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【朗読】「足軽奉公」山本周五郎

足軽 方向山本 清五郎 1なんだあの腰つきは卵でも産もうという のか ね向こうの男は江刺が鳥を狙っているよう だそれよく検討をつけろああ外してしまっ たまるで下手比べだねこれは右た登録は 思わずにっと笑った足軽仲間の下馬表は なかなかうがっている卵でも産みそうな 腰つきとか江刺が鳥を狙っているようだと かみんないかにも敵表でしることもでき ないそれもそのはずだここにいる足たちの 中には彼らより数筒も腕の立つものがいる んだ からそう考えるとももう見ている気も なくなりあんまり悪口を言うと聞こえるぞ と言って彼はむから立ち上がっ たそれよりもうすぐ終わるだろうから後 片付けの手配でもすると しようけれどもお 子と若い足軽の1人が立ってきていっ たこのままでは我慢できませんねたえ分の もと合がないにしても足軽は足軽同士で やるにしても来年は是非試合に出られる ようにしていただきたいものですあんまり ひどすぎます よそうだと別の1人もそれにつけて武芸に は四分と足軽の差別はないはずだ我々の腕 を見れば少しは彼らも奮発する気になる だろうそんな望みは木によって魚を求める ようなものだ 登録は低くそう答え たこれがせめて戦国の世なら俺たちの腕の 見所もあるのだがこんな時代ではどう しようもないまあ目を積って我慢するん だそして幕張の外へ出てしまっ た岩代の国三春は間の産地として長いその 時の阪は秋田神よりであったが領内の3馬 を陣立てての主軸におき中でも早騎兵と いうものが特にぜられていたこれはかつて 武田春信の用いた重機兵にひすべきもので 敵の前線を馬で突破し一挙に内人を錯乱 する奇襲隊の役であるしたがって家中では 術が盛に行われたそれも気場と勝ちとを 兼ねる 秋独特の技法があり横大学という阪が市販 として統一した稽古をつけていたのである しかし時代は承徳から報に及んで太平の 清そは侍の季節をも毒死どうせ戦場に出る でもなしという投げた気持ちから稽古もお 役目になり一般の腕も低下していくばかり だった全部がそうでないにしても私がその ように支配していく事実は否定し がいこれではならぬと思うものもあっ

たろうが時の勢いにこうしてまで立つもの はなかっ た右田登録は親の台からの足軽で二十歳の 時その小頭を命ぜられ気骨者として仲間の 厨房を集めていた彼の住んでいる長屋は術 の市販をする横大学の屋敷に近く大学の この横鉄之助とは幼少の頃から往来した縁 で15歳の時その道場に入門を許され現在 では市販の大学とさえ対等で勝負のできる 腕になっていた彼は自分が修行を励む傍 仲間の足軽たちにも少しずつ手解きをして やり望みのあるものは特に願って横道場へ 入門させるなど勝負の風を起こすことに力 を尽くしてきたので た親代々の食を守っていれば良いもはや 合戦ということもない四分の人々のそう いう答案に対して足軽たちは出世したいと いう希望があっ たせめては四分に取り立てられたい多かれ 少なかれそういう望みを持っていた自然 稽古も熱心だし上達も目覚ましくその上 人数も次第に多くなるだったけれども いかに術が達しになっても足軽は足軽で ある犯では毎年5月5日に大合というもの があって家中のものの術比べを催すのだが 足軽は1人も出ることができ ない市販と体の勝負をする右田登録でさえ 出場を許されないので ある当日は野をゆい幕を張り初子の接待を するのが役であは黙って勝負を見てい なければならなかった卵を産みそうな 腰つきなどと国表をするのは彼らにとって 口惜しさを紛らわすわずかな竹口だったの で あるその日の応じ合いが終わったのは午後 3時であった役目を済ませて登録が長屋へ 帰ってくると妹のさが買い物に出よとする ところだった珍しく髪を吸い上げている せいかちょっと目を見張りたいくらい 美しく 見えるどうしたのだ紙などあげてお祝日で はございません かナは帰って兄の迂闊に驚いたお忘れ なさいましたの今日は5日でございますよ ああそうか大合のゴタゴタでど忘れをして いた登録はそう言いかけてすると鉄之助殿 も忘れているかもしれないなちょっと案内 をしてこようかその方がおよろしござい ますわ私もまだ買い物がございます からではちょいと行ってくると言って登録 はそのまま引き返していっ た 2毎月5日は右たの祝になっていたそれは 登録が二十歳の時足軽小頭を命ぜられた日 で以来ずっと欠かさずに続けているすでに

