小池百合子 東京都知事 2016.9.6

Yuriko Koike, Governor of Tokyo
小池百合子都知事が会見し、記者の質問に答えた。
司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2016/09/r00033829/

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記者による会見リポート

「小池政治塾」開設にも意欲

就任からほぼひと月の感想を問われると、「毎日が陸上競技の近代5種か10種の試合のようだ」とすかさずオリンピックにたとえてみせた。

自民党を敵に回して一人で戦う構図を演出し、圧勝した知事選。「崖から飛び降りる覚悟への共感が集票につながった」と冷徹に自己分析した。自らの発言や一挙手一投足、ファッションまでがマスメディアからSNSまでどう受け止められるか、計算し抜いた「小池劇場」を、この日の会見でも演じた。

「都庁の大盤振る舞い」を一夜にして改革した、と打ち明ける。「都庁が作る資料はA3判で、ファイルすらできなかった」。それをA4判に変え、両面印刷にせよと指示したのが、小池流都政改革の第一弾だったという。ただ、これがエコになるか否かは両論ある。「愛読書はドラッカーやコトラー」と組織マネジメントは経営学から学んだとPRした。

外部有識者を登用した都政改革本部。「波紋を呼ばなければ改革ではない。混乱が目的ではないが、混乱するのは既得権を持つ方だろう」と語気を強めた。築地市場の豊洲移転延期では、8年前の共著にも書いたとして「食の安全こそ市場の命という思いがずっとあった」と土壌汚染問題へのこだわりを力説した。

9月下旬からの都議会に触れ「知事給与報酬半減の公約に添う条例をつくる。それに議会がどう対応するかをよく見て判断する」と和戦両様の構えを見せた。その半面で「東京は国家戦略特区をもっと貪欲に使ってこそ、金融・環境先進都市をめざせる」と、安倍晋三首相の看板政策に寄り添うのは忘れなかった。

「都知事選で私の追っかけになったり、政治を身近に感じたりした人が結構いる。受け皿となる塾かワークショップを開くのもいい」と「小池政治塾」開設に意欲を示した。若き日のエジプト留学を「遠くから見る日本への思いが強くなり、日本を見いだした5年間だった」と振り返った。飛び込んだばかりの都政から、国政を遠望するようにも聞こえた。

日本経済新聞社編集委員
清水 真人

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