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7月9日。米国の映画俳優組合・テレビラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)のメンバーが、ゲーム出演者向けの新契約に賛成票を投じ、約1年にわたって続いていた声優たちのストライキが正式に終結した。投票では95%が契約を支持。この契約には、3年間にわたる年次昇給や報酬の増加に加え、ゲーム会社が業務を人工知能(AI)に委ねるのを防ぐための安全策も盛り込まれている。

ビデオゲームの声優たちは、AIからの保護を確保することを目的に、11カ月にわたりストライキを続けてきた。報酬や労働条件など、そのほかの契約条項については数カ月前にすでに合意が成立していたが、AIを巡る議論が最大の障壁だったと、SAG-AFTRAの全国執行役員で主任交渉担当のダンカン・クラブツリー=アイルランドは語る。6月には、契約の最終承認を待つかたちで、ストライキは一時中断されていた。

存亡に関わる問題

SAG-AFTRAの委員会議長も務める声優のサラ・エルマレーによると、ゲームの出演者たちは、ChatGPTのようなツールが爆発的に普及する以前から、AIを警戒してきたという。「わたしたちのとって最も重要な、存亡に関わる問題だということは分かっていました」と彼女は語る。「ゲーム業界は本質的にデジタル化された分野ですから」

ゲーム制作において、出演者の役割は欠かせない。声優はキャラクターに声を当て、モーションキャプチャでより自然な動きを与え、さらに自身の肖像権の使用も許可する。AIはアニメーションやテクノロジー、教育など多くの業界に影響を及ぼしているが、特にビデオゲーム業界ではその影響が急速に現れ始めている。

契約の一環として、ビデオゲーム・メーカーがAI主導のデジタル・レプリカを作るためにパフォーマーの声や肖像を使いたい場合、同意と開示の契約が必要になった。また、出演者がストライキに突入した場合、企業がAIを使って新たな素材を生成することへの承認を停止することも認められている。

AIはすでに実際の声優を置き換え始めている。5月には『フォートナイト』がスター・ウォーズのダース・ベイダーの生成AI版を導入した(数時間でプレイヤーに罵言や差別用語を話させる事態に。製作元のエピックゲームズはすぐに修正パッチを配布した)。数日後、SAG-AFTRAはエピックゲームズの子会社Llama Productionsに対し、国家労働関係委員会に不当労働行為の申し立てを行なった。SAG-AFTRAのウェブサイトに掲載された声明のなかで、人間の労働者をAIに置き換えたことが「事前の通知や組合との交渉なしに行なわれた」と非難している。

ダース・ベイダー役のジェームズ・アール・ジョーンズは、2024年に亡くなる前に、AIで声をデジタルで再現することを許可した。クラブツリー=アイルランドは、特定のパフォーマーや契約についてはコメントしなかった。しかし、その肖像や声がどのように使用されるのかについて、「合理的に具体的に」記述され、一貫した保護が適用される必要があるという。「これらの規定は、亡くなったアーティストのイメージ、声、パフォーマンスが、存命のアーティストと同じ敬意をもって扱われることを保証するものです」とクラブツリー=アイルランドは言う。

ゲームはAIの最先端

ビデオゲームを作っている企業は、AI技術の最先端にいるとクラブツリー=アイルランドは言う。「私たちにとって、この一線を引くことは本当に重要なことでした。SAG-AFTRAが交渉してきた企業には、アクティビジョン、エレクトロニック・アーツ、インソムニアックゲームズ、テイク2プロダクション、WBゲームズなどがある。

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