父母はなく兄弟2人暮らしの寂しい家に その日ばかりは仲の良いよい鉄之助が客に 来ることにこの頃では鉄之助と長座の間に 親しさが濃くなり嫁に欲しい差し上げ ましょうと言いかわす檻の近いことを ほとんど互いに了解し合っていたからこの 日は兄弟にとって心から待たれるものだっ たので ある大子合いの忙しさで自分も忘れていた くらいだから鉄之助も気づかずにいるかも しれないそう思って横の屋敷を尋ねると まだ下上していないということだっ た試合の後牧山生材門殿で祝園があると 申していたおそらくまだそこにおるので あろう そういう返事なのですぐ近所にある牧山手 へ回ってみ た牧山星ざ門は番頭を務める老人で常々 若いものを好み操が達しだということから 登録もしばしばあったことがある取り次ぎ を頼むと今広までブレークをやっている庭 から回って直に呼ぶが良いと言われた時々 来て慣れてもし言われるままに内庭の方へ 回っていくと中の木戸を入ったところで 馬鹿げた高笑いと酔いに生じた罵り声が彼 の耳を打っ たたが足軽ではないか刀をさしていると いうばかりで形は武士でも中原小物と選ぶ ところはないいわば道端にわけもなく生え 伸びている雑草も同様だ ぞそうだそのを明確にすべきだ続けて別の ものが怒ったその区別を明確にしないから のさばる第一彼らが操をやるのからして 戦場だちょっと槍の持ち方でも覚えると もう一端の武士にでもなりかねないつつき で肩を凝らしてのしまる雑草は端から狩る べきだ己れの身分を知らしめなくてはいけ ないぞ ここまで聞くと登録は全身をふるわした 己れらは侍の本文をさえ忘れているのに ただ武士であるからというだけで人を貶し それも程度こそあれ中堅小物に等しいとか わけもなく生えのびるロボの雑草とは過言 も 甚だしい登録ははみをしながら引き返そう としたするとなお無遠慮に 1度彼らを懲りるほど叩きのめしてやるが いいのだというのが聞こえ たなに主なやつ23人やればあは縮み 上がってぐのも出はせの よ登録は我慢の王を切った彼は大股に庭へ 踏み込むと広間の縁先へぐっと近寄り声 いっぱいによろしい叩きのめして と絶叫し た足軽は雑草も同様だという言葉確かに

聞いたぞ何百国という騒音の食欲を頂いて 無い図色する気候たちの目から見たら足軽 などは人間の数に入らぬかもしれぬしかし 大平なればこそ左様なタゴも吐けるのだ いざ合戦となった場合どちらが誤 behind線の役に立つか叩きのめすと いう言葉こそ幸心のほどをここで拝見 つまろ広間には156人いた元々主教から 出た無責任な暴言だったので目の前に登録 が現れるとともにみんなぴたりと口を つぐんだそれがさらに登録の怒りを煽った どうした偉そうに陰口は聞いてもいざと なると出るものはないのか雑草を狩るもの は 1人もないの か拙者が相手を しようそう言いながら市座の中から立って きたものがあったよい鉄之助である登録は あっと息を飲ん だ 鉄之助そうだ鉄之助がいたんだしまっ た思わずうめいたがそれと同時にいや 鉄之助もこのにいた彼も足を誹謗するもの の仲間だったそういう満がこみ上げてき た誰でもこちらにえり好みは ない誰か稽古槍を2筋 頼む鉄之助はそう言って庭へ飛び降りてき た場所はここで良いかどこでも 結構登録はそう言ってひと相手を見たが2 本そへ差し出され た2人は一筋ずつを取り左右へ分かれ た 3くいをしたと見たせなだった鉄之助の口 をついて絶叫が上がりその槍が空を飛ぶ ように登録の胸へと直線を引い た全く思いがけない教習である危うく体を 開き楽器と槍と槍がった時静しよもないふ に駆られて登録は大きく血を蹴りながら 突っ込んだ担保の穂先は鉄之助の左の高も に三々ありも突き刺さり登録が引き抜くと 血が走っ たまいった鉄之助は槍を持ったままぐらっ と左へよろめき倒れ たまっ た先にいた若侍たちはをったしかし鉄之助 の袴の膝へ立ちまち血がにじみ広がって いくのを見るとおお血だよいが怪我をした とわめきその下ろを生かして返すなと一斉 に刀を掴んで立った登録はもう行けないと 思った全てが終わったという感じで槍を 取り直した時奥から巻山生材門が飛び出し てきて何事だ静まれ静まれと大喝し若侍 たちの前に立ちふさがっ たきこたちこの人数で足軽1人を取り込め てどうしようというのだ武士の対面を思え

