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【朗読】ゼロの焦点(第五部 最終回)【昭和 松本清張 劇場】

[音楽] ゼロの 商店第5 [音楽] 部早山警部保は訪問者の名刺を帝STに 渡し た名刺の勝は室田作の名前と肩書きを綺麗 に組んであっ たはあそうですか 帝ことは言ったが胸の中は騒いてい た室田社長が不に東京に出張したことは 金沢の本社で聞いたあの時の話では会社の 総務家の人も社長の出張の用事が何か内容 をはっきり知らなかったくらいであるが ここで初めて室田社長の状況の目的が会社 の業務ではなく立川所に来て田沼久子の ことを聞くためだと知った だしかしなぜ室たは大急ぎで立川所に現れ たのであろうなぜ田沼久子のことを立川書 に直結したので あろう社長はそれだけでも田沼久子の主情 をある程度知っていたと考えられるので あるそれには社長と久子との間に何か関係 があったように思わ れる子は前からそんな気がしていたの だその社長さん は定子は警部本に聞い たどういうご質問だったんでしょうそう いうことを伺っては悪いかもしれませんが いやそれは構わない です早山警部保は快活に答え た別に捜査上の秘密でも何でもありません から ね警部保は顔に微笑を浮かべ たその社長さんは写真のこの女の人が終戦 後この基地にいた米兵相手の特殊な職業の 女性ではなかったかと聞かれたん ですその室田社長の質問は帝ことが用意し てきた質問と同じであっ たすると室田氏は田沼久子の全身を はっきりとは知らないのであるつまり室 たちが久子を知った時期は彼女がその特殊 な生活から抜け出てからの後で あろうその時は子は社長に自分の全身を 明かさなかったに違いないだからこそ室た は今度子の全身に疑問を起こしてここに来 たので あろう室田社長はではどうして彼女の全身 がGI相手のパンパンと気づいたのかその 手がかりは何であった か天子が田沼久子をその職業の女だと感じ たのはあの特殊なスラングの多い米語だっ たしかし長は女の護のことだったら帝より もっと前に気づくはずで ある彼が久子の全身を推測したのはもっと

具体的な他の事実からに違い ないそれが何かは帝STには分から ないそれで警部保さんはご存知だったん ですかこの女の方をいや写真だけでは 分かりませんが ね早山警保は答え た最も当時あなたのご主人の羽原健一君と 一緒にそういう職業の女をかなり面倒を見 ていたものですよ僕は交通係りだったから 羽原君ほど専門ではありませんでしたがね それでも街灯に田している彼女たちを交通 違反という名目で借りこんだものですよ ところでこの新聞の写真の女の顔ですが どうも見覚えがあるよう ですご記憶があるんです か帝は警保が写真を見つめている顔に通 たはっきりしたことは言えませんしかし僕 の記憶が間違いでなかったらこういう顔の 女を見かけたことがあります僕がうえに 知っているくらいだからこの辺りでは古顔 の方だと思います ねその名前はここに書かれた通りですか いや警保は帝ことが切り抜いた新聞写真の 下についている田沼久子の勝を見て この名前とは違っていたようですしかし それが何だったかは思い出せませんただ僕 の考えている女だったら当時その女が下宿 していた家を訪ねるとよく分かると思い ますそれはどこ でしょう定子は胸を弾ませて訪ね たここから1kmばかり南に行った方です ちょっと町から離れて今は勝ばかりになっ てい ますしかしそこに本当の農家とはちな名た 家が見えるはずですそれが当時の彼女たち のタロしていたハウスなんです よ大くさんという家ですその女将さんが 当時そういう連中を世話して下宿させてい ましたからその人に会うとよく分かる でしょう警保はそういう教え方をしたこの 早警部に会えば立ち田沼久子の過去が 分かると思ったのは間違いだっ たが風気がりではなく交通係りだったこと がその知識を乏しくさせているので あるしかし新しい聞き込み先を教えられた のはやはりここまで来た甲があったただ ここで思ったのは当然室たしも警部補から 同じ家を教えられたに違いないことだっ た警部補に確かめると思った通りだっ た警保はその家も社長に教えているので ある奥 さん警部保は首を かしげさっきの方は手札型の写真をお持ち でしたがお2人が揃いも揃ってこの女を 追うのはどういうわけですかと不審そうな

目をし た早山警部保に教えられた通りの場所に 行くとそれはこの前帝ことが来た時に 通りかかったところだった 暴風林の中に百勝家が ある全面は広々とした田んぼだっ たなだらかな給料が遠くに 見える武蔵の大地もこの辺が北の橋だっ たこの前来た時はこの近所から赤い洋服を 着た女が外国兵と連れ立って出ていくのを 見たものだっ た大という家は早山警保が言ったように 半分は昔ながらの100証券の古い構えだ がその横に妙な外国風を真似た建物が くっついてい た安物の建築だから立ってから10年とは 思われないほど古びている壁のペキが剥げ ているのも無惨だっ た定子が案内を会うとその家の主婦がすぐ 出てき た死後の小布の女で目の淵も頬もたんでい たが写真を出すと主婦の方ではすぐに彼女 の要件を察したやはり室田社長が先回りし ているからで あるあなたで2度目ですよと彼女は言っ ただから帝ことは簡単に先方の返事が聞け た前に見えた方にも話したことですがと 小太りの主婦は言っ た確かにこれはうちにいた女です田久は 言いませんでした よ移動証明書をもらっていたんですが名前 も何も覚えていませんここでは本名を呼び ませんから ねしかしこういう名前でなかったことは 確か ですGIの間ではあの子はエミーと言われ ていましたあまりパッとした性格ではなく どちらかと言えば地味な方でしたがその 内気なところがGIの気に入ってそれなり の人気があったよう ですうちには1年ばかりいました よ女将さんは鈍い目をして話してくれ た一体こうした女たちは同じ場所に尻が 落ち着かなくて1年もいたというのは 珍しい方 ですその方からと帝ことが聞いたここを出 たきり頼りがありませんでした か主婦はちょっと妙な薄ら笑いをし たああいう女たちはこちらでどんなに世話 をしてあっも出たらそれっきりで霊場1本 よさないのが普通ですよでもエミーからは 確かはがきを1枚もらったような覚えが あり ますそのはがきはおタにございます かしら古いことですよ探してもわからない

でしょう主婦は少しめどくさそうに答えた 帝ことはなんとかしてそのはがきを 探し出してもらいたかっ たそれさえあれば田沼のはっきりした身元 がるので ある将さんの記憶ではただ写真の顔が エミーという女に似ているというだけの 断定なの だはがきが来たのは古いことだという なるほど78年は経っていようそれを今 探してくれとは定子は頼みかねたその エミーさんの国はどこだった でしょう定子はそう聞くよりほ仕方が なかっ た さあさんはまた考え た何しろ当時は入れ替わり立ち代わりうち には女たちが来ていたので誰がどこの 生まれやらさっぱり覚えていませんさあ エミーはどこだったか な女将さんは鈍い目を閉じて考えるような 顔をし た百勝家の主婦とは思えないくらい顔色の 悪い不健康そうな中年女だっ たそのような女たちの世話をしてきただけ にもしかするとこの女将さん自身がある 特殊の商売上がりの女ではないかと想像さ れるくらいで ある北海道だったか な女将さんは口の中で呟い た北海道と言うとまるで違ってくるの だしかし女将さんが北海道と呟いたことで 帝ことは思い当たった多分それは雪のこと が関係しているのではなかろう かさが何かの話のついでに自分の国は雪が 多いと言ったのを女将さんがかかに覚えて いて北海道だと勘違いしているようにも 思われ た定子は瞬間に考えついたことを女将さん に言っ たそうです な顔色の悪い女将さんはまた冴えない目を あげて帝STを見 たあんたの言う通りかも分かりませんよ 確かに雪が深くて冬は何もできないと エミーが言ったことを覚えてい ます私の推測ではこの人は石川県の人だと 思うんです が定子が言っ たそのようなことを話したことはありませ ん石川県女将さんは口の中で言いながら 考えてい たそういえばはがきはそっちの方からだっ たようにも思いますよ何か石川県という 住所があったようにも覚えています

ちょっと待ってください今見つかるかどう かわからないがそのはがきを探してみ ましょう女将さんの方から言い出したのは 高都合だった天子は是非そうしてくれと 頼ん だ定子は女将さんが家の中に入っている間 冬の穏やかな日差しの庭に立っ た垣根の横のヤには難点が赤い身をつけて い た近くから持ちの音が聞こえて いる突然空気を割いて爆音が響い た米軍の基地が近いだけに飛行機の発着が 頻繁だっ た昔ながらにのんびりした持つの音と耳を 打つ爆音とは妙に現代的な取り合わせだっ た持ちきり聞いているといよいよ正月だと いう感じが する原一と結婚したのは月の半ばだっ た帝には1ヶ月とは考えられぬくらい 長かったように思われ たその間不可解な夫の失踪を中心にして 彼女は夢中に引きずり回されたような気が する義兄の宗太郎も本田も田沼子も何か 見えない黒い渦に巻き込まれて生命を 滅ぼしたとしか思え ない短い期間だったが何年もかかっている ような異常時間の内容であっ た20分ぐらいして小の主婦は奥から出て き た片手にはがきを持って緩んだ笑い方をし ていたお待ちど様やっと見つかりました よそのはがきは古くなって髪も茶色がかっ てい たすみませ んよかったというのが帝のその時の気持ち だったやここまで来た会があったのだ帝 ことはすぐ差し出し人の名前を見たそれは 多分当人がはっきり自分の住所を知らせ たくなかったのであろうただ石川県白衣軍 としてあるだけだった名前はエミーとして あったしかしそれが田沼久子に違いない ことは石川県白衣軍だけで明瞭だっ た久子は自分の幻住所を知らせたくなかっ たのである 本名も別の生活に変わってからははがきに も書きたくなかったに違い ない天子は裏を返し た随分お世話になりましたが私は都会を 離れて自分の故郷に帰りましたママさんに は大変よくしていただいてありがとう ございましたどうぞお元気にお暮らし ください俺 まで簡単な文面だったがエミーがである ことがはっきりし たこんなはがきをよすだけでもエミーは

