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第70回中学生人権作文コンテスト表彰式記念大会 第1部:表彰式

みなさま、本日は関西テレビ放送、大阪法務局、 大阪府人権擁護委員連合会 主催 「第70回中学生人権作文コンテスト 記念大会表彰式」にお越しいただきまして 誠にありがとうございます 私は司会進行を務めます、関西テレビ 放送アナウンサー服部優陽です どうぞよろしくお願いいたします。[拍手] さて、本日は第1部・第70回「中学生人権作文 コンテスト記念大会」表彰式と 最優秀作品及び大会記念作品の朗読、 10分ほどの休憩を挟みまして 第2部「共生社会の実現~多様性について考えよう~」 株式会社ミキハウスの坂本達氏による講演と ミニパネルディスカッション を行います 催しを始める前に、皆様にお願いがございます 関係者以外の写真撮影、動画撮影は 禁止とさせていただきます 何卒ご了承ください それでは第1部・第70回「中学生人権作文 コンテスト記念大会」表彰式を開会いたします 表彰式に先立ち、主催者を代表いたしまして 山地修 大阪法務局長より 開会の挨拶を申し上げます 山地局長、お願いいたします 大阪法務局長の山地と申します よろしくお願いいたします 第70回中学生人権作文コンテスト 表彰式の開催にあたり 主催者を代表しまして、ご挨拶申し上げます 本日は入賞者の皆さん、ご来賓の皆様を始め 多数の方々にご来場 いただき 誠にありがとうございます 本コンテストは、大阪法務局と 大阪府人権擁護委員連合会が 全国に先駆けて昭和27年度から 実施しているものであり 次代を担う中学生の皆さんが、 人権問題について作文を書くことによって 人権尊重の重要性・必要性について理解を深め 豊かな人権感覚を身につけていただくこと、 また、入賞作品を多くの方々に知って いただくことによって 広く一般の方々にも人権尊重の重要性などを ご理解いただくことを目的としています 本年度の「中学生人権作文コンテスト」は 第70回目を数える記念大会となりますが 大阪府内の146の中学校から2万0871編もの 応募をいただくことができました 応募された作品は日常の家庭生活や 学校生活の中で得た体験を基に

こども、女性、高齢者、障害者、外国人 などを取り巻く 様々な人権問題について、深く考え られたものが多く寄せられました 今回多くの作品の中から入賞作品 として選出された入賞者の皆さん 本当におめでとうございます 心からお祝いを申し上げます 皆さんの豊かな感受性と表現力に 関心させられるとともに 頼もしく感じたところです 昭和27年度から実施されている 歴史あるコンテストを 本年度も実施することができましたのも 後援団体の皆様並びに教育関係、報道関係の皆様 そして本コンテストに関わって くださった全ての方々の ご支援、ご協力の賜物であり 深く御礼を申し上げます 結に、この表彰式を共催していただきました 関西テレビ放送株式会社 様に、熱く御礼申し上げて 私の挨拶とさせていただきます 令和5年12月10日 大阪法務局長 山地修 [拍手] 山地局長ありがとうございました 続きまして第70回「中学生人権作文 コンテスト記念大会」表彰式の 主催者を紹介いたします 大阪法務局長 山地修 です [拍手] 大阪府人権擁護委員連合会長 尼丁正寄 です [拍手] 関西テレビ放送経営戦略本部 コーポレート局長 和田由美 です [拍手] 本コンテスト審査員を代表して 大阪樟蔭女子大学学長 竹村一夫 様です [拍手] 続きまして、本日の表彰式にご出席 いただきました ご来賓の皆様をご紹介いたします

NHK大阪放送局副局長 湯川雅史 様です [拍手] 産経新聞大阪本社 メディア営業局企画開発部 部次長 牟田 亮嗣 様です [拍手] 大阪私立中学校高等学校連合会 事務局長 松藤吉弘 様です [拍手] なお、本コンテストには大阪府教育委員会、 大阪市教育委員会、堺市教育委員会 サッカーJリーグ ガンバ大阪、セレッソ大阪 にもご後援いただいております。 さて、「中学生人権作文コンテスト」は 昭和27年、1952年に 大阪法務局が全国に先駆けて開催し、 本年で第70回を数えました 次代を担う中学生の皆さんに 人権尊重の重要性必要性についての 理解を深めるとともに 豊かな人権感覚を身につけてもらう ことを目的とするものです 先ほど、山地局長からもありましたが 本年度の作文コンテストには 大阪府下146の中学校から2万871編 の応募がありました この中から厳正な審査の結果 最優秀賞6編、優秀賞8編と 今年度は第70回記念大会ということで 大会記念Think Future賞1編が決定いたしました それでは最優秀賞6作品と 大会記念Think Future賞の発表です 最優秀賞・大阪法務局長賞 「知覧の飛行機雲に誓う・未来への 一歩」 堺市立五箇荘中学校 3年 上阪春奈さんが 受賞されましたが 残念ながら、本日は所要のため 出席が叶いませんでした 表彰状並びに副賞は後日お送りいたします なお、朗読に関しましては事前に収録したものを 後ほど会場にて上映いたします

続いて、最優秀賞・大阪府人権擁護委員連合会長賞 「個性と人権~認め合える世の中を~」 摂津市立第二中学校 2年 江口友寿希さん 尼丁会長、お願いいたします 最優秀賞・大阪府人権擁護委員連合会長賞 摂津市立第二中学校 2年 江口友寿希 様 あなたは大阪法務局及び 大阪府人権擁護委員連合会主催の 第70回中学生人権作文コンテスト 記念大会において その趣旨をよく理解され 頭書の成績を収められました よってこれを賞します 令和5年12月10日 大阪府人権擁護委員連合会長 尼丁正寄 おめでとう [拍手] おめでとうございました 続きまして、最優秀賞・NHK大阪放送局長賞 「社会で直に受けてきた女性差別」 島本町立第二中学校 1年 生越莉子さん NHK湯川副局長、お願いいたします 賞状 最優秀賞 NHK大阪放送局長賞 島本町立第二中学校 1年 生越莉子様 あなたは大阪法務局及び 大阪府人権擁護委員連合会主催 の 第70回中学生人権作文コンテスト 記念大会において その趣旨をよく理解され 頭書の成績を収められました よってこれを賞します 令和5年12月10日 NHK大阪放送局長 林理恵 おめでとうございます [拍手] 生越さん、おめでとうございました 続きまして、最優秀賞・産経新聞社賞 「難聴」

