【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「七、真琴危難」 ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房
難 1一方は城のすの妹の誠最後の時が来る までも兄のそばを離れないつもりでしたが 走れまといと言われると自尊心の互い娘は この上兄につきまとって駆け引きの邪魔を するわけにはいきませんそうでなくてさえ 手形のある兄の城のすに赤し破りという 恐ろしい冒険までさせてしまった誠です村 が雲助を牽制するつもりらしく手一ぱいに 城のすが働いている隙を狙って地獄の底へ 落ち込むような暗い心持ちで孫はゆりと道 の闇路を箱根の町の方へたどったのでした ともすればまつ毛が濡れて行手の検討も つかなくなりますがこの上ぐずぐずして兄 の負担を重くするわけにはいきません こみ上げてくる涙を紛らすために恐ろしい 闇の中を何べか駆け出しましたボロボロと 泣きながら夢の中の悪獣にでも追われる ように何度も転がっては起き起きてはかけ かけてはまた転がりました人の騒ぐ声物の 打ち合う音などは次第に遠ざかりますが誠 の体はそれだけ兄から遠ざかって未知の 冒険へ一歩ずつ飛び込んでたのです足れ まいといったのは妹を逃すための激励の 言葉とは分かっておりますがそれでもその 冷たい言葉の記憶がいつまでもいつまでも 涙を誘ってならなかったの ですやがて町の明かりが子の中から チラチラと見えてきました本人鎌倉屋の門 に掲げた高張かもわからずもしかしたら書 役人たの夜長を語る明りかもわかりません とにかく人影と明りが何より恐ろしかる べき誠がぎょっとしたというよりは妙に人 懐かしい気持ちで薄明るくなりかけた道の 上に立ち止まったのでした間違って役人の 手に落ちるようなことがあれば手方もなく 赤しを越した証拠もなくそのく江戸から 小田原へかけて道中顔見知りの旅人も多い ことですから間違いもなく仕置きに上がる 誠ですがあまりに恐ろしい山路を分けてき た上闇の中で思いもよらぬ雲助などに襲撃 されてしっかり者のようでもさすがに娘心 は怯えたのでしょう誠は明りに誘われる夏 の虫のように何の分別もなく近づいていき まし たしかしその明りに近づく前山道を出れる 辺りでとうとう後ろからやってきた一体の 雲助に追いつかれてしまったのです向こう に見えたぞ閉めた女だ雲助の声対抗道へ 残ったのは男1人と見て引き返した人数が 山に慣れた足で早くもこの時誠の後に追い 迫ったのでしょう運の悪いことにちょうど 谷を染めた月の弟を今までの真っ暗さの 反動で山道はなんとなく薄明るくさえなっ ていくのですこんな逃げるか石勝破りは
お前だろう相手を女と見ると城のすに 打ちのめされた雲助たちも急に強くなって 気臭くなるように誠へさとしました真っ先 に立った男の手がさっと伸びて誠の肩先へ 乙女の軽快な体はくるりと回 その手を外すと道端のへ小うのように 飛び込もうとしましたがいけませんもう1 本の手がどかいまった際を取ってぐいと 引きます はわずかに声を立てた誠この時はもう兄に 別れた涙も乾いて日頃の多しさに立ち返っ ておりました振り返ると早速の目つぶし5 本の細い指がくわっと迫っ 戦闘の久助の顔を打ちますあ何をしやがる あま続く1人はこの時早く誠の行手に回っ て精一杯の大出を広げまし た2餌を見つけた野犬の群のように雲助は 散歩から誠に迫りました米2方に銭2巻と いう擦りむきやコブくらいはこえても悪く ない褒美がある上薄月に照らされた誠の 美しさが箱根のルペたちにも全く戦場的な 白物だったに沿いありません幸いここへ 駆けつけた雲助はほの別動体でたった4人 しかなかったのが誠にとってはまだしも 幸いでした兄と一緒に東西に本訴して難も 難と思わない誠一通り武芸の心がけもあり や2人の相手なら手込めにされるような ことは滅多にありません最初のうちは継承 に飛び回ってアコに内も引っかきもつん のめらせもしましたが逃げるものと捉える ものです道場で立ち向かう対等の試合では ないのですから積書の手形を持たないだけ にないしは美しい娘だけに誠の方には3部 の損がありますその上相手というのは こんな駆け引きには慣れっこになっている 箱根の雲助です生ず1本さえあればやな 日本差しへ食ってかかる勢いのわがまま ごめの人足ですわがままごめという言葉は ありませんが初代名の山近の御を足した 街道筋の人足特に箱の雲助は大したもので 下手にからかいでもしようものなら全く どんな目に合わされるか分からなかったの ですましてこちらは気が強いようでも 女の子が1人少しくらい武芸の嗜みがあっ たところでどうなるものでもありません おもジタバタするな前から殺する周回な表 が2つあ振り返ると後ろから動物的な4つ の目がギラギラと狙いよります兄のジノス に一応は止められましたがこうなると乙女 の本性は自分の体を命がけで保証しない わけにはいきませんお抜いたぞいつの間に やら相口が振り上げた誠の手のひらに きらりと光ります痛めつけようかまちな傷 をつけると根が下がる足山で井子を生ける ようなことを言って地方から娘の体の破れ