気立てのいい子なんです よ主婦は帝STの顔を見てそう言っ た他の女たちは箸にも棒にもかからないの が多かったんですよその中でもエミーだけ は別でGIにも世話女房みたいなところが あって気に入られたもんですよあらさんは そういう日本的な親切な女を喜ぶんですね 主婦は笑っ たそこで定子はエミーの人証を聞いてみ たすると主婦の言う特徴は天子が見た久子 の顔にそのままであっ たありがとうございまし た天子ははがきを主婦に返し たこのはがきを見たのは天子だけで ある室室田社長も知ってい ないしかしそれは問題ではないのだ 室田社長も田沼久子の全身をここに来て 確かめて帰っているただ天子はそれを証拠 ではっきり確認しただけなの だ定子は駅の方に向かっ た予想していたことだが田沼久子がかつて の米兵相手の夜の女だと確かめた今は暗い 気持ちだっ た北国の海岸に立っている久子の家が帝 STの目に浮かんだ そこでひっそりと百勝をしている久子の姿 と原職づくめの派手なみをして米兵と腕を 組んで歩いている久が彼女の頭に工作し [音楽] た天子が家に帰ると近所の持ちでついた 正月の持が届けられてい たもう夜に入っていて伝統の光の下で持ち のが光ってい た持を見るたびに帝は幼い時の気持ちに 帰る立川で聞いた持ちきりに蘇っ たどこに行ってたの母は訪ね たちょっとお友達を尋ねてきまし た天子は実際のことを言わなかっ た余分なことを母に言っても仕方がないと いうのが本音だった話すのには気分が 重い母も定子が友達の家を訪ねたというの は嘘だと思っている らしいしかしそれ以上には何も聞かなかっ た夫を失った娘が今何を考え何をしようと しているか母は母なりに想像しているよう だっ た天子は自分の部屋に入っ たもう自分の部屋と呼ぶことはないと思っ た部屋で ある一の失踪が彼女をまた元の自分の家に 戻したの だ母の心遣いでアパートから引き取った 道具の一部が娘時代の通りに並べて あるしかしやはり以前の空気とは違ってい たどこかでそれは切れているので

あるこの切れた線はそのまま羽原健一の 失踪とつがる断層だっ た室田社長は今頃どうしているであろうか 子はバの住を見ながら考えて いる室田社長は昨日の朝金沢を立ち昨夜 東京に着いたはずだそして今日になって 立川に行き帝STと同じコースを先に歩い た今頃はまた記者に乗って金沢に帰って 行く途中かそれとも車の用事をしているか 帝は様々な想像をしたが室田社長が黄昏れ 時の東京の町を田沼久子の即席を求めて 彷徨い歩いているような気がしてなら なかっ た室たは田沼久子とどの程度交渉があった の か彼は久子と健一との関係を果たして知っ ていたのであろう か憲一が久子と同棲していたことはもう 疑うことのできない事実だが室田社長は それを承知の上で久子に近づいていたと 思えるなぜとうと一が死んで後室たは田沼 を自分の会社に引き取った一が死んで急に さを知るわけがないのだからさとの関係は 剣一が生きている間からのことに違いない すると当然室たは田沼久子と剣一との同性 を知っていたことになるので あるこの場合室たの位置をどう設定して いいのか普通のいわゆる三角関係だとする とと室たはしばしば田沼久子に会ってい なければならないしかし久子はのの西海岸 の家にひっそりと暮らして金沢に滅多に出 られないはずである四十忙しい室たちと 彼女との会う機会はないはずだっ たではどうして2人の間に特別な交渉が 成立していたのか金沢を中心として活躍し ている室田社長と寒い漁村で四家にこって いるを考と時間的にも空間的にも2人が 出会う点は見い出せなかっ たすると室たと久子の関係は健一が久子と 同棲する以前に遡らなければなら ない久子が立川から身を引いたのは見せて もらったはがきの日付が示すように7年も 前であるだから健一が久子と知り合う以前 に久子が室たちと知り合った一時期があっ たと考えるのが自然である その時期とは久子がのの実家にこる前に 金沢に出て生活していた頃があったのでは なかろうかそうでなければ室たちと出会う 機会は絶対にないと思われるので ある順序を立てて考えると久子は立川から 自分の家に帰って1年か2年を過ごした後 金沢に出てき たその時に室たちに出会ったそこで何らか の交渉ができそれがしばらく続い たその後久子はA広告者の金沢出張所主人

になっていた憲一との交渉が始まり室たち の方とは遠ざかって剣一と同棲し たしかしやはり前の関係から室たちは久子 の生活を知ってい た知っていたという考え方はこの場合久の 方が時々室たちに会っていたということに なりそう だ室たの方では子のことが諦めきれずに 剣一が死ぬとすぐに彼女を自分の車に 引き取り金沢に済ませるようになったので はあるまい かこういう風に考えなければ室たちと子と の間は分かりようがないので ある剣一の失踪を追っていた本田はこの 関係をどの程度知っていたので あろう彼は帝国にはほとんど自分の考えを 述べたがある部分は隠していた あの晩も遅くなってから旅館に電話をかけ てきて今夜は遅いから伺わないが例の 受付けの女のことでちょっと面白いことが 分かりそうですよと言ったそしてはっきり したことは明日にならないと分かりません とも言っ た本田はその翌日あった時に田沼久子の 履歴書などを見せ たその時は彼女の夫そマ三郎のことを話し たが古にあった最初は本田も履歴書の通り 信じていたに違い ないしかし帝ことが後で気づいたような ことを本田はもっと先に知っていたのでは なかろう かつまり健一がソ正三郎であり久子が室田 社長と何らかの交渉があったことを 探り出していたと思うの だ本田としてはその調査の途中全部を帝 ことに話しにくかったのであろうことが帝 ことの夫の剣一に関わる暗い部分だけに 言いにくい分は後の調査をそうまとめして 裏付けをした上打ち明けようという気持ち があったと 思うところが本田はその追求の途中で東京 に出て杉の友ことと変名した田沼久子に 殺され た田沼久子が本田を殺したのは彼女の秘密 に本田があまりに近づきすぎたためで ある何度も考えた通り彼女には本田を殺さ ねばならぬ秘密があったわで あるそれが帝にはどうしてもわからない仮 に田沼久子がその全身がG相手のパンパン であり室田社長と秘密の関係があったとし てもそのことが暴露したくらいでは彼女に それほどの打撃とは思え ない無論女性としては不真面目である けれども本田を殺すほどの同機にはなり そうに

ないそれほどに彼女が自分を防衛しなけれ ばならないものがあるとすれば それは一体何で あろう思考は前に帰り堂々巡りを する帝ことは前に久子が本田と宗太郎を 殺したのは剣一の休止に関わっていると 考えたことが あるそれはもし剣一の死が多だとすると その真相に迫った宗太郎も本田もその発覚 を恐れた犯人つまり久子の手によって消さ れたとも考えられるからで あるだから剣一の死は自殺でなく誰かの手 で殺され自殺を予想はされたと考えたこと があっ たしかし自分で考えたその推定は自分で 打ち消したの だ何よりの壁は剣一の自殺の状況にはどこ から見ても多の線がないということで ある彼は死の直前に環境を整理してい た警察との長所を見ても現場では自分の 遺品を整理し衣装を書き残して死んでいる 巧みな他殺では犯人が遺留物を自殺の状況 に整理することはあり得るしかし本人の 実質で意思を書くことは絶対にできないの で ある色々考えることがあって生きていくの が辛くなっ た詳しい事情は何もお前に知らせたくない ただ僕はこの反問を抱いて永遠に消える ことにするという衣装の文句を今でも帝 ことははっきりと思い出すことが できるしかし帝ことは思うので ある憲一は同僚の本田に11日の3時頃 今日は高岡に行って明日金沢に戻り東京に 帰ると言い残しているこれも剣一の偽装で あろうかそうは考えられないので あるその言葉が一の本音だったと思うそれ に現に帝ことは12日に戻るからという絵 はきを剣一から受け取っているので ある彼はニズの帝STを愛してい たその帝STにまで嘘を言ったとは信じ られないのだそれに新婚旅行で真州に行っ た時彼が示した愛情には偽りはないと帝 ことは今も信じて いる彼は金沢の出女主人から東京の本に 呼びかされたことを心から喜んでいた東京 で帝STと家庭を持つことをあれほど 楽しんでいた検一である自殺の理由は考え られないので ある彼の等身自殺が仮に久の長い同性生活 を生産することができず反問の末衝動的な 精神作らから突発的に行われたとしても あのような衣装があるのは不自然で あるそのような場合は衣装も残さずに死ぬ のが普通ではなかろう

かこの壁が帝STの前にびくともしないで つったっていたがここでもまた考えるの だ本田はこの壁を打ち破っていたのでは なかろう かそういえば本田の推測はいつも帝ST より一歩前を歩いていただから本田が帝 STの壁をすでに突破していたと考えても 不自然ではない かってその壁を破ったために彼は久子に 殺されたことにはならない か帝ことはここまで考えて思わず胸が 高ぶってきたそれなら久子が剣一を殺した の だそう考えなければ久子が本田を殺す理由 がないまた本田と同じような追求の線を先 に歩いていたと思われる義兄の宗太郎をも 殺す理由がないので ある2人が殺された原因は追求の共通から 出会っ た例えば久子が剣一を殺したと考えると その家庭の元で理由はそれなりに成り立ち そうであるなぜかと言うと剣一の心はニズ の抵抗を得て久子から離れてい た久子は剣一を自分から話すまとし たこのまま彼が東京に帰ってしまえば彼女 との生活は永遠に消えてしまうので ある彼女は剣一の本名を知らずあくまでソ 正三郎と信じてい たしたって剣一がA広告者の社員である ことも知らずましてや彼が東京で新しく 結婚したことも知ら ないしかしとにかくソマ三郎が彼女の前 から消えることは永遠の別であることを 知ってい た久子はそれが我慢できなかっ た 彼女は剣一を誘って喉の段階場に立ち海に 突き落として殺し自殺を予想わせたのでは ない かそれならそれなりの理由がつくので あるしかしやはりそれも不自然で あるなぜならそれでは剣一があのような 衣装を書くわけがないの だまたしても衣装のことが壁となって彼女 の前につったって いる 母が覗きに来て1人で座っている帝STに 餅が焼けたから食べに来ないかと誘っ たえありがとうでも後でいただく わ定子は静かに断っ た母もそれなりに進めようとはしない暗い 電気の下でつねと火鉢に手をかざしながら 考えているの姿を見て後の言葉を飲んで 去っ たとにかく本田は定子よりずっと先に事件