手出しはならん ぞそう叱りつけながら登録に振り返った ここは良いから帰れおって沙汰をする早く 立ち去れそれではせのままに 登録は釈をするとそこへ槍を置き静かに庭 から出ていった住居へ帰って妹にどう 言おうかと思いあねていると組頭の笹沼 一造が駆けつけてき た主体は聞いた一造は息を切らして金包み と思えるものを差し出しながら牧山殿が 始末の扱いをなさるという底本は即刻ここ を退去してくれこれは牧山殿から当座のご 選別だと言っ た私は立ち退きます前その気持ちは 分かる一造は忙しく頷いたがしかし底本が いるとこの騒ぎは大きくなる侍と足軽全体 の騒動にもなりかねない底本の人物は労し 方にも分かっているから追って悲惨の叶う ようにする牧山殿はそうおっしゃる前後の 事情をよく考えてともかくここは大国して くれ彼がいては騒ぎが大きくなるそれは 疑いのないところだったご浄化を騒がして は愛すまない登録はそう思って心を決めた よろしくございます立ち退きましょう しかしこのお金はお返しくださいわずか ながら蓄もございます からそう言って別は断りまだ何も知らずに 不審がるさを立て支度もそこそこに城下町 を立ちのいていった妹に全てを語ったのは 森山班松平涼へ入ってからだっ た長の驚きは非常なものだったろうしかし 健にもよく絶え頬の辺りを青くしたが何も 言わなかっ たよによって鉄之助とこうなったことは 運命というより他にない だろう彼は妹の小心をどう慰めて良いか 言葉に窮したそれにつけても身分が足軽で はどうしようもないこれからはなんとして も槍一筋の様になるんだそれまではお前に も苦労をかけることだろうが右田の仮名を 起こすという気持ちで辛抱して くれはい長はどんな苦労でもいたします ですかから どうぞ長は涙を耐えた目でひと兄を見上げ た岩から下の国へ入ったのが夏7月それ から日立へ回り後付の国から江戸へ着いた のが秋9月であっ た江戸には下月までいたがどんな幸運でも 転げていると言われるのに反してそれまで のどこよりも生活は厳しく中から出たもの には人情も風も列だっ たそして兄弟はシの寒さに向かって東海道 を西へとまた旅を進めた正月を迎えたのは スプだったさすがに駿は温かく土地も豊か で住みよかったが出世の手には縁が遠い