を狙っておりますしかし誠もいつまでも 雲助たちのままにはなっていませんでし た 少しの隙を見つけると相口をひらめかして 2人の雲助の真ん中へ物をわずに割り込ん で行きましたお危ねえたを刺されちゃかわ ねえ一方は遊撃気分思わず開けた行手の道 へまは毎文字に駆け出してしまったのです どっかい逃すものかいあまちれと畳みかけ て4人最初の男の手が早くも誠の背に及ぶ とぐいと引くはみに誠の相口は左と飛んで 後ろかきにあ切れ上がったたらたらと千は 手首を染めて流れましたてめえがどじだよ 相手はハムを持っているんだぜ続く雲助は 行を回して誠の肩先 へわずかに身をかわしましたが手首を打た れて唯一のなる口をボロリと落として しまいました拾いにかかるのそんなものを 拾はしてなるものかい上から包みかかる 雲助の1人は見事に1本勢いが決まって おお大地へ大様に叩きつけられてしまい ました油断すなこのメは強いぞ少し開いた 4人のはトのある工事を望んで第2の攻撃 に移ろうとしており ます 3誠は必死と防ぎました泣くことを知ら ない美しい蝶が4匹の身にくい雲に 追いつめられたようにそれは明るいところ ではまともに見ていられないような残酷な 争いでしたしったやじゃないかセシの人を 呼んでこいよ何はつまらね役人に引き渡し て米2に2じゃもったいね見前持っていっ て念いっぱいはめ込めば30両とか50両 とかいう玉だよその通りぬかるな棒傷を つけちゃなろめごってんどうもよくない やつが揃いましたやりとつらせられた日に は声を立てることも助けを呼ぶこともでき ない赤し破りの誠には全く手段がありませ ん逃げるもかすも引っかくも全く東の間 だけで時間がけば娘の体は次に疲れて取ら れるに決まったようなもの ですそら向こうだかき回しちゃならねえ俺 もに傷をつけたらどうするつもりだ買わの 悪太郎どが大きいナズにでも出くわした よう誠はこうして手も足も出るまでにされ た上4人の雲助の頭の上に田大の花のよう にそっとを抱き上げられてしまったの です唇を血の出るほど噛みしめましたが 元より声もありませんしもなく乱れた黒髪 が海藻のように頬から顎へ絡みついて天に 中するもはぎあうなんてことをしやがるん だおひ様はそんなに暴れるものじゃねえ足 の方へ回った雲助下に顎を蹴り上げられ ながらも燃え立つけだしに絡まる娘のハギ をもろ手だきに抱え込みました約束だ我慢
しときね何よそれが気に入らなきゃいも 手代わりはあるぜ後ろに手を開けて立った 1人はこんな太平落を行っており ますおしかったら三島まで坊主持ちはどう だふざけちゃいけねえこんな服に箱の山を 坊主があくけそいつは困った4人の下りは 待ち切れねとばからくのを持ってこようか バカ野郎ダチは出ねえよ野天のルペたちは 若い娘の体を片にして運ぶ換気に酔いしれ てあたり構わぬ頂点差を発揮しております 東山のくはこれは長さ4尺ほどの白縄を 340本束にしそのうち1本へ金の輪を 通して迅速に引かせ金の輪を引き当てた ものが逆を取ることになっていたものです それはともかく4人の雲助はより友道を一 3に箱根の町の方へ駆け下りましたややと 重みのかかる美しい荷物死んだか生きて いるかそれとも機械を待ってじっとして いるかわからない誠を肩車に乗せて慣れ きった態度で夜の道を踏みしきましたと不 に行て立ちふさがったものがありますだら だいどきゃがれおの邪魔だぞ悪魔の探りを 飛ばしておいてその隙に見るとセだ手 ばかり長い男を2人分ほどある肩幅に道を 塞いで毒雲のように光る目をきらりと見る ように4人のルペを見つめますやろ物を 言わなきゃ手の開いたのが1人さっと 飛びついたがいけませんどんな術があった ものか道端のやに犬のように叩きれやろ ふけたこと続く3人もあっという間に 突き飛ばされ次の瞬間に誠の体はこの怪人 の脇の下に移っていたの です 4言うまでもなくかろのレの右の腕と言わ れたセの吉座うい何をしてがるんだ旅の女 など手にしていい誠の死んだような体を ぐいっと左の小に買い込むと右の腕を保に して薄明かりの下に人の大見を切ります なんだとその女はセシアルだ知って可い 建てをするとてめえも張り付けたぞ4人の くすとっさの間に工房陣を張って吉田の 真光から詰め寄りました何がやだ今聞いて いりゃ見島へ担いでいって年いっぱいに はめ込めば30両とか50両とかいって あったじゃねえか何を石勝破るよ見島へ 売ろうとしたやつのつが見ておきてここへ 出てき やがれ4人の雲助はいぺにペシャンコにさ れてしまいました黒線風離脱のように有毛 な吉だですが腹の底から混じり気のない 悪党だけにこんなことにかけてはどじな 見かけとは反対に上そのように鋭い知恵が 働きますさあ学人のとへ一緒に気 箱根にそんな毒虫がはびこっちゃ旅人の妨 だ何が役人の前へてりゃその女は手方は
ねえんだぞあたりめさ三島から登ってきて ようやく箱根へついたばかりの娘だ石勝を 明の朝こすつもりで旗を探していると てめえたちに追い回されてよりとも道へ 逃げ込んだんだのそうだろう娘それ見ろ娘 は頷いているじゃないか手方はてめえたち に追い回されているうちに振り落としたが まだ席書を越しちゃいねえよこのまま三島 へ帰りゃ住にもとにもなるわけはあるまえ おあんなことを言ってやがる文句がある なら役人の前へ出て言え俺はこう見えても ご本人にいらっしゃるほった立中の神様 要人ババクランド様のまた用人登録って ものだお起きれた野郎じゃない かご役人で拉が開かなきゃ江戸表五10 までそう言ってやる上がれどうも少し無法 ですが筋が立っているので理屈ではかい そうもありませんおいどうする春だな やっつけようじゃねえかよしたったこれ だけですっかり容量を打ち合わせてしまっ た雲助4人が手法に別れるとやろくっって