の追求の確信に入ってい たその本田が久子に殺されたのだが彼は 久子が東京に行ったらしいことを漏らして い ただが彼が久子の居場所をどうして知った ので あろう本にはそれを調べる時間はなかった はずではない か子がアパートを出てく机をくらましたの は25日の夜で ある本田がそのアパートに行って久子の 失踪を知ったのは翌26日の朝だっ たその晩に本田は東京の本社に社用がある と言って夜行で立って いるそれは帝ことが金沢駅に見送ったこと であっ たすると本田の時間は久子の失踪を知った 26日の朝から夜行で経つまでの数時間に 過ぎない その間に本田が久子の東京でのアパートの 住所を知りさらに杉野智子という久子の 仮名をどうして知ったかなるほど本田は帝 ことが知らないことをたくさん知っていた と 思うそれにしても久子が失踪した直後に 本田がその東京でのアパートの住所と仮名 を探り出す余裕はなかったはずで ある満一その時間的余裕があったとしても それはどのような調べ方によったので あろう かそれはやはり本田が調べた上でそれを 知ったという考え方よりも彼が第3者から 久子の行方を教えてもらったと考えた方が 自然ではなかろう かそれなら時間的に余裕がなくても可能だ し面倒な調査の手間もいらないはずで ある今にして思えば本が26日の晩慌てて 社用ができたと言って東京に行ったのも不 自然である 無論何かの社用はあったであろうだがそれ は彼の目的から言えば従属的なもので実際 の狙いは田沼久子の捜索にあったに違い ない急遽として彼女の失踪を知ったその晩 に立ったことも本田が誰かから彼女のこと を聞き出したからではあるまい か本田はホームで出発前に帝STに語っ た3日もしたら僕は帰ってきます多分その 時には田沼久子のことももっとはっきり すると思います帰ったら早速この事件を 追求し ますその時の表情は自信に満ちてい た抵抗をただ慰めるだけとは思われ ないその時本田はこうも言っ た久子は昭和22年から26年まで東京の 東洋商事という会社に勤務していたと履歴

書にあるそれで僕はまず東洋商事という 会社に行ってみるつもり です帝ことはその時本田が広い東京でどの ようにして田沼久子の住所を突き止めるの かと考えたが本田はその商事会社から 手がかりを掴むと言っていたので あるその時は納得したが今はそれが ナンセンスであることが分かっ た本田は東洋商事などは問題にしてい なかったので あるその方が分かればそれを1つの裏付け として使うつもりだったのかもしれないが すでに彼の頭の中にはまっすぐに東京の アパートの杉野友子のところに行く予定が 立っていたので あろうそのことを稽古に隠して打ち明け なかったのは本田は全部を確実に知った上 で話したかったので あるでは誰が本田に杉野友子の仮名と彼女 の住所を教えたの か考えるまでもなかっ 室田社長以外に ない室田こそさに最も親しい人物であり 彼女を最もよく知っていた男で ある室たちが彼女に逃走の指示をし アパートを指定し杉の友子の仮名を命じた とすれば本田が室たからそれを聞くのは 即座のことで ある室たが本田に話したという理由はがた にの追求を打ち明けたからだと 思う久子が追求されることは同時に室たに とっても共同の危機であっ た本田は杉の智子と名乗った久子のとろに 行き思想に出された毒入りウイスキーを 飲んで死ん だこの時室たちの方では本田に久子の居所 を教えたことで当然本田が子を訪問する ことを良していたの だこれはが本田に示唆を与えて子のとへ 行かせる計画だったの だそこで室たはあらかじめ毒入りの ウイスキーを用意して出発するさに与え もし本田が訪ねてきたらその接待にこれを 飲ませようと言ったと する久子はそれが毒入りウイスキーであっ たとは知らなかったで あろう彼女は室田の指示通り東京の アパートに訪ねてきた本田を退するのにそ のウイスキーを用い た本田は久子の前で倒れたので あるひさ子は目の前で突然怒った本田の死 を見て驚いた彼女は慌ててアパートを 逃げ出しその日のうちに記者に乗って金沢 に戻ったの だこの場合久と室たちが凶暴していて

ウイスキーに毒が入っていることを子が 知っていたという見方もあるが子の老した 逃ぶりがそれを否定させで あるもし久子に毒入りのウイスキーだと 分かっていればもっと手際のいい殺し方が できそうで ある東京のアパートには彼女の持ち物も置 きっぱなしであっ たその晩に久子が慌てて金沢に戻るのも不 自然で ある毒入りを余地し計画的な殺人だったら 彼女は金沢に戻るよりももっと別な方向に 逃げるのが自然ではなかろう かつまり久子としては思いがけなく目の前 に本田が倒れたことで室たから持たされた ウイスキーに毒が入っていることを初めて 知り室たのところに慌てて駆けつけたと いう解釈が自然で あろうその時の彼女の気持ちは複雑だった に違い ない一方室たしはひさ子が色を失って慌て て金沢に帰ってくることを良きしていた その時の準備が室たの方にはできていたの で ある兼ねて久子と室たとの連絡は必ず金沢 市内のある場所が使われていたと 思う久子は東京から戻った時にいつも使う 連絡の場所についたで あろうそこから電話で室たを 呼び出すその時室たはどう行動した かはしたように子の連絡を受け沢にがを 表しては危険であるからすぐに剣の方に 行けと指示したので あろう子は気持ちも同点しことに自分の 出したウイスキーで本田が倒れたので極度 に警察の追求を恐れて いるこうなると彼女は室たの指示に黙って 従うより他なかっ た子はその隠れ場所から北陸鉄道に乗り剣 の町に降り たそこでも室たは待ち合わせるを指定した に違い ないしかしその待ち合わせ場所は旅館など ではなかっ た金沢と違って剣のような田舎では外来者 は土地の人の注意を 引く室たちが一目につきやすい場所を選ぶ ような愚かなことはしないはずで ある室たはいつも金沢に居住しているから 近くの剣の町の土地は十分に知識が あるもそのありの理には経験がが ある2人は最も一目につかない共通のある 場所を選んだに違いなかっ た多分日が暮れて村人の通らない寂しい 場所が指定されたと思うそして久子がまず

先に立って待ち後から室田社長が密かに その場所に行っ たこう考えるのは不自然であろう か実証はあるので ある例えば本田はの入ったウイスキーで 死んだ羽原太郎も同じく生産借入りの ウイスキーで殺されて いるこの毒入りのウイスキーの瓶を用いた ことは両方とも全く同じやり方で あるそういえばもう1つの共通点が ある田沼久子は剣の街外れの段階の上から 手取川に落ちて死んで いる剣一はのの西海岸の段階の上から懐中 に転落して死んだ2つの死の掃除が2つ とも1人の人間の手口を思考しているので ある帝ことはここまでの考えを整理してみ た羽原憲一はその最後の状況から見ては 自殺であるが帝STの直感としては多の ような気が する無論そう考えるには色々な矛盾がある がこれは後で解決するとしてとにかく彼の 自殺には何かの謎が含まれていた やがて羽原宗太郎が弟の剣一の死の真相を 調査に来 た彼はある程度まで弟の金沢における二重 生活を知ってい た従って剣一の死の真相を嗅ぎつけたこれ を誰かがここでは仮にXと 呼ぼうそのXが彼を剣におびき寄せて殺し たこの時太郎の横に一緒ににいたという女 はまず田沼久子と考えて間違いはないで あろうしたって久子とXとは共犯関係に あったかもしくは久子の方がXの手先に 使われていたかもしれないので ある宗太郎はなぜ迂闊に剣に久子と一緒に 行った か蒼太郎はまだ剣一の死を確認できず士に ついては半神半疑であっ たは一が剣にいると言って誘ったと 思うこの時は剣一は喉から剣の隠れがに 移っていると久子は嘘をつき蒼太郎に 信じ込ませ た蒼太郎は剣一に合わせてくれと言っ たそこで久子は彼と剣に行き剣一を呼んで くるからと言って宗太郎を旅館かやに待た せ たその時に生産借入りのウィスキーの ポケット瓶を与えたのである 太郎が宿のものに人を待っていると言った のはこの事情で解釈が つくさこのこれらの工作は全てXの企画で あったと 思うXは宗太郎を殺したが次に追求して くる本田がい た宗太郎を殺したと同じ理由で次の殺人を

しなければならなかっ たつまりXとしてはが本からまれてことを 幸に彼女を東京に逃走させ たホダはXから示唆を受けコの東京におけ る住所と仮名を知りその後を追っ たXはそれを計算に入れてい たさを東京に逃す時に本田の来ることを 良きして接待用に毒入りのウイスキー瓶を 持たせ たこの場合Xは本田がウイスキーを嗜む ことをていた人物で あるひは毒入りのウイスキーとは知らされ ていなかったので彼女は本が目の前で倒れ たのを見て慌ててその前後作を 打ち合わせるために金沢に逃げ帰っ た1つはxがウイスキーに毒を入れたこと に対しての質問であり1つは関家の追求 から逃れるため彼の保護を求めたので あろうXは常に久子と連絡場所を持ってい た久子はそこからXに電話をし たXは久子に北陸鉄道で剣に行って待つ ように言っ たそれらもことごとく久子を東京にやる時 から彼のプランにあったことで ある打ち合わせた場所にXは行っ た多分時間的に行ってそれは夜だったに 違い ないあの辺りの寂しいところは滅多に 人通りも ない2人はに触れずに現場に差しかかっ たこの時xは久子を次のように説得したに 違い ないホンダ殺しの疑惑が久子にかかって いるから当分お前はこの辺りの田舎に身を きめているが良い知った家があるからそこ へ連れて行くとでも言ったので あろう久子はそれを信じ た2人は手取川眼の岩壁の上の村道を歩い たこの時xは被を引き立てて段階の上に 引きずり突き落としたのであろう 突き落としたとすると等身したと同じ状況 になるので あるここまで帝STは考えたそして自分で 唇が白くなるのを覚えたので あるはと思っ た剣一はのの西海岸の段階から投げをした げをした後の状況は後ろから誰かね 突き落とされたと同じで あるこれは後の久子の場合と全く条件が 一致して いるそうだ夫の剣一は誰かに後ろから 突き落とされたので ある剣一が自殺の衣装を書いた現場には靴 も揃え手帳やその他の所持品がきちんと 置いてあっ