関西大学中等部 2年 森脇茉菜さんが 受賞されましたが 体調不良のために急遽ご欠席となりました 表彰状並びに副賞は、後日お送りいたします また朗読に関しましては 私、服部が 僭越ながら代読をさせていただきます 続きまして、最優秀賞・関西テレビ放送賞 「外国人差別をなくすためにできること」 和泉市立南松尾はつが野学園 8年 濱谷航太朗さんが受賞されました 濱谷さんも所要のため 今回は出席が叶いませんでした 表彰状並びに副賞は、後日お送りいたします なお、朗読に関し ましては事前に収録したものを 後ほど会場にて上映させていただきます 続きまして、最優秀賞・大阪私立中学校高等学校連合会長賞 「高齢者が安心して暮らせる社会 の実現を目指して」 阪南市立鳥取東中学校 2年 中本璃子さん 大阪私立中学校高等学校連合会 松藤事務局長お願いいたします 賞状 最優秀賞 大阪私立中学校高等学校連合会長賞 阪南市立鳥取東中学校 2年 中本璃子様 あなたの作文「高齢者が安心して 暮らせる社会の実現を目指して」 は 大阪法務局及び 大阪府人権擁護員連合会主催の 第70回中学生人権作文コンテスト 記念大会において 頭書の成績を収められました よってこれを賞します 令和5年12月10日大阪私立中学校 高等学校連合会会長 辻本賢 おめでとうございます [拍手] 中本さん、おめでとうございました それでは続きまして、第70回大会記念Think Future賞 「共に変わる、共に生きる」 岸田市立春木中学校 2年 樋口莉瀬さん

なお、この大会記念Think Future賞の プレゼンターは 2年前に第68回中学生人権作文コンテストで 最優秀賞・大阪法務局長賞を受賞された 米倉結虹さんにお願いしております 米倉さん、どうぞ壇上へお上がりください 2年前のこの表彰式は 新型コロナウイルス感染症蔓延のため 関係者のみのWeb開催となりました 米倉さんには2年前の受賞者の皆さんを代表して 本表彰式ではプレゼンターとして ご登壇をお願いしました また米倉さんには、表彰式の後の第2部にも パネリストとしてご出演いただきます それでは米倉さん表彰状の授与をお願いいたします 賞状 第70回大会記念Think Future賞 岸田市立春木中学校 2年 樋口莉瀬 様 あなたは大阪法務局及び 大阪府人権擁護委員連合会主催の 第70回中学生人権作文コンテスト記念大会において その趣旨をよく理解され 頭書の成績を収められました よってこれを賞します 令和5年12月10日大阪法務局長 山地修 大阪府人権擁護委員連合会長 尼丁正寄 おめでとうございます [拍手] 樋口さん、おめでとうございました そして、米倉さんありがとうございました どうぞ席にお戻りください それでは引き続き優秀賞の作品と 入賞者を発表いたします 優秀賞を受賞された方は壇上へ お上がりください それでは表彰を行います お名前を呼ばれた方から順に前に お進みください 表彰状の授与は大阪法務局 山地局長が行います 山地局長、よろしくお願いします それでは発表させていただきます 「尊敬の逆」 大阪市立墨江丘中学校3年 王柏森さん

賞状 優秀賞 大阪市立墨江丘中学校3年 王柏森 様 あなたは大阪法務局及び 大阪府人権擁護委員連合会主催の 第70回中学生人権作文コンテスト 記念大会において その趣旨をよく理解され 頭書の成績を収められました よってこれを賞します 令和5年12月10日大阪法務局長 山地修 大阪府人権擁護委員連合会長 尼丁正寄 おめでとうございます [拍手] 王さん、おめでとうございました それでは、続いての優秀賞の発表に参りたいと思います 「ほんとうの幸せとは」 八尾市立成法中学校 3年 志田愛茉さん 賞状 優秀賞 八尾市立成法中学校3年 志田愛茉様 以下同文です [拍手] 志田さんおめでとうございました 続きまして 「思いやりの心を広げるために」 八尾市立志紀中学校 3年 文能若葉さん 賞状 優秀賞 八尾市立志紀中学校3年 文能若葉 様 以下同文です [拍手] 文能さん、おめでとうございました 続きまして 「自分との違いを認め合える世界に」 柏原市立国分中学校 3年 加藤愛果さん 賞状 優秀賞 柏原市立国分中学校3年 加藤愛果 様

以下同文です [拍手] 加藤さん、おめでとうございました 続きまして 「笑顔の裏側で」 交野市立第三中学校3年 山根慎太郎さん 賞状 優秀賞 交野市立第三中学校3年 山根慎太郎 様 以下同文です [拍手] 山根さん、おめでとうございました 続きまして 「言の葉っぱ」 島本町立第二中学校2年 福井那由太さん 賞状 優秀賞 島本町立第二中学校2年 福井那由太 様 以下同文です [拍手] 福井さん、おめでとうございました 続きまして 「サイレントマジョリティ」 河内長野市立美加の台中学校 2年 末吉奏恵さん 賞状 優秀賞 河内長野市立美加の台中学校2年 末吉奏恵 様 以下同文です [拍手] 末吉さん、おめでとうございました それでは山地局長ありがとうございました お席にお戻りください 最後にもう1作品、ご紹介をさせていただきます 本日ご出席は叶いませんでしたが 「女子野球選手であること」 高石市立高石中学校の生徒の作品です 本日はご都合により欠席をされています 以上、8編が優秀賞に選ばれました 皆さん本当におめでとうございます 改めて拍手をお送りください [拍手] なお、本コンテストの後援団体である ガンバ大阪からは副賞として

カレンダー、シール、キーホルダーが贈呈されます セレッソ大阪からはノートを 副賞としていただいていますので 後ほど披露をさせていただきます また、公益財団法人人権擁護協力会から 人権啓発冊子「書画で見る世界人権宣言」を 副賞としていただいております こちらです。ただいま画面に写っているものになります 併せて披露をさせていただきます 第70回中学生人権作文コンテストで 最優秀賞、大会記念Think Future賞、 優秀賞を受賞された皆さんの作品は 作文集「永久の権利」に掲載をさせていただきます また、本日の模様は、来年(2024年)1月中旬頃 から YouTube「大阪法務局チャンネル」で 配信をされる予定です 詳しくは大阪法務局のホームページで ご確認ください また、関西テレビのホームページからも 動画のリンク先を掲載する予定です それでは、最優秀賞及び大会記念Think Future賞を 受賞された皆様に この後、作品を朗読していただきます 会場の準備をいたしますので 受賞者の皆さんはそのままお待ちください それではお待たせをいたしました 最優秀賞・大阪法務局長賞 堺市立五箇荘中学校3年 上阪春奈 さん 作品は「知覧の飛行機雲に誓う・未来への一歩」です 上阪さんは 本日 ご欠席となりましたので 事前に収録した朗読をご覧いただきます それではどうぞ 。 「知覧の飛行機雲に誓う・未来への一歩」 堺市立五箇荘中学校3年 上阪春奈 鹿児島県知覧。特攻隊の出撃基地 があった街を、私は修学旅行で訪れた。 「特攻。」私たちとほぼ同年代の少年兵が、 片道だけの燃料を積んで、敵艦に突っ込んでいく。 死を前提とした狂気の作戦だ。 知覧平和会館に展示されていた、 あどけない表情の少年兵の写真。 当時の様子を伝える語り部の説明。 家族にあてた最後の手紙。 どれも胸が締め付けられる思いがした。