しまえ行と相口と元が隙間も降ってきまし た何をしる1つ身を沈ませると1本の行を 奪って右の片手業体に縁を描かせながら 存分に振りましたおお何分日本の力技行き は真に折れましたがその代わり2人ばかり は鼻面を叩かれて虫のように下った様子 やらふざけたこと前後から掴みかかる2人 は見事に合わせをさせられた上俺のの生ず をねじ込んで3弱ばかりこじあげ物の見事 にこれも大地へ叩きつけられましたこれが 全て左の小にまを抱えての片技ですその 日本の体力には力をもでに箱根で稼いで いる雲助も全く歯が立ちません役所へ わずかにうまく1人仲間を読んでこよう かい出すもう1人 だか役人でも仲間でも好きなものをつらて きれ家も隠れもしねえセの吉座がこの時 ほど得意だったことはありません精子も 知らずいや体温が生々しく通うのですから 生きているにはそういやりませんとにかく 若い娘を必死と小に買い込んで時々その顔 を覗きながら町の方へカンカンとたどった のです 5おでんが城のすを救ったのは夕間でも なく恩を売るためで野天にふけっている 雲助を先導したのはその伏線に過ぎなかっ たのですしかしセシの吉座が誠を救い出し た同機はまるっきりそれとは違いますふろ のような恐ろしい目を持った吉座がよりと 道の人騒動を良きしてここまでやってくる と目の前によりのすたい誠の争いが ちょうど深刻に展開していたのです誠が4 人の荒れ男に手込めにされるのを見ている のは岸田にとっては全くたまらない見物
だったにそういやりませんこの男は道上と かアイレとかいうものはお袋の体内に置き 忘れてきたような人間です若い娘が目の前 でどんなことになったところできクエを 見るほどにも実感は動かしませんがこの 場合だけは特別でした色の浅黒い目鼻立ち の立派な生めかしいというよりは気品の いいまが必死の場合に望みながらも武家の 娘らしい嗜みを失わずに最後まで奮闘する 惜しい姿は吉田の好奇心を沸点まで 引き上げてしまったのでしたこれがおい 臭い女だったら雲助に踏みつぶされても吉 は黙って見ていたこと でしょうつまらないものに手を下して大事 な度に患いをこらえるのはあまり賢い方法 ではないということは吉田もよく承知して おりますけれども瞳空に登っているのが いそやあぶの往来で座を散々手こずらせた 誠ですこれが世間波の娘なんでもないの ですが誠の悪戦苦を見ているうちに吉の心 の中にはアブの往来のとても我慢のでき ないシーンが生き生きと蘇ってきたのでし たちくしあの玉を雲助なんかのままにされ てなるものかい吉沢は風然として 立ち上がりましたゴリラの腕が存分に動く と雲助の3人や4人は外の一食です誠に 痛められていた助が吉の片腕にじられて しまったのも無理のないことです驚いたろ 女きは小に抱えたまをゆりあげて夜の 薄明かりでその顔を透かしました娘は歯を 食いしったまま物もいません薄好きに 照らされると性なの顔も妙に痛々しくじん で片につんだ口のカーブさえ妙に人の心を そります怪我をしたのでも気を失ったので もなくしばらくは力尽きて成行に任せる つもりの誠だったの でしょう雲助の片の上にあると吉さの小に 抱えられると何の代わりがあるわけもなく 次に展開する局面を待つともなくじっとし て目をつぶっていのでしたひどい目に 合わされたな へ押し殺したような不気味な笑いがまの耳 のすぐそばに爆発します 生暖かい上のような息誠は襲われたように ハと目を開きました驚いたことに地の 大きい顔それは実に抜群の大きさです武学 の面のようにあったくて虫の肌のように 黄色で鼻もも唇もむずむずうめくのがまの 顔へ近々と寄ってくるではありませんかあ はあはこの時ばかりは悲鳴をあげました 薄黒さえ見える巨大な虫のような2つの唇 が恐ろしい力でじりじりと落ちかかって いんのです離れてさえいれば継承に戦える 誠ですが万力のような腕で小に込まれては どうすることもできません本当に必死の
思いでわずか1本自由になった左手を 伸ばすと座の周回な顔を精一杯払いのけ ましたそれが誠に許された唯一の抵抗だっ たの です6きはハと顔を背けましたふいに来た 娘の指が危くその金まを引かしたの ですつまらねえことをするなよさの右の手 が働くと誠の体は完全に締めにかけられて どんなに悔しがったところで身動きも できることではありませんあ助けて次の 瞬間まの声は夜の空気に筒抜けましたこの 周な唇2匹の虫のようにうめく唇に襲撃さ れるよりはになった方が楽だと思ったの でしょう騒ぐなよ今度見つかるとお前 ばかりじゃねえ俺も命が危ねえ殺せ殺せ 殺しもどうもしないお前を助けるつもりで 大骨をっているじゃないかこれはおそらく 座の本音だったでしょう助けるつもりのが ついあぶの夜の街のシンを思い出して 不思議な情熱にれたまででうっかりここで 騒がれて石役人に見つけられでもすると口 が遅く雲助をやり込めたようにもいかない でしょうから赤し破りの女を助けた角で 自分の命も危ないのは分かりきっており ますしかし誠は思いのほ手ごわい女でした 目近のような柔らかいうちにも妙に狂人な ところのある死士を働かしてともすれば吉 の脇からくぐり落ちそうになる上少し気に 入らないことがあると日のついたように 悲鳴をあげるのです口を抑えるのはなんで もないことですがそうすると片手が塞がる ので誠の活動を封じるわけにはいきません 女静かにしろい大きな声を出すとサグは浮 かませるぜそうなるや俺も手数だがお前も 不だろうしばらくの死だじっとして三島へ 