点滅する女
蛍が集まると、小さな宇宙が生まれるのよ─姉の語るおかしな話が、私は好きだった。初夏。緑眩しい、山あいの田舎町。父、母、兄と共に実家の工務店で働く田村鈴子は、家族の間にある静かな歪みに悩んでいた。表面的には仲の良い田村家だったが、5年前、家族の中心だった長女・千鶴が亡くなってから、その関係はどこかおかしくなっていた。そんなある昼下がり。一人の見知らぬ女が、田村家を訪れる。「千鶴さんの霊に、取り憑かれてまして」女の奇妙な言葉をきっかけに、ぎりぎりで保たれていた彼らの関係は、大きく揺り動かされ─一年半ぶりのピンク・リバティ新作公演は、喪失に苦しむある家族に訪れた幻想的な夏の一幕を、ブラック・ユーモアを交えて軽妙に描き出す、さみしくも美しい家族劇。(C)2023 ピンク・リバティ All Rights Reserved.