特に、遺書となる手紙には、 名誉の戦死に向かう覚悟と、家族 を思う強い気持ちがつづられ、 涙なしでは読めなかった。 帰宅後、知覧での体験を両親に話すと、 「少年兵の覚悟は立派だけど、 その手紙は本心なのかな。 当時は検閲という制度があって、戦争に不都合な記述は許されなかった。 本当は生きたかったと思うよ。 戦後出版された元特攻隊員の手記も あるから 読んでみるといい。」 とアドバイスを受けた。 そうして借りてきた元隊員の証言集。 「死ぬのが怖い」「本当は志願したくない」 「でも一人だけ志願しないと命を 惜しむ卑怯者と非難される」 とい った本音が続々と語られていた。 これが普通の人間だ。 知覧の手紙は一見崇高に見えるが、 戦争の真実とはかけ離れていると感じた。 こうしたギャップはどうして生じたのだろうか。 特攻は建前上、志願制となっていた。 しかし、証言集によると 隊員たちは一列に並べられ、 上官から「志願しない者は一歩前に出ろ!」 と命じられたらしい。 志願を拒否することは国を裏切る臆病者、 非国民と非難を浴びる。 死を覚悟するよりも恐ろしく、 とても出来ない事だったという。 これこそ究極の人権抑圧ではないか。 「おかしい」と思いながらも声を上げられない。 金縛りにあって一歩が前に出ない。 個人の意思は時代の重圧に押し つぶされ、 多くの若者が死に追いやられたのだ。 このような、世界でも類を見ない非人道的作戦が、 当時の日本でなぜ 行われてしまったのか。 日本は農耕民族のムラ社会とよく言われる。 自己主張を嫌い、周囲に合わせ、 同調圧力が働きやすい。 特攻など、誰もが「おかしい」「非合理だ」と思いながらも、 社会の大きな流れに逆らうことができず、 真っ当な意見は黙殺されていったのだろう。 もちろん戦争指導者の罪は重い。 しかし、結果として特攻のような暴挙を 許してしまった背景には 一般市民・多くの普通の人々の無関心、自己主張の乏しさ、 反対意見への不寛容などがあったのではないか。 国民性といったものは、そう簡単には変わらない。

だとすると、当時の状況を、一時期の特異現象と 片づけてしまえないような気がしてきた。 教科書の中の出来事と思っていた戦争が、 ウクライナで起きている。 日本の周辺でも、小競り合いが絶えない。 近い将来、私たちが戦争に巻き込まれないという保証はどこにもない。 その時、私たちは、「NO」を言えるだろうか。 特攻を許したように社会全体の雰囲気に 流されはしないだろうか。 自己主張しない、空気を読み周囲に合わせるという 日本人の 特性が、悪い方向に働きはしないだろうか。 難局に際しても、異論を 交え、未来に向けた 健全な話し合いができるだろうか。 知覧を訪れた翌日、私たちは開聞岳ふもとの池田湖で、 ボート乗りプログラムに参加した。 約八十年前、知覧を飛び立った特攻機は 開聞岳をぐるりと二周。 この湖の上空で翼を振り、 祖国との最後の別れを惜しんだという。 一方で、ボートに揺られながら修学旅行を楽しむ私たち。 そのあまりの落差に愕然として、 私は思わず空を見上げた。 青空に一筋の飛行機雲 が見えた。 当時の隊員たちの目に、 この湖はどのように映っていたのだろう。 彼らの無念の叫びが、霞んでゆく飛行機雲と重なって、 胸が痛くなった。 特攻隊のような悲劇を二度と繰り返さぬよう、 私にもできることはあるはずだ。 おかしいと思ったら声を上げる。 異なる意見にも耳を傾け、しっかり議論する。 どれも小さな一歩だが、多少の摩擦はあるかもしれない。 しかし、先の時代のような重圧はないはずだ。 まずは勇気をもって一歩を踏み出す。 そこから始めてみようと、 知覧で見た飛行機雲に思いを馳せて誓った。 そのような小さな一歩を、誰もがためらうことなく踏み出せる社会こそが、 平和な未来の 礎となると信じて。 [拍手] 「知覧の飛行機雲に誓う・未来への一歩」でした 。 それでは続きまして、 最優秀賞・大阪府人権擁護委員連合会長賞 摂津市立第二中学校 2年 江口友寿希さん 作品は「個性と人権~認め合える世の中を~」です。 それでは江口さん、一度深呼吸して いただいて。よろしくお願いします 。

「個性と人権~認め合える世の中を~」 摂津市立第二中学校2年 江口友寿希 あなたってハーフ ? 私の十四年間の人生、この言葉を耳にし続けてきた。 私は日本人だ。両親、祖父母も日本人だ。 ただ、母方の祖父と母の髪の毛のクセが強い。 だから私の髪の毛にもとても強いクセがある。 生まれてすぐ、髪の毛が短かった頃はストレートだった。 だが、髪の毛が伸びてくると、徐々に 巻き髪になっていった。 前髪が作れない程の巻き髪だったので、 前髪を長く伸ばし後ろの髪の毛と一緒に結んでいる事が多かった。 幼児期は、私の独特な髪質に 周囲の大人達は褒めてくれるばかり だった。 この頃の私は、まだ意味がわかっておらず、 ただただ褒めてもらえる 事が嬉しかった。 だが、小学生になると同年代の子に、 髪質や髪型を馬鹿にされる事 が多くなった。 元々気の強い性格なので、 言われっ放しで終わる事はなく、 トラブル になる事が多くなった。 私は、小さい頃から外で遊ぶことが大好きだった。 夏場は小麦色に日焼けをしていた。 日焼けした肌と巻き髪を、周りの人 たちから馬鹿にされることが多かった。 中学生になり、髪の毛を周囲に見られるのが嫌で、 必ずまとめるようにした。 周りには前髪を作り、ストレート の髪の毛をおろしている子が多かった。 私は、馬鹿にされないための予防線を張ったのだ。 だが、この自分の考えにどこか違和感を覚えた。 そして私は考えた。 誰もが髪質を選択して生まれてくる事はできない。 紫外線を吸収しやすい体質も同じだ。 ただ、それを周りが軽蔑視する事はおかしいと思った。 自分の髪の毛を嫌だと思った事はないが、 正直、ストレートに憧れた事は何度もある。 でも、この巻き髪と小麦色の肌が 自分らしさであり、 個性だと思えるようになった。 私は、親しい人によくポジティブ の塊だと言われている。 「後悔せず過去を振り返らない、悩み込まない、 失敗しても次に活かして いく。」 この考え方のおかげで、楽しく生きることができている。 誰に教わったわけではないが、 毎日笑って楽しそうに生きている人が、

