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【眠れる読み聞かせ】日本昔話集  大人も眠れる朗読 よく眠れる女性の声



【眠れる読み聞かせ】日本昔話集  大人も眠れる朗読 よく眠れる女性の声

皆様お元気でいらっしゃいます かもう春の容器でございます ね私の家の近くの畑では桃の花が見事に 咲いております本当に綺麗です皆様のお家 の近くはいかがでしょう かさて今日はスペシャル7をお届けいたし ます今回は福娘童和州さんのお話を11話 集めてみまし たそれでは今日もご家族皆様でごゆっくり と私のお話を聞いて ください百勝じいさんと 天狗 昔々100勝のおじいさんが馬を連れ歌い ながら山道を歩いていまし た心楽しや山坂行け ば馬の鈴までこだま する えそほいほい すると向こうの方からずしんずしんと 大きな足音を立てながら大天狗がやってき まし たその大天狗の鼻と来たらおじいさんの腕 ほど長くて大きく顔と来たら塗りたての 神社の鳥より真っ赤 です大天狗とおじいさんは細い山道で ぶつかりまし たこらじい様道を よけろ大きな声の天狗におじいさんは 負けじ魂ここはオラが道じゃおまけにら この通り馬と2人ずれじゃお前がよけろと 大天狗を睨みつけ ますひひひひーん 馬も泣いておじいさんの応援ですこのじじ めつべこべ抜かすとつまんで食うてしまう ぞそうかいらもこの年食われて死ぬのは 怖くないがお前に食われる前に1つ見たい ものがあるんじゃなんじゃいそれ は天狗は誰でも術というものを使うそう じゃが本当かいのわしはこれでも天狗の頭 じゃ術ぐらい使えんでなんとするそうか 天狗というものはどこの天狗でも天まで 大きなれるというがお前様はなれるか ね天まで応急なるそんなことができんで どう なるそうかのじゃあオラが食れる前に ちょっくら見せてもらおうかあの世への話 の種というもんじゃよしよ 見とれそこで天狗は鼻を上に向けてごっと 息をを吸い込みましたするとぐんぐん ぐんぐん天狗の背が伸びてとうと雲を 突き抜けてしまいまし たそこでおじいさんはにやりと笑いいかに も関心したように言いまし た天狗様天狗様よう分かったから元に戻っ てくだされすると天狗はシューっと息を

吐いて元の大きさに戻りましたどうじゃ じい様びっくりしたろさあ食うてやるかと 手を伸ばす大天狗におじいさんはカラカラ と笑っ てそんなこと言うても天狗様が天まで応急 なるのはどこの天狗様でもやることでねえ かお前様はさっき天狗のかしらと言うたが いくらかしらでもちそうなることはでき まい何わしは日本一の天狗じゃ急ばかり 慣れてチソはなれんそんなケチな天狗じゃ ないわい見とれ今見せてやる わ天狗はそう言ってふうと息を吐き出し まし たするとどんどん小さくなっていってお じいさんの小指ほどになってしまいました そこでおじいさんはひょいっと天狗を手の ひに乗せてよもっと小さくもっと小さく そう そうついに大天狗は豆粒のように小さく なってしまいまし たかかったなおじいさんは天狗をつまむと ポイと口の中へ放り込んで ごくんと飲み込んでしまいました そしてそよらそよらと種紙なて服や春風里 までもえいそらほいほい 歌いながら馬を引いて家の方へ帰って行き まし たおし 西宮恵比寿は単子の泣き 恵比寿京都の民 は 昔々幸介という漁師が住んでいまし たこすは小さい頃から体が弱かったので 健康のために毎朝浜を歩くことにしていた の ですそんな 朝がいつものように浜を歩いていると何か キラキラ光り輝くものが浜に打ち上げられ てい ますなん だろうこすが近寄ってみるとそれは夕の 荒波で打ち上げられた小さなエベス様の像 だったの ですこれは立派な恵比寿様 だは恵比寿様の像を家に持って帰って備え ましたがボロ屋に立派な恵比寿様は似合い ませ んそこで幸介は村外れのお宮さんに恵比寿 様を祭ったの ですそれからしばらくしたある日旅の層が この村を訪れましたが長旅であまりにも 薄汚れていたので誰も相手にしてくれませ ん そこで仕方なく村外れのお宮さんに泊まる ことにしたのですが入ってみると何かが

キラキラと光り輝いてい ます見てみるとそれはこすが納めた黄色の 恵比寿様だったの ですこれは良いものを見つけた ぞ旅の層は周りに誰もいないことを 確かめるとそのエベス様を盗んでそのまま 逃げてしまいまし たよし誰も来ていないななかなか良いもの が手に入った わい旅の層が満面の笑を浮かべながら道を 歩いている と単子へ帰りたい丹波へ帰りたいと小さな 声が聞こえたのです誰 だ度の層は振り返りましたが誰もいませ んおかしいな気のせい かそして再び歩き出すと単子へ帰りたい 丹波へ帰りたいとまた小さな声が聞こえた のです誰だ誰かいるのか旅の層は用人深く あたりを見回しますがやはり誰もいません でも小さな声はそれからも単子へ帰りたい 丹波へ帰りたいというの ですそんなことが3日間続いたので すっかり巻いてしまった旅の層はふとその 声が自分の背負っている荷物の中から 聞こえてくることに気づいたの ですもしやあの恵比寿様がそう思った旅の 層は盗んだエベス様を取り出してみました するとエベス様ははっきりと単子へ帰り たい丹波へ帰りたいと言ってその後うめん えんと泣き出してしまったの ですこれはとんでもないものを盗んで しまった な旅の層は恵比さを盗んだことを後悔し ましたが今更持ち帰っても盗っとして とまるだけですかと言って魂が宿っている 恵比寿様を捨てるわけにもいかない しそこで旅の層は西宮までやってくると 近くの神社に恵比寿様を納めてどこかへ 行ってしまいまし たその後このエ様を祭ってある神社が商売 にご利益があると商人たちが集まることで 有名になりやがて今の西宮恵比寿神社に なったの ですお しまいこの正直 もめキッチョの さん 昔昔キチムさんというトの人がいまし た昔は所々に席書というものがあって通る 人や荷物を厳しく調べていまし たきっちむさんの村から町へ行くのにも この席書を通らなければなりませんところ がこの席書には悪い役人がいてこらこら そのとっくりの中身はなんじゃ何かないも を隠しておるのではないだろう

な今から取り調べてやると役人は荷物の中 にお酒を見つけると取り調べと言いながら お酒を飲んでしまうの ですそこで困った村人たちがきっちむさん に頼みましたきっちむさんお前さんの頓知 であの役人をこらしめてはくれん か役人の噂を聞いていたきっちむさんは すぐに引き受けましたよし任せておけその 役人が2度と酒を飲まないようにしてやる きっちょもさんはそう言うと早速町へお酒 を買いに出かけまし た町からお酒を買って帰ろうとするとあの 役人が早速きっちむさんを呼び止めました こらこらそのとっくりの中身はなん じゃするときっチムさんはわざと困った顔 で答えますはいこれはその実は正面が入っ ております何正面者と ほっほ多少は地を使ったようだがこのわに は適用せん ぞ人はとりあえず用人にとっくりの匂いを 嗅ぐとにんまりと笑って中のお酒をうま そうに飲み干しましたうんこれは常も なかなかにうまい便じゃよし行って よし殻になったとっくりをきっちむさんに 返した役人は満足そうにいまし たさてそれから3日後 きちもさんはまた町へ行くととっくりを 下げて席書を通りまし たするとやっぱりあの役人が呼び止め ますこらこらそのとっくりの中身はなん じゃはいこれはその正面が入っており ますきッちむさんが答えると役人はキチム さんを見てにんまりと笑いました おおお前はこの前の少しは知恵があると 思ったがまた懲りずに正面とは な役人はきっちむさんからとっくりを 取り上げると今度は匂いもかかずに いきなりごくごくと飲みまし たしかしすぐに目を白黒させて飲んだもの を吐き出しましたブ ここ こらこれはなんじゃい貴様わしに小便を 飲ませた な役人は刀を抜くときっちむさんに 詰め寄りまし たですがきっちむさんは平気な顔でいまし ただから私は正面と申し上げましたよ むむこれには人も返す言葉がありません 役人は刀を収めるとキッチョムさんに言い まし たこの正直もめ行って よしそれから役人は席書を通る人の荷物に お酒を見つけてももう飲もうとはしなかっ たそう ですお

しまい 左ジゴの 竜京都府の民 は 昔昔宮津地方では田上が終わったにも かわらず一滴の雨も降らなかったことが ありまし た困った村人たちはせっかくの稲がこれで は台無しだ雨が降らないのは水の神様 きっと竜神様の祟りに違いないと成合の尚 さんに雨乞いのお祈りを頼んだの ですすると尚さんは一晩中お経を唱えて仏 様から頂いたお告げを村人たちに教えまし たなんでもこの天の柱立てに日本一の放物 名人が来ておるそう じゃ生き物を掘ればそれに魂が宿ると言わ れるほどの名人 らしいその名人に竜の掘りもを掘って もらえばそれに本物の竜の魂が宿りきっと 雨を呼ぶで あろうそこで村人たちが手分けをして探し てみると尚さんの言う通り左ジゴ郎という 堀も名人が天の橋立の宿に止まっていたの です 村人たちの熱心な願いに左ジゴ郎は深く 頷きまし た仏様のお告げに私の名前が出てくるとは こですわかりました未熟者ですがやってみ ましょうしかし引き受けたのは良いのです が左ジゴには竜がどんな姿なのかわかり ません他人がえたり掘ったりした竜の絵や 掘りもは今までに何度も見たことがあるの ですがしかしそれはその人が考えた竜の姿 で本物の竜ではありませ ん他人が作ったもの真似事ではそれに魂が 宿ることは ないそこでジゴ郎は成合の本道にこもり仏 様に熱心にお祈りをしました 仏様のお導きにより竜の掘りもを掘ること になりましたが私は竜を見たことがあり ません名人と言われていますがいくら私で も見たこともないものを掘ることはでき ませんお願いですどうぞ竜の姿を拝ませて くださいそして数日後五郎の夢枕に様が 現れてこう言ったの ですジゴよそなたの願いを叶えてやろう この寺の北の方角に深い淵があるその縁で 祈ればきっと竜が現れるはず じゃはありがとうございまし た早速人後は案内人の男と2人で瀬川に 沿って北の方へ進んでいきましたしかし奥 へ進むにつれて人の歩ける道はなくなり塔 と案内人は怖がって帰ってしまいジゴは 1人ぼっちで奥へと進んだの です険しい道でしたが竜を見たいという

ジゴの心には怖さも疲れも感じませんでし たそしてついにジゴ郎はは龍が現れると いう大きな淵にたどり着くことができたの ですジゴは岩の上に星座をするとそのまま 3日未満一心に祈り続けまし たこの淵に住む竜よ一目で良い一目で良い からその姿を見せて くれするとどう でしょう急にが暗くなったかと思うと大粒 の雨がパラパラと降り始め淵の奥から 大きな竜が姿を表したではありません か竜は口から真っ赤な日を吐きながら今に もジゴに襲いかかろうとしましたしかし ジゴは逃げませんその竜の姿をまに 焼きつけようと瞬きもせずにその竜を 見つめましたそして竜はまっすぐジゴに 向かってきて身動きしつしないジゴに ぶつかる寸前にすーっと消えまし たその途端にジゴ郎の全身に溢れんばかり の力がみなりましたまるで龍の霊力がジゴ の体に宿ったかのようですおお竜を見た私 は竜を見た ぞちご郎はおたびをあげると急いで成合に 戻りそれから何日も休むことなく一心に竜 を掘り続けまし たそしてやっと掘り上げるた竜が成合に 掲げられ天声の祈りが行われたの ですすると不思議なに今まで晴れていた空 が急に曇るとざざっと大雨が降り始めたの です雨だ雨が降ってきたぞ竜のおかげだ ジゴ郎様のおかげ だ村人たちは大喜びですそして今にも枯れ そうだった稲も見る見るうちに元気になり まし たこのことがあってからジゴが竜に出会っ たふは竜がふと呼ばれるようになりジゴ郎 が掘った竜は今もなりあじに大切に残され ているそう ですお しまいじっと見つめていまし た 昔昔さんというとても愉快な人がいまし たそのキッチョムさんがまだ子供の頃の話 ですある秋のこと家の人はみんな仕事に 出かけるのできっちむさんが1人で留守番 をすることになりまし た出かける前にお父さんが言いまし たキッチむや柿がもう食べられる明日木 からをから今日は気をつけて見ていて くれはいちゃんと見てい ますきっちむさんは元気な声で返事をし まし たでも食べられる柿がいっぱいあるのに 黙って見ているきっちむさんではありませ んお父さんたちの姿が見えなくなると早速