た誰が見ても現場は自殺の証拠が揃って いる犯人は一自身をその状態にさせておい て剣一を段階場から突き落としたので ある帝ことはのの階の上に立っている羽原 健一の横に1人の男を想定して いるそれは室滝作 だ剣一と室たの間には単に得意先と広告 取り扱い点の社員との間柄ではない帝ST は前に本田からこのようなことを聞いた ことがある 室田さんは羽原さんがよほど気に入った らしく1年ぐらい前から広告の出行量が急 にそれまでの2倍に増えていますそれも 羽原さんの努力で開拓したのですと言い また羽原さんは室田さん夫婦とも親しくし ていたそれは外交というのはそれくらいの 食い込みがないと理想的な手腕とは言え ないという意味も言っ た帝はその時一にそれほどのがあったのか とちょっと驚いたくらいで ある帝ことの知っている剣一は大人しくて どちらかといえば陰気な方であった決して 明るい社交型では ないやはり男というのは職業については女 の知らない別の面を持っているのであろう と共したものであっ たそれを今思い出しているその素朴な驚き とは別な理由を彼女は一にっ い商売上の外交案で剣一は室たちと 結びついてはいなかったの だ健一と室たとの間には他人の知らない 何か深い繋がりがあったと 思うそのために室田は剣一に前任者の時 よりも2倍の広告出行をし たその繋がりとは 何か帝ことはそれを田沼子を間に置いて 考えているその複雑な深い結びつきがある のだから剣一が死を覚悟して段階の上に 立ったとしてもその背後にムたちがいると 考えるのは不自然では ない何かがこの2人をその場所に一緒に 立たせたの だその結びつきとはおそらく剣一が金沢に 不妊してから室たちとの間にできたもので あろうなぜなら帝は義兄夫婦からそれまで 1度も室たについての話を聞いたことが なっ た東京でできた関係ならそれほど深い 交わりをしている室たちのことを一言 ぐらい兄なり姉から漏れるはずであっ た実際姉を連れて金沢に行っても室たちの ことを姉は知らなかったではないか宗太郎 も一言も言わなかったではない か宗太郎が室た負債の存在を知ったのは 剣一捜索の途上であったと

思うから一と室たとの密かな関係は一が 金沢に来てからの結びつきであり義兄夫婦 はそのことを知らされていなかったことに なる剣一は室たのみならずその家庭に 出入りして夫人とも親しかっ た室たち夫婦は憲一とよほど実感だった らしく帝ことが憲一の失踪後夫のことを 尋ねに言っても真味になって心配してくれ て いる人は知的な美しい人であっ た金沢の明雄夫人を牛耳っているだけの 知性と積極性を持っているのは帝ことにも ちょっとあっただけでわかっ た夫人はそれなら剣一と室たちの関係を 知っていたのであろう か夫人が剣一を艦隊したのは単に夫の関係 でギレ的にもてなしていたの か帝はふと思っ たあ な婦人だからあるいは夫の室たちと一との 間に気づいていたのではなかろう か室たちが夫人にそれを打ち明けたとは 思われ ないしかし夫人のそう明さは夫と剣一の間 に改している田沼久子を知っていたとも 考えられるので ある夫人があれほど真味になって帝STの ことを気遣い剣一の失踪に関心を持ってい たのは彼女が何かを夫のの態度から知得て いたからではなかろう か夫人のそう明さを思うと帝ことはそう 考えるので ある夫人と社長は年がかなり 違う本田の話によると夫人は室田大下レガ 会社の東京での取引先のある会社で働いて いたという当時前の夫人は病院であっ た室たは今の夫人を愛人として新に置きが なってから正式に家に入れ た室たちが夫人を深く愛していることは帝 ことにもその様子で分かるのであるが社長 は一方では田沼久子とも関係を持ってい たそのことは同じ久子と剣一と帝ST自身 との関係にも掃除しているので [音楽] ある晦になった明日は新しい年である 寂しい正月 だ義の家は中なので年始の霊はない帝こと も剣一のことがあるので暗い正月を迎えね ばならなかったが母の勧めもあり年始に 行かない代わり天子は姉のとろに挨拶に 行くことにし た青山の家も久しぶりであっ た金沢の駅で別れて以来姉に会うのは 初めてだった会った時の姉は思ったより 元気だっ

た金沢で受けた彼女の打撃も時間と共に 多少は薄れたようで ある金沢で別れた時の姉の悲から押して 彼女はやりきれない気持ちできたが姉の顔 は思ったより明るかっ た姉は持っている本来の性格に戻った感じ であっ たやっと落ち着いたの よ姉は帝STに言っ たあれからお葬式だの後始末だのそれは 大変だった のすみませんでし た帝こはお詫びたお兄様のお葬式にも伺え ない でいいえそんなことあなたはあなたなりに 大変ですものどうその後健一さんのことは まだはっきりしません 定子は目を伏せたこれまでの経緯を詳しく 姉に話す気にもなれ ないそうそれは困ったわ ね姉も眉を寄せて憂鬱な顔をし た彼女も剣一がすでに亡くなっていること を予想しているようだが今日はそれを口に 出すのを遠慮している風だっ た今日はゆっくりしてらしていいん でしょう姉は抵抗をきたそうににした ええ定子は明るい日差しにぬくもるた座敷 を見回し たクレの掃除も住んでいるらしくその辺り は綺麗に片付いてい た坊やたちは定子が聞くと子供2人は遊び に出ているという返事だっ た姉もこれからは大変で ある生活のこともあるし子供の養育のこと も あるテコは姉の姿を見守っ た今それを口に出すのは心が重かっ たその話には触れないで今日はただこの姉 を相手に一時をのんびり 過ごそうその方が姉の気持ちも紛れお互い が助かると思っ た姉は色々なご馳走を出してくれ た年始の客は受けないがやはり正月の料理 は作られていた しばらく2人の間に金沢の話が続い た姉にとっては悲しいが初めての土地だっ たので今は何かそれを懐かしむような 気持ちのようだっ たそのうち玄関に来客があっ た姉が出て戻ると主人の会社の人なんです 帝国さん悪いけどテレビでも見て待ってて くださらないええいいわどうぞ悪いわね後 でゆっくり ね姉はそう言って玄関に引き返し た来客を別な座敷に通す声が聞こえて

いる静かな住宅街の一角なので外からの人 の声はなかっ た畳の上に半分ううと明るい日が当たって い たテコはテレビのスイッチをひねっ たチャンネルはそのままにしていたのだが 画面は中年の主婦が2人と男1人が テーブルを囲んでの座談会であっ た主婦2人は新聞雑誌などで見覚えが ある1人は評論家で1人は小説家であっ たある新聞社の主婦問題の論説委員が司会 をして いる途中から聞いたのだからよくわから ないが何でもテーマは終戦直後の夫人の 思い出といったものらしかった 終戦後もう13年になりますが13年と 言いますと10年一昔の一昔以上になる わけですもう10代の人など終戦直後の ことを知らないと思うんですでこの辺りで 柿内さんに当時の夫人のことを少しお話し していただきましょう か司会者は言っ た夫人評論家はそれに答え たそうですねあの頃はアメリカのが来ると いうので婦人たちはみんな先々教としてい ました ねしかし局地的には相当のトラブルもあっ たようですが大体に行って恐れたような こともなく無事だったように思い ますそれにアメリカ兵が真摯的というより も非常に女の人に親切だったということが 当時の夫人にはちょっとした驚きでは なかったでしょうかそうですね女流小説家 は薄い唇を動かして発言した それが当時の女の人に逆にある自信をつけ たと思うんですそれまでは日本の男性は 非常に応募で勝手なことをしていたと少し 笑っ てところがアメリカの兵隊を見て女の人 たちの男性に対する見方が変わってきたん ですねいわばそれまで男性の前に屈だった 女性が急に地震を取り戻したとは言えない でしょう かそうですなと司会者は合槌を打っ た当時男性がだらしなくてすっかり配線に よって自信を喪失していましたからねその 点では女性の方が男性より初々としてい ました よその点はと評論家が引き取っ た抽選後の34年間というものは日本の 男性の地震喪失だと思うんですそれに 変わって日本の女性がアメリカ軍の前面に 押し出ていし立ちしたと言えます わ確かに女の方は今までとは見違えるよう に行動的だったようですねそれは1つは

男性が意承知していたことからも言えます が1つはあのモンペ姿の憂鬱な時代が過ぎ て急にアメリカ的な華やかさを身につけた ことが心理的な活発な行動性を持たせたと 思うん ですそれはそうですねと司会者は頷いた 僕らから見てもメジかカスのフルモンペに していた暗い服装の夫人たちがいぺに赤や 黄色や青の目の覚めるような洋服を着た ことは確かに新鮮でした よそれはと小説家は赤ん坊のつくような くれた顎を動かしていっ た日本にまだ衣類がなかったし彼女たちの 北たもはアメリカのおせだったんですです から一部のGI相手の女たちが操った怪し げな米語と同じに服装の方もアメリカの 感化を受けたそのことが彼女たちの今まで の女性観念を叩き潰したと思います ね経済的な理由もありますわ評論家は言っ た評論家は痩せ小説家は超えてい た戦時中は物資がなく戦後はほとんどのお 金持ちや中産会が売りだったでしょうそう いった急激な環境の変化から転落していっ た女性がありますでも当時は案外転落と いう気持ちは彼女たちにはなかったのじゃ ないでしょうか少なくとも薄かったのでは ないかと思い ます1つは親切なアメリカ兵が女性の同形 だったような気がし ます今までいっていた日本人の男性が だらしなく無気力になっていたのでその 反発も大いにあったと思いますですから後 に職業化した売春婦は別としてその頃は そうした女の中に両家の市場が多かった ことも頷け ますそうですねと司会者は言っ たかなり共用もあり相当な学校を出たお嬢 さんがアメリカ兵のオンリーになったと いう話は僕随分聞きましたよあれから13 年も経った現在当時二十歳ぐらいの彼女 たちももう32さです今どうしているん でしょう ね私はと評論家は言った 案外立派な家庭に収まっている方が多いん じゃないかと思いますわそれはその転落の 状態でずるずると暗い生活に落ち込んだ人 もあるでしょうがその反面自分を取り戻し て今は立派にやっている人も多いと思うん ですそれは考えられますわねと評論家が 言っ た後になるとそういういわゆるパンパン 連中は固定されましたが終戦直後はかなり な女性も混じっていましたからね女子代を 出た人もかなりいましたでもそういう人 たちはみんな立派に構成していると思い