それで2月になるのを待ちかねて御の駅 から北へ入り天に沿って品のへと向かっ た山を越え川を渡り谷会をたどる険しい 旅路を続けて飯田女化も虚しく過ぎ赤降と いう小さな駅に泊まった時のことであった 4日雨が降ってきち二子も同様なその宿に は貧しい行商人や旅を回る一文商人や文月 芸人などが十5人も止まっていたこれらの 人々は炉端へ集まってよく身の上話を する生活の苦しさ世間の連れなさそして 自分の不運な回りあわせなど語ることが 慰めであるような調子で話し合うのだっ たこれらの人々にほとんど共通しているの は運が悪かったという点であった全てが運 の悪いためにあたら一生を落してしまった というのであっ た 4そういう人たちの中に1人いつも黙って 風車を作っている老人がいた雨を売るのが 商売であるが影につけてやる風車を雨の日 などにはそうして手作りにするのである 無論保護や傘の風骨などを使った粗末な ものだが老人はそれを作るのがいかにも 楽しそうでどんな効果のもを作っているか とえるほど1つ1つに念を入れ仕上がって からもしばらくは溜めすめ眺めていると いう風だっ た周りのものが何か言いかけると落ち着い た乳な調子で言葉身近に答えるが自分の 身の上話をしたり進んで雑談の仲間に 加わるようなことはなかった登録はこの 老人に心を惹かれ た鍵の当たった布子を着て髪の毛も灰色に なり痩せた小さな体つきで見たところ何の 取りえもない実に平凡な人柄であるけれど もよく注意してみるといつも静かに微傷を 称えている目や乳な言葉つきやちょっとし た身振りの中に何とも言えない枯れた味が あってどうかすると先達したロソのような 感じをさえ与えるのだった長はさすがに 部屋から出なかったが登録は炉端へ出て 人々の話を聞きながらいつも目はその老人 の虚に見入っていたのであるそうしたある 世のこと大抵話したいことも話し尽くして ふと言葉が途切れた時古屋だという中年の 小作と呼ばれる男がじいさんはいつも不平 がなさそうだなと問いかけた 全く雨屋のじいさんは幸福JEだよと みんなが一斉にそっちへ振り向い たいつどこであっても眉1つしかめていた ことがない愚痴をこぼすではなし泣き言を 言うでは なしじいさんなんとか言わないかねと古 かがの小作が言っ たどうしたらお前さんのようにそう暗記で

いられるかみんなあかりたがっている ぜそんなことはないの さ老人はいつもの和やかな調子で答え た私のようなものにやからないでもみんな それぞれ結構にやっているじゃないかまあ 考えてみ なされこうして45日も雨に降られながら 温かい色はに長くなって茶菓子や守行の 贅沢こそできまいが時には天下様の評判も するし好き勝手な世間話や愚痴が言ってい られる決してこれがやりきれないという 暮らしではないと思うが ねそれはじいさんにはもう欲というものが ないからそんなことを言えるだろうが俺 たちはまだこんなしがない星で終わろうと は思わないみんなもう一花咲かせようと いう気持ちだからそこはじいさんと俺たち とで違うんだ よそうだとすればと老人は微傷しながら 言っ たつまり苦労や不平の種は世間にあるの じゃなくてお前さんたち自分の中にある わけだそれをとこう言おうとは思わない人 はそれぞれ分別もあり望みもある誰も彼も 同じように生きられるものじゃないから けれども私はよくこんなことを考える よ老人は作り上げた風車を手に持って ふーっと吹きくるくると回るのを楽しげに 見やりながら続け たこの風車というものはたの串と軸と 止める豆粒と神でできているけれどもこう して風に当てて回るのは紙の車だけさ人も この回るところしか見やしない親を褒める ものもなし軸がいいとか豆の粒がよく揃っ たとかいうものもないつまり紙の車1つを 回すために人の目にもつかないものが3つ つもあるしかもこの3つのうちどの1つが かけても風車にはならないまた串が神に なりたがり豆粒が軸になりたがりでは天然 バラバラで風車1つ満足に回らなく なる世の中も同じようなもの だ身分の上下があり職業にもよし足がある けれども何1つなくて良いものはないのさ お行様がいれば老番もいる米屋も桶屋も ボテ振りも紙屑もみんなそれぞれに必要な 食 だ私のように一文雨屋もこうして暮らして 行けるところを見るとこれでやっぱり何か の役に立っているの だろうみんなが一文あめ屋になっても困る がみんなお行様になってもまた困る屋も 百姓も叩き大工も自分の職を精一杯やって いくらかでも世の中のお役に立っていると すればその上の不平口は贅沢というものだ 私はそう思っているが