村の中を走り回りましたおい家の柿がもう 食べられるぞみんな食べに 来いこれを聞いた村の子供たちは大喜びで きっちむさんの家にやってきましたそして 長い棒でかきを落とすとみんなでお腹 いっぱい食べてしまったの ですさて夕方になってお父さんが家に戻っ てくるときちもさんは柿の木の下に座って いましたお前1日中そうやっていたの かはいだって気をつけて見ていろと言う からじっと柿の木を見ていたん ですそうか偉い ぞ関心したお父さんがふっと柿の木を 見上げてみると柿のみが随分と減ってい ますおやかきのみがず減ってる なこれは誰かが取っていったに違いない おいきっちむこれはどうしたこと だするときっちむさんは平気な顔でいまし たはい村の子供たちが次々と来て棒を使っ てかきのみを思いでいきまし た私は言われた通り気をつけて見ていた から間違いありません とほほかき泥棒が来ないよ気をつけて見て いろと言ったのにお父さんはそう言って がっくりと肩を落としまし たお しまいお花 地蔵 昔昔お春という名前のおばあさんとお花と いう名前の孫娘が2人で暮らしていまし たお春ばあさんは60歳でお花は7歳 ですお花の両親はお花が3歳の時に死んで しまったのでお春ばあさんはよその家の畑 仕事や針仕事を手伝って暮らしていまし たお花はお春ばあさんが仕事をしてる間 近所の男の子たち相手に遊び回ってい ますお花今度こそはおらの勝ちだぞ えい弱いくせに何を言ってる いや男の子が相手でも勝つのはいつもお花 でし た夕暮れになってお春ばあさんの仕事が 終わるとお花はお春おばさんと一緒に家へ 帰りまし たばあちゃん今日はごけとゴンタを やっつけた よ自慢げにお花にお春ばあさんは呆れ顔で 言いましたお花棒切れ遊びは男の子の遊び じゃ名子するもんじゃねえ よだって女の子と一緒に遊ぶなんてつまら んもん体は女でも心は男じゃやれやれ死ん だ母親にそっくり じゃやがて秋になり畑の借入れが終わって しまうとお春ばあさんの仕事が少なくなり まし た毎年のことですがこれから春までは家で

張り仕事をする時間が多くなり ますそんなある日お花がお春バサにい た私もう遊ぶの やめるこれからはばあちゃんの手伝いを するそれを聞いてお春ばあさんは驚きまし たどうしたんじゃあんなにボキで遊びが 好きだったのに子供は子供らしく遊んで おればええん じゃだってばあちゃんはいつも夜遅くまで 働いているじゃないないか私も手伝えば夜 遅くまで働かなくてもいい だろう何を言ってるお前に手伝ってもらっ たって帰って邪魔になるだけだ全く急に生 意気なことを言いよっ てそういうお春ばあさんの方にポロりっと 嬉しい涙がこぼれまし たところがその冬お花は流行り病の100 日席にかかってしまったの ですご本ご本 ご朝も夜もお花の咳は止まりませんお春 ばあさんは必死で看病しますが小さな村で は医者も薬もありません お春頑張るんだよ春になれば必ず良くなる からうん ごん ごんそしてあんなに元気だったお花は あっけなく死んでしまったのですお花が 死んでしまってからお春ばあさんは魂が 抜かれたように何日も何日も仏壇の前から 動こうとしませんある日近所の人が心配し てやってきましたお春ばあさん持っきた から食べて少しは食べんと体に悪いよお春 ばさんには辛いことだがお花はきっと あの世で夫やおっ母と親子水入らずで 暮らしている よお春ばあさんはやっと顔をあげていまし たああ私もそのことだけを祈っていたんだ でもお花はまだ 幼いちっちゃな花が迷わずに夫とおっ母の とろに行けるだろう かあの世のどこかで迷子になって1人 寂しく泣いてわせんじゃろう か一緒のこと私も死んでお花を探しに行き て何言ってるの死ぬなんてそんなことを 考えたらだめだよ大丈夫お花はしっかり者 だからああそうじゃなそうじゃといい が夜になって近所の人が帰るとお春ばあ さんはまた仏壇の前に座り込みました お花大丈夫だろう かどこかでばあちゃんを探しているんじゃ ないだろうか1人寂しく泣いてないといい がお花は可愛い子じゃった 笑い顔なんてまるでおじそ様にそっくり じゃっ たおじ蔵

様そう じゃお春ばあさんはその世からお地蔵様を 掘り始めましたおじ蔵様は子供の守り神で 死んだ子供を天国に導いてくれると言われ ていますそこでお春ばあさんはおじ蔵様を 作って早くお花を天国へ送ってやろうと 思ったの ですしかしお地蔵様を作ることは年置いた お春ばあさんには大変なことですお春ばあ さんは毎日毎日お地蔵様を掘り続けて春が 来る頃にようやく出来上がりましたそれは お花にそっくりの小さな小さなお地蔵様 です これできっとお春は夫おっ母に会えるに 違い ないお春ばあさんはその小さなお地蔵様を 村を見渡せる丘の上に置くことにしまし たやがってこのお地蔵様はお花地蔵と呼ば れ村人たちは子供が100日席にかかると お花が大好きだった入り米をお唱いしまし たするとその子供は必ずすぐに良くなった そう ですお しまい2人の ジゴ 昔平の山奥に咲という掘りものとても上手 な男が住んでいまし たある時咲は腕試しをしようと旅に出かけ ましたところが終わりの国まで来た時には 持っていたお金をすっかり使い果たして しまいまし た宿の支払いにも困った咲は宿の主人に 何か掘りもをさせてほしいと頼みまし たよしそれじゃあ宿台の代わりに何か掘っ ておくな 主人が許してくれたので咲は早速掘り始め まし た翌朝咲一は見事な大黒様を宿の主人に 差し出しまし たこれは見事こんな素晴らしい大国様は見 たことがないこれは家のかほにさせて いただき ます大喜びする宿のの主人に咲は申し訳 なさそう にホキが手元になかったものでこの部屋の 大黒柱をくり抜いて使わせてもらいました お許し ください宿の主人が大黒柱を調べてみまし たが傷1つ見当たりませんはてこの大黒柱 でしょうかはいこれ ですそう言って咲がポンと手を叩くとかん と柱の木が外れましたなるほど確かに中は 空洞 ですすっかり関心した宿の主人は咲のこと をその頃日光東小宮の増援に携わっていた

堀名人左ジゴに知らせまし たは早速咲を呼び寄せてなんでもいいお前 の得意なものを掘ってくれと言いました そこで咲が掘ったのは今にも動き出しそう な見事な二王様ですジゴ郎はすっかり関心 して咲を闘将軍の増援に参加させることに しまし た私は竜をほろう咲 お前は三門の猫を 掘れ天下の左ジゴに認められた嬉しさに咲 は力いっぱい掘り続けました毎日毎日掘り 続けて遠と3門の猫が振り上がりました そしてジゴや他の弟子たちの仕事も全て 終わり東勝軍は完成しまし た検査の役人たちもその見事さにはただ 驚くばかりですジゴを始めみんなは大層 いい気分になりその世は酒やご馳走でお 祝いをしました酒を飲み歌い盛り上がった みんなは疲れていたのかたくさんのご馳走 を残したままぐーぐーと眠ってしまいまし たところがその 翌朝みんなが目覚め見るとどうでしょう あれほどたくさんあったご馳走が一晩の うちになくなっているの ですお前が食べたんじゃろうがとんでも ないお前 こそ弟子たちの言い争いを聞くうちにジゴ 郎と咲一ははっと顔を見合わせましたジゴ 郎はのみと木槌を持ち三門へと急ぎました 咲も黙って後追います 三門へ来てみると咲の掘った猫の周りに ごちそを食いしばりますジゴ郎はくわっと 目を見開くとカンとのみと木槌を古いまし たその一等の元に咲の猫は眠り猫になって しまいました咲はジゴ郎の腕のあまりの すごさに思わず地面にひれ伏しまし た左ジゴ 先生ジゴは咲の方に手を置きしみじみと 言いまし た咲きよ掘りもの猫に魂が入るとはお前は 誠の名人じゃこれよりわしの名をとってひ のジゴと名乗るが良いはいありがとう ございます 咲の掘った猫はその後日光闘将宮の眠り猫 としてとっても評判になりましたそれに つれてひのジゴの名前も大変有名になった ということ ですお しまい怠け者と 貧乏神昔々あるとこにひどく怠け者で貧乏 な男がいまし たある年の暮れのこと男が空腹を我慢し ながらいりの横で寝ていると天井裏から 何かがずどんと落ちてきましたななん だ男がびっくりして飛び起きると落ちてき

たのは次ぎだらけの汚い着物を着た貧乏な おじいさんでしたなんだお前は俺の家の 天井裏で何をしてい たするとおじいさんは頭をポリポリと書き ながら答えまし たわしはなこの家に長い間厄介になって いる貧乏神 だ 貧乏神まあこの家なら貧乏神の1人や2人 いても不思議ではないがそれが何しに降り てきたうん実はなお前があまりにも貧乏な のでこの家にはわしの食い物が1つもない さすがのわしもこのままでは命がもたん そこで逃げ出そうとしたのじゃがあまりの 空腹に力が入らずうっかり落ちてしまった の じゃそうか俺は貧乏神も逃げ出すほどの 貧乏だったのかまあ出て行ってくれるの なら俺もありがたいせめて見送ってやり たいが俺も腹が減って動けないんだだから 悪いけど勝手に出ていって くれそう言って再び寝ようとする男に 貧乏神は言いましたまあ寝るのはもう少し 待ってわしの話を聞くんじゃわしはな 貧乏神とはいえこれでも立派な神の端くれ だ長年世話になったのにネモせと出ていく わけにはいかんそこでお前に1つ良いこと を教えて やろう良いこと ああ明日の日の出とともにこの家の前を 宝物を積んだ馬が通る 1番目の馬は金を積んどる2番目の馬は銀 を積んどる3番目の馬は銅を積んどるその どれでもええから馬を棒で殴ってみろそう すればその馬の宝はお前のものに なるなるほど 確かにそれは良い話だして殴ってもいい馬 は一等だけか 3頭とも殴ってはダメなの かほっほなんじゃ急に欲が出てきたか もちろん3頭全部でも良いぞ3番目の馬 だけなら普通の 暮らし2番目の馬も加われば裕福な 暮らし1番目の馬も加わればお前は長者に なれる じゃろうだがかなその最後に通る4番目の 馬だけは決して殴るなよその馬はわしが出 ていくための馬だからなわかった最後のは 殴らん男はそう言うとまた寝てしまいまし たさて次の日日の出と共に起きるはずの男 はいつもの怠け癖で少し寝坊してしまい ましたいけね寝過ごし た男が慌てて家を飛び出すとちょうど家の 前を立派な荷物を積んだ馬が通ろうとして いましたよし間に合ったあれが金の馬だな

これで俺は長者になれる ぞ男は庭から物干し座を持ち出すとその馬 の頭めがけて物干座を振り下ろしました えいしかし物干竿が長すぎて途中の木の枝 に引っかかってしまったのですその間に 宝物を乗せた馬は悠々と通りすぎていき ましたしまった銀の馬を逃してしまったま いい残りの銀の馬と銅の馬を殴ってしまえ ば俺は大金持ちになれるぞよし次は棒 で男は台所からごまをすりつぶすすりこぎ 棒を持ってくると2番目の馬がやってくる のを待ちましたまもなくまた立派な荷物を 積んだ馬が家の前を通ろうとしまし たよしこれが銀の馬だな今度こそ えい男はすりこぎを振り上げると馬の頭 めがけて振り下ろしましたしかしいくら なんでもすりこぎ棒では身すぎて馬の頭に は届きませんでし た宝物を乗せた馬は男の横をゆうゆうと 通りすぎていきますしまったまたしくじっ たか今度はもう少し長めの棒にしようそこ で男は天秤棒を持ってきて次の馬が来るの を待ちましたやがって馬がやってきたの ですがこの馬には荷物が積まれていません おかしいなどの馬のやつ何も積んでいない ぞまあいい今度こそ馬を仕留めて普通の 暮らしを手に入れてやる男は天貧乏を 振り上げると馬の頭目がけて振り下ろし ました ごちん天貧乏は見事に馬の頭に命中して馬 はそのまま死んでしまいましたやった銅の 馬を仕留めた ぞ男が大喜びしていると家の天井裏から 貧乏神が降りてきてがっかりしながら言い ました ああなんてことをお前はわしが乗るはずの 馬を殺してしまたなせっかくよその家で 暮らそうと思ったのにこれでは旅立つこと ができないではないか仕方がないこれから もお前のところで厄介になる ぞこうして男はそれからも貧乏な暮らしを 続けたということですお しまい非 正月 昔昔ある大晦日の 夕暮れ村の金持ちの屋敷に空海という名の 旅のお坊さんが訪ねてきて一夜の宿を頼み まし た屋敷の主人はお坊さんのみを見 て明日はめでたい正月だ汚いものに貸す 部屋はないわい出て 行け金持ちの屋敷追われたお坊さんは今度 は隣の網屋に声をかけましたすると網屋に 住んでいるおじいさんが言いまし た私たちは貧乏で年越しの食べ物は何も