ますわもう年配も35録ですから おっしゃるように案外幸福な結婚をして 落ち着いた生活を送っているように思い ます ねしかしどうでしょうそういう時に結婚し た相手にいわゆる全身の打ち明けがある でしょう か司会者が聞い たれは微妙な問題です ね太った小説家は細い目をチカチカさせて いっ た平和な結婚生活のためにはそれは言わ ない方がいいんじゃないでしょうかそう いう職業に入ってすぐ結婚した人は別とし て一度足を洗ってまともな職業につきそこ で知り合った男性と結ばれた場合は大抵 秘密にしていると思いますねでもこの秘密 は許されていいと思いますそれはそうです ね評論家は合槌を打っ たまあ当時の日本は配線直後で全体が悪夢 のような時代ですからその人たちにとって は気の毒なことですでも自分の努力で後の 生活が作られていたらその幸福をそっと 守ってあげたい気がし ますそうです ね同時に他の2人が頷い た今見ても一般に相当派手な服装が多いん ですが当時の名残りはありませんね司会者 が言っ たそうですねやはり物資が豊かになり衣類 が豊富になって自分自身の色合いを好む ことができる状態になったからでしょうね それと当時から見て女性が流行をすっかり 自分のものに消化してそれぞれの個性を 出すようになったと思うんです前にも おっしゃったように当時は向こうのおせ でしたから ねでも今でも時々 あの頃とそっくりな服装の女性に会います よそれはやっぱりその職業の人でしょうと 評論家が言っ た現在その世界から遠ざかった人はかって そんな服装から離れたものを着ていると 思うん です座談会の話題はそれから色々と続いて いる最近の服装の傾向といったことから 男女関係のあり方といったものが賑やかに 話題を伸ばししていっ た定子はその後の方はもう耳に入らなかっ た聞いていた今の座談会の話の途中で彼女 の顔色が変わっていたのだっ [音楽] た天子は朝金沢に着い た韓日で駅前の食べ物店だけは開いていた が町は正月らしく通しめていた

薄い雪が積もっている金沢に来たのもこれ が3度目であっ た空は灰色の雲が切れたり続いたりしてい た日の加減で街の屋根の一部に日差しが 移動してい た駅は混雑していたほとんどが正月客で スキー客も大勢混じっていた昨夜の記者の 中でも東京からのスキー客の騒ぎで半分は 眠れなかった 定子はなかなか拾えないタクシーをやっと 捕まえて室たちの家に向かっ た例の高台の坂道にも雪があっ たどの家の前にも松飾りがあって古い城下 町らしい気分が出ていた帝ことは元日と いうのに暗い用事で駆けつける自分が哀れ になっ た室たちの家の玄関でブザーを鳴らすと 女中が出てき た正面には名刺受がれて あるこの前と同じ女中だったが今日は やはり正月らしい綺麗な支度をしてい た社長さんにおめにかかりたいんです けど定子が言うと女中は丁寧にお辞儀をし た後で答え たあの旦那様は昨日からオルスでござい ます がどちらにお出かけでございましょう かは室たがまた京に行ったのではないかと 思ったがそうではなかっ た毎年の例で和倉温泉にお出かけでござい ますワというのは金沢から記者で2時間 余りの距離で能半島の東側の中央部にあっ た室たの工場がある七尾の近くだった前に 久子のことで本田が訪ねて行ったのもその 工場であっ たそれでは奥様はいらっしゃいましょうか 定子が聞くと奥様もご一緒でございますと 女中は気の独走に答え た夫婦で例年年越しのためにその温泉に 行っているので あろう帰りは23日後かもしれない定子が そのことを聞くと女中は4日でないと帰っ てこない予定だと言ったあの宿は分かって います かこれからすぐその宿に行ってたに会う だっ たはい分かっており ます女中は前に帝が訪ねてきて顔を知って いるので素直に宿の名前を言っ た室たの家を出てから天子はまた金沢の駅 に向かった昨日雪が降ったのでその大地 から見える白さの山が薄黒い雲を背景に しく浮き出てい た金沢から記者に乗り帝は倉泉にあっ たこのローカル線も正月客でいっぱい

出会っ たほとんどの客が和倉温泉に向かうらしい ので あるこの線に乗るのも帝STは3度目で あっ た最初は自殺死体があるという警察からの 連絡でこの線で西海岸の高浜に向かった ものだっ た2度目はその高浜の街外れに田沼久子の 家を探していっ た2度とも途中の白衣の駅で乗り換えたが 今日はそのまま乗り続けて北の方に向かう ので ある途中で寒そうな水が見え た次の駅で窓から覗くと小水から取れた魚 をかに入れて飛車に乗り込む人があっ た見覚えのある白衣の駅を過ぎると知事 金丸のべと小さな駅に次々と 止まるこの辺りまで来ると片側に大きく山 が迫り 始める見知らぬ小さな駅を過ぎるのが何が なしの日合があっ たホームの雪の中で女役がタブレットの輪 を振って動き出す汽車を見送ってい たホームから駅の方に向かっていく女たち は大抵ほとんどが黒い角巻きをまとって背 をかめてい たその群れの中にはどの駅でも魚の行商人 が混じっていた帝STは窓の外をぼんやり 眺めながらこれから会う室たち夫妻のこと を考えて いる青山の姉の家で聞いたテレビの座談会 の話から彼女にある思考が始まっていたの だ座談会は終戦直後アメリカ兵相手の特殊 な職業に落ちた女たちの中にも今は立派に 構成して平和な家庭に収まっているものも 少なくないというような話をしてい たこれが帝の目を開かせたと 言える今まで彼女の前に塞がっていた熱い 壁がその話を聞いた瞬間崩れ去った崩れた 壁から姿をはっきり見せたのは田沼久子が その1人であったそれは久子だけではない 天子はもう1人の女性を見 たその存在は今までまるで考えても見 なかったので ある帝は今まで室た作を犯人だと考え がそれは謝りだったのだ室たの代わりに 婦人の子を置き換えたのであるすると全て がすらすらと解決できるのである夫の剣一 は以前同僚の母警部保にGI相手の パンパンには無知なものが多いが中には しっかりしたのがいるかなりの教育を受け た頭のいい女もいるだんだん接触している と顔馴染みになったり 彼女たちの質がよくわかると言ったという

帝が早山警部法を尋ねた時に彼から聞かさ れた話であっ たその頭のいいしっかりした女を天子は 室田夫人幸子に当てはめたので あるさち子の全身はよく分かっていない 彼女は室たちの2度目の妻である東京の ある会社に女務員として働いていた時取引 場のことで訪れた室たに会い室たに認め られその愛人となっ た室たの繊細が死んでから制裁に直された と聞い た剣一は立川所の風気がかりの巡査をして いたその頃彼は多くのその主の女性を扱い 彼女たちを知ったしかし中にはただ 顔馴染みというだけで名前も情もろに知ら ないものも少なくなかったで あろうその1人が田沼久子であり別の1人 が室田幸子であると帝は考えて いる憲一がA広告者の金沢出張所主任と なって北陸地方を回っている時偶然に立川 時代に知った久子と出会ったと 思うこの時久子は剣一の顔は知っていても 実際の名前は知らなかったであろうそうで なければ三郎の一の偽名工作は成立しない まだとの結婚話の持ち上がらない前の剣一 は子と開したことで独身生活の環境から 彼女との同性生活に入ったので あるこの場合剣一にも久子と結婚する意思 は初めからなかったのだだから彼は久子に は自分の使命も職業も偽ってある会社の 外交員と称し名前もソマ三郎になっていた のであるところが一は一方その仕事上の 外交から室たちと知り合いその信用を得て 夫人の幸子とも出会っ たそれは多分室田夫人が夫の会社に 立ち寄った時で あろうこの時健一と室田夫人は顔を 見合わせてその再会に心の中でどのように 驚いたことで あろうがその驚愕が次第に恐怖に変わった のは夫人の幸子の方であっ た婦人の幸子は全力を隠してムたちと結婚 し現在では金沢地方の有数の明雄夫人と なって いる彼女は自分の暗い過去を知っている 人間に突如再開したことで不安と恐怖に 駆られ たしかし剣一は室田夫人に対して何らの 特別な意識はなかっ たおそらく彼は構成した彼女いや明雄夫人 となっている彼女を見い出してその幸福を 祝福したに違い ない立川時代の2人は一警官と一売春婦の 関係に過ぎなかったいわば久子と同じよう に顔馴染み程度であったので

あろうだが再開して後の2人の関係は ほとんど簡単ではなかっ た室田夫人は剣一に特別の意識例えば彼女 の全身を人に言いふらすか脅迫するとかの 悪意のないことを知ってやや安心したに 違いないがそのために憲一には特別な行為 を見せねばならなかっ た明雄夫人となっているかつての売春婦は 憲一の口から自分の全力が暴露されること を死よりも恐れていただからこそ彼女は夫 の室滝策士を動かして剣一の仕事に女力を 与えたので ある室田大下連が会社のA広告者に対する 出行料が剣一が着任してから急に2倍に なった秘密がここにある 室田社長はもちろん何も知らなかっただ から妻の幸子が外交員の羽原健一に行為を 寄せていることを単純に解釈して彼も剣一 に行為を見せ た独身だった剣一が昼飯や晩飯に時々室田 に呼ばれていたのはこの理由からで ある夫人としては自分の全力の漏れるのを 防ぎたいばかりにその行為で剣一を防衛し たつもりであっ 剣一には初めからその気がないにもかわら ず幸子としては絶えず不安に青めていた ことで あろう彼女は今では人にも存亡される幸福 な生活を築き上げ地方でも女流名詞として 輝かしい地位を持つまでになっていたこの 栄誉と幸福を彼女は決して失いたくなかっ ただから剣一の存在は絶えず彼女の心に 青空に浮かんだ1つの黒い雲を見るような 器具を投げかけていたので あるしかし剣一自身にも1つの憂鬱があっ たそれは最初から結婚の意思なしに同棲し た田沼久子との関係で ある彼は金沢の出張女主人としての罪人が 1年か2年で終わることを知ってい た久子とも初めからその期間だけの同性 生活を考えていたのである だから後の面倒がないように自分の生命 さえ偽っていたの だ従って立川時代の風気がり巡査羽原健一 は久子とはただ単に顔を知られているだけ の間で互いに名前も崇も知らさなかった そうでないと彼の偽名は困難で あるここで帝は思うので ある健一と久子の同性生活も1年半にはっ た田沼久子はひたすらに同性者のソ正三郎 に愛情を深めていったで あろう彼女はその内炎の夫に定説を尽くし 心から支えたと思うその間には剣一の東京 の転勤の話が幾度かあった彼はそれを度々 断って

