記事のポイント
スキムズなど有名ブランドが参入し、おそろいパジャマ市場が急成長している。
SNSとUGCがホリデー商戦を牽引し、家族消費やギフト需要を活性化させている。
ハンナ・アンダーソンやパットパットがECツールで顧客ロイヤルティを高めている。
スキムズ(Skims)の最新ホリデーキャンペーンは、おなじみの構図を取り入れている。つまり、クリスマスの朝に、笑顔の家族がそろっておそろいのパジャマを着ているというものだ。
今回の場合、その家族は南アフリカのモデル兼インフルエンサーであるナラ・スミスとその子どもたちであり、着用しているのはスキムズのホリデーショップコレクションから登場した、祝祭的なプリントのマッチングパジャマである。
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スリムなラウンジウェアやシェイプウェアで知られるスキムズは、現在、おそろいのホリデーパジャマ市場で収益を上げている多くのブランドのひとつだ。
ほかにも、オールドネイビー(Old Navy)のような従来型ブランドに加え、ラングラー(Wrangler)や食料品チェーンのアルディ(Aldi)といった意外な企業もこの流れに参入している。
5億ドル市場から8億ドルの巨大トレンドへSNSが牽引
ホリデーパジャマ、特におそろいのセットは大きなビジネスである。
2024年、ホリデーパジャマの総売上はおよそ50億ドル(約7500億円)に達し、市場調査企業のマーケット・インテロ(Market Intelo)は、この市場が2033年までに約80億ドル(約1兆2000億円)に拡大すると予測している。
マッチングセットはクリスマスの朝のInstagram投稿で人気を集めており、子どもが成長して着られなくなるため、親は毎年新しいセットを購入する傾向がある。
ソーシャルメディアがこのトレンドを後押ししている。
2024年には、「おそろいのクリスマスパジャマ(matching Christmas pajamas)」のハッシュタグが付いたTikTok動画の再生回数が約5億回に達し、ピンタレスト(Pinterest)での同様の検索ワードは前年比130%以上の増加を記録した。
ラングラーも参入しギフト需要を開拓
「ホリデーシーズンは、当社のスリープウェアおよびラウンジカテゴリーの販促に理想的なタイミングだ。これらはギフトにも最適だからだ」と、ラングラーを所有するコントア・ブランズ(Kontoor Brands)のライセンシング部門シニア・アカウント・マネジメント・コーディネーターであるエラリー・アンダーウッド氏はメールで述べた。
「この期間を、ブランドに新しい着用シーンを提案し、顧客ロイヤルティを高める機会とみなしている」。
「元祖」ハンナ・アンダーソンが進化させる家族おそろいパジャマ戦略
スリープウェアブランド、ハンナ・アンダーソン(Hanna Andersson)のプレジデントであるエイミー・ラピック氏は、自社が40年の歴史を持つ「おそろいパジャマの元祖ブランドのひとつ」であると語る。
おそろいのセット自体は1950年代から存在していたが、1990年代に一般的な文化として定着させたのはハンナ・アンダーソンだとされている。
現在でもこのカテゴリーは同ブランドのビジネスの中心的存在であり、チームは毎年、ホリデーおそろいパジャマのパッケージ化、マーケティング、販売方法に新たな工夫を加えている。
ハンナ・アンダーソンは新しいパターンを着実に追加し、現在では55種類以上にのぼる。また、親子だけでなく、赤ちゃん、ペット、祖父母など家族全員で楽しめるおそろいパジャマを展開している。
オンラインツール「ファミリーマッチ」で購入体験を最適化
同社が最近打ち出した革新的な取り組みは、「ファミリーマッチ(Family Match)」と呼ばれるオンラインツールである。今月リリースされたこのツールは、家族全員分のパジャマセットを簡単に組み合わせられるよう設計されている。
同社のWebサイト上で、顧客はパターンを選び、家族構成員を指定し、それぞれに合ったフィットやサイズを選択する流れで購入を進めることができる。この仕組みにより、家族全員分をスムーズに購入できるようにしている。
ラピック氏がGlossyに語ったところによると、このツールを利用した顧客は、個別に商品を探す顧客と比べて、コンバージョン率と平均注文額の両方が高い傾向にあるという。
ファミリーマッチを使って大人2人、子ども2人、犬1匹分のパジャマを購入した場合、平均金額は約150ドル(約2万2500円)だが、おそろいの靴下、セーター、ペット用バンダナなどの追加アイテムによって、さらに100ドル(約1万5000円)ほど上乗せされるケースもある。
また、ツールの利用はロイヤルティ向上にもつながっている。
ハンナ・アンダーソンのロイヤルティ会員数は現在約99万9300人で、数週間以内に100万人を突破する見込みだという。
パットパットが拡大する「家族で着るホリデーウェア」市場
カリフォルニアを拠点とするスリープウェア兼子ども服ブランドのパットパット(PatPat)も、おそろいパジャマセットを中核カテゴリーとして展開している。ハンナ・アンダーソンと同様に、パットパットもプリントの種類や対象年齢層を拡大している。
「ホリデーシーズンは、当社にとって間違いなく最重要の時期だ」と、パットパットのマーケティング責任者ラヌ・コールマン氏は述べる。
「おそろいのスリープウェアは、『あればうれしいもの』から『家族の絆を象徴する核となる瞬間』へと進化した。当社では大人や子どもだけでなく、祖父母や家族の犬のためのスタイルも用意している。家族全員がそろって登場することが、思い出作りのはじまりだからだ」。
パットパットは2100万人以上の顧客を抱え、140カ国以上で衣類を販売している。毎年のホリデーシーズンには、100種類以上の新しいプリントやデザインを発表している。
同社にも同様の「マッチングパジャマ作成ツール」があり、大人2人、子ども2人、赤ちゃん1人分のセットが100ドル(約1万5000円)以下で購入できる。また、ハンナ・アンダーソンと同様に、クリスマスセーターやギフトバッグなど追加アイテムのオプションも多数用意されている。
SNSとUGCが生み出す「おそろい文化」の拡散効果
この商品が人気を集める理由のひとつは、家族全員がマッチングしたパジャマを着て撮影した写真をInstagramなどに投稿できる点にある。
毎年、有名人の家族による「おそろいパジャマ投稿」があふれており、ブランドにとっては豊富なUGC(ユーザー生成コンテンツ)の源泉となっている。
「当社のマーケティングは主にデジタルで展開しており、多くのブランドアンバサダーが当社のパジャマを紹介している」とラピック氏は語る。
「ホリデー向けのYouTubeキャンペーンでは、当社のパジャマを『居心地のよいホリデームービー』と組み合わせて紹介している。また、家族が当社のパジャマを着ている写真を使ったダイレクトメールも実施しており、その裏面にはパジャマのプリントをあしらい、ラッピングペーパーとしても使えるようにしている」。
コールマン氏によると、パットパットにとってTikTokはWebサイトへの最大のトラフィック源だという。
同社が提携するインフルエンサーの多くはフォロワー数5000人未満のマイクロインフルエンサーである。パットパットはマーケティング予算の約10%をインフルエンサー施策に充てており、そこから生じる収益の割合も同程度の10%前後を占めている。
「我々は洗練されたキャンペーンだけでなく、リアルな家族の瞬間、UGC、そしてホリデーの雰囲気を体現するマイクロインフルエンサーに注力している」と彼女は述べる。
「当社のデータでは、親の40%が『ソーシャルメディアが子どもの服の好みに大きな影響を与えている』と回答している」。
[原文:Fashion Briefing: More brands are getting in on the big business of matching holiday pajamas]
Danny Parisi(翻訳、編集:藏西隆介)
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