ありませ ん温かい日だけがご馳走の非正月でよかっ たらどうぞ入って くださいいりには温かそうな日が燃えてい ましたお坊さんは家に上がり込むと食べ物 なら心配はいらんと言って背負っていた袋 から何やら取り出してお湯の脇立つ鍋の中 に入れまし たするとグツグツグツと香ばしい香りがし ます鍋の蓋を取ると美味しそうな雑炊が鍋 いっぱいに煮えていたの ですその世おじいさんたちは久しぶりに いい年越しができまし たお正月の朝お坊さんはわらじを吐き ながら俺をしたいが何か欲しいものがある かね2人に聞くと何もいりませんよただ できることなら昔のに若返りたいものです ねおおそうかそうかならわしが立った後 井戸の若水を明かして浴び なさい2人がお坊さんに言われた通りに すると不思議なことにおじいさんとおばあ さんは178の青年と乙女に別ったの ですその話を聞いた金持ちは遠くまで行っ ていたお坊さんをげていってお待ち くださいこちらに良い部屋がありますご 馳走もあり ます上等のお布団もありますささどうぞ どうぞと無理やり屋敷に連れ込むとお坊 さんに寝る時間も与えずにわしらも若返ら せてくださいと手を合わせましたお坊さん は眠い目ををこすりながらみんな勝手に湯 を明かして 浴びろその声を待っていたとばかりに家中 のものが我れ先にとお風呂に入りました するとみんな若返るどころか全身が毛 だらけの猿になってしまったのです うき猿になった屋敷のみんなは山に走って いってしまいまし たそこでお坊さんは若返った2人を屋敷に 呼び寄せ て猿たちにはこの家は無用じゃ今日からは お前たちが住むが良いと言ってまた旅立っ ていったの ですその日から2人は金持ちの屋敷で 暮らすようになりましたが困ったことに 屋敷には毎日のように猿が入り込んできて わしの家返せキッキッキ と騒ぐのです人の良い夫婦は猿が屋敷の元 の持ち主であるだけに気のくやら気持ち 悪いやらで夜もおちおち眠れませんでした そんなあるよ2人の夢枕にあのお坊さんが 現れてこう教えてくれまし た猿が座る庭石を熱く焼いておき なされそうして次の日そうとは知らない猿 がいつものように庭石にペタンとお尻を

下ろすとうき キッキお尻を火傷して山へ逃げて行って しまいましたそれからですお猿のお尻が 赤くなったのはそして若返った心の優しい おじいさんとおばさんさんは大きな屋敷で 誰にも気兼ねしないで据え長く幸せに 暮らしたということ ですお しまい若様は 1人 昔々彦一というとても賢い子供がいまし たその噂は隣近所の町や村にまで広がり とうとお城の殿様の耳にまで入りまし たそんなに履行なら1つ頓知の力試しをし て やろうこうして彦一はお城に呼ばれたの です彦一がお城の大広までかしこまって いるとやがて現れた殿様が言いました措置 が巷で評判の彦一じゃな苦しない表をあげ いほほほう利発な顔しておるなところで世 にもお前くらいの若がしりおるその方これ からは若の遊び相手をしてやって くれ殿様はこう言った後ケのものに若さを 呼びに行かせまし たやがてふがいて1人2人3人4人5人と 同じ着物きた子供がぞろぞろと入ってき ました着物だけではありません5人とも 兄弟のように顔がよく似ていますどうじゃ ひこお前に本当の若が当てられるかさあ噂 に聞く知恵で見事当てたら褒を使わすぞ 周りにいたケでさえ若様を当てる自信が ありませんそれを若様を見たこのない子供 が見ただけで分かるはずがないと殿様は 得意顔ですさあどうした無理なら無理と 正直に言が良いところが彦一はニコニコし ながら言いまし たどの子も同じように見えますねしかし私 には本物の若様はちゃんと分かります本物 の若様は手習いの後と見えて手に炭がつい ています よこの言葉につられて本物の若様は自分の 手を見て他の子供はそれを覗き込みました ところがどこを探しても炭はついていませ んどの様そのお方が若様 です彦一の賢さに殿様はすっかり関心して これはまいった約束通り褒美を使わ そうこうして彦一は山のような褒美を もらうことができたの ですお しまい拾った 財布大花越前の名 さき昔 江戸の町に盛家の電助という人が住んでい まし たある年の12月仕事の帰りに道で財布を

拾いまし た中を調べると一両小番が3枚入ってい まし たおやおやも時期正月が来るというのに3 両ものお金を落とすなんて気の毒にした人 はさぞ困っているだろう な電助が財布をよく調べてみると名前と 住所を描いた紙が入っていまし た何々神田の大工の頃かよし一走り届けて やろう今頃きっと青くなって探している だろう よ親切な電助はわざわざかまで行って ようやくキゴの家を探し出しまし た こんにちは五郎さんいます かああ俺が吉五郎だが何かようか ね私は盛の電助と言うんだがねお前さん 財布を落とさなかったか ねああ落としたよ中にいく入ってたんだね そんなこと なんでお前さんが聞くんだい何でもいい から答えてくれ よ3両だよお正月が来るんでやっと かき集めた大事な金だったん だそれを聞いて電助はそうかいそれじゃあ これは確かにお前さんの落とした財布だ ほら受け取ってくれと財布を差し出しまし た ところが吉五郎は財布をちらっと見ただけ でぷいっと横を向いていまし たそれは俺のじゃないよえだってお前さん 今大事な3料が入った財布を落としたって 言ったじゃないかそれにお前さんの名前と 住所を書いた髪も入っていたんだこの財布 は確かにお前さんのものだだ よそりゃ確かに俺は財布を落としたよだ けど落としたものはもう俺のものじゃない 拾ったお前さんのものだ持って帰って くれなんだって電助はむっとしまし たなんてことを言うんだ拾ったものを黙っ て自分のものにするくらいならわざわざ 探しながらこんなところまで届けに来たり するもんか素直にありがとうございますと 言って受け取ればいいじゃない かちお前さんもゴジっぱりだな俺はその 財布はお前さんにくれてやろって言ってる んだぜそっちこそ素直にありがとうござい ますと言ってさっさと持って帰りゃいい じゃないか大地この12月になってもの金 が手に入ればお前さんだって助かるだろう にバカ [音楽] 野郎とうと電助はキゴを怒鳴りつけまし た俺は乞食じゃねえ人のものを拾って懐へ 入れるほど落ちぶれちゃいないんだ

ふざけるのもいい加減にしろとにかくこれ は置いてく ぜでが財布を置いて帰ろうとするとおい 待て吉五郎はその手を掴んで財布を 押し付けましたこんなものここに置いて 帰られちゃ迷惑だよ持って帰って くれこ野郎まだそんなこと言ってるの か2人の頑固者はとととっくみ合いの喧嘩 を始めましたその騒ぎを聞いてやってきた 近くの人たちがいくらなめても2人とも 聞きません近所の人たちは困りはてて とうと行様に訴えまし たその時の尾行様はなか大花越前の神と いう人でし た越前の神は2人の話を聞くと大工 吉せっかくが届けてくれたのだ素直に霊を 言って受け取ったらどう じゃとんでもありません行様落としたもの はなくしたのと同じでございますですから もう私のものではありませ んでは盛ん 電助吉五郎がいらないというのだこの量は 拾ったお前のものだ受け取るが良いぞ 冗談じゃありませんお行様拾ったものを もらうくらいなら何もこの忙しい年のくれ にわざわざ神玉で届けに行ったりなどし やしません落としたものは落とした人に 返すのが当たり前 です2人とも頑固に言い張って聞きません すると越前の神 はそうかお前たちがどちらもいらないと いうなら持ち主がいないものとしてこの 一然がもらって おこう へ へお業様に金を横取りされて2人は びっくりしましたがでもいらないと言った のですから仕方がありませ んはいそれで結構です私もそれで結構です と答えて帰ろうとしまし たその時越前の神 は吉五郎 電助しばらく 待てと2人を呼び止めまし たお前たちの正直なのにはわしもすっかり 関心したその正直に対して越前から褒美を 使わ そう越前の神は心から1両の小番を 取り出すとさっきの3両の小番と合わせて 4両にしキゴと電助に2両ずつやりました ところが2人ともなぜ2両ずつ褒美を もらったのかわけのわからないよう妙な顔 をしていますそこで一然の神は笑いながら 言いまし た大工のキゴは3両を落として2両の褒美

をもらったから差し引き1両の 損盛の電助は3両を拾ったのに落とし主に 届けて2両の褒美をもらったからこれも やはり1両の 損この越前も1両を足したから1両の 損これで散歩1両損というのはどう じゃなるほど 吉五郎と伝助は顔を見合わせてにっこりし まし たさすがメ業の王様見事なおさき恐れ入り まし たこの金はありがたく頂いてまいります うん2人とも珍しいほどの正直者たちじゃ これからのは友達となって仲良く付き合っ ていくが良い ぞはいありがとうござい ます吉五郎と伝助はここに来た時とは まるで反対に生まれた時からの仲良しの ように肩を並べて帰っていきまし たうんこれにて一見 落着 お しまい百姓じいさんと 天狗 昔々100勝のおじいさんが馬を連れて 歌いながら山道を歩いていまし た心たしや山坂行け ば馬の鈴までこだま するえいそらほいほい [音楽] すると向こうの方からずしんずしんと 大きな足音を立てながら天狗がやってき ましたその天狗の花ときたらおじいさんの 腕ほど長くて大きく顔ときたら塗りたての 神社の鳥より真っ赤 です天狗とおじいさんは細い道でぶつかり まし たこらじい様道を よけろ大きな声の天狗におじいさんは 負けじ魂と2人ずれじゃお前がよけろと 天狗を睨みつけ ますひひひひん 馬も泣いておじいさんの応援ですこのじじ めつべこべ抜かすとつまんで食うてしまう ぞそうかいらもこの年食われて死ぬのは 怖くないがお前に壊れる前に1つ見たい ものがあるんじゃなんじゃいそれ は天狗は誰でも術というものを使うそう じゃが本当かのわしはこれでも天狗の頭 じゃ術ぐらい使えんでなんと するそうかい天狗というものはどこの天狗 でも天まで大きなれるというがお前様は なれるか ね天まで大きなるそんなことができんで どう

なるそうかのじゃあオが食われる前に ちょっくら見せてもらおうかがあの世への 話の種というもんじゃよしよ 見とれそこで大天狗は鼻を上に向けてゴっ と息を吸い込みましたするとぐんぐん ぐんぐん天狗の背が伸びてとうと雲を 突き抜けてしまいまし たそこでおじいさんはにやりと笑いいかに もしたように言いまし た天狗様天狗様ようわかったから元に戻っ てくだされすると天狗はシュっと息を吐い て元の大きさに戻りましたどうじゃじい様 びっくりしたろさあ食うてやるかと手を 伸ばす天狗におじいさんはカラカラと笑っ てそんなこと言うても天狗様が天まで応急 なるのはどこの天狗様でもやることでねえ かお前様はさっき天狗の頭と言うたが いくら頭でもチそうなるこでき まい何わしは日本一の天狗じゃ応急ばかり 慣れてちそはなれんそんなケチな天狗じゃ ないわい見とれ 今見せてやる わ天狗はそう言ってふうと息を吐き出し まし たするとどんどん小さくなっていってお じいさんの小指ほどになってしまいました そこでおじいさんはひょいっと天狗を 手のひらに乗せていもっと小さくもっと 小さくそう そうついに天狗はは豆粒のように小さく なってしまいまし たかかったなおじいさんは天狗をつまむと ポイっと口の中へ放り込んでごくんと 飲み込んでしまいました そしてそよらそよらとたがなてて服や春風 さまでもえいそらほいほい 歌いながら馬を引いて家の方へ帰って行き まし たお しまい西宮恵比寿は単子の泣き 恵比寿京都の民 は 昔昔介という漁師がが住んでいまし たこすは小さい頃から体が弱かったので 健康のために毎朝浜を歩くことにしていた の ですそんなある朝こすがいつものように浜 を歩いていると何かキラキラ光り輝くもの が浜に打ち上げられてい ますなん だろう幸介が近寄ってみるとそれは夕べの 荒波で打ち上げられた小さなエベス様の像 だったの ですこれは立派な恵比寿様 だこすは恵比寿様の像を家に持って帰って

備えましたがボロ屋に立派な恵比寿様は 似合いませ んそこで幸介は村外れのお宮さんに恵比寿 様を祭ったのです それからしばらくしたある日旅の層がこの 村を訪れましたが長旅であまりにも薄汚れ ていたので誰も相手にしてくれませんそこ で仕方なく村外れのお宮さんに泊まること にしたのですが入ってみると何かが キラキラと光り輝いてい ます見てみるとそれはすが納めて 黄色の恵比寿様だったの ですこれは良いものを見つけた ぞ旅の層は周りに誰もいないことを 確かめるとそのエベス様を盗んでそのまま 逃げてしまいまし たよし誰も来ていないななかなか良いもの が手に入った わい旅の層が満面の笑をべながら道を歩い ている と単子へ帰りたい丹波へ帰りたいと小さな 声が聞こえたのです誰 だ旅の層は振り返りましたが誰もいませ んおかしいな気のせい かそして再び歩き出すと単子へ帰りたい 丹波へ帰りたいとまた小さな声が聞こえた のです誰だ誰かいるの か旅の層は用人深くあたりを見回しますが やはり誰もいませ んでも小さな声はそれからも単子へ帰り たい丹波へ帰りたいというの ですそんなことが3日間続いたので すっかり巻いてしまった旅の層はふとその 声が自分の背負っている荷物の中から 聞こえてくることに気づいたの ですもしやあの恵比寿様 がそう思った旅の層は盗んだエベス様を 取り出してみましたするとエベス様は はっきりと単子へ帰りたい丹波へ帰りたい と言ってその後めんうえんと泣き出して しまったの ですこれはとんでもないものを盗んで しまった な旅の層は恵比寿様を盗んだことを後悔し ましたが今更持ち帰ってもぬすっととして とまるだけですかと言って魂が宿っている 恵比寿様を捨てるわけにもいかないし そこで旅の層は西宮までやってくると近く の神社に恵比寿様を覚めてどこかへ行って しまいまし たその後この恵比寿様を祭ってある神社が 商売にご利益があると商人たちが集まる ことで有名になりやがって今の西宮恵比寿 神社になったの ですおし