いるなぜせっかくの本社転勤を断ってきた かその秘密が今にして分かるのである 剣一は田沼久子の奉仕的な愛情にほだされ てその同性生活を振りしてことができ なかっ た初め剣一は計画通り転勤の任命があっ たらすぐにでもソ正三郎を失踪させ羽原 健一に帰って東京に戻るつもりだったのだ が久子のあまりの下向きな愛情に引かされ て逃げることができなかったので あるしかしついに一に子と別する決をさ せる機が来たそれは帝自身との結婚で [音楽] ある剣一から相談を受けた室田夫人は彼に 自殺を教えた自殺することによって子の 一切の追求が終わると教えたに違い ない無論それは偽装の自殺で実は東京に 帰るよう企んだのであるこの場合幸い久子 と同棲した剣一はソマ三郎という変名を 用いて別の人物になっていた従ってソ 正三郎が死んでも一方の羽原健一が疑わ れることはないわけである事実久子も剣一 をあくまでもソマ三郎であると信じていた 夫人はこれが1番いい方法だと一に助言し たで あろう一があの衣装を書いた秘密がここに あっ た彼はソマ三郎として衣装を書き全ての品 をきちんと現場に残して段階場から 飛び降りる状態を作ったので ある剣一は兼ねてから久子の家に行く時に は羽原のネームのついた洋服を着なかっ たそれは多分そのネームの洋服だったかも しれないしあるいはネームはなかったかも しれ ないいずれにしても原のネームは都合が 悪かっ たそれで金沢から野の西海岸の久子の家に 帰る時は健一はそれをクリーニング屋に 預けそマ三郎用の洋服とそこで交換してい たと 思う健一は月のうち10日は東京の本社に 事務連絡に帰ってい たつまりソマ三郎が出張した期間である後 の20日は金沢の事務所に至り北陸寺を交 して回って そマ三郎が久子の家に帰っていた時期で あるそれを知ったのは義兄の宗太郎であっ ただから憲一は自分の二重生活の秘密を ある程度宗太郎に打ち明けていたと 思えるさて健一は室田夫人の進めによって あるいはその指示によって一切の自殺行為 を準備し たそれは彼が5人者の本に今夜は帰れない が明日金沢に戻って起人するつもりだと

言い残して別れた日で あるその時剣一は一旦久子のとろに帰り その夜久子の家とあまり距離の遠くない あの段階の上に立ったので あるこの時剣一の傍に1人の人物がい たその人物こそ剣一の自殺の条件設定の 助言者であり海人である室田子であっ た幸子は剣一からその相談を持ちかけられ た瞬間彼女に1つのチャンスが来たと思っ たに違い ない全ての条件を自殺に予想わせて剣一を 殺せば少しも他から疑われることはない わけで ある段階に剣一を立たせ不にその体を海に 突き落とすばこれは誰が見ても自殺としか 見えないので ある殺人としてこれくらいうまい方法は なかっ た剣一の口を永久に封じてしまえば彼女は その位置に少しも不安を感じることなく 生涯を遅れるわけで あるその計画が剣一から相談をかけられた 時に起こったかあるいはその夜暗い段階で 剣一が一切の自殺の条件を完了した時に 不意に彼女の心に起きたかそれは定かに 判断はできない おそらく夫人がその気持ちを起こしたのは 後の場合であるような気が する最初の示唆は実際に剣一の立場に立っ ての助言であったろうがそのうちそれが 彼女の唯一のチャンスだと気づいた時幸子 に剣一をその偽装の条件の中で実際に消す 決心が起こったので あろうこうして一は全ての自殺の条件を 揃えておいて子によって中に突き落とされ たので ある発見された死体はソ正三郎として警察 官に確認され久子に引き取られ た警察への届けでもソ正三郎であり役場の 手続きも田沼子の内炎の夫ソマ三郎として 処置を完了し た全てが合法的にこの世からそマ三郎を いや羽原憲一を完全に消したのであった この時久子には夫のソマ三郎の原石地が 不明であったが内炎の夫の原石地が分から ないという例は最近ではひどく多いので ある役場ではひさこに原石地が分かった時 にはそれを届けて欲しいことを請求した だけであとは法律に従って埋葬を完了した ので ある帝ことは金沢に夫を訪ねてきた時 警察署に出頭して家出人や返人のことを 尋ね たその時に自殺が参件障害師が一件と変死 者の数を教えられただが自分の尋ねる羽原

憲一がその自殺者の中に入っていようとは 少しも気づかなかったので ある帝ことは今まで室田作を犯人と考えて い た第2の太郎殺しも第3のも大4の田沼殺 も犯人は全て室作であると考えていたが その想定を幸子に置き換えてみるすると室 たちの場合に考えていた条件がそのまま さち子に当てはまるのであっ た例えば剣一の失踪につきほぼ真相に触れ かけた宗太郎を殺したのも彼女で ある今まで久子が太郎を誘い出して剣の町 に一緒に行ったとばかり思っていただが それは違っているあの北陸鉄道の電車の中 で目撃された桃色のネッカチーフと赤い オーバーの女こそ実はさち子で あるさち子はテコも見て知っているように 日頃から洗練された服装をしてい たいつも趣味のいい和服だったそれだけに あの原職の想をしていた女を子に錯覚した のであった 幸子はなるべくその秘密の全身から 遠ざかった服装を選んだに違いないが 宗太郎殺しの場合にだけは再び元の職業に 近い服装を1日だけ使ったので ある金沢の駅から剣の町に蒼太郎と一緒に 乗ってきた幸子は天子が前に考えた通り その付近に剣一が久子同棲しているから そこへ案内しようと言って連れてきたので あろう そして太郎がすぐにけ一に会うのは何かと まずいから自分が呼び出してくると言って 駅の前で別れ た待ち合わせ場所として宗太郎の死んだ 旅館かやが指定され た宗太郎はそれを信じてかやに入りさち子 からもらったウイスキーを水割りにして 飲んで生産中毒で倒れたので ある太郎が子を知ったのは一の捜査をして いるうちに剣一がひどく室た夫妻に 親しかったことを知りそれを聞きあわせに 行ってからで ある剣一はのの寂しい海岸での久の生活を ある程度話したであろうが室田夫人のこと には触れなかっ たそれは彼が夫人の名誉のためにその全身 を語りたくなかったからで ある従って太郎が夫人を知ったのは今まで 考えた通りの順序であったと 思える剣の駅から幸子が同じ線を帰ら なかったのは彼女が金沢に着いた時再び 室田夫人に帰る必要があったからで あろうつまり剣の町から別の寺井行きの線 に彼女は乗っ たこれはまっすぐに金沢へ帰るよりも大変

な迂回である迂回することによって彼女は 時間と場所を稼い だおそらく本線に乗ってから金沢に着く までの間幸子は列車の手洗い室かどこかを 密閉しけばけばしい服装を脱いで元の夫人 に帰ったので あるあの時目撃者が言った赤いオーバーの 女はスーツケースを持っていたという証言 の理由がここにありそうで あるつまりスーツケースの中には着替用の 室田夫人としての服装が用意されてあった わけで ある幸子夫人はしかしを殺してもまだ不安 があっ たそれは第2第3の太郎が現れることを 警戒したので あるいつかは誰かが再び田沼久子のとろに 訪れるかもしれない不安で あるそのために彼女は子をその住所から 隠さねばならなかっ た室田夫人は夫の作師に頼んでを会社の 受付がりに採用させ たをために子に因果を含めて室田大下レガ の本社に就職したことを近所に黙っている ように言ったので ある久子は一切の事情を知らなかっ た彼女は室田夫人の行為に感謝しその進め のままに就職し たこの場合おそらく室田夫人と久子は立川 時代に同じ夜の女として顔を知り合ってい たかもしれ ないそうだ そういえば一が密かに隠し持っていたあの 2枚の写真は健一が金沢に来て2人と 巡り合った当初に移されたもので あろう写真の裏に薄く来された番号が 単なる写真屋の心覚えにすぎないのかそれ とも幸子と久子の暗い時代につがる意味の ある数なのか剣一以外には知るよしも ないしかしあの2枚だけを一が他の写真と 区別しておいたはそれが共通のある意味を 持っていたゆからだと帝ことは思うので あるさらに夫人は夫の作師に行って工作し たそれは本田の追求が激しくなって室田 大下レガに聞きあわせに来るような形成に なったからで ある元々途中から久子を受付がかりにした のだからその入社には何らかの口実を設け ねばならなかっ たそれが子の夫がが工場の引だったという 設定であるが本田の調査が進めばその嘘も バレて しまう例えば彼が直接に七尾の工場に行っ て行員係りからローム係りに問い合わせれ ばすぐに偽装が暴露するので

あるそのような行員はいなかったという 返事で一切は無駄に なる幸子が室たに人が訪ねてきたら子の夫 は確かにガ工場のであり死亡した時に退職 金を払ったと答弁させるように頼んだに 違いなかっ た室たちとしては深いことは分からず愛さ の言葉のままにそれを部下に命じたので あっ たこの場合田沼久子は幸子の知人となって いたで あろう本が七尾の工場を尋ねた時かのもは 三郎というは確かに死亡していると言い ながら本社に問い合わせてみると会計から は退職金の伝票が出ていないようだったと いうことの矛盾はこの秘密からで あるつまりさすがの室田夫人もそこまで うっかりして気づかなかったわけで ある本田吉尾の追求はいよいよ急を告げた と室田不は感じ た今度は室田大下レが本社から子を消さね ばならなかっ た本田の追求はいつ久子の正体を暴露さ せるかわからない幸子は久子を呼んで急い で東京に行くよう指示したに違い ないこの時夫人がどのような理由を久子に 言ったか今となってはそれは直接に夫人 から聞かねばわから ないとにかく何も知らない久子はそれまで 全て幸子によって自分の生活が保証される と信じていたのでその通りに幸子の指示に 従っ た この時前に考えた通りいずれホダが訪ねて 行くだろうから来たら接待用としてこれを 飲ませておくが良いとウイスキーの瓶を子 に与えたので あろうおそらくそのウイスキーの瓶は口が 開けられ少し減ったウイスキーだったと 思うでなければ生産家を入れようがない から だ久子は少しも疑わずに受け取り果たして 早くもその翌日に訪ねてきた本にから 持たされたウイスキーを与えたので ある本田がなぜ杉野智子と名乗った久子の 東京での住所を知ったか前に室田社長とし て考えたことをここでも幸子に置き換えれ ば よい彼女は本田に久子の行先を示唆したの だ本田は事件の全てが明確に分かった時 一切を帝に告げるはずであっ ただから彼の東京行きは帝に一部を黙って いたことで不幸な事態を起こし たもし彼がそれまでに知り得た知識を全部 帝STに話していたら帝ことはもっと早く