ね登録はそこまで聞いて座を立ったそして その世人よ彼の脳裏で1つの風車が くるくると回り続けていた老人の言葉は ごくありふれた世間感である格別名言でも なく好明な理屈でもないそれにも関わらず 登録の頭の中ではくるくると1つの風車が いつまでも回っていて離れなかっ た 5兄弟がシナノの国高島へ入ったのは3月 のことだったそして間もなく登録は世話を するものがあって高島班の足軽に召し抱え られ たその時彼は妹に向かっ て武士でなければ再びアジトをせぬつもり だったが少し考えることがあって足軽の淵 を取るもうしばらくお前も苦を頼むぞと 言っ たは兄の気持ちをどう押しはってよいか わからずやっぱり初めのお考え通りには 行かないのだそう思って心が暗くなっ た人間が何か1つ抜きん出た能力を持って いるとたえ自分から孤児しなくとも自然と 人の注意を引くものである登録はできる だけ控えめにいつも人の影へ回るように気 をつけ日々の務めも少しどのすぎるほど性 を出したそして他人の分までで進んでやる という風で客筋というよりはバカ律儀と 笑われるくらい励み続け た本当に足軽仲間のあるものはそう言って 笑い関心するよりも警部した態度で遠慮も なく彼に仕事を押し付けるのだったけれど もその一方彼を一癖ある人物と見る人々も 少なくなかっ た組頭の長尾人城というものがその人 また四分の中に45人何かにつけて彼を 特別扱いにしようとするそれらの人々は 登録がしるべき身分のものであって何か 深い事情のため足軽に見落としているそう いう風に考えたらしく時には打ち付けに そう質問されたことも2度や3度では なかっ たあの男を馬鹿にしてはいか ん長人の城はよく組下ののものにそう言っ たあれはきっと崇癒しかららぬ男だ必ず 一芸一能に日出ている人物だみんなもっと いわってやらなくてはいけない ぞしかし登録にとってはそういう扱いをさ れる方がたまらないようだった彼は ますます身をかめ肩をすぼめるような感じ で日を過ごしていったするとある日組頭の 人野城がやってきて長殿の方向に上げ なさらぬかと言い出したそももご存知 だろうが咲はおの御者つまりたあ様のお はや方なのだ がそれはありがたいことでござい

ます登録はそう言って少し考えしかし せっかくではございますが妹は私手元で しつけてまりたいと存じますからそこ元は おはやのお噂を聞いておられるなそれで 何かいかがわしいご方向のように思うので はないかさ様なことはございませんただ私 どもは早く両親に死別いたしましてずっと 2人で過ごしてまいりましたいわば私が 親代わりになって育てましたので間もなく 縁定めもいたしたいと存じますしその木は 平にご事態をつまりとござい ますそれでもとは言いかねたと見えて人の 城は不本そうに帰っていっ たおはや方と言われているたは阪種の弟で よく言えば発達な悪く言えば素顔な青年 だった江戸屋敷でも持て余された結果この 国元の湖畔のやへ去させられている登録も 度々遠くから姿を見たことががあるが白石 の勘の強そうな顔大股にさっさと歩く 見なしなどいかにもわがままな吹き本法 そのものといった風格が感じ られるそのやへ妹を方向にそう聞いただけ で登録はその結果がどうなるか推察できた それではっきり断ったのであるしかしそれ から間もいある日城の大手の道で彼が の敬語に立っていると不におはやのたきが 通りかかっ た2人の故障を連れただけでいつもの通り 大股にさっさと歩いてきたから登録はすぐ 妊婦に下座を命じたその時すでに目の前へ 差しかかっていたたはふと登録を見つけて 歩み寄っ たその方右田登録と申す足軽だなは 彼は膝をつき頭を垂れた大世のごとく登録 にござい ますよ存じておるか恐れ入り立てまるお浜 や様と存じ上げ ますよもその方を知っておるたあは鋭い ざしでこちらをねつけ ながら新山の足軽右田 登録そう確かめたのは50日ほど前のこと だ一癖あるつ だましよほど兵法にも堪能であろうと見た その方何をやる東方か槍 か恐れながらそれはおメガ違いにござい ますご覧の通りの小がなかなか持ちまして さような言うのも嫌 かたあはにっと笑っていっ た妹を方向に出すのも嫌己れの脳を知ら せるのも嫌それもよかろうしかし登録きは わがままもだこうと思ったことは必ずやり としてみせる必ずだそれを忘れる な 6たあの言葉はトのように胸に刺さって 忘れられなかった1つの生き方を掴んで