この正直 もめキッチョム さん 昔昔きっちむさんという頓知の上手な人が いまし た昔は所々に席書というものがあって通る 人や荷物を厳しく調べていまし たきちさんの村から町へ行くのにもこの 席書を通らなければなりませんところが この席書には悪い役人がいってこらこら そのとっくりの中身はなんじゃ何か良く ないものを隠しておるのではないだろう な今から取り調べてやると役人は荷物の中 にお酒を見つけると取り調べと言いながら お酒を飲んでしまうの ですそこで困った村人たちがきっちむさん に頼みましたきっちむさんお前さんの頓知 であの役人をこらしめてはくれん か役人の噂を聞いていたきっちむさんは すぐに引き受けましたよし任せておけその 役人が2度と酒を飲まないようにしてやる ぎっちょもさんはそう言うと早速町へお酒 を買いに出かけまし た町からお酒を買って帰ろうとするとあの 役人が早速キッチョムさんを呼び止めまし たこらこらそのとっくりの中身はなん じゃするときっチムさんはわざと困った顔 で答えますはいこれはその実は便が入って おります何小便じゃと ほほう多少は地を使ったようだがこのわに は適用せん ぞ役人はとりあえず用人にとっくりの匂い を嗅ぐとにんまりと笑って中のお酒をうま そうに飲み干しましたうんこれは常も なかなかにうまいべじゃよし行って よし殻になったとっくりをきっちむさんに 返した役人は満足そうにいまし たさてそれから3日後きちもさんはまた町 へ行くととっくりを下げて席書を通りまし たするとやっぱりあの役人が呼び止め ますこらこらそのとっくりのの中身は何 じゃはいこれはその正面が入っており ますきちむさんが答えると役人はきっちむ さんを見てにんまりと笑いました おおお前はこの前の少しは知恵があると 思ったがまた懲りずに正面とは な役人はきっちむさんからとっくりを 取り上げると今度は匂いもかかずに いきなりごくごくと飲みまし たしかしすぐに目を白黒させて飲んだもの を吐き出しましたブこここらこれはなん じゃい貴様わしに正面を飲ませた な役人は刀を抜くときっちむさんに 詰め寄りました ですがきっちむさんは平気な顔でいました

だから私は正面と申し上げましたよ むむこれには役にも返す言葉がありません 役人は刀を納めるときっちむさんに言い まし たこの正直もめ行って よしそれから役人は石取を通る人の荷物に お酒を見つけてももう飲もうとはしなかっ たそう ですお しまい左ジゴの 竜京都府の民 は 昔昔宮津地方では田上が終わったにも 関わらず 一滴の雨も降らなかったことがありまし た困った村人たちはせっかくの稲がこれで は台無しだ雨が降らないのは水の神様 きっと竜神様の祟りに違いないと成合の尚 さんに雨乞いのお祈りを頼んだの ですすると尚さんは一晩中お経を唱えて仏 様からが頂いたお告げを村人たちに教え まし た何でもこの天の柱立てに日本一の掘りも 名人が来ておるそう じゃ生き物を掘ればそれに魂が宿ると言わ れるほどの名人 らしいその名人に竜の掘りもを掘って もらえばそれに本物の竜の魂が宿りきっと 雨を呼ぶであろう そこで村人たちが手分けをして探してみる と尚さんの言う通り左ジゴ郎という堀名人 が天の橋立の宿に泊まっていたの です村人たちの熱心な願いに左ジゴ郎は 深く頷きまし た仏様のお告げに私の名前が出てくるとは こですわかりました 未熟者ですがやってみ ましょうしかし引き受けたのは良いのです が左ジゴには竜がどんな姿なのかわかり ません他人が描いたり掘ったりした竜の絵 や掘りもは今までに何度も見たことがある のですがしかしそれはその人が考えた竜の 姿で本物の竜ではありませ ん他人が作ったものの真似事ではそれに魂 が宿ることは ないそこでジゴ郎は成合の本道にこもり仏 様に熱心にお祈りをしまし た仏様のお導きにより竜の掘りもを掘る ことになりましたが私は竜を見たことが ありません明人と言われていますがいくら 私でも見たこともないものを掘ることは できませんお願いですどうぞ竜の姿を拝ま せて くださいそして数日後ジゴ郎の夢枕に仏様 が現れてこう言ったの

ですジゴよそなたの願いを叶えてやろう この寺の北の方角に深い縁があるその縁で 祈ればと竜が現れるはず じゃはありがとうございまし た早速ジゴは案内人の男と2人で瀬川に 沿って北の方へ進んでいきましたしかし奥 へ進むにつれて人の歩ける道はなくなり とうと案内人は怖がって帰ってしまいジゴ は1人ぼっちで奥へと進んだの です険しい道でしたが竜を見たいという ジゴの心には怖さも疲れも感じませんでし たそしてついにジゴ郎は龍が現れるという 大きな淵にたどり着くことができたの ですジゴ郎は岩の上に星座をするとその まま3日未満一心に祈り続けます たこの淵に住む竜よ一目で良い一目で良い からその姿を見せて くれするとどう でしょう急に当たりが暗くなったかと思う と大粒の雨がパラパラと降り始め淵の奥 から大きな竜が姿を表したではありません か竜は口から真っ赤な火を吐きながら今に もジゴに襲いかかろうとしましたしかし ジゴは逃げませんその竜の姿を真に 焼きつけようと瞬きもせずにその竜を 見つめましたそして竜はまっすぐジゴに 向かってきて身動きしつしないジゴに ぶつかる寸前にすーっと消えまし たその途端に ジゴ郎の全身に溢れんばかりの力がみなり ましたまるで竜の霊力がジゴの体に宿った かのようですおお竜を見た私は竜を見た ぞちご郎はおたびをあげると急いで成りに 戻りそれから何日も休むことなく一心に竜 をり続けまし たそしてやっと掘り上げるた竜が成合に 掲げられ雨声の祈りが行われたの ですすると不思議なことに今まで晴れてい た空が急に曇るとざざっと大雨が降り始め たの です雨だ雨が降ってきたぞ竜のおかげだ ジゴ郎様のおかげ だ村人たちは大喜びですそして今にも枯れ そうだった稲も見る見るうちに元気になり まし たこのことがあってからジゴが竜に出会っ たふは竜がふと呼ばれるようになりジゴが 掘った竜は今も成合に大切に残されている そう ですお しまいじっと見つめていまし た 昔々キッチョムさんというとても愉快な人 がいまし たそのキッチョムさんがまだ子供の頃の話

ですある秋のこと家の人はみんな仕事に 出かけるのできっちむさんが1人で留守番 をすることになりまし た出かける前にお父さんが言いまし たキッチむや柿がもう食べられる明日木 から落とすから今日は気をつけて見ていて くれはいちゃんと見てい ますきっちむさんは元気な声で返事をし まし たでも食べられるかがいっぱいあるのに 黙って見ているきっちむさんではありませ んお父さんたちの姿が見えなくなると早速 村の中を走り回りました おい家の柿がもう食べられるぞみんな食べ に 来いこれを聞いた村の子供たちは大喜びで きっちむさんの家にやってきましたそして 長い棒でかき落とすとみんなでお腹 いっぱい食べてしまったの ですさて夕方になってお父さんが家に戻っ てくるときっちむさんは柿の木の下に座っ ていまし たお前1日中そうやっていたの かはいだって気をつけて見ていろと言う からじっと柿の木を見ていたん ですそうか偉い ぞ関心したお父さんがふっと柿の木を 見上げてみるとかきのみが随分と減ってい ますおやかきのみが随分減ってる なこれは誰かが取っていったに違いない おいきっちむこれはどうしたこと だするときっちむさんは平気な顔で言い まし た はい村の子供たちが次々と来て棒を使って 柿のみを思いでいきまし た私は言われた通り気をつけて見ていた から間違いありませ ん とほほかき泥棒が来ないよう気をつけて見 ていろと言ったのにお父さんはそう言って がっくりと肩を落としまし た お しまいお花 地蔵 昔昔お春という名前のおばあさんとお花と いう名前の孫娘が2人で暮らしていました お春ばあさんは60歳でお花は7歳 ですお花の両親はお花が3歳の時に死んで しまったのでお春ばあさんはよその家の畑 仕事や張り仕事を手伝って暮らしていまし たお花はお春ばあさんが仕事をしてる間 近所の男の子たち相手に遊び回ってい ますお花今度こそはオの勝ちだぞ

えい弱いくせに何を言ってる いや男の子が相手でも勝つのはいつもお花 でし た夕暮れになってお春ばあさんの仕事が 終わるとお花はお春おばあさんと一緒に家 へ帰りまし たばあちゃん今日はゴスケとゴタを やっつけた よ自慢げにお花にお春ばあさんは呆れ顔で 言いました お花棒切れ遊びは男の子の遊びじゃ名する もんじゃねえ よだって女の子と一緒に遊ぶなんてつまら んもん体は女でも心は男じゃやれやれ死ん だ母親にそっくり じゃやがて秋になり畑の借入れが終わって しまうとお春ばあさんの仕事が少なくなり まし た毎年のことですがこれから春までは家で 張り仕事をする時間が多くなり ますそんなある日お花がお春バーサに言い まし た私もう遊ぶの やめるこれからはばあちゃんの手伝いを するそれを聞いてお春ばあさんは驚きまし たどうしたんじゃあんなにボキで遊びが 好きだったのに子供は子供らしく遊んで おればえん じゃだってばあちゃんはいつも夜遅くまで 働いているじゃないか私も手伝えば夜遅く まで働かなくてもいい だろう何を言ってるお前に手伝ってもらっ たって帰って邪魔になるだけだ全く急に 生息なことを言いよっ てそういうお春ばあさんの方にポロりっと 嬉し涙がこぼれまし たところがその冬お花は流行り病の100 日席にかかってしまったの ですご本ご ご朝も夜もお花の咳は止まりませんお春 ばあさんはは必死で病しますが小さな村で は医者も薬もありません お春頑張るんだよ春になれば必ず良くなる からうんごん ごんそしてあんなに元気だったお花は あっけなく死んでしまったの ですお花が死んでしまってからお春ばあ さんは魂が抜かれように何日も何日も仏壇 の前から動こうとしませんある日近所の人 が心配してやってきましたお春ばあさん餅 を持ってきたから食べて少しは食べんと体 に悪いよお春ばあさんには辛いことだがお 花はきっとあの世で夫やおっ母と親子 水入らずで暮らしているよ お春ばあさんはやっと顔をあげていました

ああ私もそのことだけを祈っていたんだで もお花はまだ幼いちっちゃなお花が迷わず に夫とおっ母のところに行けるだろう かあの世のどこかで迷子になって1人 寂しく泣いてわせんじゃろう かそのこと私も死んでお花を探しに行きて 何言ってるの死ぬなんてそんなことを考え たらだめだよ大丈夫お花はしっかり者だ からああそうじゃなそうじゃといい が夜になって近所の人が帰るとお春ばあ さんはまた仏壇の前に座り込みまし たおお花大丈夫だろう かどこかでばあちゃんを探しているんじゃ ないだろうか1人寂しく泣いてないといい がお花は可愛い子じゃった笑い顔なんて まるでおじ蔵様にそっくりじゃっ たおじ蔵 様そう じゃお春ばあさんはその世からお地蔵様を 掘り始めましたお地蔵様は子供の守り神で 死んだ子供を天国に導いてくれると言われ ていますそこでお春ばあさんはおじ蔵様を 作って早くお花を天国へ送ってやろうと 思ったの ですしかしお地蔵様を作ることは年おいた お春ばあさんには大変なことですお春ばあ さんは毎日毎日お地蔵様を惚れ続けて春が 来る頃にようやく出来上がりましたそれは お花にそっくりの小さな小さなお地蔵様 ですこれできっとお春は夫おっ母に会える に違い ないお春ばあさんはその小さなお地蔵様を 村を見渡せる丘の上に置くことにしました やがってこのお地蔵様はお花地蔵と呼ばれ 村人たちは子供が100日席にかかるとお 花が大好きだった入り込めを襲いしまし たするとその子供は必ずすぐに良くなった そう ですお しまい 2人の ジゴ 昔平の山奥に咲という掘りものとても上手 な男が住んでいまし たある時咲一は腕試しをしようと旅に 出かけましたところが終わりの国まで来た 時には持っていたお金をすっかり使い 果たしてしまいまし た宿の支払いにも困った咲は宿の主人に 何か掘りもをさせてほしいと頼みまし たよしそれじゃあ宿台の代わりに何か掘っ ておく なさい主人が許してくれたので咲は早速 掘り始めまし た翌朝咲は見事な大黒様を宿の主人に

