Search for:

ファッション業界は、仕方なくサイズ・インクルーシビティに至ったのではない。あくまで選択の結果なのだ。提示されてきたのは、キュレーションされたプラスサイズ像──砂時計型の体型で左右対称、そして既存のサンプルサイズに収まる身体。パロマ・エルセッサーやプレシャス・リーは力強い存在だが、あくまで特定のタイプのプラスサイズを体現している。定型的なプロポーションに収まらない身体、あるいは非対称な身体の女性は、いまだランウェイに立っていないのだ。多様な体型を受け入れ始めるまでにも長い年月を要したが、その変化は依然として、従来の美の基準にとって視覚的に“受け入れやすい”範囲にとどまっている。

問題はキャスティングに限らない。小さいサイズの衣服は、最初のスケッチの段階から身体を前提に設計される。一方で大きいサイズの衣服は、同じデザインを単純に拡大しただけで、既存のパターンに当てはまらない身体における素材の動き方を踏まえていないことがほとんどだ。ファッションはサイズの幅を広げることを称えてきたが、「大きな身体に向けてデザインする」とは何かを、同じ創造性と信念をもって問い直してはいないのだ。

ランウェイに残された課題

ファッションには、社会が見過ごしてきた人々の人生に尊厳を与える力がある。今シーズンは、その力がまだ健在であることが示された。しかしその意義は、条件なしに広がってこそ意味を持つ。次に求められる勇気あるアクションは、長年愛されてきた60歳のスーパーモデルを起用することではない。必要なのは、実際にその服を着る人々の世界を映し出すランウェイだ──多様で、整いすぎず、そして枠に収められることを拒む現実そのものを。

Text: Arpita Hota Adaptation: Kie Uchino
From VOGUE Arabia