9月最後の日曜日、尾山台にある「ローズレディースクリニック」で開催された“ココロとカラダのための『シン・更年期ゼミVol.1』”に参加しました。第1回のテーマは「どんな症状?どう備える?更年期入門」。更年期についての情報は巷にあふれていますが、何が正しいのか迷う人も多いもの。そんな中、更年期世代の女性を多数診察するクリニックが主催するセミナーとあれば、信頼できる最新知識を学ぶチャンスです。

「更年期」、どう備える?最新情報を学ぶセミナー「シン・更年期ゼミ」をミモレ美容ライターがレポート_img0

 


「シン・更年期ゼミ」が目指す3つの“シン”


ゼミ名にある「シン」には、次の3つの意味が込められているそうです。

・新しい視点:「更年期=不調・衰え」という固定観念をポジティブにアップデート。

・真実:医学的・科学的な正しい知識を共有し、誤解や偏見をなくす。

・芯:自分の心と体の“軸”を取り戻し、自分らしく生きるための芯を育てる。

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プレ更年期や更年期に関心を持つ来場者で熱気に包まれる会場


更年期の最新基礎知識

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まず登壇したのは、ローズレディースクリニック 産婦人科専門医の石塚清子先生。更年期についてはある程度知っていると思っていても、最新の知識にアップデートしておくことが大切です。

 

●更年期症状と受診のタイミング

更年期の症状は実に幅広く、顔のほてり、イライラ、不安感、不眠、動悸、肩こり、関節痛など人によって異なります。「なんとなく調子が悪い」と感じたら早めに受診を。すべてを“更年期だから”と決めつけて我慢することは危険です。甲状腺異常や循環器疾患など、別の病気が隠れていることもあるため、強い関節痛やひどい頭痛による目眩、吐き気がするなどいつもと違う、今までと違う症状があったら遠慮せず相談を。

●自分が更年期かどうかを知る目安

明確な診断基準はないものの、婦人科で広く用いられている「SMI(簡略更年期指数)」(※)を活用すると、自己評価がしやすくなります。月経周期が乱れてきたら卵巣機能の低下が始まっている可能性があり、治療を検討する目安になります。

※SMI(Simplified Menopausal Index)は、更年期の身体的・精神的な不調を10項目で自己評価できる指標。当日来場者に配布されました。

●主な治療法

・ホルモン補充療法(HRT)

女性ホルモンを補う治療法。女性らしい体つきや髪のツヤ、月経や妊娠の維持に関わるだけでなく、骨密度の維持や脂質代謝、コレステロール・中性脂肪の調整にも効果があるとされています。乳がんのリスクを心配する方も多いですが、実際には生活習慣病などによる乳がんリスクのほうが高く、必要以上に恐れる必要はありません。

※乳がんや血栓症の既往がある方には適用できません。

・漢方療法

多様な症状が現れる更年期とは相性が良く、副作用も少ないのが特徴。体質や症状に合わせて処方されるオーダーメイドの治療法です。

※肝機能に障害のある方には適用できません。

・メルスモン注射

通称「プラセンタ注射」。約60年以上の臨床実績があり、更年期症状の改善効果が認められていることから保険適用が可能です。頻繁な来院が必要で、皮下出血や献血ができなくなるなどの注意点はあるものの、効果が期待できる治療です。

・サプリメント

植物エストロゲンとして知られる「大豆イソフラボン」を補う方法もあります。摂取量は1日30mgを超えないよう推奨されており、摂りすぎはホルモンバランスを乱すおそれがあるため、用量を守ることが大切です。

・その他の治療

ホットフラッシュや気分の落ち込みには、必要に応じて抗うつ薬を使う場合もあります。精神的な症状は更年期が原因と気づかれにくいこともあるため、注意が必要です。

薬による治療と並行して、運動やバランスの取れた食事、ストレス発散法を見つけるなど、ライフスタイル全体を整えることも効果的だと先生は強調されていました。

日常に取り入れたい「更年期」ケアも紹介

 

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