抜けるうち我慢 を箱根の町は半分から先が見しり警備は山 の江川太郎門でぐっ寛大になることは吉座 ことごとく知っておりますまはしばらく 黙り込んでしまいました激動の後で口も 聞けなかったのでしょう固く締めつけられ た胸のうちに心臓が高かってあえぎあえぎ 次に展開する運命を待つばかりだったの ですいいだいいことだ黙ってえすれどうも しはし ないそのひひと笑う声だけでさえもどんな に乙女の心を脅かすかわかりませんが どんなに暴れたところでこのゴリラの腕 から逃れる工夫のつかないことが分かると 誠は黙って吉の顔や体に巨する何とも知れ ぬ表情を酔っておりますマはざわざわして いるよこの辺りでしばらく休め声を出し ちゃならねえよ間違って音をあげたら最後 だこの5分の指がお前の喉笛に食い込む よ町を横切って人目を避ける姿で少しひし
の下を行くと吉は滑るようにとある小屋の 中へ潜り込みまし たわの中へそっと置かれたマ近々と男の息 を感じてもう一度悲鳴をあげようとしまし たがならいっちゃなるねえというのに吉田 の大きい手のひらはがりと口を塞いで しまいますしばらくじっとしているとまの 息の平に帰るの合図のように吉田の 手のひらは緩んでいつの間にやらまの唇 から離れており ますしかしこれは誠の最後の抑制でした 全力を集めてようやく平成な調子に帰ると 次の瞬間には笑を蹴ってダットのごとく 飛びのきとざし残った入り口からさっと 抜け出そうとしたの です7おうどうへ行く後ろからむとゴリラ のて来されたマは悲鳴をあげる暇もなく 一方の手のひらで口まで塞がれてしまい ました 俺は闇の中でも目が見えるんだぜちょいと ごかして逃げ出そったってそんなわけに 行くもるかい孫は無抵抗に引き戻されまし た闇の中で目の見える鉄のような腕を持っ た怪物と争ったところで何の役にも立た ないことは分かりすぎるほどよく分かった のでしょうごだいことだしばらく静かにし ているんだよ大きな声を出したりここを 飛び出したりしてみねお前はいぺに捕まっ てお玉が池の騎士へ張り付け柱を立て られるに決まってるんだ命が惜しかったら じっとしているがいいダにこっている誠を よく堪能したものと思い込んだのでしょう 木の言葉は次第に柔らかに不気味な 猫撫で声にさえなっていきますここお前 どこだと 思うなるほどこう口を塞いじゃ返事も たまい最も口が聞けたところでお前なんか に分かるような場所じゃ ねえ驚くな娘ここはお前お関所裏の物置き 小屋だ よ驚くなと言ったところで関所の物置きへ 連れ込まれては驚かずにいられません外は あの騒ぎだ耳を済ませばハギの音ののしり わめく声箱根の町は雑然としてもの 凄まじい佇まいですどうへがだって捕まる に決まったようなものだ怪しいと睨まれた が最後天井裏まで引っかかされるよその中 で一番気楽な神楽がと言うとここよりほに はね東台元暮らしてな へへへ俺は御影によらねえ学者だろ 押しつぶした笑い声を聞いただけでも越に いる吉座の周回な顔が目に浮かんで誠は ぞっとそうけだちます ここはお席書の道具や馬の会場を入れて おく小屋なんだ壁人へへって隣には息の
いい若いものをネの番にしているよ どっこいそう聞いて足をバタバタさせる なんざ悪い両だ万人は色にはいるがさっき からの騒ぎで井の一番に飛び出してしまっ たよこんな時は足腰の立た年よりか何かの 方が役に立つんだが役人方もゾがちえが ねえというもの よひひがうふふに変わりましたがゲスな 誇りが妙に情熱を煽ってその不気味さと 言ったらありません誠はたまりかねてもう 一度跳ね返してみようとしましたいつまで もこうしているよりは思いきり大きな音か なんかさせて貼り付け柱に登ってみたら どんなに我々するだろうといった手に負え ない衝動がむずむずと全身を走るのです ああ手のひらを噛むんじゃない女さい熊 みたいなもので俺の手のひらの顔は枚張り だお前の綺麗な歯なんか立つものかいこの 時まの体は少しの隙を狙って魚のように 滑り抜けましたが必要な吉座の手のひらは 娘の唇を抑えて寸言の緩みも見せませんだ から女だ 騒ぐだけお前の損じゃないか腕から抜けた 孫の下半身を追っかけるようにぐいと 引き寄せて今度は晩酌のような膝の下へ 加減もなく引きそえてしまいましたらむな 縛られるのも向かれるのもお前の心が娘の しきをほくと口を割って押し込んで東の サグは次には帯を引きよにほくとそのまま 胸から両手をキリキリと締め上げさらに もう1本腰紐を取って両足を力まかせに 縛り上げていったの です8言わないことじゃないよ娘ジタバタ しなきゃるまでやりと三島へ運んでやるの にさきさはそう言いながら縛り上げた誠の 体を物置の壁に持たせかけ入口から忍び いるわずかばかりの白明にすかしながら ネズミを持てあぶ猫のように動毛な換気に 浸るのでし たガジごみじゃなくてこいつは昆布巻きだ あまり気の聞いた格好じゃねえが我が娘に はこの方が似合うぜ本をかけるともっこに 乗っかりそうで色気がなさすぎらきは少し 遠のいて斜めに透かしているようでした闇 にも見える目が何をまさるか誠の不味さは 例えよもありませんやに外が静かになれ やがったがこんな時が一番いけれちと行っ てみてくるよじっとしているんだぜ下に音 を立てるといっぺんに見つかって貼り付け 柱の上から相模などを見下ろすことになる よ分かったかい 娘大人しくしてさえすりや麓までは間違え なくつていてやるよそれから先はその時の 出来心次第よ見島へ叩けうるなんていやし ない女房にするかお前の兄貴へ返してやる