新しく始めた生活が思わぬところから突き れそうに思われるどんな難題が降りかかっ てくるか登録はその時を待つ不安定な 気持ちでしかし何事が起ころうとも大店 すまいと心に決めながら同じように目立た ぬ勤めを励み通し た秋10月になって初めて5日の祝いをし た見晴を去って以来落ち着かず意間もない ままに過ごしてでその時ようやく祝いの日 を始める気持ちになったのである酒人瓶と 湖の小坂長の心を込めた善であったが 貧しいとしの下に2人愛たして座った時は 祝いの気持ちよりも寂しさが身にしみた1 年猶予前美春班にいた時はいつも鉄之助が 客に来て楽しい酔いを過ごしたものである ことにには まもなく鉄之助から結婚の申し出があると いう密かな期待もあって貧しい食前が輝く ようにさえ思え た美春ももう万衆であろう長はふと遠い 故郷をしのんだ横様はどう遊ばしておいで か妹のそういう思いは登録にもすぐ察しら れた彼は寂しげなさの眉を見心を打たれて そっといたたからは格別難題が出るような こともなく冬が来て雪の降る日々となった そして始の5日のことで ある今日はお祝日でございますからお早く お帰り遊ばせお支度をしてお待ちもして おり ます出がけに妹からそう言われて登録は ああもう極月の5日かと思いくれる前に 戻るからと言って城へ登った朝は晴れてい た空が昼すぎる頃からまた雪が降りだし それに風が加わって吹雪になった御用を しまったのは定めの4時でもう辺りは 黄昏れかかっていた風は止んだがこの辺り には珍しくかとを埋めるほどツって名を 振り仕切っているし骨までこえるかと思う ほど冷える夕べだだっ た足軽長屋の我が住居へ帰ってみるともう ほのぐらいのに明りがついていない入って みるとナは留守だっ た隣へ声をかけると女房が顔を出して親 まだお帰りになりませんかもう半時も前 でしたか買い物にと言ってお出かけでした がねといかしそうにしているそれでは帰る であろうと明りを入れたり日のうずみ火を 書き起こしたりしていたしかしそのうちに とっぷりとたがれてしまったのにやはり長 は戻ってこない登録はにわかに不安になっ てきたそして角口へ出たところへ同じ長屋 の奥にいる足軽の老人が着かかってよく 降りますなあと声をかけ行きすぎようとし てふと立ち止まった時にお妹さんは帰って おいでかないやまだ戻らぬので暗示ている