私の周りにはたくさんいる。 例えば、 母だ。 母は、個性を大事にして生きている。 髪の毛、肌の色も私と母は同じだ。 私は、母が落ち込んでいる姿を見た事がない。 いつも明るく笑顔で、子供にも大人 にも分け隔てなく接している姿に、私は憧れている。 だから、自分の個性も周りの人の個性も、 大切にしていきたいと思えるようになった。 人の生まれ持った特性や個性について、 周りの人が軽はずみに馬鹿にしたり、 批判的な行動で相手を傷つけている事が 身近に起きているのではない だろうか。 言った人は、そんなつもりではなく、 冗談だったり、軽い気持ちでとった行動が、 言われた側にはとてつもなく重い心の傷として残る。 そしてそこから加害者と被害者が生まれていく。 加害者がそんなつもりではなくても、 被害者が個性を傷つけられたと感じたら それは人権侵害となってしまう。 これは、いじめと同じ考え方であり、 差別につながりかねない。 では、加害者と被害者を生まないために、 私たちはどうすれば良いのか。 私は、まず加害者をゼロにしなければならないと思う。 そのためには、全ての人の個性を尊重すべきだと思う。 人間は一人一人違うからこそ美しい。 お互いの個性を大切に思う気持ちを忘れず、 相手の個性を受け入れていく事こそ、 今の私たちに必要なのだ。 私は巻き髪や肌の色の事を、周り から気分を損ねる言い方をされた時、 傷ついて落ち込む事はなく、ただ腹が立った。 だが、これはポジティブな私だから こその考え方なのかもしれない。 もし、傷つきやすい人や気にする タイプの人が私と同じ事をされたら、 そうはいかないのではないだろうか。 自分の容姿も個性の一つなのに、 個性を否定されたと受け取った時、 例えば、人を信じられなくなったり、 学校へ行けなくなったりする かもしれない。 その人の人生を大きく狂わす事になるかもしれない。 だが、理解してくれる人や 寄り添ってくれる人が側にいると救われる。 私たちが発する言葉で手を差し伸べる事もできる。 言葉は武器にもなるが、 人を救う事もできるのだ。 私たち人間は、一人では生きていく事ができない。

人間は、常に誰かに支えられて生きている。 その事をそれぞれが自覚し、 お互いを尊重し合い、 認め合う事がこれから生きていく上で重要だと思う。 尊重し合い認め合う中で、絆が生まれる。 その絆が生きる力になる。 「人間らしさ」とは、 まさにこういう事なのではないだろうか。 私は自分の独特な個性が好きだ。 そしてそれを認めてくれる人が、 私の周りにはたくさんいる。 私は世界中の人々の個性が当たり前に 尊重される世の中になる事を心から願う。 [拍手] 江口さん、ありがとうございました 続いて、最優秀賞・NHK大阪放送局長賞 島本町立第二中学校1年 生越莉子さん 作品は「社会で直に受けてきた女性差別」です 生越さん、それではお願いいたします 「社会で直に受けてきた女性差別」 島本町立第二中学校1年 生越莉子 私の祖父母は自分たちで会社を 立ち上げて自営業をしている。 祖父母が会社を始めたのは昭和六十三年。 今から三十五年前である。 祖父が営業、外回り、機械の整備など 様々なことをこなし 祖母が小さな会社内で電話対応や書類作成などを 担当する仕事をしていた。 今は、共働き家庭が増えてきて、 女性もたくさん社会進出をし、 働いている 女性が多くなってきている。 しかし、当時は女性の社会進出は ほとんどされていなかった。 社会に出て働いていたとしても、 結婚して専業主婦になったり、 母として家庭を守るという役割 になる人が多かった。 男性社会の中で、同等に仕事をこなし、 信用、信頼され、同じ立場で物を言い、 同じように仕事を授受しあうには どれくらいの苦労があったのだろうかと考えた。 私は、今回この人権作文で 男女共同参画社会というのを知り、 それはどのような意味なんだろうと思い調べた。 「男女が、社会の対等な構成員として 自らの意思によって社会のあらゆる分野における 活動に参画する機会が確保され 、 もって男女が均等に政治的、経済的 社会的及び文化的利益を享受する ことができ、

かつ、共に責任を担うべき社会」 と書いてあった。 私は、周りの働く大人たちを 思い浮かべてみた。 男女が平等に働くことができずに、 利益を享受することができない社会って どのようなものだったのだろうか。 私は直接祖母に質問してみた。 祖母は、会社を立ち上げた時の苦労を思い出すように、 「あの頃は、色々な事を言われたり、されたりしたね。 女性と仕事するつもりはない。 男性社員を出せ。 女とは話が通じない。 本当にあんたで大丈夫なの。 男性いないの。などね。 相手に信用、信頼してもらえるよう、 一つ一つ積み上げていった感じかな。 もちろん、悔しい思いもいっぱいしたよ。 男性、女性という区別や差別ではなく、 私という人間を相手に仕事をして下さい。 と言いたくなったよ。」 と遠い目をしながら言った。 「おばあちゃん、そんな嫌な思いをしていたんだね。 そんなひどいことが 平気で言われる社会だったのかな。 その当時はそれが普通だったの? 私なら、すごく嫌になっちゃうな。」 「それが、普通ってことはないだろうけど、 女性の社会進出が珍しい時代 だったから、 相手も戸惑うことが多かったんだろうね。 でも、七十二歳の今でも信頼して 仕事をもらえることは 今までの努力が女性だからという枠を超えて、 あなただから仕事を頼みたいという レベルにいけたのかなと思えるよ。」 祖母は少し誇らしそうな顔をして教えてくれた。 私は祖母をすごくかっこいいなと思った。 女性だからといって、男性と同じラインに 立つことさえも許されない扱いを受けてきたのに、 誠実で良い仕事ぶりは、固定客を増やし、 あなただから頼みたい仕事なんだという ファンのような客も増やしている。 私の知らない社会や仕事という世界の、 時代の変化を、 祖母が生き抜いてきた話から直に感じることができた。 私は、将来どんな職業に就くかまだ決めていない。 私が通っていた保育所には、 女性の保育士が多かったが、 男性保育士もいた。 男性保育士は力も強く、ダイナミックな遊び方を 教えてくれたりしてとても人気があった。 小さい頃、入院していた病院でも 女性の看護師が多かったが、