室田夫人に焦点を当てたに違いなかっ たそうすればあるいは久子の死だけでも 食い止めえたかも分からなかったので ある予定の通り久子のウイスキーによって 本田は倒れ た子はこの意外に同点して東京から金沢に 逃げ帰り室田夫人に電話で連絡し た夫人は久子に剣の町で落ち合って話す ことを指示し たそれは前に室滝作師がそれをしたと考え ていた構想をそのまま使っても少しも差し ていないのであるが帝ことはふと目を中に 向け た何か引っかかるものがあるどこかそれで は合理的でない部分があるような気がし たそれは彼女がかつて室田社長を訪れた時 耳にした夫人の電話の内容で ある地は夫人の電話を取りついで帝STに 夫人がその夕方6時頃から金沢の放送局の 座談会に出席するために帝STに会うのを 失礼すると言ったその言葉であっ た実際その放送を帝ことは町の喫茶店で 聞いたので ある室田夫人と現知事夫人の東京から来た T大学の教授との対談であっ たその時帝STの近くの席にいた若い客が 何人かいて室田夫人の噂をしていたこと まで覚えて いるそれが午後6時頃だっ た解剖で分かった田沼久子の死亡時刻も まさに午後6時頃で ある金沢で6時に放送している幸子が電車 で50分もかかる剣の町まで行きさらに歩 て現場まで行く時間は到ないわけで ある放送によって幸子の現場不在証明が なされたと同じことであっ たこれはどうしたことであろう か記者は和倉駅につき雪の積もったホーム の乗客が待ってい [音楽] た古は我の駅からタクシーを飛ばした この辺りは観光地だけに道路は立派だっ た島がありその島の向こうに白い山脈が 薄く見え たここからは立山が正面に見えるので ある海には小舟が浮いてい たあれは生を取るんですよお客 さん東京から来た客と見て運転手は説明し たどこの温泉場もそうだがここも道の両端 にボンボリが見えてきた旅館街に入ったの で ある天子は室たの女中から夫妻の宿を聞い てい たその宿は温泉場で1番大きな家で ある玄関に入ってすぐに長場の人を呼んで

もらっ た室たに会いたいと言うと出てきた番頭 はただいまおすでございますがと気そうに 言っ たでは奥様はいらっしゃいません か天子は聞い たはい奥様もお出かけでございます がどこにおいでになったか分かりません の奥様の方は何でも白衣の方に行くとか おっしゃって車でお出かけでし た番頭は話し たちょうど旦那様もこちらの工場の方が 見えて座敷でお話の途中でしたが奥様がお 出かけと聞いてすぐにハイヤーを呼ばれた ので多分後でご一緒になったのではないか と存じ ますすると室田夫人の方が先に車で白衣に 行き主人の作師はそれを知らなかったわけ であるそれを聞いて主は夫人の跡を追った というので あろう幸子夫人が白衣に出かけたと聞いた 時定子ははと思った 言うまでもなく白衣の町と剣一が自殺した 場所とは同一のコースで ある線路は白衣から乗り換える高浜行きの 視線がそこから分かれて いる自動車道路もここからは一度白衣の町 に何かしてそれから海岸沿いにふの方向に 向かうので あるその途中に剣一が死んだ切り立った 段階があったつまり東海岸にあるこのワと 一が死んだ西海岸さとの間には東西に走っ ている山脈がありそこに行くにはこの山岳 地帯を避けて白衣長を迂回しなければなら ないわけで あるそれはいつ頃 でしょう定子は聞い た作用でございますね番頭は膝を揃えて首 をかげた奥様は2時間ぐらいになり ましょうか旦那様は1時間半ぐらい前で ございます 何か急に迫ったものが帝STの胸に来た 不安が彼女に打ち上げてき た室田夫妻の行手に見えない黒い雲が 待ち受けているような気が する室田夫人幸子がそれに向かって1人で 一直線に進んでいったような気が する室たしは慌てて夫人の後を追跡したの で あろうどうしてもすぐに室田さんにお会い したいんです すみませんがこちらにすぐにハイヤーを 呼んでいただけませ ん番頭は帝STの表情で察したのかすぐに 承知してくれ

た電話をかけて車が来るまでの時間が彼女 にはどれだけ長かったかわから ない旅館の玄関は広かっ た正面にこの辺りの特産物がガラスケース の中に飾られてあるく焼きや和島塗りなど が並んでいた 知らない旅館の玄関で没年と立つのは裏 がしい気分で あるこのく焼きを眺めているうちに本田と 話した喫茶店の空地や皿の模様を思い出し たあれほど憧れていた北の国に来たが後で 様々な悲しい思い出が残ることで あろう温泉に来ている旅の年越し客が廊下 を楽しそうに歩いてい た妻もそには幸せそうに見えたに違い ない日はようやくくれなみ鈍い光線が道路 の雪の上に照ったり曇ったりし たようやく自動車が来 た帝STは運転手に持ってきた地図を見せ たそれはこれから白衣の町を迂回していっ たのでは幸子夫人に間に合いそうもないの で近道を相談したかったので あるとにかく一刻も 婦人の幸子に会わなければならなかっ たすでに2時間も前に彼女が出発している のならもっと早い距離をもっと早い時間で 追いかけなければ間に合わ ないここからまっすぐに西海岸に出る道は ありません か彼女は運転手にそう聞い たそりゃないこともありませんがね山越は 無理でしょうね近道というのはほれこの 通りですと運転手は地図に指を当て た拳のように突き出ている能半島の中央に 縦に山脈が走って いる和倉温泉から西海岸のふという古いみ までその山脈を横断する道がついている わけで ある運転手はその道が雪で危険だからと ためらったの だすみませんとても急ぐ用事なんですあの 料金の方はいくらでも割り増しして 差し上げますからなんとかこの道を行って ください な運転手は割り増し料金で動かされたわけ ではないが帝STの迫った顔色を見て承知 してくれ たとにかく行ってみ ましょう彼は抵抗を乗せた途中でその ガレージに泊まると奥からタイヤに巻く鎖 を取り出し たその操作の間別ののタクシーが 通りかかっ た運転手はかがん出せを伸ばして声をかけ たおいこれから山越でふに行くんだがどう

だい向こうの道 は通りがかりのタクシーの運転手は窓から 首を出して答え たさあバスは先月から動いていないし よほど用人せと危ないかもしれん ぜその運転手は乗っている帝の方をっ た危険でも帝は構わないと思っ たとにかく室田夫妻の破局に追いつか なければなら ない必死の気持ちだっ た彼女自身が今室たし負債に会いそこで今 までの事件の全ての解決を夫人の口から 直接に聞かなければ承知できぬ極限に 追い込まれた心理状態であっ たお客さん用意ができましたさあ行き ましょうチェーンをタイヤに巻き終わった 運転手はハンドルを握っ たしばらくはなだらかな7王ワの海を右に 見ながら走って 行く日は前よりは限っ たどんよりと重い雲の上から漏れた日差し が寒い海の上に代々色を混ぜてい た生子の小舟が相変わらず同じ位置に 止まって いるその海岸ともやがて離れ た道は山岳地帯に向かって走って いくいくつかの寂しいブラを過ぎ た道はいよいよ狭くなっていく雪もこの 辺りになると次第に熱くなって くる山はほとんど松杉ひのきばかりであっ た雪の積もった道に私立のないことでこの ハイヤーの前に1台の車も通っていない ことが分かっ た山に入るにつれていよいよ辺りは暗く なって いくこの道も春と夏のシーズンには我から ふの港に行く見物客のためにつけられた ものでうねうねと山を巡ってい たお客さん退屈でしょう運転手は帝STに 話しかけ たこれから1時間ばかりこういって山 ばかりですよラジオでもつけましょう か定子はラジオを聞く気にもなれなかった が親切な運転手の申し出を断るのもどうか と思ったので黙って頷い たスイッチを入れるとどこの放送局か知ら ないが華やかな流行家が流れてき たちょうどいいところが入りました ね運転手は喜んでい た見るとまだ子供の抜けない顔だ 涼とした山の中と華やかな流行家の声とは 妙な対象だっ た放送は東京からのものでこの地方の放送 局で中継して いる歌は男性と女性の歌手が交互に歌った

それも1人1人歌手が変わって いるすき小屋が見えたり切り倒した木が 積んである細い道を運転手は車をしながら 肩で調子でも取りそうにしてい た私は三橋みやが大好きでね早く三橋の歌 が出ないかなそういえばさっき私がこの車 を運転して出る時三橋の歌が放送されてい ましたよそれは別の曲からですがよくホボ かけ持ちでやれるものです ね運転手は稽古に話しかけ たそれはきっと生じゃありませんわ 前に録音を取ってそれを放送しているんだ と思う わそう言ってから定子ははっとしたそうだ 録音記者の中で疑問に思ったことが思わず 出た自分の言葉で解決したので ある午後6時に金沢の喫茶店で聞いた室田 夫人の声は生放送ではなかったの だ室田社長が電話で聞いた時の婦人の言葉 はこれから放送局へ行きますということ だったがあれは多分3時半頃だったと 思う録音はきっと4時半頃行われたに違い ないそれが6時に放送されたので ある室田夫人が田沼久子を手取川に 突き落とした午後6時に夫人の声が金沢の 放送局から放送されていても少しも不思議 はなかったので ある帝ことはこれで疑問がことごとく解決 したと思っ た室田夫人を犯人としても少しも矛盾は ないただ彼女が立川のGI相手の特殊な 女性だったという裏付けは何もないのだが おそらくこの推定には錯誤はない だろう室たちが今幸子の跡を追っていった のも昨夜和倉温泉の宿についてから必ず 何かあったので あろう子が突然の町に車で出かけたのは 前夜に室たちに一切気づかれて問い詰め られ罪を告白した結果ではなかろう か室たは東京へ出て妻の全身を確かめて 帰ったに違い ないそのため幸子自身が生きる望みを失い あの我が手で剣一を墜落させた段階の上に 立ちに行ったので あろう室たはそれを30分後に知り妻の 意志を直感してその後を追っていっったの だ天子は時計を見たワを出て40分を過ぎ てい た相変わらず山の中である車はまだ登り道 を続けてい た所々に伐採した木が積まれてある以外 この山中の道には人間の気配の跡はなかっ た雪のため車も思うように進まない古は 1人でイライラし たこうしている間にも幸子と室たちとの間