差し出しました これは見事こんな素晴らしい大国様は見た ことがないこれは家のかほにさせて いただき ます大喜びする宿の主人に咲は申し訳なさ そう にホキが手元になかったものでこの部屋の 大黒柱をくり抜いて使わせてもらいました お許し ください 宿の主人が大黒柱を調べてみましたが傷1 つ見当たりませんはてこの大黒柱でしょう かはいこれ ですそう言って咲がポンと手を叩くとかん と柱の木が外れましたなるほど確かに中は 空洞ですすっり関心した宿の主人は咲の ことをその頃日光闘将宮の増援に携わって いた堀名人左ジゴに知らせまし たジゴは早速咲を呼び寄せてなんでもいい お前の得意なものを掘ってくれと言いまし たそこで咲が掘ったのは今にも動き出し そうな見事王様ですジゴ郎はすっかり関心 して咲を東小軍の造影に参加させることに しまし た私は竜をほろう咲お前は三門の猫を 惚れ天下の左ジゴに認められた嬉しさに咲 地は力いっぱい掘り続けました毎日毎日 掘り続けてとうと3門の猫が掘り上げまし たそしてジゴや他の弟子たちの仕事も全て 終わり東商軍は完成しまし た検査の役人たちもその見事さにはただ 驚くばかりですジゴを始めみんなは大層 いい気分になりその世は酒やご馳走でお 祝いをしました酒を飲み歌い 盛り上がったみんなは疲れていたのか たくさんのご馳走を残したままぐーぐーと 眠ってしまいまし たところがその翌朝みんなが目覚めてみる とどうでしょうあれほどたくさんあったご 馳走が一晩のうちになくなっているのです お前が食べたんじゃろうがとんでもない お前 こそ弟子たちの言い争いを聞くうちに 甚五郎と咲ははっと顔を見合わせました ジゴ郎はのみと傷を持ち三門へと急ぎまし た咲も黙って後追い ます3門へ来てみると咲の掘った猫の周り にごそを食いしばりますジゴはくわっと目 を見開くとカンとと槌を古いまし たその一等のもに咲の猫は眠り猫になって しまいました咲はジゴ郎の腕のあまりの すごさに思わず地面にひれ伏しまし た左ジゴ 先生ジゴは咲の肩に手を置きしみじみと 言いまし

た咲よ物の猫に魂が入るとはお前は誠の 名人じゃこれよりわしの名を取ってひの ジゴと名乗るが良いはいありがとうござい ます咲の掘った猫はその後日光東将軍の 眠り猫としてとっても評判になりました それにつれてのジゴの名も大変有名になっ たということ ですお しまい怠け者と 貧乏神昔々あるところにひどく怠け者で 貧乏な男がいまし たある年のくれのこと男が空腹を我慢し ながらいりの横で寝ていると天井裏から 何かがずどんと落ちてきましたななん だ男がびっくりして飛び起きると落ちてき たのは継ぎはぎだらけの汚い着物を着た 貧乏なおじいさんでしたなんだお前は俺の 家の天井裏で何をしてい たするとおじいさんは頭をポリポリと書き ながら答えまし たわしはなこの家に長い間厄介になって いる貧乏神だ 貧乏神まあこの家なら貧乏神の1人や2人 いても不思議ではないがそれが何しに降り てきたうん実はなお前があまりにも貧乏な のでこの家にはわしの食い物が1つもない さすがのわしもこのままでは命がもたん そこで逃げ出そうとしたのじゃがあまりの 空腹に力が入らずうっかり落ちてしまった の じゃそうか俺は貧乏神も逃げ出すほどの 貧乏だったのかまあ出て行ってくれるの なら俺もありがたいせめて見送ってやり たいが俺も腹が減って動けないんだだから 悪いけど勝手に出ていって くれそう言って再び寝ようとする男に 貧乏神は言いましたまあ寝るのはもう少し 待ってわしの話を聞くんじゃわしはな 貧乏神とはいえこれでも立派な神の端くれ だ長年世話になったのにレモせと出ていく わけにはいかんそこでお前に1つ良いこと を教えて やろう良いこと ああ明日の日の出とともにこの家の前を 宝物を積んだ馬が通る1番目の馬は金を 積んどる2番目の馬は銀を積んどる3番目 の馬は銅を積んどるそのどれでもええから 馬を棒で殴ってみろそうすればその馬の宝 はお前のものに なるなるほど 確かにそれは良い話だして殴ってもいい馬 は1等だけか3等とも殴ってはダメなの かほっほなんじゃ急に欲が出てきたか もちろん3頭全部でも良いぞ3番目の馬 だけなら普通の

暮らし2番目の馬も加われば裕福な 暮らし1番目の馬も加わればお前は長者に なれる じゃろうだがなその最後に通る4番目の馬 だけは決して殴るなよその馬はわしが出て いくための馬だからなわかった最後のは 殴らん男は言うとまた寝てしまいまし たさて次の日日の出と共に起きるはずの男 はいつもの怠け癖で少し寝坊してしまい ましたいけね寝過ごし た男が慌てて家を飛び出すとちょうど家の 前を立派な荷物を積んだ馬が通ろうとして いましたよし間に合ったあれが金の馬だ これで俺は長者になれる ぞ男は庭から物干し座を持ち出すとその馬 の頭めがけて物干座を振り下ろしました えいしかし物干竿が長すぎて途中の木の枝 に引っかかってしまったのですその間に 宝物を乗せた馬は悠々と通りすぎていき ましたしまった銀の馬を逃がしてしまった まあいい残りの銀の馬とどの馬を殴って しまえば俺は大金持ちになれるぞよし次は 短い棒 で男は台所からごまをすりつぶすすりこぎ 棒を持ってくると2番目の馬がやってくる のを待ちましたまもなくまた立派な荷物を 積んだ馬が家の前を通ろうとしまし たよしこれが銀の馬だな今度こそ えい男はすりこぎを振り上げると馬の頭 めがけて振り下ろしましたしかしいくら なんでもすりこぎ棒では身近すぎて馬の頭 には届きませんでし た宝物を乗せた馬は男の横をを悠々と通り すぎていきますしまったまたしくじったか 今度はもう少し長めの棒にしようそこで男 は天秤棒を持ってきて次の馬が来るのを 待ちましたやがて馬がやってきたのですが この馬には荷物が積まれていません おかしいなどの馬のやつ何も積んでいない ぞ まあいい今度こそ馬を仕留めて普通の 暮らしを手に入れてやる男は天貧乏を 振り上げると馬の頭めがけて振り下ろし ました ごちん天貧乏は見事に馬の頭に命中して馬 はそのまま死んでしまいましたやった銅の 馬を仕留めたぞ男が大喜びしていると家の 天井裏から貧乏神が降りてきてがっかりし ながら言いました ああなんてことをお前はわしが乗るはずの 馬を殺してしまったなせっかくよその家で 暮らそうと思ったのにこれでは旅立つこと ができないではないか仕方がないこれから もお前のところで厄介になる ぞ

こうして男はそれからも貧乏な暮らしを 続けたということですお しまい非 正月昔昔ある大晦の 夕暮れ村の金持ちの屋敷に空海という名の 旅のお坊さんが尋ねてきて一夜の宿を頼み ました 屋敷の主人はお坊さんのみを見 て明日はめでたい正月だ汚いものに貸す 部屋はないわい出て いけ金持ちの屋敷追われたお坊さんは今度 は隣の網屋に声をかけましたすると網屋に 住んでいるおじいさんが言いまし た私たちは貧乏で年越しの食べ物は何も ありません温かい日だけがご馳走の非生月 でよかったらどうぞ入って くださいいりには温かそうな日が燃えてい ましたお坊さんは家に上がり込むと食べ物 なら心配はいらんと言って背負っていた袋 から何やら取り出してお湯のの沸き立つ鍋 の中に入れまし たするとグツグツグツと香ばしい香りがし ます鍋の蓋を取ると美味しそうな雑炊が鍋 いっぱいに煮えていたの ですその世おじいさんたちは久しぶりに いい年越しができまし たお正月の朝お坊さんはわをき ながら俺をしたいが何か欲しいものがある かね2人に聞くと何もいりませんよただ できることなら昔の178に若返りたい ものですねおおそうかそうかならわしが 立った後井戸の若水を明かして浴び なさい2人がお坊さんに言われた通りに すると不思議なことにおじいさんとおばあ さんは178の青年と乙女に若返ったの ですその話を聞いた金持ちは遠くまで行っ ていたお坊さんを追いかけていってお待ち くださいこちらに良い部屋がありますご 馳走もあり ます上等のお布団もありますささどうぞ どうぞと屋敷に連れ込むとお坊さんに寝る 時間も与えずにわしらも若返らせて くださいと手を合わせましたお坊さんは 眠い目をこすりながらみんな勝手に湯を 明かして 浴びろその声を待っていたとばかりに家中 のものがわれ先にとお風呂に入りました するとみんな若返るどころか全身が毛 だらけの猿になってしまったのです うき猿になった屋敷のみんなは山に走って いってしまいまし たそこでお坊さんは若返った2人を屋敷に 呼び寄せ て猿たちにはこの家は無用じゃ今日からは お前たちが住むが良いと言ってまた旅立っ

ていったのです その日から2人は金持ちの屋敷で暮らす ようになりましたが困ったことに屋敷には 毎日のように猿が入り込んできてわしの家 返せキッキッキ と騒ぐのです人の良い夫婦は猿が屋敷の元 の持ち主であるだけに気のくやら気持ち 悪いやらで夜もおちおち眠れませんでした そんなあるよ2人の夢枕にあのお坊さんが 現れてこう教えてくれまし た猿が座る庭石を熱く焼いておき なされそうして次の日そうとは知らない猿 がいつものように庭石にペタンとお尻を 下ろすとうき ききを火傷して山へ逃げていってしまい ましたそれからですお猿のお尻が赤くなっ たのはそして若返った心の優しいおじい さんとおばあさんは大きな屋敷で誰にも 気兼ねしないで据え長く幸せに暮らしたと いうこと ですお しまい 若様は 1人 昔々彦一というとても賢い子供がいまし たその噂は隣近所の町や村にまで広がり とうとお城の殿様の耳にまで入りまし たそんなに履行なら1つ頓知の力試しをし て やろうこうして彦一はお城に呼ばれたの です彦一がお城の大広までかしこまって いるとやがて現れた殿様が言いました措置 がちまたで評判のひこじゃな苦しない表を あげいほっほ利発な顔しておるなところで 世にもお前くらいの若がしりおるその方 これからは若の遊び相手をしてやって くれ殿様はこう言った後ケラのものに若さ を呼びに行かせまし たやがてふがいて1人2人3人4人5人と 同じ着物を着た子供がぞろぞろと入ってき ました着物だけではありません5人とも 兄弟のように顔がよく似ていますどうじゃ ひこお前に本当の若が当てられるか さあ噂に聞く知恵で見事当てたら褒を 使わすぞ周りにいた嫌でさえ若様を当てる 自信がありませんそれを若様を見たことの ない子供が見ただけで分かるはずがないと 殿様は得意顔ですさあどうした無理なら 無理と正直に言が良いところがはにし ながら言いまし たどの子も同じように見えますねしかし私 には本物の若様はちゃんと分かります本物 の若様は手習いの後と見えて手に炭がつい ています よこの言葉につられて本物の若様は自分の

手を見て他の子供はそれを覗き込みました ところがどこを探しても炭はついていませ んどの様そのお方が若様 です彦一の賢さに殿様はすっかり関心して これはまいった約束通り褒美を使わそう こうして彦一は山のような褒美をもらう ことができたの ですおしまい 拾った 財布大花越前の名 さき昔江戸の町に盛家の電助という人が 住んでいまし たある年の12月仕事の帰りに道で財布を 拾いまし た中を調べると 一両小番が3枚入っていまし たおやおやも時期正月が来るというのに3 両ものお金落とすなんて気の毒に落とした 人はさぞ困っているだろう な電助が財布をよく調べてみると名前と 住所を描いた紙が入っていまし た何々神田の大工の頃かよし一走り届けて やろう今頃きっと青くなって探している だろう よ親切な電助はわざわざ神玉で行って ようやく吉五郎の家を探し出しまし た こんにちは吉五郎さんいます かああ俺が吉五郎だが何かようかね 私は盛の電助と言うんだがねお前さん財布 を落とさなかったかねああ落としたよ中に いくら入ってたんだねそんなことなんで お前さんが聞くんだい何でもいいから答え てくれ よ3両だよお正月が来るんでやっと かき集めた大事な金だったん だそれを聞いて電助はそうかいそれじゃあ これは確かにお前さんの落とした財布だ ほら受け取ってくれと財布を差し出しまし たところが吉郎は財布をちらっと見ただけ でぷいっと横を向いていまし たそれは俺のじゃないよえだってお前さん 大事な産料が入った財布を落としたって 言ったじゃないかそれにお前さんの名前と 住所を描いた紙も入っていたんだこの財布 は確かにお前さんのものだ よそりゃ確かに俺は財布を落としたよだ けど落としたものはもう俺のものじゃない 拾ったお前さんのものだ持って帰って くれなんだだって電助はむっとしまし たなんてことを言うんだ拾ったものを黙っ て自分のものにするくらいならわざわざ 探しながらこんなところまで届けに来たり するもんか素直にありがとうございますと 言って受け取ればいいじゃない