男性の看護師の方の優しさや心遣いが 嬉しかった時もあった。 今まで電車の運転士は男性ばかりだったが、 先日乗った電車の運転士が、女性だった。 車内のアナウンスが女性の場合は、 また違うかっこよさを感じた。 男性だから、女性だからと職業に 向き不向きがあったとされる時代は終わり、 それぞれ個人の良さが引き立つ 社会や職場であってほしいと思う。 そして、もちろん男女差別がなく 同等の権利を享受していきたい。 私の学校では、制服や水泳の水着等で、 男女区別がなくなってきている。 私は、それがとても良いことだと思っている。 個人の個性を尊重し、男女の枠を 取ってくれているように感じる。 その取り組みは結構新しいことで、 まだまだ男女区別がはっきりとあり、 個人の自由で選択できる世の中に なっているとはいえない。 新しい時代に生きていく私たちが、 正しい認識を持っていけば、 男女差別というはっきりとした差別を なくしていけるのではないかと思う。 十年後、私は二十三歳になっている。 社会の一員になって働いているだろう。 その時、自分が働きやすい社会になって いてほしいと願うだけではなく、 しっかりと人権について学び、 正しい知識を持って それを広めていけるような人間になっていたい。 十年後の中学生が 男女という区別や差別がなく、 個人の個性を大切にし、 一人一人が輝けるような社会が、 当たり前だと思う未来を作ってあげたいと思う。 [拍手] 生越さん、ありがとうございました。 続いては、最優秀賞・産経新聞社賞です 関西大学中等部2年 森脇茉菜さん 作品は「難聴」です 先ほどお伝えしましたとおり 森脇さんは、急遽、御欠席となりましたので 作品朗読は、私が代わりに務めさせていただきます 「難聴」 関西大学中等部2年 森脇茉菜 「日本国憲法 第十一条 国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない。 この憲法が国民に保障する基本的人権は、 は侵すことのできない永久の権利として、 現在及び将来の国民に与へられる」

日本国憲法の基本的人権の保障である 第十一条を初めて知った日、 私は違和感を覚えた。 「いくら法を制定しても、その内容を理解し、 実践しなければ意味がないのではないか。」 そう思ったのには理由がある。 実は、私は左耳があまり聞こえていない。 病名は左耳難聴。 小学三年の時に診断されたその病気は、 後に、私に様々な乗り越えるべき問題を与えてきた。 まずはじめの問題は、聞こえないことにより、 相手の声かけを無視していると勘違いされることだ。 左側から話しかけられると うまく聞き取れない。 そのため、え、何と何度も聞き返すうちに もういいよと言われ、 人の話を聞いていない=無視している というレッテルをはられることだ。 二つ目の問題は、耳が聞こえないことを 軽いノリで試してくる人がいるということだ。 「この距離からは私の声聞こえる。 この辺はどう、ここまではどう。」 どうやら私の難聴に興味津々のようだ。 自分とは違うという事に対して 興味がわくのは仕方がないことだと思うが、 あまりにも露骨すぎると心がしんどくなる。 片耳だけ音が聞こえにくいためか、 車酔いみたいな気持ち悪さが 時々私を襲ってくる。 そんな時は、自分なりに いろいろと考え対応している。 しかし、自分ではなく、誰かによって 強くストレスを与えられたときは、 嘔吐したり、音が全く耳に入ってこなくなり、 もうお手上げ状態になる。 そのため、小学生のころ 学校に通えない時期があった。 何も悪いことはしていないはず、 それとも何か私が悪いことでも したのか、 なぜ私は耳が聞こえないのかと 自問自答する毎日だった。 そんな毎日の中で、 基本的人権について学んでも、 内容を理解しているとは思えない 行動をとる人はいるし、 人権人権と叫んでいても、 行動に移せていない人がいる。 何の為の、誰のための憲法なのか 疑問でしかたなかった。 さて、現在の私はというと、 日本国憲法の基本的人権の保障である 第十 一条を初めて知った日のあの違和感は、 私自身の心の問題であったことに気がついた。

苦しさのあまり心に余裕はなく、 物事をゆがんでみていた私の心のせいだった。 心に余裕がないときは、 正しい判断ができないことを知った。 恨んでばかりの難聴であったが、 難聴のおかげで気がついたこともある。 相手の立場に立って考えようと 小さい頃から教わってきた。 しかし、経験したことがないことを考えることや 想像することは難しいと思う。 私は難聴になって、はじめて 聞こえにくさの辛さを知った。 この辛さは、難聴になった人にしか わからない辛さだと思う。 もし私が、目が見えない人の 立場に立ってと言われたら、 とても難しく悩み、 どうしていいかわからなくなる。 だから、私は相手の立場に立つのではなく、 相手の心に少しでも寄り添うことが まず大切だと考える。 そしてその考えを行動に 移すことがとても重要だ。 それができて、初めて日本国憲法第十一条の 意味が活きてくるの ではないかと思う。 世の中には、病気、障害、 性別、年齢、職業、出身地など 様々な人権問題がは びこっている。 相手に寄り添う心があり、 考えて行動できれば、 問題は解決に向かって いくはずだ。 まずは自分の経験を活かし、 相手が想像しやすいよう、難聴について 私自身が語り発信し、生きていきたい。 そして、常に相手の心に寄り添う 思考をもち、行動していきたい。 日本国憲法を初めて知った日、 違和感を覚えない、 そんな日本にしたい。 そんな日本になればと切に願う。 森脇茉菜さんに代わって、代読をさせていただきました。 [拍手] さて次は、最優秀賞・関西テレビ放送賞です 和泉市立南松尾はつが野学園8年 濱谷航太朗さん 作品は「外国人差別をなくすためにできること」です 濱谷さんも、本日ご欠席となりましたので 事前収録した朗読をご覧いただきます それではどうぞ 「外国人差別をなくすためにできること」 和泉市立南松尾はつが野学園8年 濱谷航太朗

「今日とても悲しいことあった。」 僕の家にホームステイをしている ジェンが帰宅するなり言った。 ジェンはホンジュラス人だ。 懸命に日本語や日本文化を学び論文が選ばれて 日本に招待された優秀な留学生だ。 彼女はその日電車に乗った。 ちらほら座っている人がいるぐらいの乗車率で 彼女は年配の女性の隣に座った。 しばらくしてその女性は 席を立ち隣の車両に移った 電車は駅に停まりながら乗客を増や していったが、 彼女の席の隣と前 だけ避けられたままだった。 僕はその話を聞くまで日本で 外国人差別はほとんどないと思っていた。 テレビや動画で見る外国人は 清潔でおもてなしの国日本を 絶賛しているものが多かったし 僕もそういったことを 見聞きしたことがなかったからだ。 僕はとても悲しい気持ちになり 気にしていないというジェンに なんと声をかけていいか分からなかった。 日本人として申し訳ない気持ちでいっぱいになった。 そして僕はこの時今まで 自分が何も知らずに何も考えずに ホームステイに来る外国人と 楽しい時間を過ご してきたことに気がついた。 なぜ母が僕が幼い頃から積極的に 我が家に 外国人を受け入れてきたのかも分かった気がした。 それは単純に外国人の友達を 増やすためだけではなく、 彼らが、環境や感じる差別など、 自分の努力ではどうすることもできない壁と 向き合っていることが多く、 そのことを深く考えるきっかけにしてほしかったからだ。 日本には、外国人差別がある。 ジェンがもし、黒い肌の大柄な女性でなかったら 避けられなかったかもしれないし、 欧米人の観光客の方が親切に される傾向があると分かった。 では、ジェンを避けた人々は、差別 をする悪い人々なのか。 僕は、そうとも思わない。 日本人は、日本人ではない 人との交流が日常ではないし、 日本人以外の友達がいない人のほうが多い。