か へ悪くねえ心がけだろう待っていな金壺 まくを2つ3つし叩くと誠に見えたわけで はありませんがそんな感じがするタだらけ な恐ろしい手がそっと伸びて娘の方から エリへもぞもぞと撫で回すのでした うん うんまの悲鳴はサグに殺されて無惨な梅木 に変わります吉さの手が触れるとおかが 背筋を走って毒虫にはれたようにこすられ たところが腫れ上がるのではないかと思い ましたが何を考えたかそれっきり吉は手を 引っ込めてやはり外が気になるよしばらく いりでもしていなと外へ大きな信のように 飛び出してしまいましたしばらくは 恐ろしい静寂足の子の水も雪をはんだ夜の 雲にあされてソヨの音も立てませんまは壁 にもたれかけた姿勢のまましばらく聞き耳 を立てましたきさの姿が見えなくなると 帰って落ち着いた心持ちになりますがその 代わり手加減もなく縛られた節節がいたん で壁に持たれて危ない姿勢がたまらない 苦痛になってきましたウに驚いてはいけ ないよどこからともなく人声が聞こえます かん高い細い声は女のようでもあり子供の ようでもありとっさの間に検討もつきませ ん驚いてはいけないよと言われたところで 場所から時刻は地獄なりこれが驚かずにい られるでしょうかあいなはお嬢さんを助け に来たんだぜあまり上品ではありませんが 言葉の調子は可愛らしい男の子ですまは なんかほっとした心持ちで次の言葉を待ち ましたあの化け物が来ないうちに逃げ出さ なきゃならないんだがサグはお外して うっかり大きな声でも出されてみねえ おいらだって無事じゃ済まねえ大丈夫かお 嬢さんセシ破りの巻き添えを食わされて 貼り付けなんかにげられた日には内になる 望みも不だ真打になる望みという以上は 我が若き公爵し等々さ桃吉でなくて誰で あるものでしょう本人の鎌倉屋がババ クランドのお声がかりで友の中に加えて やろうというのを何を感じたかあらは外の 方がいいや慣れた物置きのわの上をしって ここへ潜り込んでいたもりだったのです 9関所の物置きに潜り込んで犬のように 丸くなってうとうと仕掛けた桃吉外から しんでくる吉の足音を聞くととっさの間に 針に飛び上がって誇りだらけのガラクタ 道具の間に臆病なネズミのこのように姿を 隠しましたが吉が外へ出るとちまいの冒険 心が半時ともじっとさしていることでは ありません 極めて身軽に針からわの上へポイと 飛び降りるとお嬢さん大丈夫かいいきなり
大きな声なんか出しちゃぶち壊しだぜ おいらの言う通りになりさえすりゃあの席 は文句なしに通るんだ弁慶なんとかを食え さねお嬢さん承知ななガテンガテンをして おくれよおいらはあの化け物と違って闇の 中で目が見えるわけじゃねえが勘がいい から大抵検討はつくよ言うことが少し バカバカしいようですが素直で無邪気で その上妙に人懐かしさがありますから孫も つい警戒気分を緩めて我にもあらず闇の中 へガテンガテンをしてみせましたお嬢さん その気なのサコは流流だ化け物の来る前に いいかい桃吉の手が伸びると誠のしごきを ねじ込んでその上を育にもイエにも縛った サグを解き始めましたこいつは硬いよ なんてじな結びよをするんだろうほく手に 従ってありがとうよ兄さんと柔らかいが 思いの他しっかりした誠の声おうびっくり したまだ口なんか聞けはしまいと思ってい たんだ桃吉の驚く声を近々と聞いて誠は なんかこう微傷の漏れるのどうすることも できませんでしたそれだけ桃吉の調子が 東京で誠の心は若さと弾力に満ちていたの です今度は胸だやけに巻き上がったなそれ でももしの努力は少しずつむくいられて 両手を縛った紐も胸を押さえた帯も解けて いきますありがとうよ橋はもう自分でも ほけるだろうまは自分のスを縛ったしごき へ手を伸べましたが五体の節節が硬直して さすがに思うように体が動きませんだめ さんお嬢さんはじっとしておいでよ桃吉は まの手を払いのけてしごきを解こうとし ましたがちりめんのせいかこれはしっかり 結が固まって爪も立ちそうはありませ んしょうがねえな桃吉はこう言うと首を 曲げて誠の膝へかぶりつくようにむいめ 若々しい歯を持っていきましたはお前黙っ ておいだよ急がないとだめじゃないか妻を 合わせる孫の手を買いのけて桃吉の歯は 熱心に根気よく働き続けますそう驚けた ありがとうよたってこなおじさん誠はわの 上へ立ち上がりましたが膝がしびれたのか それとも足の下の安定が悪かったのかあ 少しよけて桃吉の肩へかじりつきました しょうがねえなそれじゃ島まで歩けはし ない下打ちを1つ闇の中にさぞ桃吉の クリクリした目が避難にまいたこと でしょう大丈夫よ兄さん少し慣れるとどこ へだっていけるわそういううちにも誠は その辺を探してしごき細紐帯などを 拾い集め大急ぎで水黒いをしておりますお らの通りにすると受け合い逃げ出せるんだ がなお嬢さんきはそのみいの音を聞き ながら闇の中からこんな傲慢なことを言っ ており