かちお前さんもゴジっぱりだな俺はそのさ はお前さんにくれてやろって言ってるんだ ぜそっちこそ素直にありがとうございます と言ってさっさと持って帰りゃいいじゃ ないか大地この12月になって3両もの金 が手に入ればお前さんだって助かるだろう にバカ [音楽] 野郎とうと伝助はキゴを怒鳴りつけまし た俺は乞食じゃねえ人のものを拾って懐へ 入れるほど落ちぶれちゃいないんだ ふざけるのもいい加減にしろとにかくこれ は置いてくぜ電助が財布を置いて帰ろうと するとおい 待て吉五郎はその手を掴んで財布を 押し付けましたこんなものここに置いて 帰られちゃ迷惑だよ持って帰って こ野郎まだそんなこと言ってるの か2人の頑固者はとうとうとっくみ合いの 喧嘩を始めましたその騒ぎを聞いてやって きた近くの人たちがいくらなめても2人 とも聞きません近所の人たちは困りはてて とうとう尾行様に訴えまし たその時の行様はなか大花越前の神という 人でし た越前の神は2人の話を聞くと大工 キゴせっかく電助が届けてくれたのだ素直 に礼を言って受け取ったらどう じゃとんでもありません行様落としたもの はなくしたのと同じでございますですから もう私のものではありませ んでは盛ん 電助吉五郎がいらないというのだこの産量 は拾ったお前のものだ受け取るが良いぞ 冗談じゃありませんお行様拾ったものを もらうくらいなら何もこの忙しい年の暮れ にわざわざ神玉で届けに行ったりなどしし ません落としたものは落とした人に返すの が当たり前 です2人とも頑固に言い張って聞きません すると越前の神はそうかお前たちがどちら もいらないというなら持ち主がいないもの としてこの一然がもらっておこう え えお武行様に金を横取りされて2人は びっくりしましたがでもいらないと言った のですから仕方がありませ んはいそれで結構です私もそれで結構です と答えて帰ろうとしまし たその時越前の神 は吉五郎 電助しばらく 待てと2人を呼び止めました お前たちの正直なのにはわしもすっかり 関心したその正直に対して越前から褒美を

使わ そう越前の神は懐から一両の小番を 取り出すとさっきの3両の小番と合わせて 4両にし吉五郎と電助に2両ずつやりまし たところが2人ともなぜ2両ずつをもらっ たのかわけのわからないよう妙な顔をして いますそこで前の神は笑いながら言いまし た大工のキゴは3両を落として2両の褒美 をもらったから察し引き1両の 損盛の電助は3両を拾ったのに落とし主に 届けて2両の褒美をもらったからがこれも やはり1両の 損この越前も1両を足したから1両の 損これで散歩1両損というのはどう じゃなるほど 吉五郎と伝助は顔を見合わせてにっこりし まし たさすがメ業の王様見事なお さきりまし たこの金はありがたくいいてまいります うん2人とも珍しいほどの正直者たちじゃ これからのは友達となって仲よく付き合っ ていくが良い ぞはいありがとうござい ます吉五郎と伝助はここに来た時とは まるで反対に生まれた時からの仲良しの ように肩を並べて帰っていきまし たうんこれにて一見 落着お しまい百姓じいさんと 天狗 昔昔100勝のおじいさんが馬を連れて 歌いながら山道を歩いていまし た心たしや山坂行け ば馬の鈴までこだま するえいそらほい ほいすると向こうの方からずしんズシンと 大きな足音を立てながら天狗がやってき ましたその天狗の花きたらおじいさんの腕 ほど長くて大きく顔ときたら塗りたての 神社の鳥より真っ赤 です大天狗とおじいさんは遅い山道で ぶつかりまし たこらじい様道を よけろ大きな声の天狗におじいさんは 負けじ魂道じゃおまけにおらこの通り馬と 2人ずれじゃお前がよけろと大天狗を 睨みつけ ますひひひひーん 馬も泣いておじいさんの応援ですこのじじ めつべこべ抜かすとつまんで食うてしまう ぞそうかいらもこの年食われて死ぬのは 怖くないがお前に壊れる前に1つ見たい ものがあるんじゃなんじゃいそれ は天狗は誰でも術というものを使うそう

じゃが本当かいのわしはこれでも天狗の頭 じゃ術ぐらい使えんでなんと するそうかい天狗というものはどこの天狗 でも天まで大きなれるというがお前様は なれるか ね天まで大きなるそんなことができんで どう なるそうかのじゃあらが食われる前に ちょっくら見せてもらおうかあの世の話の 種というもんじゃよしよう見 とれそこで天狗は鼻を上に向けてゴっと息 を吸い込みました するとぐんぐんぐんぐん天狗の背が伸びて とうと雲を突き抜けてしまいまし たそこでおじいさんはにやりと笑いいかに も関心したように言いまし た天狗様天狗様ようわかったから元に戻っ てくだされすると天狗はシュっと息を吐い て元の大きさに戻りましたどうじゃじい様 びっくりしたろうさあ食うてやるかと手を 伸ばす天狗におじいさんはカラカラと笑っ てそんなこと言うても天狗様が天まで応急 なるのはどこの天狗様でもやることでねえ かお前様はさっき天狗の頭と言うたが いくらかしらでもチそうなる でき まい何わしは日本一の天狗じゃ応急ばかり 慣れてチソはなれんそんなケチな天狗じゃ ないわい見とれ今見せてやる わ天狗はそう言ってふうと息を吐き出し まし たするとどんどん小さくなっていってお じいさんの小指ほどになっしまいました そこでおじいさんはひょいっと大天狗を手 のひに乗せてよもっと小さくもっと小さく そう そうついに天狗は豆粒のように小さくなっ てしまいまし たかかったなおじいさんは天狗をつまむと ポイっと口の中へ放り込んでごくんとと 飲み込んでしまいました そしてそよらそよらと立神なてて服や春風 砂までもえいそらほいほい 歌いながら馬を引いて家の方へ帰って行き まし たお しまい 西宮恵比寿は単子の泣き 恵比寿京都の民 は 昔昔幸介という漁師が住んでいまし たこすは小さい頃から体が弱かったので 健康のために毎朝浜を歩くことにしていた の ですそんなある朝こすがいつものように浜

を歩いていると何かキラキラ光り輝くもの が浜に打ち上げられてい ますなん だろう幸介が近寄ってみるとそれは夕べの 荒波で打ち上げられた小さなエベス様の像 だったの ですこれは立派な恵比寿様 だこすは恵比寿様の像を家に持って帰って 備えましたがボヤに立派な恵比寿様は 似合いませ んそこで幸介は村外れのお宮さんに恵比寿 様を祀ったの ですそれからしばらくしたある日旅の層が この村を訪れましたが長旅であまりにも 薄汚れていたので誰も相手にしてくれませ んそこで仕方なく村外れのお宮さんに 泊まることにしたのですが入ってみると 何かがキラキラと光り輝いてい ます見てみるとそれはこすが納めた黄色の 恵比寿様だったの ですこれは良いものを見つけた ぞ旅の層は周りに誰もいないことを 確かめるとそのエベス様を盗んでそのまま 逃げてしまいまし たよし誰も来ていないななかなか良いもの が手に入った わい旅の層が満面の笑を浮かべながら道を 歩いている と単子へ帰りたい丹波へ帰りたいと小さな 声が聞こえたのです誰 だ旅の層はり帰りましたが誰もいませ んおかしいな気のせい かそして再び歩き出すと単子へ帰りたい 丹波へ帰りたいとまた小さな声が聞こえた のです誰だ誰かいるのか旅の層は用人部 ありを見回しますがやはり誰もいませ んも小さな声はそれからも単子へ帰りたい 丹波へ帰りたいというの ですそんなことが3日間続いたので すっかりまいてしまった旅の層はふとその 声が自分の背負っている荷物の中から 聞こえてくることに気づいたの ですもしやあの恵比寿様 がそう思った度のは盗んだエベス様を 取り出してみましたするとエベス様は はっきりと単子へ帰りたい丹波へ帰りたい と言ってその後うめんうえんと泣き出して しまったの ですこれはとんでもないものを盗んで しまった な旅の層は恵比寿様を盗んだことを しましたが今更持ち帰ってもぬすっととし てとまるだけですかと言って魂が宿って いる恵比寿様を捨てるわけにもいかない しそこで旅の層は西宮までやってくると

近くの神社に恵比寿様を納めてどこかへ 行ってしまいまし たその後この恵比寿様を祭ってある神社が 商売にご利益があると商人たちが集まる ことで有名になりやがって今の西宮恵比寿 神社になったの ですお しまいこの正直 もめキッチョム さん 昔昔キッチョムさんという頓知の上手な人 がいました 昔は所々に席書というものがあって通る人 や荷物を厳しく調べていまし たきっちむさんの村から町へ行くのにも この席書を通らなければなりませんところ がこの席書には悪い役人がいてこらこら そのとっくりの中身はなんじゃ何か良く ないものを隠しておるのではないだろう な今から取り調べてやると役人は荷物の中 にお酒を見つけると取り調べと言いながら お酒を飲んでしまうの ですそこで困った村人たちがきっちむさん に頼みましたきっちむさんお前さんのとち であの役人をこらしめてはくれん か役人の噂を聞いていたきちもさんはすぐ に引き受けましたよし任せておけその役人 が2度と酒を飲まないようにしてあるきっ ちょもさんはそう言うと早速町へお酒を 買いに出かけまし た町からお酒を買って帰ろうとするとあの 役人が早速キっちむさんを呼び止めました こらこらそのとっくりの中身はなん じゃするときっチムさんはわざと困った顔 で答えますはいこれはその実は正面が入っ ております何べ者と ほっほ多少は地を使ったようだがこの足に は適をせん ぞ役人はとりあえず用人にとっくりの匂い を嗅ぐとにんまりと笑って中のお酒をうま そうに飲み干しましたうんこれは常も なかなかにうまい便じゃよし言って よし殻になったとっくりをきっちむさんに 返した役人は満足そうにいまし たさてそれから3日後きもさんははまた町 へ行くととっくりを下げて席書を通りまし たするとやっぱりあの役人が呼び止め ますこらこらそのとっくりの中身はなん じゃはいこれはその正面が入っており ますきっちむさんが答えると役人はきちも さんを見てにんまりと笑いましたおお お前はこの前の少しは知恵があると思った がまた懲りずに正面とは な役人はきっちむさんからとっくりを 取り上げると今度は匂いもかかずに

いきなりごくごくと飲みまし たしかしすぐに目を白くさせて飲んだもの を吐き出しましたブここ こらこれはなんじゃい貴様わしに正面を 飲ませた な役人は刀を抜くときっちむさんに 詰め寄りまし たですがきっちむさんは平気な顔でいまし ただから私は正面と申し上げましたよ むむこれには役にも返す言葉がありません 役人は刀を収めるときっちむさんに言い ましたこの正直もめ行って よしそれから役人は席書を通る人の荷物に お酒を見つけてももう飲もうとはしなかっ たそう ですお しまい左ジゴの 竜京都府の民 は 昔昔宮津地方では田植が終わったにも かわらず一滴の雨も降らなかったことが ありまし た困った村人たちはせっかくの稲がこれで は台無しだ雨が降らないのは水の神様 きっと竜神様の祟りに違いないと成合の尚 さんに雨乞いのお祈りを頼んだの ですすると尚さんは一晩中お経を唱えて仏 様から頂いたお告げを村人たちに教えまし た何でもこの天の橋立に日本一の掘りも 名人が来ておるそう じゃ生き物を掘ればそれに魂が宿ると言わ れるほどの名人 らしいその名人に竜の掘りもを掘って もらえばそれに本物の竜の魂が宿りきっと 雨を呼ぶで あろうそこで村人たちが手分けをして探し てみると尚さんの言う通り左ジゴ郎という 堀名人が天の橋立の宿に止まっていたの です村人たちの熱心な願いに左ジゴ郎は 深く頷きまし た仏様のお告げに私の名前が出てくるとは こですわかりました未熟者ですがやってみ ましょうしかし引き受けたのは良いのです が左ジゴには竜がどんな姿なのかわかり ません他人が描いたり掘ったたりした竜の 絵や掘りもは今までに何度も見たことが あるのですがしかしそれはその人が考えた 竜の姿で本物の竜ではありませ ん他人が作ったものの真似事ではそれに魂 が宿ることは ないそこでジゴ郎は成合の本道にこもり仏 様に熱心にお祈りをしまし た仏様のお導きにより竜の掘りもを掘る ことになりましたが私は竜を見たことが ありません名人と言われていますがいくら