のですがお帰りが ない老人はふむと首をかしげ たそれではやっぱりそうかもしれぬご老人 何かご存知ですかいやしかとは言いきれぬ が一刻ほど前五老の菅谷様へ使いに参った 時お浜の前であったのが確かお妹さんだっ たように思えるので なお はや登録はぎょっとしたしてその時妹は どうしておりました か親方の中から2名ほど人が出てきて 通りかかる長殿に何やら申しかけ手を取っ てご問の中に引き入れるのを見たお妹さん ではないかもしれんがもしやするとそれは 良いことをお知らせくだすったともかく身 に参ってみ ましょう登録にはたあの微傷する顔が 見えるようだった俺はわがままもだ思った ことは必ずやりとして見せるそういった小 までがまざまざと耳に蘇ってき たこれは尋常なことではいかんぞ 彼は即座に心を決めた日よけの日を埋め みたくを直し久しく流しにかけたままの 愛想を取り下ろしと明りを消して住居を出 た今日まで共に艱難真空をしてきた妹を このような不幸な結果に落とすならむしろ 潔よくおはやの前で兄弟ともに命を捨てる べきだ槍を持って出たのは無論たあに 向かうためではない妹をさし己れが自殺 する用意であった美のをまとい傘をかげて 湖畔の道をはやまで小走に行った門は 八文字に開かれている人は見えない玄関へ かかろうとしたが用人して横手からお庭へ 回った諏訪の湖を騎士に取り入れて戦跡の 結構美しい庭である雪に埋もれた月山を 回って御殿の方へ行くと泉殿風になって いる離れの建物に赤赤と食が輝き主演でも 模様していると見え笑いさざめく人声が 賑やかに聞こえてきたここだ登録は槍の さやを払い静かにそちらへ近寄ったそして 広宴へと飛び上がり様生子を2枚さっと 左右へ押し開い た7 商事のうちは二常時ほどの広間だった高校 と食材をつらね重45人の地震次女に 取り巻いてたは今大敗を上げているところ だそのすぐ傍に妹の長がいるのを素早く 認めた登録 は妹を頂戴に参った ごめん捜査権で踏み込もうとする突然の ことで地震たちが争奪になるのをたきは手 でせいし待ちかねたぞ登録とよく通る声で 叫んだもう来る頃としびれを切らしていた よく来たなその方に会いたいと申すものが おるまあ下に

いろ会いたいというのは俺だよ 田そう言いながら長の横からすっと立った ものがあっ たまさか忘れはすまい横鉄之助 だ登録はあっと言った立ち上がったのは まさしく横鉄之助である夢ではないか あまりに思いがけなかったので登録はすぐ には声が出なかっ た随分探した ぞ鉄之助は鋭い目でひとこちらを睨み ながら言っ た巡り合えたのは武神の加護だろう気候に は仮があるそれを返そうと思って な念の言ったこと だ登録は初めて口を開い た望みなら返してもらおういつどこ で暴れ者のたあ様もご消耗だお庭先を貸す とおっしゃるどなたか拙者の槍をお持ち ください出よう 右田心得たと言って登録は先にに庭へ 飛び降りた地震の1人が走って行って槍を 持ってきた鉄之助はたきに釈して静かに広 宴の方へ進み出たその時登録は再びあっと 胸を打たれ た鉄之助は右足を引きずって いるあの時俺のついた傷 だすぐにそう気づい た知らなかった 食材を縁へ 出せたあが次女たちに命じ自分も人音を橋 近くへ進め た登録隠していた手だれの槍こいはしかと 見届ける ぞ皮肉な笑いを浮かべてそういうたあの顔 とその傍に深く表を垂れている妹の姿を見 た時登録は弱りかかった手の燃え上がるの を感じたよしと思っ た鉄之助が下へ降りてきた白雪を敷いた 定常へなおひひと降る粉雪の中 に いざと2人は左右へ別れた互いに中断に つけて呼吸5つばかり登録は相手の槍の 穂先から電光が飛ぶように思った上がった 素晴らしく上がったあの時から見ると数段 上を使う苦しんだなそう思った途端鉄之助 は不自由な右足をずと寄せ石づきを下げる と見るやえいと絶叫しながら月を入れてき た2人の足元から雪煙が上がりかつと槍が 愛打った降る雪と足元から舞い上がる雪と で一瞬2人の姿は見えなくなり ついでまいったこれまでだ右という声と共 に鉄之助がどっと横倒しになっ た 貴様と肩で息をつきながら鉄之助は勘に 耐えたという声で言っ