ます 10おいらの言う通りにすれば受け合い 逃げ出せるという少年の言葉をどこまで 信用したらいいか今の誠にはまるで検討も つきませんがおるものの笑で次第に頼もし げな心持ちの動くことは事実でしたお前は わずかに残る疑念を誠はとうとう口に出し てしまいましたこれさえ明らかになれば何 もかも任せてしまってもいいと言った頼り きった心持ちが思いの他柔らかい触覚に なって桃吉の胸に響いたのでしょうおいら 公爵師さんどさ桃吉ってんだよ師匠は名人 だがおいらはまだ唐板を叩く身分さ ああついスラスラと名乗るの 誠は好奇と心安さで聞いておりますといっ たようなわけで決して怪しい人間じゃねえ 安心するがいい抜けまり姿だが親を訪ねて 髪型へ行く道中だよ闇にも検討だけはつく 小さい体滑らかな声これが怪しい人間だっ たら世の中に怪しくない人間というものは なくなってしまいますまあ公なの私は役者 の子かと思った小田原から湯元あたりで 時々見かける抜けまり姿の綺麗な子はお前 さんだったのね馬鹿にしちゃいけねとさも きち伊坂むれましただけど本当に ありがとうよお前なら安心して任せられる 馬鹿にしちゃやだぜでどうしようというの 誠は一切構わず桃吉の声のする方へ任せ きった瞳を投げました おさんは石長破るだろうそんなものに かかりあっちゃろなことはねえが本当の ことを言ってとおらだって手が持っちゃい なかったんだえこれは内緒だよおじさん 抜け前にはおめこがあるんだおいらの体を 降すが三島の方へつけると通すことまかに ならんお前は三島の方から登ってきたから 帰れ帰れとやられたには驚いたよまあだ けど女の子こと間違えられたには弱ったね おら腹が立って腹がだって真もこれには 少し返答に困りました女と見たら赤ん坊も 通さないんだよお嬢さんもそのつもりで 男姿がなんかで来ると良かったんだぜきち は簡単にそんなことを言いますが関所役人 が断層の女を見破ることのできないような まけが揃っているものなら手数な女手方を 用意したり貼り付けにされる人間などは なくなってしまいます箱根町の高古館には 立派な手形を持った道中の女が石車の前へ 来て女の子を産んでしまったためにとうと 通れなかったという不思議な引劇の記録 さえ残っておりますねえお嬢さん積書は 越したがこっから先だってその出立ちじゃ 無事にやる結構はないよ悪いことは言わ ないから男姿になるんだそんなことがお前 できないことがあるものか手ぬいで髪を
包んで傘をかぶりゃ分かるものか色の 浅黒い武術の足並みのあるマは随分その まま美少年姿にならないこともない でしょうマの心持ちは十分動きますがそれ にしても男の着物や旅のもの用意という ものが1つもありません髪型はどうかって も切る着物がなくちゃそれがあるんだよ えそりお嬢さんに着せて男姿に化けさせる 着物があったらどうするんだ桃吉の話は あまりに予想がいい です 11ねえお嬢さん思い切って男姿におなり よ大丈夫だよ石勝越す前だと男姿なんかに 化けていちゃかって危ないが石勝こせは もうこちらのものさんおってなんか泡食っ たいるから姿が変わりゃ気がつかないよ さすがに空いたを叩いているだけのことは あっって言うことはなかなか筋が立ちます ここにあるやん大きは片手に抱えたかなり 大きい風呂敷包みを誠の手に探らせまし たどこから持ってきたの誠が不思議に思っ たのも無理はありません道中幾度もあった 抜けまりの美少年がこの桃吉だったとし たらこんな持ち重りのする荷物を持って いるはずはなかったのですどこから持って きたわ驚いたなこ見えても人様のもの なんか取るような俺じゃねえよ高植えても 頬を継いず君は貸しても当選の水を飲ま ずっての あ生息な調子に誠はついきたしそうになり ますこの着物はバワクランド様が買って くれたんださのご嫌で五十ほった立中の神 様の御用人だ本人に泊まっていらっしゃる よ明日から友といの中に加えてやるからと おしゃって箱根の街でおいらの御岳に 合わせて勝ってくらすたのだ荷物の万人に はお前のようなのが一番いいが抜けまりの 姿では本人へ止めるわけにいかないって 言うんだよおせかじゃないかねえお嬢さん おいらはボケボは大嫌いなんだ取ればうし 取らねば物の数ならずつべきものはうちは なりけり歌を知ってるかいおじさんそれは 寺小屋の上りで聞いているが内輪じゃなく て弓矢じゃないのおじさんは学者なんだね ババのおじさんもそう言っていたよでおら は乗り前ほどのふをもらって売人のケラ なんかになる気はもないんだよとさもは はかりながら天下三郎人のの1人さん1人 はごとたべ1人は安田作1人はガダンエモ それじゃあお前が入ると4人じゃないのよ お嬢さんが笑ってそれならもう大丈夫だ とにかく天下の老人ださのケのまたケ なんかありがたくないやだけどババ クランド様はそれは良い人なんだあんな おけに味をかかせちゃ悪いから黙ってもっ
てきたのがこの包みの中の旅束さ構うこと はないからおじさんこれを着込んでババ クランド様のケになるんだ同中人速に 着せるつもりだそうで素材印までついて いるよ役目は荷物の裁量だ給料は1日 300問京都まで無事に行くとその上お 骨折り量が1両出るとよおまきの話は途も ないものでしたが黒色を膝の上に置かれる とまざらそれが嘘でないことは誠にもよく わかりますそんなことができるだろうか できなくってさババクランド様のケになる のが嫌だったら石島へ行くまでこの束を 借りるんだ後で文句を言ったらおいらが 引き受けるよ馬場のおじさんとすっかり 心安くなってしまったんだからなんという 楽天的な言葉でしょう旅の公爵し抜けまり 姿の美少年等々さ桃吉が角をほった立中の 神の要人でさのヒルアンドと言われた知者 と心やすくなったことは誠もさすがに信じ かねましたが気球の場合この少年の言う 通りになるより他にここを逃れ出る道が あろうとは思われませ ん 12桃きの身代になってババグランドの 行列に加わることは誠にとっては全く願っ てもないことです兄城介の見込みが違わ なければほっ立中の神がク買収に京都へ 