそばへ 近寄りながら我の若気上人おめでとう ござると大声に呼びかけた驚いて振り返る ただの前で馬から降りた九段の武者はカブ を取りながらニコと笑った お忘れですか斎藤倉之助ですお斎藤殿の 意外な人であるただ三郎は驚きのあり夢で も見ているような気持ちでしばらくは言う べき言葉もなかった倉之助はそれまでの 様子をすっかり見ていたらしい驚いている ただ郎の肩を叩い てさああなたの明を立てる時ですと励ます ように言っ た列の言う通りやってごらんなさい今ここ へ安藤井上殿の軍勢が攻めていくでしょう どこですあの桑内の木戸です倉之助の 指さすところを見るといかにも信長科の 安藤井神が今しも敵陣の一角へ押し寄せて いくのが見えたあの攻めぶりで見ると伊賀 殿の軍勢は必ず負けます負けて逃げてき ます そして敵兵はきっと追い打ちを仕掛けるに そういありませんそこであなたは向こうの ヤの中に500人の手勢を伏せて待ってお いで なさい待っていてどうするの ですいが殿の軍勢が逃げ去るのを待って 追撃してくる敵兵を半分までやり過ごし その真ん中へ横から一文字に突っ込むの ですさあお立ち なさい倉はもう一度肩を叩いていった あなたは必ず勝つ分を祈り ますた三郎は馬に飛び乗ったもはや勝敗は 物の数ではない戦う機械が与えられたのだ 今こそ活線のまた中へ進むのだた三郎は 倉之助の言葉を少しも疑わなかったそして 500の手勢をヤの中に伏せて松子しばし て勢は負け戦になった怒を開いて打って出 た敵兵のために切り崩すれたなと見る間も なく浮き足だってゆらゆらと配送し始めた ただ三郎は待っていたイガ勢が眼前を逃げ ていく敵兵は逃さじと追い詰めてくるそれ でもただ三郎は辛抱強く待ったそして追撃 してきた敵の軍勢が半ばまで通りすぎた時 かかれ と馬上に立を振って叫んだ生きて帰ると 思うな我と共に 町に待った5百機は声に応じてなだれ のごとくを押し出した馬を煽りタを抜いて 敵兵の真ん中へ弾丸のごとく突っ込ん だ太陽は焼けつくように照ってい たももたる土埃が戦場を覆い隠したその 黄色い土煙の中に立が飛び槍がひらめいた 地する牙打ち合う軍票敵も味方も入り乱れ ておたびと時の声とさながら荒れクルー 怒涛のような白兵線になっ たしかし戦はただ三郎のものだった 追い打ちに不りしすぎた敵兵は不にその横 から奇襲を受け中央を破られて混乱に陥っ たそれでもしばらくは戦を 必死をきした勢の船は凄まじくついには 散々に切りまくられて崩れとなっ たた郎は戦闘に立って馬を乗り入れ配送 する敵兵を王に散らしながらこは高かと 叫んでいた我た藤原の武秀少年14歳人の 手並を見よ やこの戦で郎は首 をあげた何しろ伊神の配線で下手をすると 大事に呼ぼうとしたところをわずかな主兵 で勝ちを制したのだから素晴らしい手柄で あるただ郎あっぱれでかしたぞ信長は本人 へただを呼んだ珍しく声をあげて笑い ながら言ったそれでこそ信長の娘を使わす 根内があるさすがに我の血筋だなあの 駆け引きは海人に似合わぬ立派なものだっ た当座の褒美だこれを取ら せるそう言って信長は二文寺国との配当を 与えたた三郎は信長の前から下がるとすぐ に手分けをして倉之助を探させたしかし その時はもうどこにも彼の姿は見えなかっ た戦の後の君の悪いように静かな黄昏れ た三郎は丘の上に立って遠い夕空の彼方を 見やりながらそっと呟い た倉之助殿今日の手柄はあなたのものです た三郎はあなたのお言葉の通りこれから 兵法武術を学んで立派な大将になります 学問と武術とこの2つのものを学んで良き 漁師となりますどうかた郎のを見ていて くださいただ三郎はその通り実行した そしてついには合図100万国の大名と なり名称加うさの名を長く歴史に残したの である JA