私でも見たこともないものを掘ることは できませんお願いですどうぞ龍の姿を拝ま せて くださいそして数日後ジゴ郎の夢枕に仏様 が現れてこう言ったの ですジゴよそなたの願いを叶えてやろう この寺の北の方角に深い縁があるその縁で 祈ればきっと竜が現れるはず じゃはありがとうございまし た早速ジゴ郎は案内人の男と2人で瀬川に 沿って北の方へ進んでいきます しかし奥へ進むにつれて人の歩ける道は なくなりとうと案内人は怖がって帰って しまいジゴは1人ぼっちで奥へと進んだの です険しい道でしたが竜を見たいという ジゴの心には怖さも疲れも感じませんでし たそしてついに五郎はが という大きな縁にたどり着くことができた の ですジゴ郎は岩の上に星座をするとその まま3日未満一心に祈り続けまし たこの淵に住む竜よ一目で良い一目で良い からその姿を見せて くれするとどう でしょう急に当たりが暗くなったがと思う と大粒の雨がパラパラと降り始め淵の奥 から大きな竜が姿を表したではありません か竜は口から真っ赤な火を吐きながら今に もジゴに襲いかかろうとしましたしかし ジゴは逃げませんその竜の姿をまに 焼きつけようと瞬きもせずにその竜を 見つめました そして竜はまっすぐジゴに向かってきて 身動きしつしないジゴにぶつかる寸前に すーっと消えまし たその途端にジゴ郎の全身に溢れんばかり の力がみなりましたまるで竜の霊力がジゴ 郎の体に宿ったかのようですおお竜をた 私は竜を見た ぞちご郎はおたびをあげると急いで成合に 戻りそれから何日も休むことなく一心に竜 を掘り続けまし たそしてやっと掘り上げるた竜が成合に 掲げられ雨声の祈りが行われたの ですすると不思議なことに今までで晴れて いた空が急に曇るとざざっと大雨が降り 始めたの です雨だ雨が降ってきたぞ竜のおかげだ ジゴ郎様のおかげ だ村人たちは大喜びですそして今にも枯れ そうだった稲も見る見るうちに元気になり まし たこのことがあってからジゴが竜に出会っ たふは竜がふと呼ばれるようになりジゴ郎 が掘った竜は今も成りに大切に残されて

いるそう ですお しまいじっと見つめていまし た 昔昔きちさんというとても愉快な人がい まし たそのキッチョムさんがまだ子供の頃の話 ですある秋のこと家の人はみんな仕事に 出かけるのでキっちむさんが1人で留守番 をすることになりまし た出かける前にお父さんが言いまし たきちむや柿がもう食べられる明日木から 落とすからは気をつけて見ていて くれはいちゃんと見てい ますきっちむさんは元気な声で返事をし まし たでも食べられる柿がいっぱいあるのに 黙って見ているきっちむさんではありませ んお父さんたちの姿が見えなくなると早速 村の中を走り回りました おい家の柿がもう食べられるぞみんな食べ に 来いこれを聞いた村の子供たちは大喜びで きっちむさんの家にやってきましたそして 長い棒でかきを落とすとみんなでお腹 いっぱい食べてしまったの ですさて夕方になってお父さんが家に戻っ てくるときっちむさんは柿の木の下に座っ ていました お前1日中そうやっていたの かはいだって気をつけて見ていろと言う からじっと柿の木を見ていたん ですそうか偉い ぞ関心したお父さんがふっと柿の木を 見上げてみるとかきのみが随分と減ってい ますおやかきのみが随分減ってるな これは誰かが取っていったに違いないおい キッチョムこれはどうしたこと だするときっちむさんは平気な顔で言い まし たはい村の子供たちが次々と来て棒を使っ てかのみを思いで行きまし た私は言われた通り気をつけて見ていた から間違いありませ ん とほほかき泥棒が来ないよう気をつけて見 ていろと言ったのにお父さんはそう言って がっくりと肩を落としまし たお しまいお花 地蔵 昔昔お春という名前のおばあさんととお花 という名前の孫娘が2人で暮らしていまし たお春ばあさんは60歳でお花は7歳 ですお花の両親はお花が3歳の時に死んで

しまったのでお春ばあさんはよその家の畑 仕事や張仕事を手伝って暮らしていまし たお花はお春ばあさんが仕事をしてる間 近所の男の子たち相手に遊び回ってい ます お花今度こそはおらの勝ちだぞ えい弱いくせに何を言ってる いや男の子が相手でも勝つのはいつもお花 でし た夕暮れになってお春ばあさんの仕事が 終わるとお花はお春おばあさんと一緒に家 帰りまし たばあちゃん今日はゴスとごんたを やっつけた よ自慢気にお花にお春ばあさんは呆れ顔で 言いましたお花棒切れ遊びは男の子の遊び じゃ子するもんじゃねえ よだって女の子と一緒に遊ぶなんてつまら んもん体は女でもは男じゃやれやれ死んだ 母親にそっくり じゃやがて秋になり畑の借入れが終わって しまうとお春ばあさんの仕事が少なくなり まし た毎年のことですがこれから春までは家で 張り仕事をする時間が多くなり ますそんなある日お花がお春バーサに言い ました 私もう遊ぶの やめるこれからはばあちゃんの手伝いを するそれを聞いてお春ばあさんは驚きまし たどうしたんじゃあんなにボキで遊びが 好きだったのに子供は子供らしく遊んで おればええん じゃだってばあちゃんはいつも夜遅くまで 働いているじゃないか私も手伝えば夜遅く まで働かなくてもいい だろう何を言ってるお前に手伝ってもらっ たって帰って邪魔になるだけだ全く急に 生息なことを言いよっ てそういうお春ばあさんの方にポロりっと 嬉し涙がこぼれまし たところがその冬お花は の100日席にかかってしまったの ですご本ご ご朝も夜もお花の咳は止まりませんおはる ばあさんは必死で看病しますが小さな村で は医者も薬もありません お春頑張るんだよ春になれば必ず良くなる から うん ごんそしてあんなに元気だったお花は あっけなく死んでしまったのですお花が 死んでしまってからお春ばあさんは魂が 抜かれたように何日も何日も仏壇の前から 動こうとしませんある日近所の人が心配し

てやってきましたお春ばあさん餅を持って きたから食べて 少しは食べんと体に悪いよお春ばさんには 辛いことだがお花はきっとあの世で夫や おっ母と親子水入らずで暮らしている よお春ばあさんはやっと顔をあげていまし たああ私もそのことだけを祈っていたんだ でもお花はまだ幼いちっちゃなお花が迷に 夫とおっ母のとろに行けるだろう かあの世のどこかで迷子になって1人 寂しく泣いてわせんじゃろう か一緒のこと私も死んでお花を探しに行き て何言ってるの死ぬなんてそんなことを 考えたらだめだよ大丈夫お花はしっかり者 だから ああそうじゃなそうじゃといい が夜になって近所の人が帰るとお春ばあ さんはまた仏壇の前に座り込みましたお花 大丈夫だろう かどこかでばあちゃんを探しているんじゃ ないだろうか1人寂しく泣いてないといい がお花は可愛い子じゃった笑い顔なんて まるでお地蔵様にそっくりじゃっ たおじ蔵 様そう じゃお春ばあさんはその世からお地蔵様を 掘り始めました地蔵様は子供の守り神で 死んだ子供を天国に導いてくれると言われ ていますそこでお春ばあさんはおじ蔵様を 作って早くお花を天国へ送ってやろうと 思ったの ですしかしお地蔵様を作ることは年置いた お春ばあさんには大変なことですお春ばあ さんは毎日毎日お地蔵様を掘り続けて春が 来る頃にようやく出来上がりましたそれは お花にそっくりの小さな小さなお地蔵様 ですこれできっとお春は夫おっ母に会える に違い ないお春ばあさんはその小さなお地蔵様を 村を見渡せる丘の上に置くことにしまし たやがってこのお地蔵様はお花地蔵と呼ば れ村人たちは子供が100日席にかかると お花が大好きだった入り込めをお唱いし まし たするとその子供は必ずすぐに良くなった そう ですお しまい2人の 人言 昔平の山奥に咲一という乗り物のとても 上手な男が住んでいまし たある時咲は腕試しをしようと旅に出かけ ましたところが尾の国まで来た時には持っ ていたお金をすっかり使い果たしてしまい まし

た宿の支払いにも困った咲は宿の主人に 何か掘りもをさせてほしいと頼みまし たよしそれじゃあ宿台の代わりに何か掘っ ておくなさい 主人が許してくれたので咲は早速掘り始め まし た翌朝咲は見事な大黒様を宿の主事に 差し出しまし たこれは見事こんな素晴らしい大黒様は見 たことがないこれは家のかほにさせて いただき ます大喜びする宿の主人に咲地は申し訳 なさそう に掘る木が手元になかったものでこの部屋 の大黒柱をくり抜いて使わせてもらいまし たお許し ください宿の主人が大黒柱を調べてみまし たが傷1つ見当たりませんはてこの大黒柱 でしょうかはいこれです そう言って咲がポンと手を叩くとかたんと 柱の木が外れましたなるほど確かに中は 空洞 ですすっかり関心した宿の主人は咲のこと をその頃日光闘将宮の造影に携わっていた 堀名人左ジゴに知らせまし たジゴは早先を呼び寄せてなんでもいい お前の得意なものを掘ってくれと言いまし たそこで咲が掘ったのは今にも動き出し そうな見事な仁王様ですジゴ郎はすっかり 関心して咲を東生軍の造影に参加させる ことにしまし た私は竜をほろう咲お前は三門の猫を 惚れ天下の左ジゴに認められた嬉しさに咲 は力いっぱい掘り続けました毎日毎日掘り 続けてとうと三門の猫子が掘り上げました そしてジゴや他の弟子たちの仕事も全て 終わり東商軍は完成しまし た検査の役人たちもその見事さにはただ 驚くばかりですジゴを始めみんなは大層 いい気分になりその世は酒やご馳走でお 祝いをしました酒を飲み歌い盛り上がった みんなは疲れていたのかたくさんのご馳走 を残したままぐーぐーと眠ってしまいまし たところがその翌朝みんなが目覚めてみる とどうでしょう あれほどたくさんあったご馳走が一晩の うちになくなっているのですお前が食べた んじゃろうがとんでもないお前 こそ弟子たちの言い争いを聞くうちにジゴ 郎と咲一ははっと顔を見合わせましたジゴ 郎はのみと木槌を持ち3門へと急ぎました 咲も黙って後追い ます三門へ来てみると咲の掘った猫の周り にごそを食いしばりますジゴはくわっと目 を見開くとカンとのみと木槌を古いまし

たその一等の元に咲の猫は眠り猫になって しまいました咲はジゴ郎の腕のあまりの すごさに思わず地面にしまし た左ジゴ 先生ジゴは咲の方に手を置きしみじみと 言いまし た咲きよ掘りもの猫に魂が入るとはお前は 誠の名人じゃこれよりわしの名をとってひ のジゴと名乗るが良いはいありがとう ござい ます咲の掘った猫はその後日光東将軍の 眠り猫としてとっても評判になりました それにつれてひのジゴの名前も大変有名に なったということ ですお しまい怠け者と 貧乏神昔昔あるとこにひどく怠け者で貧乏 な男がいまし たある年のくれのこと男が空腹を我慢し ながらいりの横で寝ていると天井裏から 何かがずどんと落ちてきましたななん だ男がびっくりして飛び起きると落ちてき たのは継ぎはぎだらけの汚着物を着た貧乏 なおじいさんでしたなんだお前は俺の家の 天井裏で何をしてい たするとおじいさんは頭をポリポリと書き ながら答えまし たわしはなこの家に長い間厄介になって いる貧乏神 だ 貧乏神まあこの家なら貧乏神の1人や2人 いても不思議ではないがそれが何しに降り てきたうん実はなお前があまりにも貧乏な のでこの家にはわしの食い物が1つもない さすがのわしもこのままでは命がもたん そこで逃げ出そうとしたのじゃがあまりの 幸福に力が入らずうっかり落ちてしまった の じゃそうか俺は貧乏神も逃げ出すほどの 貧乏だったのかまあ出て行ってくれるの なら俺もありがたいせめて見送ってやり たいが俺も腹が減って動けないんだだから 悪いけど勝手に出ていって くれそう言って再び寝ようとする男に 貧乏神は言いましたまあ寝るのはもう少し 待ってわしの話を聞くんじゃわしはな 貧乏神とはいえこれでも立派な神の端くれ だ長年世話になったのにネモせと出ていく わけにはいかんそこでお前に1つ良いこと を教えて やろう良いこと ああ明日の日の出と共にこの家の前を宝物 を積んだ馬が 通る番目の馬は金を積んどる2番目の馬は 銀を積んどる3番目の馬は銅を積んどる

そのどれでもええから馬を棒で殴ってみろ そうすればその馬の宝はお前のものに なるなるほど 確かにそれは良い話だして殴ってもいい馬 は1等だけか3頭も殴ってはだめなの かほっほなんじゃ急に欲が出てきたか もちろん3頭全部でも良いぞ3番目の馬 だけなら普通の 暮らし2番目の馬も加われば裕福 ならし1番目の馬も加わればお前は長者に なれる じゃろうだがなその最後に通る4番目の馬 だけは決して殴るなよその馬はわしが出て いくための馬だからな分かった最後のは 殴らん男はそう言うとまた寝てしまいまし たさて次の日日の出と共に起きるはずの男 はいつもの怠け癖で少し寝坊してしまい ましたいけね寝過ごした 男が慌てて家を飛び出すとちょうど家の前 を立派な荷物を積んだ馬が通ろうとしてい ましたよし間に合ったあれが金の馬だな これで俺は長者になれる ぞ男は庭から物干座を持ち出すとその馬の 頭めがけて物干座を振り下ろしましたえい しかし物干竿が長すぎて途中の木の枝に 引っかかってしまったのですその間に宝物 を乗せた馬は悠々と通りすぎていきました しまった金の馬を逃がしてしまったまあ いい残りの銀の馬と銅の馬を殴ってしまえ ば俺は大金持ちになれるぞよし次は短い棒 で 男は台所からごまをすりつぶすすりこぎ棒 を持ってくると2番目の馬がやってくるの を待ちましたまもなくまた立派な荷物を 積んだ馬が家の前を通ろうとしまし たよしこれが銀の馬だな今度こそ えい男はすりこぎを振り上げると馬の頭て 振り下ろしましたしかしいくらなんでも すりこぎ棒では身すぎて馬の頭には届き ませんでし た宝物を乗せた馬は男の横を悠々と通り すぎていきますしまったまたしくじったか 今度はもう少し長めの棒にしようそこで男 は天秤棒を持ってきて次の馬が来るのを 待ちましたやがて馬がやってきたのですが この馬には荷物が積まれていません おかしいなどの馬のやつ何も積んでいない ぞまあいい今度こそ馬を仕留めて普通の 暮らしを手に入れてやる男は天秤plac を振り上げると馬の頭めがけて振り下ろし ましたごちん天貧乏は見事に馬の頭に命中 して馬はそのまま死んでしまいましたやっ た銅の馬を仕留めたぞ男が大喜びしている と家の天井裏から貧乏神が降りてきて がっかりしながら言いました