知らない、よく分からない外国人とは 距離を取りたい気持ちが働いて、 「意識しない差別」をしたのだと思う。 また、気を遣ったり、ほめたつもり の発言も 外国人を不快にさせることがあると聞く。 先日、日本語が 流暢なポーランド人に 「日本に住んだらいいのに」と言うと、 彼は、「日本 では、僕はいつまでも外国人だから。」と言った。 いくら日本語が上手になっても、 日本の社会は、彼を「個人」ではなく、 「外国人」としてしか対応してくれない。 それが嫌だという意味だ。 よく「箸の使い方が上手ですね。」と 外国人 のほめ言葉として言うが、 それも「外国人は箸がうまく使えない。」と 思いこんでしまっている先入観からで、 「なぜ日本人は箸の使い方ばかりほめるのか。」と 不思議に思うようだ。 これらの偏見や差別を減らすために どうすればよいか。 僕は、「外見で人を判断しない」 「相手を知ろうとする努力」「思いやりの心」 この三つが大切だと考える。 不快になる言動は、 人種や国籍に関係なく同じで 思いやる心もまた同じである。 そうは言っても、そう簡単に、言語 の壁もあり お互いに分かり合うのは簡単ではないだろう。 そこで、まずは「こんにちは」と あいさつをするのはどうだろう。 そうすると、知らない 外国人から、 あいさつをした外国人に変わる。 僕達も、外国を訪れた時、笑顔であいさつされると とてもうれしいはずだ。 また「意識しない差別」をなくすためには、 子どもの頃から外国人との交流や、 異文化を理解する機会が多くあるほうがいい。 そうすると、外国人を受け入れる気持ちを 子どもの頃から育てていける。 日本人も外国人も住みやすい国になるために 日本にいる外国人に対して、差別ではなく、 過剰な反応でもなく、 自然な優しさで接することができればいいと思う。 そういった一人一人の小さな心がけが、 外国人差別を日本からなくす ことにつながる。 [拍手]

「外国人差別をなくすためにできること」でした。 なお、先ほどから濱谷さんをご紹介する際 学年を8年としておりますが 濱谷さんが在籍されている 和泉市立南松尾はつが野学園は 小中一貫の義務教育学校になります。 8年生 というのは 中学2年生に相当する学年になります では続いて、 最優秀賞・大阪私立中学校高等学校連合会長賞です 阪南市立鳥取東中学校2年 中本璃子さん 作品名は「高齢者が安心して暮らせる 社会の実現を目指して」です 中本さん、お願いします。 「高齢者が安心して暮らせる社会の実現を目指して」 阪南市立鳥取東中学校2年 中本璃子 私には和歌山に住む八十六歳の祖父と、 八十二歳の祖母がいる。 祖父は数年前に心臓を悪くしたのをきっかけに ペースメーカーを植えこむ手術を受け、 最近では祖母も股関節の手術を受けた。 私の両親は祖父母と離れて 大阪で暮らしていることもあり、 普段の買い物や家事も二人で助け合いながら、 何とか毎日元気に暮らしている。 そんな中、今年六月、 祖父母が暮らす和歌山県北部に 数年から数十年 に一度と言われる程の 稀な大雨が降り、 その影響で河川の氾濫や 冠水等大きな被害が出た。 祖父母二人が暮らす家も 床上浸水の被害を受け、 私は両親とともに水につかった家財の運び出しや、 家の中に 流れ込んだ土砂の泥かきを手伝った。 復旧作業は力仕事が多く、 たくさんの人手が必要であり、 祖父母は「自分達だけでは手に負えなかった 。 本当に助かった。有難かった。」と 何度も感謝の言葉を口にしてくれた。 だが、祖父母の周辺では一人暮らしのお年寄りや 家族の助けを得られない高齢者世帯も多く 自分達の力だけで被害にあった家の片づけを しなければならないお年寄りがたくさんいた。 最近、高齢者の孤立化や介護の問題を テレビや新聞で目にする機会が多い。 私は、これらの問題について、 今まであまり深く考えたことがなかった。 しかし、今回の出来事をきっかけに、

身近にあるとても重要な 問題ということに気付かされた。 私たちの両親によると、 以前は子供の声で賑やかだった町内も 最近は 子供そのものが居なくなり、 年老いた人々だけが住む場所になって しまっているという。 自分たちの子供一家と同居する事もなく、 夫婦だけ、又は一人となり年老いていく お年寄りの苦労やストレスは 計り知れないだろうと思うと、 私はとても胸が痛くなった。 私たちはこの深刻な高齢者問題と どのように向き合い、 そういったお年寄りとど のように接していけばいいのだろうか。 日本は平均寿命が大幅に伸び 少子化等を背景に 人口の四人に一人が 六十五歳以上の高齢者だと言われている。 地域社会の仕組みが大きく変わり 核家族化が進むに従って、 最近特に深刻な社会問題となっているのが 老々介護の問題だ。 私の祖父母の口からは、口ぐせのように 「周りに迷惑をかけたくない。」 「出来る限り自分たちのことは自分たちで。」 とい った言葉が頻繁に出る。 「他人や子供に迷惑をかけたくなとい。」いう言葉は 一見すると周囲の人への配慮や優しさのように 受け止められるかもしれない。 しかし、自分達でやっていけると 責任を抱え込むことで ますます外の人との関わりが希薄になり、 なにか困ったことがあっても 外に助けを求めることができず、 高齢者の負担はさらに増していくのではないだろうか。 特に認知症などの症状を持つ人に対しては、 寝る間もなく二十四時間体制での介護が必要だ。 このような状態が何年も続いたら、 おそらく精神的に持たなくなってしまうだろう。 私は祖父母との同居経験はないが、 家族が老いて変化していく過程を 見つめることは きっととても心細いだろう。 大切な人のそんな 姿はできれば見たくないし、 祖父母のように他人に弱みを見せたくない という気持ちも少し分かる気もする。 だが、「人に迷惑をかけてはいけない。」と たった一人で歯を食いしばって 頑張って生きることが

