今年3月に発表されたルイ ヴィトン(Louis Vuitton)のブランド史上初となるメイクアップライン「ラ・ボーテ(La Beauté)」が、ついに正式ローンチする。これは、創業から170年以上を経てのビューティ市場本格参入であり、ファッション同様にラグジュアリーを極めたコレクションが展開される。
このメイクアップラインのクリエイティブ・ディレクターを務めるのは、世界的メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)。20年以上にわたりルイ ヴィトンのランウェイメイクを手掛けてきた彼女が、ブランドの美学と自身のクリエイションを融合させ、究極のラグジュアリーを形にした。
第一弾コレクションの中心は、55色のリップスティック「LV ルージュ」だ。ローマ数字のLV(=55)に由来する展開数で、27色はサテン、28色はマット仕上げ。1本140ユーロ/160ドルで販売される。
このほか、10色のティントリップバーム「LV ボーム」(各140ユーロ/160ドル)、8種のアイシャドウパレット「LV オンブル」(各220ユーロ/250ドル)が登場。リフィルはリップが69ドル、アイシャドウが92ドルに設定されている。
プロダクトデザインを手掛けたのは、工業デザイナーのコンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)。モノグラムフラワーといったハウスのアイコンを落とし込み、リフィル可能なサステナブル仕様を実現した。
さらに、ルイ ヴィトンのマスターパフューマー、ジャック・キャヴァリエ=ベルトリュード(Jacques Cavallier-Belletrud)が香りを監修。リップスティック「LV ルージュ」にはミモザ、ジャスミン、ローズが、リップバーム「LV ボーム」にはミントとラズベリーが調香されている。
「ラ・ボーテ」は8月20日(現地時間)に中国で先行発売され、8月25日から世界各国でデジタル先行予約が開始。29日からはルイ ヴィトンの一部店舗および公式サイトで発売される。展開は世界116店舗に及ぶ予定だ。
また、ニューヨークのソーホーには期間限定ポップアップが設けられ、バーチャル試着体験やメイクコンサルテーションなど、没入型のビューティ体験が実施される。
高価格帯に挑む「ラ・ボーテ」
一方、今回の「ラ・ボーテ」は、リップスティックが1本160ドル、アイシャドウが250ドルと、既存のラグジュアリーブランドのメイクアップラインと比較しても高価格帯の位置づけだ。エルメスが発売しているリップスティックと比べても、その価格は約2倍となる。
LVMH モエ ヘネシー ルイ ヴィトン(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)の2025年上半期決算は、売上・利益ともに前年を下回り、特に主力のファッション&レザーグッズ部門が9%減収であった。こうした逆風の中で投入されたルイ ヴィトンの新メイクアップラインが、果たしてブランド・グループ全体の成長をどこまで後押し出来るのかにも注目したい。
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