た貴様強いな右田朗々しても腕は鈍るまい と思ったがあの頃よりはまた1段じゃない か口惜しいが俺はまだ及ばない残念だ たて登録は静かに答えた勝負はこれからだ もう1度 立てその必要は ないたあが座敷からそう呼びかけ たよいはその方に大切な知らせを持ってき ている勝負は世の書名だもう良いから 上がって座れ改めて一散とらす ぞ登録はちょっと下せなかったしかしさが 出てきたし鉄之助も笑いながらいかにも 白彩ありげに促すのでともかくもすぎをし 衣類の雪を払って座敷の下へにじり進んだ たあは面白そうに登録の前へ酒魚を据え させ長に向かって兄の休をしてやれと命じ た鉄之助はそこで形をたして一別以来の 挨拶を述べ夏に故郷を出てからこの高島へ 来るまでの荒まを語った高島城下へ入った のは3日前のことで槍を担ぎ雪turの道 をいりの足で歩き悩んでいる格好をただが 認め霊の気象で己れの館へ呼びあげた上右 た登録というものを尋ね回っている事情 まで聞き出すほど親しくなったその話は たあにすぐ新足軽を思い出させさを見かけ たことからこいのいたずらを仕組んだのだ というそこまで話してさてと鉄之助は膝を 直した底本を尋ねてきたわけを言おう実は 半家からお召し返しの上位が下がったの だお 召し登録は目を見張った俺の父が水の故を 持って犯をすることになり底本を公認とし て推した老の中にも底本の人物やり筋を 認めている方が多いのでとりあえず操市販 女役としてお召しかしと決まったのだ右田 いよいよ底本の槍が世に出たぞ待ってくれ 登録は静かに表をあげ たご犯のご講師もご家中名の肝心なお扱い もも肝に命じて片づけない先番ありがたく 存ずるが俺は美春へは帰らぬつもりだ何 帰らぬそれはまたどうしてだ俺は自分を はじる気持ちでいっぱいだ俺にはお召し 返しをお受けする資格は ない登録は口中を訴えるように言っ たあの時底本と争いになった原因は俺の 見苦し傲慢からだった生じ少しばかり槍が 使えるようになると当然己れが四分になっ てもいいように思い上がり足軽という身分 に不満を感じ出した馬鹿 な彼は自分をしたするようにうめえ たご方向というものは身分によって違う ものではない四分には四分の方向があり 足軽には足軽の方向があるその本文を忘れ てわずか腕に目がみ俺が面をしてのしまっ たかと思うと俺は骨を砕かれるほど

恥ずかしくなさけ ない男が腹の底をさらけ出しての告白で ある鉄之助も心を打たれた長にはああと 思い当たる多くの階層があったそしてたあ までが逆月お手に呆然と耳を傾けてい たしてから俺はいかにもして槍一筋の武士 になろうと誓ったその老中のことだったが 天竜川に沿ったある貧しい旗で雨売りを する老人の10回を聞き初めて夢から覚め たように思った足軽は足軽として一筋に 勤めるそこに方向の道があるそこに全てが あるのだ俺は生まれ変わったつもりでご足 として使えた俺の障害はここから始まるの だよいこの気持ちが分かってもらえる か鉄之助は深く頭を垂れてそうかとういた そして何か言おうとして目を上げた時たあ がそれを抑えるように言っ た今の言葉は良い土産になるぞよいその 言葉とさを土産にその方は美春へ 帰れなんと押せられますとぼけるなナの ことは夕べの物語に漏らしていたぞ右田は 高島へもらうこれほどの物の歩を手に入れ て今更話すバカはおる まい右田は高島でもらうその方はさを連れ て帰れそれで登録にも不足はあるまいがお 待ちください 鉄之助が驚いて親方様がそのように押せ られまして は何登録が自分でそう申したではないかと たあは笑っ た世が望んださをその方が連れてまるその 方の望む登録を夜がもらうこれでゴブと 語部だ帰ったら美春校に申し上げてくれ 高島班では天下一の僧家を足軽に抱えて おると な酒が冷えた変えて参れというただあきの 声はしめやかになった5点のうちに明りの ついたような活気を与え た外はまだ仕切りに降る雪で ある DET

原文:https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/files/57555_75479.html

「足軽奉公」山本周五郎
底本: 山本周五郎全集第十九巻 蕭々十三年・水戸梅譜
出版社: 新潮社
初版発行日: 1983(昭和58)年10月25日
入力に使用: 1983(昭和58)年10月25日
校正に使用: 1983(昭和58)年10月25日
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html

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