本当に素晴らしい社会だろうか。 心身ともに健康でい られる間だけが人生ではないはずだ。 他人を助けて、自分も困ったら 面倒を見てもらう。 人に迷惑をかけ、またかけられる。 そんな風に、人はたとえ老いても 人間らしく生きる権利があり、 そして人間らしい生活を営むために 助けを求める権利もあるのだ。 全ての人がいつか必ず向かう未来を 息苦しくしないためにも、 「迷惑をかけるのも、 かけられる のも当たり前。」 「困った時はお互い様」という気持ちで、 積極的にコミュニケーションを 取るのが大切なのではないか。 そうすることで、多くのお年寄りが 自分の子供や近所の人にSOSを出したり、 誰かの助けを求めやすくなる環境が 生まれるはずだと私は思う。 私は今回の出来事を通して、改めて 高齢者を取り巻く環境の厳しさを知った。 お年寄りの人権を守り、 誰もが住みよい環境や社会をつくる ために、 私たちはこの問題から目をそらさず まっすぐ向き合う責任 がある。 「高齢者」と「若い人」という世代 を越えて、 互いに「共に高齢社会・長寿社会 に生きる人」という つながりで接する姿勢を大切に、 皆が安心して 過ごせる未来に向けてこれから も努力を重ねていきたいと思う。 [拍手] 中本さん、ありがとうございました 続きまして、第70回大会記念Think Future賞 岸和田市立春木中学校2年 樋口莉瀬さん 作品名は「共に変わる、共に生きる」です 樋口さん、お願いいたします 「共に変わる、共に生きる」 岸和田市立春木中学校2年 樋口莉瀬 一四六位中一二五位。 もし、これが私の定期テストの結果なら、 間違いなく母からこっぴどく叱られる結果だろう。

これは今年六月、世界経済フォーラムが発表した、 男女平等の実現度でみた 日本の世界ランキングだ。 この「男女平等度ランキング」では、 政治参加・経済参画・教育機会・健康の 四つの分野のスコアを算出し、総合評価したものだ。 調べてみると、日本は教育と健康の分野では 満点に近いスコアを出している。 確かに、私自身も教育や医療を受ける中で 男女の差を感じたことはない。 ただこれはある程度経済が発展した国ではどこも同じだ。 問題となるのは政治と経済の分野で、 共に最下位レベルに位置付けされているということだ。 政治の分野では、歴代の首相に女性がいないこと、 女性議員の少なさなどが理由として挙げられる。 例えばランキング43位のアメリカでは、 1960年代 に女性の社会進出が一気に進み、 現在、内閣閣僚や最高裁判事の半数近くは女性だ。 経済の分野では、男女の所得の格差や 管理職に占 める女性の割合の低さが ランキングに大きく関わっている。 政治と経済という今の私には まだあまり馴染みのない分野でのこの結果は、 これから社会に出ていく若者世代としては 不安しか感じられないというのが正直な感想だ。 だが、日本政府も何もしてこなかった わけではないはずだ。 第二次世界大戦後、大きな社会変革を しなくてはならなかった日本は、 日本国憲法や労働基準法を作り、 古くから続いてきた男尊女卑の考え方が 明確に禁止された。 その後も男女平等の理想を実現するために、 いくつも具体的な法律や方針が整備されてきた。 今年、岸田首相が 「女性活躍・男女共同参画の重点方針」を発表し、 その中に2030年までに トップ企業の女性役員の比率や 男性の育児休業取得率を上げることが 盛り込まれていたことは記憶に新しい。 しかし、今回のこのランキング結果を見る限り、 そうした法律や方針は、理想を現実のものにするには 不十分だったと言える。 では、なぜ目指す社会とは程遠い 状況になってしまっているのか。 時代の流れに伴って出てくる課題 や問題点に対し、 日本政府もその都度対応してきたようには見える。 でもよく考えると、掲げた目標を達成できていなくても ペナルティーがなかったり、

そもそも男女差別の基準が曖昧だったりするのが 原因なのではないだろうかと思う。 政府が本気で男女格差をなくそうと考えるなら、 もっと強制力のある政策の実行も 考える時が来ているのかもしれない。 また、「男性とは」「女性とは」 といった古い固定観念が 今の日本社会には根強く残っている ということにも目を向けるべきだ。 確かに、妊娠や出産は女性にしか出来ないことだが、 だからといってそうした貴重な経験が、 逆にそれまでの女性の 経歴をなかったことにしてしま ったり、 その後のキャリアアップを 断念したりする理由にはならない。 本来の意味での男女平等とは、 身体的な平等という意味ではなく、 社会的立場における平等ということなのだ。 そして、何より私が問題視しているのは、 近い将来社会を担う私達の世代が、 こうした現実に対して無頓着だということだ。 男女格差について 友人と話し合ったことは一度もなく、 学校の授業で教わった記憶もない。 そうした私達が十年後社会人になって その理想とのギャップを目の当たりにした時、 一体私達に何が出来るというのだろうか。 恐らくは気付かないふりや 「世の中そんなものか」という諦めに行き着き、 結局は何も変えられないのではないだろうか。 そもそも、今の日本社会では 男性が優位だと言われているが、 そうした世間の目や風潮に 嫌気がさ してしまっている男性も 実は多いのではないかと思う。 「男らしく」「女らしく」といった 型に押し込まれたくないという気持ちは 男女問わず持っているに違いない。 日本で男女格差がなくならないのは、 男性側 だけの問題ではなく、 諦めと黙認を善しとしてきた 女性側の姿勢にも一因はあると私は思う。 沈黙は容認と同じだ。 更に、多様性がうたわれる今、 人間をたった二つの枠に分けることすら 無意味で的外れなことだと思う。 生き方として様々な考えを持つ人が増える中で、 「男女」という言葉すら 死語になっていくのかもしれない。 大切なのは、今のこの社会の現実から 目を背けないということだ。 私達十代の若者は、物事の変化や場の空気、

時代の移り変わりには特に敏感なはずだ。 大人にはない「気づき」も たくさん生み出せるだろう。 だからこそ違和感や嫌悪感を覚えた時は、 それを飲み込んではいけないのだ。 「おかしい」と感じたら一人ひとりが 大きな声で異議を唱えることで、 男女の区別なく、 共に変われる 社会を作る力になるのだと私は 信じている。 [拍手] 樋口さん、ありがとうございました。 それではここで、コンテストの審査員を代表して 大阪樟蔭女子大学 学長 竹村一夫様より コンテストの作品に対するご講評をいただきます 竹村様、よろしくお願いいたします ただいま最優秀賞に選ばれた6名の方及び 今回の記念大会に限定して設定された Think Future賞を受賞された1名の方から 作品を発表していただきました。 今年の中学生人権作文コンテストは、 70回目の記念すべき大会です。 世界人権宣言が国際連合総会で採択されたのが 1948年12月10日。 そのため12月10日が 人権デーに定めら れているわけですが、 今日で75年になります。 そのわずか4年後の 1952年からこのコンテストが 始まっているとお聞きしています。 大阪における人権への取り組みの 歴史と深さを感じています。 応募された中、最優秀作品、優秀作品とどの作品も 人権に対するしっかりした意識と感性で 素晴らしい内容になっていると思いました。 これら入賞された作品には、人権課題についての 多様な視点が表現されており、 それぞれが異なるテーマを扱いながら、 人権を尊重することの重要性が 表現されていると思います。 みなさんがさまざまな経験から得た 人権への深い認識を読み取ることができました。 それでは、今年度の作品の感想を 私なりに述べていきたいと思います。 どの作品も甲乙つけ難く、 何度も読み返して苦労いたしました。 その中で感じたことは、 今回の応募作品のテーマにおいても、 こどもに関する問題や インターネットでの人権侵害など、