ああなんてこお前はわしが乗るはずの馬を 殺してしまったなせっかくよその家で 暮らそうと思ったのにこれでは旅立つこと ができないではないか仕方がないこれから もお前のところで厄介になる ぞこうして男はそれからも貧乏な暮らしを 続けたということですお しまい非 正月 昔昔ある大晦の 夕暮れ村の金持ちの屋敷に空海という名の 旅のお坊さんが訪ねてきて一夜の宿を頼み まし た屋敷の主人はお坊さんのみを見 て明日はめでたい正月だ汚いものに貸す 部屋はないわい出て 行け金持ちの追われたお坊さんは今度は隣 の網屋に声をかけましたすると網屋に住ん でいるおじいさんが言いまし た私たちは貧乏で年越しの食べ物は何も ありません温かい日だけがご馳走の非正月 でよかったらどうぞ入って くださいいりには温かそうな火が燃えてい ましたお坊さんは家に上がり込むと食べ物 なら心配はいらんと言って背負っていた袋 から何やら取り出してお湯の沸き立つ鍋の 中に入れまし たするとグツグツグツと香ばしい香りがし ます鍋の蓋を取ると美味しそうな雑炊が鍋 いっぱいに見えていたの ですそのよおじいさんたちは久しぶりに いい年越しができまし たお正月の朝お坊さんはわらじを吐き ながら俺をしたいが何か欲しいものがある かね2人に聞くと何もいりませんよただ できることなら昔の178に若帰りたい ものですねおおそうかそうかならわしが 立った後井戸の若水を沸かして浴び なさい2人がお坊さんに言われた通りに すると不思議なことにおじいさんとおばあ さんは178の青年と乙女に若返ったの ですその話を聞いた金持ちは遠くまで行っ ていたお坊さんを追いかけていって お待ち くださいこちらに良い部屋がありますご 馳走もあり ます上等のお布団もありますささどうぞ どうぞと無理やり屋敷に連れ込むとお坊 さんに寝る時間も与えずにわしらも若返ら せてくださいと手を合わせましたお坊さん は眠い目をこすりながら みんな勝手に湯を明かして 浴びろその声を待っていたとばかりに家中 のものがわれ先にとお風呂に入りました するとみんな若返るどころか全身が毛

だらけの猿になってしまったのです うき猿になった屋敷のみんなは山に走って いってしまいまし たそこでお坊さんは若返った2人を屋敷に 呼び寄せ て猿たちにはこの家は無用じゃ今日からは お前たちが住むが良いと言ってまた旅立っ ていったの ですその日から2人は金持ちの屋敷で 暮らすようになりましたが困ったことに 屋敷には毎日のように猿が入り込んできて わしの家返せき キッキと騒ぐのです人の良い夫婦は猿が 屋敷の元の持ち主であるだけに気のくやら 気持ち悪いやらで夜もおちおち眠れません でし たそんなあるよ2人の夢枕にあのお坊さん が現れてこう教えてくれまし た猿が座る庭石を熱く焼いておきな なされそうして次の日そうとは知らない猿 がいつものように庭石にペタンとお尻を 下ろすとうき キッキお尻を火傷して山へ逃げて行って しまいましたそれからですお猿のお尻が 赤くなったのはそそうして若返った心の 優しいおじいさんとおばあさんはき屋敷で 誰にも気兼ねしないで末長く幸せに暮らし たということ ですお しまい若様は 1人 昔々彦一というとても賢い子供がいまし たその噂は隣近所の町や村にまで広がり とうとの殿様の耳にまで入りまし たそんなに履行なら1つ頓知の力試しをし て やろうこうして彦一はお城に呼ばれたの です彦一がお城の大までかしこまっている とやがて現れた殿様が言いましたそちが巷 で評判の彦じゃな苦しない表をあげ ほっほ顔しておるなところで世にもお前 くらいの若がしりおるその方これからは若 の遊び相手をしてやって くれ殿様はこう言った後ケのものに若さを 呼びに行かせまし たやがてふがいて1人2人3人4人5人と 同じ着物を着た子供がぞろぞろと入ってき ました着物だけではありません5人とも 兄弟のように顔がよく似ていますどうじゃ ひこ一お前に本当の若が当てられるかさあ 噂に聞く知恵で見事当てたら褒を使わす ぞ周りにいたケでさえ若様を当てる自信が ありませんそれを若様を見たことのない 子供が見ただけで分かるはずがないと殿様 は得意顔ですさあどうした無理なら無理と

正直に言が良いところが彦一はニコニコし ながら言いまし たどの子も同じように見えますねしかし私 には本物の若様はちゃんと分かります本物 の若様は手習いの後と見えて手に炭がつい ています よこの言葉につられて本物の若様は自分の 手を見て他の子供はそれを覗き込みました ところがどこを探しても住はついていませ んどの様そのお方が若様 ですひこの賢さに殿様はすっかり関心して これは入った約束通り褒美を使わそうこう して彦一は山のような褒美をもらうことが できたの ですお しまい拾った 財布大花越前の名 さき昔江戸の町に魚屋の電助という人が 住んでいまし たある年の12月仕事の帰りに道で財布を 拾いました中を調べると一両小番が3枚 入っていまし たおやおやもじ正月が来るというのに3両 ものお金を落とすなんて気の毒に落とした 人はさぞ困っているだろう な電助が財布をよく調べてみると名前と 住所を描いた紙が入っていまし た何々神田の大工のきかよし一走り届けて やろう今頃きっと青くなって探している だろう よ親切な電助はわざわざ神玉で行って ようやく吉五郎の家を探し出しまし た こんにちは吉五郎さんいます かああ俺がキゴだが何かようか ね私は盛の電助と言うんだがねお前さん 財布を落とさなかったかねああ落としたよ 中にいく入ってたんだねそんなことなんで お前が聞くんだい何でもいいから答えて くれ よ3両だよお正月が来るんでやっと かき集めた大事な金だったん だそれを聞いて伝助はそうかいそれじゃあ これは確かにお前さんの落とした財布だ ほら受け取ってくれと財布を差し出しまし たところが吉五郎は財布をちらっと見た だけでぷいっと横を向いていまし たそれは俺のじゃないよ えだってお前さん今大事な産料が入った 財布を落としたって言ったじゃないかそれ にお前さんの名前と住所を描いた紙も入っ ていたんだこの財布は確かにお前さんの ものだよそりゃ確かに俺は財布を落とした よだけど落としたものはもう俺のものじゃ ない拾ったお前さんのものだ持って帰って

くれなんだって電助はむっとしまし たなんてことを言うんだ拾ったものを黙っ て自分のものにするくらいならわざわざ 探しながらこんなところまで届けに来たり するもか素直にありがとうございますと 言って受け取ればいいじゃない かちお前さんもゴジっぱりだな俺はその 財布はお前さんにくれてやろって言ってる んだぜそっちこそ素直にありがとうござい ますと言ってさっさと持って帰りゃいい じゃないか大地この12月になって3両も の金が手に入ればお前さんだって助かる だろうにバカ 野郎とうと伝助はキゴを怒鳴りつけまし た俺は乞食じゃねえ人のものを拾って懐へ 入れるほど落ちぶれちゃいないんだ ふざけるのもいい加減にしろとにかくこれ は置いてくぜ電助が財布を置いて帰ろうと するとおい 待て吉五郎はその手を掴んで財布を 押し付けましたこんなものここに置いて 帰られちゃ迷惑だよ持って帰って くれこんな野郎まだそんなこと言ってるの か2人の頑固者はとうとうとっくみ合いの 喧嘩を始めましたその騒ぎを聞いてやって きた近くの人たちが いくらなめても2人とも聞きません近所の 人たちは困りはててとうと信行様に訴え まし たその時の小行様はなか王越前の神という 人でし た越前の神は2人の話を聞くと大工 吉せっかく伝助が届けてくれたのだ素直に 霊を言って受け取ったらどう じゃとんでもありません業様落としたもの はなくしたのと同じでございますですから もう私のものではありませ んでは盛 電助キゴがいらないというのだこの3料は 拾ったお前のものだ受け取るが良いぞ冗談 じゃありませんお様拾ったものをもらう くらいなら何もこの忙しい年の暮れに わざわざ神玉で届けに行ったりなどやし ません落としたものは落とした人に返すの が当たり前 です2人とも頑固に言い張って聞きません すると越前の神 はそうかお前たちがどちらもいらないと 言うなら持ち主がいないものとしてこの 一然がもらっておこう え へお業様に金を横取りされて2人は びっくりしましたがでもいらないと言った のですから仕方がありませ んはいそれで結構です私もそれで結構です

と答えて帰ろとしまし たその時越前の神 は七五郎 電助しばらく 待てと2人を呼び止めまし たお前たちの正直なのにはわしもすっかり 関心したその正直に対して越前から褒美を 使わ そう越前の神は懐から一の番を取り出すと さっきの3両の小番と合わせて4両にし 吉五郎と電助に2両ずつやりましたどころ が2人ともなぜ2両ずつ褒美をもらったの かわけのわからないよう妙な顔をしてい ますそこで一然の神は笑いながら言いまし た大工のきはを落としして2両の褒美を もらったから察し引き1両の 損盛の電助は3両を拾ったのに落とし主に 届けて2両の褒美をもらったからこれも やはり1両の 損この越前も1両を足したから1両の 損これで散歩1両損というのはどうじゃ なるほど 吉五郎と伝助は顔を見合わせてにっこりし まし たさすが明部業の大花様見事なおさき 恐れいりまし たこの金はありがたく頂いてまいります うん2人とも珍しいほどの正直者たちじゃ これからのは友達となって仲良く付き合っ ていくが良い ぞはいありがとうござい ます吉五郎と伝助はここに来た時とは まるで反対に生まれた時からの仲良しの ように肩を並べて帰っていきまし たうんこれにて一見 落着おし ご視聴ありがとうございましたこのお話は いかがでしたか次のお話もお楽しみ くださいチャンネル登録で是非応援して ね

このチャンネルは、【眠れる読み聞かせ】懐かしい日本昔話集です。朗読、睡眠導入、そして小さなお子さんのための童話の読み聞かせなど、いろんな方々のご要望に応えられるようにと工夫しながら読ませて頂いております。

今回の「清水美和子の朗読ハウス」1周年特別スペシャル朗読メドレー№.7は、福娘童話集の私がチョイスしました11話を集めてみました。

一日の終わりに、癒される懐かしい日本昔話を、ご家族皆様でごゆっくりとお聞き下さい。

【今日のお話】 福娘童話集11話 

00:00 ご挨拶
00:51 百姓じいさんとテング
06:02 西宮エビスは丹後の泣きエビス
10:48 この正直者!吉四六さん
15:29 左甚五郎の竜
22:20 じっと見つめていました~吉四六さん
25:19 お花地蔵
32:42 二人の甚五郎
38:21 なまけ者と貧乏神
45:53 火正月
51:10 若様は一人
54:14 拾った財布ー大岡越前の名裁き
01:03:29 百姓じいさんとテング
01:08:40 西宮エビスは丹後の泣きエビス
01:13:27 この正直者!吉四六さん
01:18:08 左甚五郎の竜
01:24:59 じっと見つめていました~吉四六さん
01:27:58 お花地蔵
01:35:20 二人の甚五郎
01:41:00 なまけ者と貧乏神
01:48:32 火正月
01:53:49 若様は一人
01:56:53 拾った財布ー大岡越前の名裁き
02:06:08 繰り返します

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【清水美和子の朗読ハウス】
おすすめの日本昔話集です。
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▼日本昔話集①

▼日本昔話集②

▼日本昔話集③

▼日本昔話集④

▼日本昔話集⑤

▼日本昔話集⑥

▼日本昔話集⑦

▼日本昔話集⑧

▼日本昔話集⑨

▼日本昔話集⑩

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1 Comment

  1. コメントに
    桃🍑の花が~近所に咲いている‼️とお話されていましたが~
    2月には、梅の花3月には桃の花~4月には桜の花が咲きます‼️
    この梅~桃~桜🌸は~葉っぱを~つける前に花が咲く木らしいです💕
    後、木蓮の木らしいです‼️
    普通木は、葉っぱを~つけ花が咲くものらしいのですが~この木らは~いきのばち、花を咲かせる木らしいです💕
    そして、木なのに、春が来たのをだれも教えないのに葉っぱを~つける‼️ちゃんと季節がわかっているのですねぇ~(笑)
    すばらしい事ですねぇ~
    すっかり長くなりました‼️
    なかなか面白いお話ばかりでした。また聞きますねぇ~(笑)ありがとう😆💕✨

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