『聴く山本周五郎』チャンネルへようこそ🌙
『蒲生鶴千代』は、戦国時代の荒波を生き抜く一少年の成長と挑戦を描いた山本周五郎の歴史小説です。知識に秀で、詩を愛する鶴千代は、織田信長の娘と結ばれる運命を背負いながらも、真の武将へと成長するための試練に立ち向かいます。美濃国の瑞龍寺で始まる和歌の会から、激動の戦場まで、鶴千代の才能と内なる葛藤が彼を導く剣と学問の道。この物語は、武将としてだけでなく、一人の人間としても成熟するための重要な教訓を、読者に投げかけます。鶴千代の戦いと学び、そして心の成長を追いながら、彼が如何にして歴史に名を刻むかを、目撃してください。
【作品紹介URL】
https://shugoro.net/gamotsuruchiyo/
【本チャンネルについて】
『聴く山本周五郎』チャンネルへようこそ。このチャンネルでは、日本を代表する文学者、山本周五郎の不朽の作品を、心を込めて朗読します。時代を超えて愛され続ける彼の物語は、現代にもなお響き渡ります。
私たちの朗読を通じて、山本周五郎が描く時代の風景、人々の心情、そして日本の美しさを、耳で感じ、心で味わってください。彼の作品には、人間の温かみ、悲しみ、喜び、そして生きる力が詰まっています。
山本周五郎の作品に触れたことがない方も、長年のファンもぜひこのチャンネルで山本周五郎の名作を楽しんでください。
【山本周五郎の紹介】
山本周五郎は、1903年6月22日に山梨県大月市初狩町下初狩に生まれ、1967年2月14日に横浜市で逝去した日本の小説家で、本名は清水三十六（しみず さとむ）。彼の作品は、江戸時代を背景とした時代小説や歴史小説で、武士の哀感や市井の人々の生活を描いたものが多く、特に『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』などの作品は高く評価されています。
周五郎は、清水逸太郎ととく（旧姓・坂本）の長男として生まれました。家業は繭、馬喰などの商売で、家族は武田の遺臣である清水大隅守政秀の後裔と自認していました。幼少期、明治40年の大水害で多くの親族を失い、家族は東京に移住しました。横浜市の西前小学校を卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店（質屋）に徒弟として入り、この時期に文学への関心を深めました。
1923年の関東大震災で商店が被災し、一時は関西に移り、地方新聞記者や雑誌記者を経験。1926年、「文藝春秋」に掲載された「須磨寺附近」で文壇デビューを果たしました。以後、途切れることなく多くの作品を発表し続け、日本の文学界における独自の地位を確立しました。
生涯にわたり、彼は「賞」と名の付くものはすべて辞退し、1943年には『日本婦道記』で直木賞を受賞するもこれを辞退しています。彼は文学において「大衆」も「少数」もなく、「純」も「不純」もない、ただ良い文学と悪い文学のみが存在するという信念を持っていました。
私生活では、1930年に土生きよいと結婚し、1945年には妻を病気で亡くします。その後、吉村きんと再婚し、横浜に転居しました。晩年は、横浜市の旅館「間門園」の別棟で作品を執筆し、1967年に肝炎と心臓衰弱でこの世を去りました。
山本周五郎の作品は、人間の深層を探求し、日本の歴史や文化に根差した独自の視点から描かれています。その文学的功績は死後も高く評価され、『山本周五郎全集』や『全集未収録作品集』が刊行され、1988年には新潮社により彼の名を冠した「山本周五郎賞」が創設されました。彼の作品は、今日でも多くの読者に愛され、日本文学の重要な一角を占めています。
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