持ち込む3万両の御用金はクランドの一向 が守護しているにそういありませんしかし 生まれて17年武家の左方こそ一通りえて おりますが男の真似などは夢にもしてみた ことのない誠です色が少しばかり朝とで 守備よく男になりはせてさのえもと言われ たババックランドの目はともかく山の敬語 をくぐって守備よく三島まで落ちていける ものでしょうかさあそんなことができる かしら女にしても勇気も決断も決して劣る はずのない誠も思わず二の足を踏んでこの 無法な少年の言葉に疑いを挟みました 考えることはないよお嬢さんそのまま 飛び出し捕まるばかりだしここにじっとし ているとまもなくあの化け物が来るよ こっちへ来るがいいなんという無鉄砲さ でしょうきはそう言いながら物置きの一方 隣屋に通ずる鳥に手をかけると少し ガタピシさせながらさっと引き明けて しまいました誠は少し土を抜かれましたが 宣告の半の音で中元小物が山狩に飛び出し たはことごとく知っておりますしそれに 隙間もるカカな明りでここに重原部屋の あることも知らないではなかったのです中 は語座を敷いてすみっこに万年床をつくね た片のごとき男女体いりの自在鍵には大鍋 をかけっぱなしたままその下には日の太い 薪を1本突っ込んでそばに真っ黒な夜間が
1つその中に貧乏が危なく尻を温めており ます明りというのは雑然たる土の中に 古ぼけたアドが1つ切り張りだらけで かき立てて大して明るくなりっこはあり ませんが闇に慣れた目に不由はありません お嬢さんお急ぎで着替えるんだここへ人が 帰ってきちゃまずいやなきちはそう言い ながら式ずをきました中から出てきたのは 少し法は詰まっておりますが大人も着られ そうな一通りの旅 束ババの旦那はこれを着て歩けって言う けれどこんなまけなものは切られるものか ねえお嬢さん花色の桃引き今度匂うキハ 暗転から腹掛けまで一通り印の入ったの まで揃えたのはさすがに大したよいです誠 はしかし黙って見つめました育ちの若い娘 がどんなにぱ詰まったにしてもこんなもの を身につつけるのは日頃の嗜みが許さ なかったのでしょうお嬢さん早く着替えて 出かけようよこんなところを見つかった日 にはおいらだって無事じゃ済まねえぜそう 言われるとさすがに抗う勇気もありません せめてこれが美しい事後姿にでも化けるの だったら誠も躊躇はしなかったでしょうが 成分にも花色の毛引きを履いて今の反転を 切るのは思っても見ない飛び上がりな変装 ですしかし事情はもう切迫しておりました この上グズグズしていることはどんな 恐ろしい結果になるかなやんだハギや 近づいてくる犬の声などを聞いてもよく わかります孫は1度結んだ帯をほくと明り に背いて手早く桃引きを吐き続いて腹かけ をかけましたお嬢さん違うよそんなところ を首に突っ込むやつがあるものかは誠も 驚きました合わせはいつの間にやら肩を 滑り落ちて腹かけに首を引っかけたまま 大きの前に半裸体をさらしていることに気 がついたの です 13誠は腹を胸に抱いたままアドの影に うまりました小さいさはわずかに隠しまし たが首筋から背中へかけてむき出しになっ た真珠色の肌が夜の空気を匂わせて ういういしい美しさは言葉にも尽くせませ んまけだな腹掛けはこうするんだあきは 一切構わず肩先から手を伸ばして懐の 腹掛けを取り上げようとしました誠は必死 とそれを抑えて消えいるように身を揉み ますの娘が無事に腹掛けの十文字を背中へ 回せると思ったのが大間違いだったの でしょうお嬢さん手お話かけさしてやる から近々と大きの腕これは力づくでもまの 胸の腹掛けをもぎ取りそうですお前は そっちへ行っておくれ願いだから分から ないお嬢さんだな桃吉はそう言いながらふ
目を落として朝木の桃引きを履いた誠の下 半身とむき出しになった美しい上半身とに なめくじとさすがに気がついたものか顔を 背けて寝入りに目までつりましたこれなら いいなろ後ろ向きになった上に目をつって いるんだぜその代わり腹掛を後ろ前にかけ たって知らないから大吉の無邪気な調子が 孫をすっかり安どさせたものかようやく 落ち着いた心持ちにななって今匂う腹掛け 改めて首を持っていきました大丈夫かいお 嬢さんそれが済むと印の入った反転を 引っかけて白めの3弱身見れで横っちょへ 結ぶとキンを取ってキリキリと巻きます まだかいお嬢さん誠は初めて何か言おうと しましたがこんなところを見られるのが嫌 だったのか黙って手ぬいを取るとそれを かぶっでれを1本残らず揉み込むように 隠した上白いすげがを取って少し固く紐を 結びましたお嬢さんまだかいもういいわ くるりと振り返って可愛らしい目を ぱっちり開いた桃吉の前に正面を切って 立ったのは旅小束に身を固めたま鍛えた体 や浅黒い体が不思議に男姿を引き立てて いっした唇やヤホがもう少し固かったら そのまま美少年とも見えたでしょうこいつ は素敵だお嬢さん誰が見たって男だぜ本当 その言葉がいけねえなもう少しやっぽく やるんだそれから名前を決めておかなく ちゃならね途中で遠められて急にこえたな じゃ板につかないやなことまとか羽織り者 みたいだなまあキバだ負けて お前さんの役目はババクラント様の前ぶれ そいつはよかったさ出かけようか兄さん がってん2人ともわらじを吐くと大急ぎで こえた誠の着物を振り分けにしてかえ人足 外へ踏み出しましたとうと振り出したぜ嬢 さん嬢さんは嫌だねこじとかなんとか言っ ておくれちねこやに三島までひっぱりだ世 の負けのうちに峠をこしゃあは野となれ山 となれさあ人し2人は身を隠そうとしまし たがその暇はありませんでし た淡く積もった雪を踏んできたのはセの吉 座はっとした様子で立ち止まりましたが 2人が出たのは物置の隣の中原部屋で しかも男姿に分けていることまでは気が つかなかったものかそのまますれ違って物 のえ手を追っかけたの です待てへいどこへ行く小田原涼と平山 大館支配の境は今の箱根町の郵便局の ところハギの音に驚いた木番は六石棒を 鳴らして往来をいましめております虫へ まりますなんの用事だおった中の荷物を 守護するババクランド様のお先触れ明日は 立ちのはずであったがおしく振り出したに よって見前はひ一杯に入るかもしれぬと