に何かが起こっているような気が するそしてそれは非常な速力で破局に進ん でいるような気がしてならなかっ た間に合うように間に合うようにと彼女は 心の中で祈りたい気持ちだっ たそれにしても幸子夫人の気持ちを考える と帝も哀れでならなかっ た婦人のは帝には分かってい ないしかしかなりの家庭に育ちかなりの 教育を受けた人に違いなかっ たあの敗戦後あらゆる破壊が日本に行われ たところ彼女の家庭にもその打撃が及んだ のであろう か家庭の滅が彼女自身の心の後輩になった と 思える1つの運命が彼女をあの種の職業の 女の世界に一時期引き入れたのではあるま かすればその後彼女は見事に立ち直ったの で あるその後の生活で室たちの偶然に 差し伸べた手が彼女の幸運の糸口となっ た一段と高い生活の安定を得て幸子はその 才能を思うままに伸ばすことができた そして社長夫人として地方の明雄夫人と 交わるようになっ たそれが彼女の才能のの存分な絵花となっ た地方の上流社会に足を踏み入れた彼女が ただ夫の地位だけに安住している平凡な 主婦たちの間に見事に格を表したのは当然 で ある彼女は立ちまちその世界で実力を認め られ得意な存在となっ たあの喫茶店の客が話したようにわずかの 間に室田幸子はこの北陸の古い都の新しい 婦人指導者となので あるそこに図らずもある日羽原健一が現れ た羽原健一にとっても幸子夫人にとっても それはいわし過去につながる巡り合いで あっ た幸子夫人の気持ちを察すると帝ことは 限りない同情が起こるので ある夫人が自分の名誉を防御して殺人を 犯したとしても誰が彼女のその同機を憎み 切ることができるであろう もしその立場になっていたら帝自身にも 幸子夫人となる可能性がないとは言えない ので あるいわばこれは配線によって日本の女性 が受けた被害が13年経った今日少しも その傷跡が消えずふとある衝撃を受けて 再びその古い傷から忌まわしい地が新しく 吹き出したとは言えないだろう か辺りが少し明るくなった それは空が晴れたのではなく車が森林の 多い山岳地帯を抜け切ったからで

あるいつの間にか下り道にかかり屋根に雪 をかぶったブラが見え始め た時計を見るとすでにワを立って1時間 以上経ってい たワから白衣回りであの現場に到着するに は3時間はかかるというからこの道で行け ば半分で住むわけだったが前面にはまだ山 がいくつも重なってい たまだ遠いんですの運転手 さん定子は声をかけ たあと30分もしたら着きます よ運転手は背中から答え た道は下りから次第に平坦になっ た雪は山を越す前の川よりももっと深かっ た風の強いことが木の揺れ方で分かるので ある山を越しただけで辺りの風景まで1度 に違って見え たここはほとんど風景に優しさがなく 荒らしただけが陰鬱な色で目立っ た袋町に出たのは運転手の言葉通り30分 後であっ た中国がそうと呼ばれている頃から開かれ ている古い港で ある荒い風を避けてか民はくざし暴風の ために素子のようなものを表に張り巡らし てい たみさに抱かれた港の一部が見え た冷たい水の上に漁船が固まって いるそこから見える沖の一部には白波が 立ってい たお客さんこれからどっちへ行きます運転 手が聞い た帝は地図の上で大体の現場の検討をつけ てい だ高浜の方に行ってください なふの港から車は南に向かっ た今度は絶えず日本海の荒れた海を右側に 見て走るので ある思い雲が空に垂れ込め閉ざされた太陽 がその裏側で海に落ちかけているのが鈍い 雲のその部分の光で分かっ た海の水平線は次第に下の方に沈んでいく 道がそれだけ高い勾配を登っているの だとど海に突き出た祈願が現れて くる帝ことは一心にその風景の変化を 見つめ たいつか来たあの風景を彼女は走っている 車の窓から待ち受けてい たついにそれが見え た帝がいつか高い段階の上で海の死を 思い出したあの場所が運転手の越に前方が 見え出したので ある檻から日はいよいよ沈み亡とした風景 が辺りを閉じ込めかけ た海の色は黒ずみ白波だけが沖で牙を向い

てい たあれ だ天子は心に叫ん だ道は迂回するたびにその三場所を様々に 変化させたが彼女の業師はその一点から 離れなかっ たその場所こそ剣一が突き落とされた ところなので あるこの前来た時それと知らずにあの場所 に立ったのも何かの予感があったからで あろう今ははっきりと剣一の最後の場所を 確認して いるそれはソ正三郎の死場所を地図と対象 して調べたからであっ た半月前金沢に夫を尋ねたばかりの時この 場所に身元不明の男の死体を胸を振るわせ て実験に来 たそれは見たこともない何のゆりもない人 であっ ただがあの時係り館の老巡査はこういった ので あるつい最近も等身自殺騒ぎがこの人と 同じ場所で起こりましたが ね最もこれはすぐに身元が分かって 引き取り人が来まし たその引き取り人が田沼久子でありその 等身したという男がソ正三郎の羽原健一で あることは今はもう疑いようも ないここでいいわ定子は車を降り た運転手は驚いて いるありに1軒の家も ない一方は段階と海で一方は迫った山で あっ た少し待ってください な天子は運転手に断って歩き出し た風が強く頬に痛いくらいの冷たさが襲っ た塩の音が急に高くなっ たその時帝STの四角の中に1人の人物が 背中を見せて黒い影で立っているのが入っ たその男は海に向かって佇んでい た姿から察するまでもなく室田作であっ た室たは近くに自動車の音がしたことも 気づかず段階のほとんど突端に立って石の ように動かなかっ た室たちの傍には誰もい ないそれを見た瞬間帝STは全てが終わっ たのだと思っ た室田夫人の姿は辺りのどこにも ない上前と立風に叩かれている室たちの姿 だけがくれかけた海と対決している格好 だっ た室田 さん天子は忍び寄って声をかけ た風が鳴り海の轟きが極まっ た声が届かぬのか室たちはすぐには

振り返らなかっ た天子は3度目を呼ん だ初めて室たちの姿勢が崩れ顔がこちらを 向い た青くきばんだ沖の空を背景に振り返った ムたちの顔は暗い影になって表情がよく わからなかっ た天子は室たちに近づい たひしきり見えない波が下で砕けその音が 2人の足元から地響きとなっ たあなた も波の音の中で室たちが抵抗を認めて声を 出し たあなたもここにやってきました か天子はさらに2散歩進ん だ神が乱れ頬に流れ た室田さん奥様 は室田氏は黙っ たそしてゆっくりと片手をあげ たその指先は消防とくれる沖を示し たか は室たしはかれた声で言っ た風と波の音のためにその声は消えそう だったが天子の耳にははっきりと聞こえ たかは向こうに行ってい ます指先がその方向を示し た天子はそれを見つめ た重なり合った思い雲とされだった沖との その間に黒いものがようやく点見つけられ た黒い点は揺れてい たその周囲に目を向く白さで波が立って いるあれがかない です帝ことはいつか室たちと肩を並べてい た彼女の息は激しい風圧のために詰まり そうだっ たがそれは風だけではなく彼女自身の激動 が自分の息をを詰めさせたので あるもう私からお話しすることはない でしょうここに来られた以上あなたはもう 全てをお別れになったと思い ます室たちはお気合いを見つめながら行っ たその間にも荒海の沖の黒い一点は いよいよ小さくなっていっ た水平線に近い熱い雲間に鈍く固まって いる基盤だ色も辺りの黒ずんだ色と同じに 次第に色を消して いくがわずかに避けた雲の一部だけはあか も光量とした北欧の古い絵を見るように いつまでも黄色い光が残ってい たその淡い光線のために黒い一点は人間の 目から消え去れないでい た私の気づきよが遅かったの です室たしは海を見たままで言った 咲夜我に来てかを私は問い詰めまし たかは事実を告白しましたよもっと早く私

に打ち明けてくれていたらこんな結果には ならなかった でしょう私はあなたにお詫びしなければ なりませんあなたのご主人とご主人の 兄さんを殺したのはか です私は何もかの立場に立って弁解しませ んただ私より先に宿を出たかはいつの間に か船を借りて沖に出ていまし た室たちは声を詰まらせ た言い忘れていましたがかは防臭勝浦の ある網元の娘なんです幸福な時代に育ち 東京である女子代に入りまし たそれから終戦が来たのです得意だった 英語がが彼女に災いしたことも敗戦後の 日本の現象として私はそう深くとめませ ん波が砕けるのにはある感覚があっ たその波の方向が過ぎる間室たちの声は 待ってい た私がここに駆けつけた時かは私の手の 届かないところに行っていたの ですあなたはご存知なかったのですが私が ここに立っているのが見えたと見えて もっと近いところにいたかは船の中から私 に手を振っていました よ足元の波がまた砕けて轟い たその間室たちはその音が過ぎるのを待つ つもりかあるいは気持ちが迫って声にそれ が出るのを恐れてか言葉を休ん だ奥さん私も手を振りましたそしてあなた が来られた時は私に見えるものはあ船の 小さな黒い点だけ です家内があれに乗っていることは分かっ ていますがその姿はもう見えません起きえ 起きえとあして恋で行くの ですこの荒海では船は間もなく転覆する でしょういや転覆しないうちに船は乗り手 を失う でしょうあの黒い点ももうすぐ見えなく なります私 はまた波が来た その間また室たちは言葉を休ん だそして言葉を続けた時はこう言っ た私はあの海の下に家内の墓があると思っ てい ますそして毎年今頃私はここを訪れて こようと思い ます帝ことはいつぞや現在立っている場所 と100mと離れていない岩角に立って心 に歌った死がこの時不に胸に蘇 ハートバイザサング SEとく海辺の妻の 墓帝STの目を立風が叩い [音楽] た

「ゼロの焦点(第五部 最終回)」を朗読。
禎子が追った真実は、遂にその姿を現そうとしていた。その結末を見届けるべく、彼女は三度、雪の金沢に向かう。そしてそこで見たものとは?!
・イントロ   (00:00:00)
・ゼロの焦点 一(00:00:08)
・ゼロの焦点 二(00:06:20)
・ゼロの焦点 三(00:16:45)
・ゼロの焦点 四(00:30:00)
・ゼロの焦点 五(00:50:51)
・ゼロの焦点 六(01:03:10)
・ゼロの焦点 七(01:16:30)
・ゼロの焦点 八(01:33:12)

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邂逅する昭和。追憶の彼方にまどろむ青春。
今夜ここで出会うのは、かつてそこにいた
貴方なのかもしれない。
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このチャンネルは、日本の昭和期の文化・風俗を朗読にて皆さまにお届けする唯一のチャンネルです。
同時に、日本語を学ぶ方々に日本の「昭和」を知っていただき、さらにその理解を深めてもらう事を目的としております。
このチャンネルで日本文化の爛熟期である「昭和」を堪能していただければ幸いです。

This channel is the only channel that provides you with reading aloud the culture and customs of the Showa period in Japan.
At the same time, the purpose is to let people who learn Japanese know about “Showa” in Japan and deepen their understanding.
We hope that you will enjoy “Showa”, the maturity of Japanese culture, on this channel.

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