身近なところにある課題を 取り上げた作品も多く、 みなさんどなたも、机上での勉強であったり 先生から教わったりした単なる知識ではなく、 ご自身が体験された出来事、 日常感じている問題など 身近な出来事を捉え、 それを機会に考察を深めておられることが 素晴らしいと感じました。 第70回という記念すべき節目の記念大会には 「Next Decade~作文でつなぐ未来の人権~」 という副題がついています。 みなさんは、どのような未来を想い、 つなげようとしているのでしょうか。 時間の都合もあり、 すべての作品に言及することはできませんが、 例えば、上阪春奈さんは、 鹿児島県知覧を修学旅行で訪れ 特攻で戦死した少年兵に思いを馳せ、 そこから日本社会の現在に目を向け、 悲劇を繰り返さないように 「一歩を踏み出す」ことを誓っています。 生越莉子さんは、 祖母が受けた差別の経験をふまえて、 変化しつつある社会、 それから10年後の自分について 思うことを述べています。 また、Think Future賞の樋口莉瀬さんは、 今年の日本のジェンダーギャップ指数の順位にふれ、 将来社会を担っていく自分たちの世代が その現実に無頓着であることに 問題意識を持っています。 森脇茉菜さんは、 難聴という自身の障害を通して感じ、 考えたことから、 相手に寄り添って考え行動 することを宣言しています。 文能若葉さんは、学校でのやり取りから、 お互いに思いを伝えること、 お互いを認め合うことが大切という 思いを伝えていきたいと述べています。 これらの作品を通じて、中学生のみなさんが、 さまざまな人権課題とその重要性を 理解する機会を得たこと、 人間の尊厳と平等に対する理解を深め、 社会の不平等や差別に対する認識を 高めることができたということがわかります。 年齢、性別、障害、国籍、個性などの違いを超えて、 尊重されるべきであるということ。 私たち一人ひとりが積極的に アクションを起こすことによって 社会の変化を促進できるということ。

過去から学び、個々の経験と社会的な 課題を深く理解することが、 差別と不平等に対抗し、 より公正で平等な世界を形成する上で 重要であるということ。 これからの社会を支えていく世代が、 人権の尊重や理解に取り組むことが 社会全体にどのように影響を与えていくか、 少し未来を見ることができたような気がいたします。 入賞されたみなさん、 おめでとうございます。 そして、応募してくれた全てのみなさん、 ありがとうございました。 人権作文コンテストは、 人権について考えるきっかけとなるだけでなく、 自分の思いや意見を発信する場でもあります。 これからも、人権に関心を持ち続けて ください。 私たちは、みなさんが成長され、 将来活躍されることを期待しております。 2023年12月10日 大阪樟蔭女子大学 学長 竹村一夫 [拍手] 竹村様、ありがとうございました。 それでは、第70回中学生人権作文コンテスト記念大会表彰式 最後に、大阪府人権擁護委員連合会会長 尼丁正寄より挨拶をいたします。 尼丁会長、お願いいたします。 本日、「第70回中学生人権作文コンテスト 記念大会表彰式」にご参加いただきまして 本当にありがとうございます。 また、受賞された中学生の皆さんは、 勉強やクラブ活動、 そして12月の多忙な時期に この表彰式に参加いただき 本当にありがとうございます。 感謝申し上げます。 みなさんの作品は、いずれも感性豊かな、 まさに人権作文にふさわしく、 深く心に響くものばかりでした。 人権作文を書かれた気持ちを忘れず、 これからの人生を歩んでいってほしいと思っております。 本年度の中学生人権作文コンテストの実施にあたり、 ご支援いただきました中学校の先生方、 また、企業、そして報道。 色々な団体の方に、お世話になりました。 そして、この関西テレビの 皆様には 会場の設営、そして司会。 そして、人権擁護委員のみなさんが、 朝早くからこの場所に来て

設営もしていただきました。 本当にありがとうございました。 これをもちまして、「第70回中学生人権作文 コンテスト記念大会表彰式」を終わらせいただきます。 ありがとうございました。 [拍手] 尼丁会長、ありがとうございました。 ただ今より、およそ15分の休憩と いたします 第2部の再開は、15時05分となりますので、 時間までにお座りになって お席にお戻りくださいますよう、 お願い申し上げます それでは休憩です。

第70回中学生人権作文コンテスト記念大会
第1部:表彰式

●入賞作品はこちらから↓
 https://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/jinkensakubunkontesuto70.pdf

第2部:人権啓発イベントの動画はこちらから↓
https://youtu.be/aBc20R8Z5Nw
 
●目次
01:20 開会挨拶
07:22 最優秀賞の発表・表彰
15:42 優秀賞の発表・表彰
23:48 作品朗読①上阪春奈さん(事前録画映像)
30:12 作品朗読②江口友寿希さん
36:28 作品朗読③生越莉子さん
42:12 作品朗読④森脇茉菜さん(アナウンサー代読)
47:45 作品朗読⑤濱谷航太朗さん(事前録画映像)
53:55 作品朗読⑥中本璃子さん
01:00:46 作品朗読⑦樋口莉瀬さん
01:07:15 講評
01:14:00 閉会挨拶

●以下のサイトから、アンケートの御協力をお願いいたします。
 ※令和6年2月29日(木)正午 アンケート締切
https://forms.gle/EfjYUaEvqkUuoqe3A

●第70回中学生人権作文コンテスト記念大会について
 大阪法務局及び大阪府人権擁護委員連合会は、次代を担う中学生が人権問題について作文を書くことによって、人権尊重の重要性、必要性についての理解を深めるとともに豊かな人権感覚を身につけること、及び入賞作品を国民に周知広報することによって、広く一般に人権尊重思想を根付かせることを目的として、昭和27年度から中学生人権作文コンテストを実施しています。
 70回目の節目を迎えた今年度は、大阪府下146の中学校から2万871編というたくさんの応募をいただきました。応募していただいた中学生の皆さん、ありがとうございました!

【主催】
大阪法務局 大阪府人権擁護委員連合会
【後援】
大阪府教育委員会 大阪市教育委員会 堺市教育委員会 NHK大阪放送局 関西テレビ放送 産経新聞社 大阪私立中学校高等学校連合会 ガンバ大阪 セレッソ大阪

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