いう情を持ってまいりますさかとれへい してやったりといった顔の桃吉孫を帰り見 てさっと駆け抜けようとする とおうこれこれれお前はなんたたかとちち を掲げて誠の美少年姿を怪しいと見たか 美しモ好きの6石棒を雪の上にかッと 鳴らし ますそれはババクランド様のご嫌こじと 申します風を引いて喉を痛めておりますが 怪しいものではございません反転のお印を ご覧 くださいなるほどそうかとれ必死に十文字 誠の反転にはほったの印がまたらしく匂い ます おこれこれれへ散歩を行き過ぎた後から 呼び止められると桃は思わずまを先へ 押しやるように逃げをしながら踏みとまり まし た石破りがあったそうだ見つかったら 捕まえて手柄にせいへい1人は女だと言う からお前たちでも捉えられることはあるま そいつはありがたいおいらは金がないんだ ババクランド様のおの世話になっいるんだ が石長破りを捕まえりゃ抜けまりののぎに 足はしないねおじさんそうともとさもきち すっかりい心持ちになってしまいました ありがとうそのカを逃しちゃならねえとじ にきっとおいらの手にするぜ気をつけて 行きなそういう声を背後に聞いて2人は さっと雪を蹴り上げまし たそこから三島へ里20発下りは登りより 骨が折れますが若さと興奮とではち切れ そうになった2人ちょうど小になった 雪明かりに透かして誠に2匹の若うさぎの ように一散に走ったの です
1.愛憎篇朗読まとめは、こちらです。https://youtu.be/_YfIe1PZpCk
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昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。
三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。
■登場人物
馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。
牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭
本庄左次郎……蔵人の添え役
桃々斎桃吉……講釈師の小僧
■用語集
飛白……カスリ・かすったようにところどころに小さな模様を出した織物。またその模様。
権助……ゴンスケ・江戸時代の下男に多い名であったところから。下男、飯たき男。
洗足盥……センソクタライ・よごれた足を洗うのに用いるたらい。
九つ……子の刻、十二時
科人……トガニン・罪を犯した人。罪人。
蓮っ葉……ハスッパ・女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行のよくないこと。そういう女。
巳の刻……午前10時から正午までの2時間。
慷慨淋漓……正義にはずれた事などを、激しくいきどおり嘆くこと。勢いのあふれているさま。元気いっぱいなさま。
苦衷……クチュウ・苦しい心の中。
糞土……フンド・きたない土。掃きだめの土。そのように、いやしむべきもの。
ちょぼくれ……ちょんがれ、とも呼ばれる門付け芸
でろれん……でろれんざいもんの略、門付け芸
やつ……2時
逸出……ぬけ出ること。とびぬけてすぐれていること。
さなきだに……そうでなくてさえ。 ただでさえ。
半間……まぬけなこと
おたんちん……のろま、まぬけなこと
大束……オオタバ・大雑把、おおまか。
炯眼……ケイガン・ぎらぎら光る目。鋭い眼力。
怯懦……キョウダ・おくびょうで気の弱いこと。
猪突……チョトツ・猪(いのしし)がまっすぐ突っ走るように向こう見ずに進むこと。
粗忽……ソコツ・軽率で不注意なこと。そそっかしいこと。それによるあやまち。粗相。
悪辣……アクラツ・自分の目的を達するためには、どんなひどい事も平気でするというように、たちが悪い仕方・性質であるさま。
駅路……ウマヤジ・宿駅のある道。街道
卯の刻……むつはん・朝の6時から7時頃のこと
鳥目……チョウモク・一般に金銭の異称。
国府……コクブ・鹿児島県国分地方産のタバコ。 上質のタバコ
■2.情炎篇 目次
0:00 真琴危難 1
4:45 真琴危難 2
9:01 真琴危難 3
13:12 真琴危難 4
17:28 真琴危難 5
22:16 真琴危難 6
26:41 真琴危難 7
31:05 真琴危難 8
35:26 真琴危難 9
39:33 真琴危難 10
43:35 真琴危難 11
47:42 真琴危難 12
52:11 真琴危難 13
56:24 真琴危難 14
#野村胡堂 #三万両五十三次 #朗読 #時代小説 #七味春五郎 #audiobook #音本
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