ヨウヘイ オオノ(YOHEI OHNO)は、2026-27年秋冬コレクションを発表した。
積み上げることで生まれる、デザイナー・大野陽平の「理想宮」
理想宮を意味する「Ideal Palace」を掲げる、ヨウヘイ オオノの2026-27年秋冬コレクション。フランスの郵便配達員フェルディナン・シュヴァルが、奇妙な形の石に魅せられ、長い年月をかけて理想宮を築き上げた逸話に着想を得た。デザイナー・大野陽平は、シュヴァルが石を拾い集めて積み上げた営みを、自身の創作における思考やイメージの蓄積と重ね合わせる。
コレクションの出発点にあるのは、大野陽平自身が経験した「得体の知れない知性」との衝突。言葉にできない感覚に駆り立てられた体験を起点に、思考やイメージを積み重ねていく創作姿勢がコレクションの基盤となっている。そうして蓄積された要素を、フォルムメイキングや既存衣服の再構築、テキスタイル表現へと落とし込んだ。
構築的フォルムが際立つピース
象徴的なのは、独特なフォルムが目を引くピースの数々。たとえば、ウエストから裾にかけて広がりを見せる立体的なシルエットのミニ丈ドレスは、身体のラインから離れるようにボリュームを持たせた。軽快で華やかな雰囲気をまといながら、彫刻的な造形が際立つ。
鮮やかなブルーのコートは、上半身に大きく布を寄せてふくらみをつくりながら、腰から下はすとんと落ちる。上下の対比が、シルエットに強いインパクトを与えている。
こうした独自のフォルムメイキングの根底にあるのは、アトリエで積み上げてきた多様なアイデアだ。なかでも、デザイナーのチャールズ ジェームス(Charles James)のパターンメイキングを再解釈したスカートは、身体から自立するようにシルエットを形成し、エレガントなラインを描き出している。
日常着を再構築
日常着をベースにした再構築も今季の特徴だ。前身頃や袖の位置を組み替えてブラウスへと再構成した紳士用シャツや、デニムや雪柄セーターを転写プリントしたトップスとスカート、シャツの身頃のパターンで構築したスカートなどが登場する。
表面に宿る葉
また、テキスタイル表現には新たなアプローチが見られる。ペールトーンのアウターでは、ボンディング素材をレーザーカットで葉のモチーフに切り抜き重ね、まるで表面に葉を咲かせるように仕上げた。透け感のある素材越しに葉が浮かび上がり、裾にかけて独特な表情が生まれる。
「未知の美しさ」を追い求めたコラボレーション
ショーの随所にちりばめられた、様々なアーティストやブランドとのコラボレーションによるアイテムも見逃せない。タフティングアーティスト・杉山桜々による2人の女性をモチーフとしたドレスや、ラストフレーム(LASTFRAME)とのニットバッグ、スリートレジャーズ(THREE TREASURES)と手がけた凹凸ソールが目を引くスニーカーなど、「未知の美しさ」を追い求めた数多くのアイテムがコレクションを彩った。






